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『行政機関に巣くうEM(有用微生物群)』に寄せて
EM (Effective Microorganisms, 有用微生物群)は、琉球大学名誉教授の比嘉照夫氏が開発した農業用微生物資材ですが、環境や医療など様々な分野に効果があるとされています。
商品としてのEMは、株式会社EM研究機構を中核とする企業グループが製造し、日本全国と世界55国で販売されています。日本国内では、EMを普及させることを目的とし25万人もの会員を擁する巨大なNPO法人グループ、地球環境・共生ネットワーク(U−net)が活動しています。また講演会などの広報活動も活発に行われ、地方紙の社会面でも毎月数10件、EM活動を報告する新聞報道があります。これらの活動の成果があって、全国各地の自治体で公費を用いた助成が行われています。
一方で、EM推進する団体や企業の主張には科学的根拠が乏しく、自治体が効果の定かではないEMに公金を投入することへの懸念もあります。効果に対する疑念がある中でEMが広く普及してしまっているのは、EMを推進する団体企業が全国組織であり、普及対象が地方自治体であることが大きな要因と思えます。
議会が全会一致でEM導入を決め、行政が何ヶ月も大きく混乱した自治体もありますが、自治体が自らの失敗を全国に対して発表することはありません。
毎月多数のEM新聞報道がありますが、地方面と業界紙に限られます。EMを推進する国会議員が複数いますが、近年彼らが国政の場でEMを話題にすることはありません。その結果、失敗事例が活かされることはなく、EMを推進する団体企業の声だけが新たな地域に届くことになります。
この議事録集は、全国各地の自治体でEMを巡って、どの様な出来事が起きているのかを明らかにする目的で作成しました。大規模に展開しながら全国的には目立たないEM問題について、この議事録集を全国の自治体の皆様、議員の皆様、マスコミの皆様、行政職員の皆様に参照していただけることを願います。
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- 最終更新:2015-03-17 11:02:06