八王子市(1)

平成5年_第4回定例会

◎15番【町田貞之君】

 次に、生ごみのEM処理の関係につきまして質問させていただきますけれども、今まさに地球規模での環境破壊が大きな社会問題となっております。1つには、地球温暖化、あるいはオゾン層の破壊、酸性雨、あるいは砂漠化等、地球規模での大変大きな問題があるわけでございますけれども、一方では、身近な部分で交通渋滞と排気ガスの問題とか、あるいは農薬や化学肥料の不安問題、そしてまたごみとリサイクルの問題、こういったことも今大きな問題になってきておるわけでございます。これらは、それぞれ行政も大きく頭を痛めているところでございますけれども、特にごみ問題につきましては、年々と増大の一途をたどっていると言っても過言ではないと思います。
 この問題につきましては、八王子市は戸吹の清掃工場など、そしてまた北野清掃工場など、いろいろと建設的なことをやっておりまして、工事をいたしておりますけれども、加えまして、紙パック回収ボックスの設置だとか、あるいは空き瓶回収モデル事業、あるいは分別回収モデル事業等々、いろんな施策も展開いたしております。そして、残土につきましても、ストックヤードの建設とか、あるいは道路工事による舗装のアスコン塊の利用、こういったリサイクル事業に対しましては積極的な対応をしております。これについては高く評価をいたしておるわけでございますけれども、生ごみに対してはなかなか対応ができていないというのが実態でございます。
 そこで、お聞かせ願いたいと思いますけれども、平成4年度の可燃ごみの実績につきまして、家庭ごみでの持ち込みは約10万トン、そしてまた持ち込みが3万トンで、可燃ごみは合計13万5,000トンと大量になっておりますけれども、ここら辺の生ごみの比率と、一般家庭の1年間の費用についてお聞かせを願いたいというふうに思っております。
 それから、生ごみの堆肥化の容器、これは昭和60年からあっせんをしているわけでございますけれども、なかなかにおいが激しくて、手間もかかるということで、普及がされていない部分もあるわけでございますけれども、ここら辺の評判についてお聞かせ願いたいというふうに思います。
 次に、この生ごみに関係いたしまして、最近、テレビ、新聞、週刊誌等におきましては、1つには、EMで生ごみをリサイクルしよう、あるいはEMは都市ごみ問題を解決する、そしてまたEM農法は地球と人類を救う、要約しますとこういった主題で数多くの報道がなされておりまして、大きな注目を集めつつあると思っております。
 このEMとは、&color(#FF0000){有用微生物}群のことでございまして、琉球大学の比嘉教授が発見、開発をされたというふうに本で読ませていただきました。自然界に存在する&color(#FF0000){有用微生物}群を選び出しまして、それを醸成することによって1つの複合培養液をつくり、これを生ごみ等に振りかけながら、その生ごみを分解し堆肥化する、こういうことでございまして、このEMにより、土壌の改良が進み、作物の育成を促進し、病害虫に大変強い農作物をつくる、このように言われておるわけでございます。
 したがって、このEMを農業に取り入れますと、農薬まみれの無機農法から有機農法に転換できるということも1つありますし、EMは人畜無害でございまして、先ほど申したとおり、作物が病害虫に大変強い、そして甘さとか色、大きさ、こういったものも一般の今までの慣行農法よりか大変すぐれておりながら、連作もきくというふうに言われております。そしてまた、このEM農法をやっている方々が、いろんなところで実践をいたしておりまして、大きな成果が発表されているところでもございます。
 このEMを生ごみに利用することによりまして、家庭内のごみを堆肥化する、こういうことで、今、一般家庭でも始めているということも全国にもあるかというふうに思いますし、私も聞いておるわけでございますけれども、このEM菌を使うためには、ボカシという発酵、乾燥したものを使うわけでございますけれども、1カ月200円程度でございまして、大変喜ばしいということで、活用が、今、だんだんと進んでいるというふうに聞いております。この堆肥化したごみを、今は量が少なければ自分の家の家庭菜園や花壇に利用することもできるわけですけれども、大きなものにつきましては、農家に活用していただければ、大変、ごみの減量化にもつながってくる、こういうことになっております。
 ぜひ、ここら辺のところにつきまして質問をさせていただきたいというふうに思うわけでございますけれども、岐阜県の可児市等におきましては、生ごみの減量につきまして実践をしているというふうに聞いておりますけれども、ここら辺の状況がわかりましたら、お聞かせ願いたいと思います。
 ''また、沖縄の具志川市では、水道水の浄化にこのEMを使っているということで載っておりましたけれども、事例がわかりましたらお聞かせを願いたいと思います。
 また、高松では、このEMに対しましてEM農法を実践している、このようにお聞きしているわけですが、そこら辺につきましてお聞かせ願いたいと思います。''
 私も、このEMを知りましたのは、恥ずかしながらまだ半年もたっておりませんで、それですぐ、本を買いまして、いろいろと読ませていただき、早速、EM菌のボカシを買いまして、私自身、実践してまだ1カ月足らずということでございます。読んでいくうちに、生ごみの減量とか、EM農法に大変いいのではないかなという、そういった期待がだんだんと広がってきた関係から質問をさせていただいたわけでございますけれども、ぜひ、このEMについての3市の状況についてお聞かせを願いたいと思います。

◎経済部長【菊地原義明君】

 それから、2点目のEM農法の実践状況でございますが、四国・高松で、これは生ごみ利用ではございませんで、農家が野菜生産や出荷の過程で発生する野菜くず、農家専用でEM培養液を発酵させまして、堆肥化をしていると報告を受けております。高松には農家数約9,800戸余りあるそうでございますが、この大半でEM農法に取り組んでいると聞いております。

◎清掃部長【鈴木弘志君】

 可燃ごみの組成分析では、16%が生ごみですので、年間では2万1,712トンとなります。したがって、この数値をもとに1世帯当たりに換算しますと、年間で4,119円が生ごみの処理経費と思われます。
 次に、コンポストの評価ということでございますが、使用者の意見としましては、場所が必要である。あるいは虫が発生しやすい。若干の臭気がある等の声が一部でございますが、年々、口コミ等により利用者もふえ続け、現在までに8,447基の利用をいただいている経過から見ますと、一定の評価を得ていると思われます。
 ''次に、可児市の取り組みでございますが、市民を主体としました環境浄化を進める会が平成4年4月1日に正式に発足し、EMと呼ばれる微生物群をボカシと称し、地区説明会50回を初め、視察等を重ね、現在の会員数は全国で2,000人を超えたとのことでございます。
 この会の主たる活動につきましては、ボカシの生産と、個人家庭への発送等でございますが、可児市としましては、この会をバックアップする立場で、広報でのPRや、自治会等への無料配付、あるいは市施設での販売等を積極的に支援をしてきた結果、平成4年度につきましては、大幅な減量が達成できたと聞いております。''
 以上でございます。

◎水道部長【松井透君】

 EM処理の関係でございますが、現在のところ、まだ全国的にも、EM処理によって水道水に利用するというところはございません。ただ、御質問にございましたように、沖縄県の具志川市におきましては、市役所、図書館等の建物の中におきまして、合併浄化槽をEM処理をして、それを中水道として取り出し、建物の清掃ですとか、庭園の水まき、あるいはトイレの洗浄用の水等に利用しているというふうに聞いているところでございます。

◎15番【町田貞之君】

 それから、EMにつきましては、私もちょっと今実践をいたしておるわけですが、まだ1カ月ですので、なかなかこれといったことはないわけでございますけれども、実は「フライデー」の12月3日号に、「未来への知恵 ごみが生き返る」ということで載っておりましたので、ちょっと紹介をさせていただきたいと思います。
 岐阜県の可児市が載っておりまして、ごみと焼却炉の老朽化、あるいは最終処分場の容量不足で、このごみをどうしようということで、このEMを取り入れたということになっているわけですが、可児市から出る可燃ごみは年々増加しました。しかし、平成4年度は前年度の1割、1,264トンも減っています。実際にEMをやっている人たちは市民の約2割、5,000世帯ぐらいだと思いますけれども、この方々によって1,264トンも生ごみが減りました。それによりまして、約2,500万円の経費節減につながりました。
 また、可燃ごみの中で一番重いのが生ごみです。ごみ収集のローテーションや、あるいはいろんなステーションを汚すのも生ごみです。もっともっとEM効果をして生ごみを堆肥化していただいたらと、こういったことが載っております。
 あと1つには、河川や浄化槽を浄化する作用、あるいは畜産関係の悪臭緩和作用もある。沖縄県の具志川市図書館では、EM浄化法を利用した水のリサイクルシステムを導入した。その結果、水道料を何と20分の1にまで節減したという、こういうことで、水道料、これは先ほど申したとおり中水ということになっているわけですが、具志川では、最初、トイレの水まで上水にしちゃおうということでやったところが、いろんな面で、そこまではということで、中水でやったというふうに、何かで読んだことがあるわけですが、そういったいろんな可能性があるわけでございます。
 ここにも、比嘉教授だとか、富山医科薬科大学の大星教授のEM農業の本、まだ半分ずつきり読んでおりませんけれども、大変環境にもいいということになりまして、私もまだ半信半疑なところが多分にあるわけですけれども、私はやれとかやらないとかいうことではなくて、平成6年度には、EMについて情報などの収集を行うとか、あるいは調査研究、こういったものをぜひお願いしたいということが1点。
 それから、所管課におきましては、例えば生ごみだったら清掃部職員が可児市に行政視察に行く、あるいは農業につきましては経済部の方が行ってみる。あるいは水の浄化となれば、水道部か、あるいは環境部がEMのところへ行って調査してみる。そして、EMを八王子市に取り入れられるかどうかということを、ぜひやってみていただきたいなということです。そこら辺の取り組みが、そのくらいはどうかということでお聞かせ願いたいと思います。
 この前、11月28日に平塚市で、このEMの実践講習があったんですが、そのときには私は山崎課長、あるいは高橋副主幹がいたので、びっくりして、取り組みに対して大変積極的だなということで、敬意を表しておるわけでございますけれども、平塚市では、学校給食の残飯をEM化して、試しにやってみよう、こんなことでここで計画を始めたというふうになりますので、EMについて情報の収集、あるいは調査、あるいは研究、そういったものをぜひ八王子市でも手がけていただきたい。それの姿勢について2問目はお願いをしたいというふうに思います。

◎経済部長【菊地原義明君】

 文化農園の集客力でございますが、10万人は予定でございます。山里をイメージしました施設ができます。屋外レクリエーションの場として十分対応できると考えております。ぜひ御利用をいただきたいというふうに考えております。
 それと、EM農法の関係でございますが、生産性が高いなど、非常に有力なものと考えておりますが、まだ国内の公的機関によるデータがなく、農水省、食糧庁が、この評価を避けていると言うとちょっと語弊がありますが、公表をしません。いずれにしましても、農業改良普及所など関係機関とも連絡調整を図りながら、情報収集に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。

◎水道部長【松井透君】

 EMの水道水への利用でございますけれども、これは現在のところ、ちょっと考えられないところでございますけれども、参考になることもございますので、今後とも情報収集には努めていきたいと思います。

◎15番【町田貞之君】

 第3回目でございますけれども、EMにつきましては、これからのことということなので、情報収集等も含めて、研究とか調査、こういうものも必要かと思いますので、ぜひひとつよろしくお願いしたいと思います。

平成6年_第1回定例会


◎30番【山口和男君】

 それでは、3回目の質問をさせていただきます。
 清掃問題について、審議会への答申、同時進行で減量・再利用計画と有料化問題を一体に審議するということであります。私は、まず基本的な問題として、再利用計画、減量計画、まずこれを明らかにする、そういう中で、さまざまな論議が行われるだろうというように思います。一度提案した以上、なかなか撤回できないという立場なのかもしれませんが、やはり原則は、減量・再利用計画、まずこれを審議会と同時に、全市民的な視野でつくっていく必要がある。そういう中で、さまざまな広報活動を含めまして、真の減量、条例で言っているような、市民の責任と同時に参加を得ていくというような方向が実現できるのではないかというように思います。さらに、有料化を断念せよと単純に質問しても、これ以上の答弁は出ないと思いますが、ぜひ減量・再利用計画、これを一日も早く示していただきたい。そのことを強く要求したいと思います。
 ついでになりますが、4月1日に、廃棄物処理計画を発表すると思います。当然この中には、資源物の資源化、減量の目標数値が示されるのではないかというように思います。平成5年4月1日では、資源物として、古紙は1日0.6トン、瓶は1日2トンという形で、目標数値が出されましたので、今回はどのような考え方を持っているのか、お答えをいただきたいというように思います。
 先ほど資源の回収で、市民の皆さんにもみずから処分をするということで答弁をいただきました。私も、1点提案をしてみたいと思うんですが、EM菌というのは、既に町田貞之議員なども質問をして、市も承知をされているかと思います。私も、最近自分の家の庭の木が余り元気がないということもありまして、生ごみをEM菌で堆肥化するということを経験的に始めたわけなんですが、さまざまな形で市民が協力をしていく。私の家でも、大変な数の分別をやっております。スーパーへも持ち込んだりもしておりますし、市民センターにも、牛乳パックなどの持ち込みをやっておりますが、さらにいろんな分野から減量に取り組んでいくということで、EM菌を活用した家庭の生ごみの処理の問題について、ぜひ市としても普及していただければというように思います。
 コンポストも使って、かなり努力をしていると思うんですが、例えば、コンポストの普及状況はどの程度になっているんでしょうか。また、コンポストを使用しないでも、より小さな単位でできるということで、このEM菌を使った生ごみの処理は大変有効だと思います。
 このEM菌を使った比嘉照夫さん、著書を著しておりますが、その中にこのようなことが書かれております。岐阜県可児市では、家庭から出る生ごみ処理にEMを使い始めたら、生ごみが良質の有機質肥料として、家庭菜園などで使えるために、みんなが生ごみをもったいないと言って捨てなくなり、年々15%もふえ続けた市のごみ回収費が逆に15%も減少しています。ごみ処理経費が、費用がふえることに、どこの自治体も頭を抱えていますが、各家庭でもEMを使うようになれば、生ごみ問題は資源リサイクルとしてのシステム化が可能となります。現在のごみ処理のような後ろ向きのことに大きなお金を費やすのは、全くもったいない話ですし、EMで安価に解決できるわけですから、思い切り節約して、福祉や文化事業、または緑をふやすことに余力を回すこともできます。このように書かれております。
 可児市の担当者にも電話をいたしました。若干本に書いてあるのとはニュアンスも違っておりますが、可児市でも、具体的に100万円程度の補助をして、こういう運動を進めている団体に補助をして努力をしているようです。こういうこともひとつぜひ検討していただけるかどうか、答弁をお願いしたいと思います。

◎清掃部長【鈴木弘志君】

 今回の紙類の資源化で、当面清掃部としましては、約10%の減量を予定しております。これに集団回収による資源化10%を加えますと、20%となるわけですが、瓶等の不燃の資源化を考えますと、平成6年度では、約17%の減量化を予定しているところでございます。
 なお、コンポスト化につきましては、昭和60年から平成4年度末までで、既に8,447基の利用をいただいております。
 それから、EM菌につきましては、この堆肥化というものについては、現在私どもも検討しているところでございますけれども、住民の自主的活動として、今発展をしつつあることについて、私どもも承知しておりますが、八王子市としましても、実態調査等の経過を見ながら検討する課題と受けとめております。

平成6年_第2回定例会

◎28番【尾崎正道君】

 それでは、質問通告に基づいて順次質問を行っていきたいと思います。
 私の方からは3つの問題について質問をいたします。1つは、EM菌による生ごみ処理について、そして2つ目には、入院待機者のために全国の公私立病院とのネットワークをつくれないかという問題、3つ目の問題としては、最近、八王子に温泉が出たという問題についての、どのように活用を考えているかという問題であります。
 それでは、まず、EM菌による生ごみリサイクルについてお伺いをしたいと思います。
 私は、ある雑誌と友人との会話の中で、このEM菌による生ごみ処理について知ったわけであります。大変興味を持ちまして、何冊かの本を読み、この問題は岐阜県の可児市がまちぐるみでこの運動を行っているということを知りまして、ことしになって2回、現地に視察に行きました。視察をした後、私も可児市より10リットル入りの容器を3つ買ってきまして、EMによるボカシも買って、今、自分のところで生ごみの処理を行っているわけであります。私の家庭からは生ごみは一切出していないというのが、現状でありますが、その堆肥を畑や庭に持っていって作物を栽培しているわけですが、そのことも踏まえて、きょう、質問をするに至ったわけであります。
 生ごみは、御承知のように、人間が日々生活する中で必ず発生する、こういうことであります。しかし、その生ごみも、EM菌によるボカシへの発酵の有機肥料化にして処理をすると、田んぼや畑や花壇の良質な有機肥料として活用することができる、こういうことであります。
 ''有機質の分解には、腐敗分解と発酵分解の2つの系列があるということであります。通常では腐敗菌の方が強いから、放置しておきますと、腐敗菌がついてアンモニアや硫化水素など悪臭を放つわけでありますが、ある種の条件を与えてやることで発酵するわけであります。
 発酵によって、有機質のエネルギーを堆肥に変えての有効利用ができる。この方法で、私が視察した岐阜県の可児市は、人口約8万人でありますけれども、全市のごみの回収量が10%減少し、経費も年間2,000万円程度の削減が行われ、大変効果を生んでいるということで、全国から可児市へ視察が相次いでいるということであります。''
 さらに、可児市では、こうした運動を、今はまだ2割程度の運動でありますけれども、さらにこの運動を進めていきたいというふうに可児市はこの運動を進めているわけであります。三多摩地区でも、こうした可児市のいろいろな影響を受けて、この方法を実験しようとしている自治体がふえているというふうに聞いております。立川市や、あるいは秋川市、町田市、多摩市なども、それぞれ新聞報道で見る限りでは、それぞれの都市に合った方法で、生ごみのリサイクルの活動をスタートしたということであります。
 そこで、質問の第1は、現在、八王子市の生ごみはどうなっているのか。どう処理をされているのか。この辺について、まずお伺いしたいと思います。
 2つ目の問題は、生ごみの処理の方法でありますけれども、私が前段で申し上げたような、そうした方法なども含めて、生ごみの処理についてどのように理解しているのか。そして、私が今、視察をしてきた可児市のような、こうした方策なども含めて、本市としてもこの方策を始めてみる気はないかどうか、その辺についても伺いたいと思います。
 3つ目の問題としては、先ほど紹介しました立川、秋川、町田、多摩市などでは、このEM菌を使って生ごみをどのように処理をするということを進めているのか。できるだけ具体的にお伺いをしたいと思います。

◎清掃部長【鈴木弘志君】

 生ごみの収集処理量ということでございますが、生ごみにつきましては、他の可燃ごみと合わせて排出されるわけでございまして、一般家庭ごみについては、月・木と火・金コースに分け、市が直接収集をいたし、事業系の可燃ごみにつきましては館清掃工場に持ち込み、それぞれの工場で焼却処分をしております。
 また生ごみの量でございますが、可燃ごみに含まれる割合は、分析結果によりますと約16%となっておりますので、平成5年度で言えば、年間で13万8,190トンの可燃ごみに含まれる生ごみは2万2,110トンとなります。この数値をもとにしまして、一般家庭での生ごみの発生量を計算しますと、年間で3人家族で約109.5キロという数字になります。したがって、生ごみの処理については、現在では、八王子の場合、そのほとんどを焼却処分しているということでございますが、そのほか、市があっせん補助をして家庭で使用しているコンポストによる処理、あるいは他のものと合わせて焼却炉で処理しているケース、または農家等では地中に埋めまして肥料としているケース等、これらについてあっせん及び指導をしているところでございます。
 それから、本市としまして、今後、EMについてということでございますが、生ごみのリサイクルは、清掃行政に残された最後の大きな課題と認識しておりますが、生ごみを含めた減量対策としまして、4月から古紙類の分別回収をスタートさせ、住民の協力によって一定以上の成果を上げているわけでございます。早急に解決しなければならない課題も多くありますので、安定した資源化を図ることを最優先課題として、現在、全員で取り組んでいるところでございます。
 したがって、EM処理については、住民の自主的な減量リサイクル運動として大変評価はしておりますが、市としてはあらゆる角度から調査をしていきながら、市が直接事業として取り組むことについては、いましばらく時間をかけて検討させていただきたいというふうに考えております。
 それから、多摩地区の状況でございますけど、多摩市につきましては、平成6年度から、他の生ごみの堆肥化容器と同じように、容器をあっせん品目に加えたということでございます。
 稲城市につきましては、モニターを募集して、容器の一部を補助するということでございます。
 秋川市についても、現在、モニターを募集して、アンケート調査中。
 町田市については、1年前から関係部署の職員で研究会を組織して、現在、勉強をしているということでございまして、あっせんについては農協等を考えていまして、逆に販売等にはタッチをしないということでございます。
 立川市につきましては、予算化はしましたけど、現在はまだ具体的に実施はしていないと聞いております。
 最後に、東京都でございますが、現在、研究所で研究中というふうに聞いております。

◎28番【尾崎正道君】

 それぞれ答弁をいただいたわけであります。
 まず、EM菌の問題でありますけれども、4月1日より八王子市では分別収集を目的として、生ごみの収集日を3回1週より2回1週に減らしたわけでありますけれども、こうしたことは、これから夏を迎えるに当たって、非常に腐敗の激しい生ごみが屋外に置いておかなければならないということで、大変なことが予想されるわけであります。
 現在、ごみの処理の費用は、本来、市の負担にすべきであるとか、あるいは、ある程度市民にも負担を求めていくべきだとか、今、いろいろ議論がされているわけであります。これらの議論はこれから継続して行っていくわけですけれども、生ごみの問題でありますが、この生ごみが、汚い、臭い、重い、燃えない、毎日出るということで、生ごみが大変厄介なものである。ということは、私も初めてEM菌を使って、生ごみを自分で容器に入れて、上から押さえてやっているわけですけれども、大変臭いというような状況であります。
 生ごみになる前の状態は、乾物や生鮮食料品や冷凍食品、家庭の食卓やレストランの食事等々にも、どこにも生ごみというイメージはないわけでありますが、店頭にあるときにも、肉や魚も野菜も米も、食卓の上にあるときには、家庭料理も、レストランでの豪華な食事も、すべてが食料品であり、だれもが望むものであります。これらのものが、一度、野菜のくずとして捨てられたり、残飯として捨てられ、腐敗が始まると、直前まで珍重されていたものが、生ごみとして、私が前段に申し上げたような汚い、臭い、重い、燃えない、こういう状況になるわけであります。
 これは振り返ってみますと、生産者から市場に移り、そして市場から店頭に並び、店頭から家庭や飲食店、そしてそれぞれの食卓に並び、そして生ごみとなり、そして焼却するという、6段階のコースを通って焼却されるわけですけれども、この焼却に至るまでの間、本市の場合、今、部長から答弁があったことからすれば、4月1日から始めたので、ここに精いっぱいで、生ごみの処理のEM菌の問題については検討はするけれどもという、そういう話であったわけです。
 私は、この生ごみを少なくとも自分でやってみて、私の家庭からはほとんど生ごみを出していないわけですけれども、これが各家庭でほとんど取り組むようになったら、どれだけのごみが減らすことができるんだろうかということから考えれば、今の収集の問題がある程度定着したときには、次の問題としては、この生ごみの処理の問題については、EM菌を使ったボカシを利用して生ごみのリサイクルをして、そして肥料化をして、自分の庭の花壇だとか、あるいは畑で野菜をつくるとか、こういうことに利用していけば、大変いいのではないかと思います。
 聞くところによると、小田原だったと思いますが、あそこでは、集合住宅から出る生ごみを、市がこうした体制をとって、そして収集して、その生ごみを肥料化したものを、市のいろいろな花壇だとか、公園だとか、そういう植栽してあるところに肥料化して使っているということも新聞報道などでも読んだ記憶があるわけですけれども、一刻も早く、我が市もそうした問題に取り組んでもらいたい、こういうふうに思うわけであります。
 部長は、検討するというふうに言われたわけですけれども、検討から、もう一歩踏み込んで、これを例えば実験的に、先ほど立川市だとか多摩市だかと秋川市での取り組みの状況が報道されていますけれども、少なくとも、そうした市におくれず、実験的に本市でもそうした問題を進めることができないかどうか、この辺についても再度お伺いをしたいと思います。

◎清掃部長【鈴木弘志君】

 生ごみの処理でございますけど、昨日も申し上げましたが、現在、3人家族で平均300グラムの生ごみが1日に排出されます。これを最高で4日間、家庭に保管しますと約1.2キロとなりますが、これをよく水切りしますと、小さな袋に十分入るということで、いましばらくこういう形の中で検討させていただきたいということで申し上げたわけでございますが、現在のところでは評価がまだ確立されていない。あるいは、平塚市でも、実際には始めたけど、この流通過程がまだ確立されていないということで、最近では倉庫にどんどん保管されて、流れていないというような実態もあるようでございます。マンション等では、家庭菜園のためにこういうものを使用することは大変結構でございますけど、それなりの限界があるというような問題もございます。
 そういうことの一つの我々の資料としましてやっているわけでございますけど、集団回収と同じく、リサイクルの理想、いわゆる原点であるというふうに私も考えておりまして、市としてもこうした住民の取り組みに理解を示してきているところでございますが、都の研究結果等を踏まえ、八王子市としての方針を示したいと考えております。なお、内部ではモニターによる調査を具体的に検討中でございます。

◎28番【尾崎正道君】

 EM菌の問題、生ごみの処理について答弁があり、モニターなども含めて、今、そういう制度を検討しているということでありますから、ぜひそういう方向で──立川の場合は500人ぐらいのモニターをつくって、そしてこの制度を実験的にやってみる、こういう方向で進めたようでありますから、本市も今の答弁をさらに進めて、立川市が500人だから、本市もそのぐらいのモニター制度をぜひつくってもらいたい、そういうことをできるかどうか、その辺について御答弁をお願いしたいと思います。

◎10番【浅井敬子君】

 おはようございます。
 通告に従いまして、1番目、分別回収を進める中で生ごみ処理をどうするのか、2番目、市街地での緑の確保と景観について、3番目として、高齢者対応の住宅について、以上3点について質問させていただきます。
 分別回収を進める中で、生ごみ処理をどうするのかにつきまして、94年4月から、第1週から3週の水曜日を資源回収の日と決め、全市一斉に、水曜日ごとに、新聞紙、段ボール、雑誌類の回収日となりました。清掃課にお伺いしましたところ、4月、5月、2カ月で、3種類について、トータルで848トン、785トンを回収し、これは、初めの回収計画値を大方クリアしたということです。これは、ごみ減量計画のおおよそ10%を占めるということです。
 今回、この資源回収日が1日設定されたことで、可燃物収集が3回から2回に、1回減るという結果になりました。可燃ごみ中の生ごみの処理について、これから夏場に向かい、においの問題等で、何かしらクレームが出るのではないかと心配をしておりましたところ、案の定、そういう声が幾つも寄せられてまいりました。最近の家屋は、機密性が高く、防犯上からも、窓をあけて外出することができないので、帰ってくると、家の中で生ごみがにおってしまいます。特に、魚の内臓などの場合、においが強く、だからといって、外へ出していくと、猫やカラスに荒らされてしまうので、外へも出せません。におい消しのために、防臭スプレーなどをかけている人もいると聞いております。
 生ごみは水分を多く含んでいるということもあり、重量パーセントからいくと、可燃物のうち、かなりのパーセントを占めます。4人家族で、1日700から1キログラムの生ごみが出るという調査結果があります。私も、実際に何件かの家庭で調査をしてみました。十分水を切って、700から800グラムという結果でした。先日の部長の御答弁では、3人家族で300グラム、1人1日100グラムということでした。結果が食い違いますが、一般に、生ごみの50%は水分と言われています。市で行っているごみの組成分析は、清掃工場で厚生省の指定の方法で分析するそうですが、時間の経過とともに、水分が他の紙類のごみ等に移行してしまう結果ではないかと予想をしております。
 また、調理の結果によっても、生ごみの出る量は違ってくると思います。市のごみ組成分析によりますと、生ごみは16.2%、一般家庭のごみ回収量は13万3,000トンでしたから、2万1,550トンが生ごみということになります。私の調査した結果で計算をしますと、4人家族で800グラムとして、年間290キログラム、ごみ処理費トン当たり4万3,000円として、1万2,400円となります。全部家庭で処理をして、庭や畑に埋めると、1万2,400円も節税になるということになります。
 現在、本市は生ごみ処理として、エコロエース、コンポストに補助金をつけて堆肥化を進めています。これまでに、約4,200基市内に普及しているという数字が清掃の概要から読み取れます。エコロエース、コンポストで処理される以外は、全部可燃ごみとして焼却しているというのが現状です。生ごみ分野でも、さらなる減量を考えていく必要があります。
 最近、&color(#FF0000){有用微生物}群EMのボカシを利用して、生ごみの無臭化をし、堆肥化を進めている個人や自治体の話を聞きます。一般質問2日目に、尾崎議員からの質問もありました。私のお聞きしたいことと重複している部分も多かったのですが、重なる部分もあるとは思いますが、なるたけ避けて質問させていただきます。
 生活者ネットワーク、リサイクル部会で、4月のアースデーのみの市で、EMのボカシを1カ月分ぐらいずつ小分けをして、80袋用意したところ、完売をいたしました。富士森公園での販売ですから、不特定多数が買い求めたので、だれが実施をしているのかは定かではありません。一方で、私の周囲には、かなりたくさんの人が長期間EMのボカシで生ごみの処理を行っております。私も、EMのボカシを使って生ごみ処理をし、庭に埋め、花を咲かせたり、野菜をつくったりしております。今は、いろいろ試みながら、実績を積んでいます。上手にできたり、時には人によっては、においが残ったりもします。ボカシの量や温度等の条件に左右されますが、結構大勢の人たちで、楽しく生ごみ処理の実績をつくり上げています。
 私の経験では、生ごみ特有のあのにおいは、1週間から10日ぐらい室内に放置しておいてもしません。減量ですから、ごみとして出さないで、庭などに埋めるという点が重要なポイントになってまいります。私の周りの人は、ほとんど庭に埋めたり、エコロエース、コンポストとの併用で実施をしています。庭に埋められない人たちがどうするのかということが問題にはなってまいります。
 そこで質問させていただきたいと思います。1番目として、生ごみの減量で、現行のほかに、何か方法を考えていらっしゃいますでしょうか。
 2番目として、さきの他の議員の答弁で、EM菌利用の生ごみ処理を評価はしているけれども、調査をしたいので時間が欲しい。内部では、モニターについて、するかどうかを検討中というような御答弁でしたが、もう一歩進めて、これから夏に向けて、においもさらに強くなり、無臭化、減量という面で、具体的にモニター制度を実施していくという方向で進めていってほしいと考えておりますが、御見解をお伺いをいたします。

◎清掃部長【鈴木弘志君】

 生ごみの減量の最もすぐれた方法として、現在の焼却方法があるわけです。この焼却方式によりますと、90%以上が減量、減用できるわけで、この方法が現在とられる一番ベターな方法だろうというふうに考えます。
 また、そのほかの減量でございますが、現在は、コンポストによる肥料化、あるいは焼却炉、あるいは農家におかれましては、土に返す等の指導をしているところでございますが、これから考えていかなきゃならない大きな問題として、大学の学食とか、あるいはレストランの減量化、この辺について考えていかなければならない問題というふうに理解しております。
 また、EM処理を具体的に実施するための態勢、財政措置、方法等、総合的に検討いたし、EM菌の評価結果、あるいは東京都の見解等が出された段階で、市としての考え方の結論を出したいと考えております。

◎10番【浅井敬子君】

 それぞれに御答弁をいただきました。
 生ごみの処理につきましては、早い時期に、ぜひ実施の方向に進めていってほしいと思います。
 生ごみで堆肥をつくって花を咲かせるのは問題ないとしても、野菜をつくって食べるということについて、残留農薬や肉類に使用するホルモン剤の心配があります。それらは、立川の農業試験場に問い合わせをしましたところ、ホルモン剤や残留農薬の心配は99%ないとのことでした。もし、あるとすれば、輸入柑橘類の皮にあるのではないか、国産の食料なら心配はないということでした。生ごみだけでは、肥料成分が一定ではないという評価も一般的にあるそうです。ですから、米ぬかとか骨粉、あるいは油かすを加えたりする必要があるそうです。また、特に微生物を入れなくても、生ごみで堆肥づくりは可能ですというアドバイスをもらいました。ということは、生ごみを堆肥化するということについては、問題がないというふうに理解をしました。
 また、ここで言う有用微生物EM菌とは、作物生産に有効な乳酸菌、酵母菌、放線菌、光合成菌、10属80種以上の微生物を選び出して複合した培養液を指しているというふうに言われています。確かに私の経験からも、EMのボカシを生ごみにまぜると、生ごみ特有のにおいはなくなります。参考資料によりますと、水の浄化作用もあると書かれていました。これらについては、国立大学の医学部の基礎の微生物学教室に問い合わせをしました。お話によりますと、ある種の細菌は、においを消したり、たんぱく質を細菌が消化をして、浄化作用を示す菌もあるというアドバイスもいただきました。
 においが消えるというのは、町田市の農家の方で、牛ふんの有機肥料を発酵させている間、においが強く、近所から苦情があったそうですが、EM水溶液を散布すると、においがとまるという経験の話も伺っております。酪農で、牛の飲み水に入れて、消臭可能とも聞いております。資料などを読んでいますと、化学的あるいは微生物学的ということで、まだまだ解明されていない点なども幾つもあります。しかし、市民の中で、EMのボカシで、生ごみ処理をしている人が多数います。庭がないと、できた堆肥の処理が不便な点等ありますが、アパートやマンションでも、プランターで十分やり切れていると言っている方もいらっしゃいます。
 農業に堆肥として利用したり、花壇に堆肥として入れ、きれいに花を咲かせ、まちじゅうを飾っているという報告もあります。生ごみですから、何も加えなくても、土の中に埋めれば堆肥になります。しかし、EMのボカシを加えることにより、無臭化され、早く発酵が進むということは、経験的にわかってきました。
 先ほどのモニターでやっていくというのは、ぜひとも早くやっていってほしいと思います。それとあわせて、一般家庭の実施とともに、大量のごみの出る学校給食、幼稚園、保育園、老人ホーム等での実験的試みも大きな減量効果が期待できると予想されます。あわせて検討の対象にすることは可能かどうかお伺いをいたします。
 そして、その後、公園から出る剪定枝のチップなどとまぜて、有機農業の堆肥などにも利用可能ではないかと考えておりますが、そのあたり、どのような御見解かをお伺いをいたしたいと思います。

◎清掃部長【鈴木弘志君】

 単に一般家庭の生ごみだけでなく、大学の学食残渣、給食残渣、レストラン等の減量・再利用計画書の提出を急ぎ、その中で、EM処理による肥料化等も含め、検討してまいりたいと考えております。

  • 最終更新:2015-02-23 07:48:42

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