前橋市

平成6年第2回定例会

【4番(横山勝彦議員)】


 続きまして、環境の問題についてであります。いろいろな角度で地球環境を守ろう、私たちのかけがえのない地球を大切にしようという行動がなされております。地球とはもっと仲よくなれるはず、が今月環境月間のテーマでもあります。またそのイベントも開催されております。オゾン層破壊、温暖化、酸性雨、熱帯林の減少などの地球規模の問題のほか、大気汚染、水質、土壌、騒音、振動、地盤沈下、悪臭などの公害問題、さらに産業廃棄物やごみの減量化など項目は至るところにあります。1人ひとりが地球に優しい意識を持って小さなことから行動するということが必要であると思います。
 そんな中で、最近市内や県内、県外でEMという言葉をよく聞きます。調べてみましたところ、EMとはエフェクティブマイクロオーガニズムの略号で、有効微生物群とのことであります。これは何だと思うかもしれません。有用な微生物がたくさん集まって共存共栄的な仲間をつくっているという意味だそうであります。実際にどうするのかといいますと、EM菌を活用したボカシ、発酵堆肥化促進資材、これはEM菌、もみ殻、米ぬか、糖蜜、水でつくられます。これを使いまして家庭の生ごみを有機肥料にする、生ごみのリサイクルということが言えます。また、大規模な農業、野菜、花、果樹、養豚、育牛、養鶏などの使用例があります。
 そこで、幾つかお尋ねをいたします。まず、清掃部の関係ですが、現在可燃ごみの中に占める生ごみの割合は、どういう調査でも構いませんが、どの程度になっておりますか。また、生ごみの減量化に対して行政の施策として、現在どのような取り組みがなされておりますかお尋ねします。
 次に、市民部の関係ですが、ボカシによる生ごみのリサイクル運動が他県や他市においてなされていると聞いております。その中で、本市の状況はいかがでしょうか、お尋ねいたします。

【清掃部長(勝山光久)】

 環境面でEMに関連して可燃ごみに占める生ごみの割合等2点についてお答えをさせていただきます。まず、収集したごみの組成がどのようなものであるかにつきましては、ごみ収集車を抽出いたしまして組成調査を年4回実施いたしております。平成5年度まで過去5カ年の平均で見てみますと、29.6%、約3分の1が生ごみという状況になってございます。
 次に、生ごみの減量化に向けた施策と取り組みについてでございますが、まず広報あるいはリサイクルデー、工場見学会、依頼されました講演会等機会をとらえまして自家処理をお願いいたしているところでございます。また、自家処理の推進策といたしまして、生ごみ処理器の購入者に対しまして助成金を交付し、その推進を図っております。助成額につきましては、購入額の2分の1、限度額が 3,000円までということになっておりまして、平成5年度実績では 334基の購入がございました。今までの累計ですと、約 4,000基助成をいたしておりまして、生ごみの減量化に貢献いたしているところでございます。今後も自家処理の推進についてはいろんな面で積極的に取り組んでいきたいと思います。以上でございます。

【市民部長(深澤行太郎)】

 EM菌を活用したボカシによるごみのリサイクル運動の本市の状況はいかがかというご質問にお答えいたします。本市では、前橋市消費生活安定推進会議の委員や消費生活向上研究活動地区、市内6地区あるわけでございますが、これらで実施をしております。市民に対しての啓蒙といたしましては、昨年の消費生活展やリサイクルデー等で公開実演を実施したのを初め本年6月1日号の広報まえばしでEMボカシのつくり方を掲載をいたしました。また、去る6月5日の環境の日には、児童文化センターにおきまして講習会を開催し、モニターの募集とボカシ肥の無料配布を行いましたが、反響が大きく、その後も電話での問い合わせや要望もございまして、来月の16日には再度講習会を開く予定でございます。
 また、この運動を推進していく上での問題として、密閉した専用容器の購入の問題、またボカシ肥の入手の方法、ボカシ肥つくりの場所と材料の確保など、個人で対応するのが難しいわけでございまして、市民の皆様が利用しやすい手段を講ずることが今後必要かと思われますので、関係課とも協議しながら検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

【農政部長(高坂小弥太)】

 環境問題にかかわる農政関係の対応でございますが、お答えをさせていただきます。まず、低農薬、無農薬、有機栽培という点につきまして、本市の取り組みでございますが、平成5年、6年、この2年間にかけまして環境保全型農業につきまして国の補助事業として実施をしているところでございます。地区につきましては、木瀬地区の水稲栽培を低農薬有機栽培で実施がされております。そのほか畜産の公害対策等でございますけれども、これはやはりそれぞれの補助事業を導入をいたしまして畜舎の近代化、それからふん、し尿の浄化槽の整備、こういうものを通じまして畜産公害対策に従来から取り組んできているところでございます。
 それからさらに、ご指摘のEMの導入でございますけれども、これに類似をする、養豚農家でございますけれども、飼料に混入をするものを使って公害対策に対処していると、こういう状況も既に現出をしているところでございます。ご質問のEMの利用の実態でございますけれども、本市におきましては、昨年の10月から養豚専業農家が2農家導入をして、現在実験をされているという状況でございまして、明確な効果は把握がされていない、こういう状況でございます。この導入のねらいでございますけれども、生体の増加促進、それから肉質の改善、さらに臭気公害対策、こういうものがねらいでその成果を期待しながら農家が実施をしているところでございまして、その効果の反面としまして、安全性と経済性、これらの問題も同時にクリアできるかどうか、この辺を特に重視をしてその2農家が取り組んでいるようでございます。その成果が上がれば、組織的に養豚農家で利活用を図っていくと、こういうことでございますので、今後試験研究機関と連携をしながらこれらの農家を見守っていきたいということで、研究課題にさせていただきたいと思っております。以上でございます。

【4番(横山勝彦議員)】

 次に、環境に対してでありますが、EM法の場合は、従来のコンポストと若干異なる容器やEM菌等の購入に費用がかかるようでございますが、そこで従来のコンポストに追加いたしましてこれらに対する助成制度というものを検討していただきたいと思いますが、この取り組み方についてお尋ねをしたいと思います。

【清掃部長(勝山光久)】

 EMにかかわる助成制度の追加の件でございますが、EMボカシについては、確かに全国的にも注目されている状況のようでございますが、この普及状況あるいは実績効果、この辺を見ながら今後関係各課と連携を保ちながら将来的にこの生ごみ処理器とこれの整合性を考えながら検討していきたいと、このように考えております。以上でございます。

【4番(横山勝彦議員)】

 それから、EMの関係でございますが、消費者団体、そしてまたリサイクル活動の推進ということで市民運動が盛んになってきております。そういう意味で、ぜひ横の連携を密にしていただきまして、縦、横がいつでも手を取り合える行政につなげていってほしいと、つくっていただきたいというふうに思います。そしてまた、行政と市民が同じ目的に向かいまして進めるよう、行政としての指導を要望したいと思います。

平成6年第4回定例会(第3日目)

【20番(小島桂吾議員)】

 それから、ごみの減量化でございますけども、このところごみ減量の対象として廃プラスチックが盛んに取り上げられるようになりましたけども、昨日からも廃プラの油化の問題が出ていますけども、生ごみも大変大きなウエートを占めるものでございます。全国各自治体は、それぞれごみの減量化や再利用に知恵を絞っておりまして、住民組織の強固な中小市町村が全面有料化や徹底した分別によるリサイクル型の地域社会の実現を目指しているところもありますし、大都市圏の自治体も実用段階に入った新技術の導入によって、それをてこに省ごみ社会システムの確立を目指しているところもございます。ごみは、そこに住む住民の生活意識とコミュニティーへの参加意識のバロメーターだというふうにも言われておりますし、地方自治の原点と言われる先進自治体のごみへの取り組みを積極的に導入すべき時期にあるんではないかというふうに考えますけども、例えば最近ではEM菌を活用した生ごみ処理方法が取り上げられるようになってまいりまして、本市でも普及し始めておるところでございますけども、このEM菌処理について、一般市民に対してどのように啓蒙、啓発を行っておるのか。
 さらに、生ごみを処理する方法としてEM菌を使用した有機肥料化をする方法でございますが、これは脚光を浴びてきているわけですけども、学校給食の共同調理場ではこの処理方法を取り入れられる面があるのかどうか、この辺もあわせてお伺いしたいというふうに思います。

【市民部長(深澤行太郎)】

 ごみの減量化対策の中で、EM菌を利用した生ごみ処理について、市民に対してどのような啓蒙、啓発を行っているかというご質問にお答えを申し上げます。
 EM菌を利用した生ごみ処理の普及につきましては、ごみの減量化と生ごみの有効利用を図るため、前橋市消費生活安定推進会議の委員が中心になって、2年ほど前から実践活動を展開してまいりましたが、その効用が注目をされ、現在では市民の間にかなり普及してまいりました。市といたしましては、本年度消費者啓発の一環として、消費者団体や地区婦人会、市民グループ等に対し、既に8回にわたり、延べ 900人の参加のもとに講習会を開催するとともに、環境の日や消費生活展、リサイクルデー等のイベントの際にも、ボカシづくりの実演やボカシ肥の無料配布等を行い、普及啓蒙に努めてまいりましたが、市民の関心は高く、ごみの減量化と環境に優しい暮らし方の実践として有効な施策であると考えますので、今後さらに啓蒙、啓発を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。

【教委管理部長(大谷輝治)】

 共同調理場におけるEM処理をして有機肥料化を行うことについてでございますが、このEM処理につきましては、東部共同調理場の建設過程におきましても検討した経過がございます。このごみの処理問題でございますが、現状におきましても各調理場ごとに処理をすることがよいのか、あるいは投入から肥料まで1週間から10日ほどかかることから来ます施設設備投資などいろいろあります。現在の施設の状況からいたしまして、実施することは大変難しいのではないかと認識をしているところでございますが、生ごみの再生に威力があること、ごみの減量化にも役立つという捨てがたい面もございますので、ご指摘のことにつきましては、今後の課題として受けとめさせていただきたいと思います。
 なお、生ごみの減量化につきましては、今後も引き続き努力してまいりたい、このように考えております。以上でございます。

平成8年度予算委員会_経済委員会

【浦野委員】

 厨芥類のコンポストに対して取り組みを研究、検討されていくというご答弁をいただきました。埼玉県和光市やまた山形県の長井市、香川県の高松市、茨城県の日立市などでは、この家庭の生ごみをEM菌を使って、俗に言うEMボカシですが、肥料化し、農家に配布し、有機肥料として活用しています。私たち公明市議団も、この4月埼玉県の和光市を視察してまいりました。そこでは家庭から排出された生ごみが堆肥化されて、そして希望する農家に肥料として袋詰めされて配られています。この堆肥の問題にはいろんな意見もありますけれども、この家庭の生ごみの中に食品以外のものが多くまざって肥料としては課題があるという意見もありますけれども、この山形県の長井市などではレインボーシステムとして完全に農協と農家、そして市民、またそのリサイクルのシステムがまさにレインボーシステムと言われるようになっております。4万足らずの都市ではありますけれども、その内容については非常に積極的な取り組みなどが行われています。このように家庭の生ごみそのものが家庭が肥料の生産者になり、そしてそれが長井市なんかの場合は堆肥センターに集められて、その堆肥が農協の流通を通してよりよい肥料として農家に配られております。これは一般家庭がそれの提供者、生産者になっているわけです。それを使った肥料を農家が有機肥料としておいしい野菜をつくっているわけです。そのように理想的な状態がありますし、この家庭の生ごみの中にはそのような不心得のほかのものが間違って混入するということなどがないように努力もされているようであります。規模は確かに小さいかもしれませんけれども、和光市も小さな市でありますが、そういうところでの先進的な取り組みは、人口が少ないといっても私たちにとっては非常に先進的な状態であると思います。そういうような視点から、本市においてもこのようなシステムを活用すべきと考え、その検討をすべきではないかと思いますが、当局のご見解をお願いいたします。

【佐藤清掃課長】

 有機肥料のシステム活用というご提案でございますけれども、一般家庭で生ごみをボカシ処理をいたしまして、農家の肥料として供給活用するためには、全市的に普及、導入し、継続利用することの市民の理解あるいは肥料化するための収集方法や加工施設あるいは供給先の確保等、肥料としての品質、安全性等いろいろな問題があるわけでございますけれども、今後十分研究してまいりたいというふうに考えております。また、このシステムの導入が可能であれば、市民の理解を得ながら生ごみ処理器等の普及、推進に努力をしていきたいというふうに考えております。以上でございます。


  • 最終更新:2015-03-11 09:12:05

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