鴻巣市(2)

平成19年  3月 定例会

◆ 8番(町田信隆議員)

  次に、イ、地域住民への影響について。桜並木と道を隔てた第1列目に居住する方々と懇談するたびに強く感ずることがあります。それはアメリカシロヒトリとの格闘であります。戦後北アメリカから東京付近に侵入し、全国に広がったとされるこの虫は、桜などの葉を好み、それらを食い尽くした後は道端や住居までも侵入してくる白い色をした蛾は、実際に被害の体験をしてみないとわからないおぞましさを持つ害虫であります。1回目の答弁にあったように、これまでも害虫駆除には桜の木の被害を受けた部分の剪定や捕殺、防除が困難なときの薬剤散布など、多大なるご苦労をされてきておりますが、全面解決には至っていないようであります。

  先日、私はホームページで見つけたのですが、アメリカシロヒトリ対策活動という害虫駆除の事例であります。一言で言えばEM菌有用微生物群活性液をアメリカシロヒトリ発生の1カ月前に散布することによって発生を抑えることであります。EM散布により害虫がいなくなるだけでなく、木や葉が元気になり、春の桜の花だけでなく、秋の紅葉も見事であるとの一石二鳥の方法だと推奨しておりました。従来の有害な薬剤散布ではなく、無害なEM散布により住民との共存が可能になります。
  桜の木の剪定作業については、樹形や強風対策を考慮し、害虫の飛散防止を目的として剪定を行っているとの答弁がありました。しかしながら、505本を擁する桜並木に年間50本程度の剪定では、一巡するのに10年かかってしまうことになります。そこで、枝の剪定には住民の意向を反映させるようにしてはどうかと考えます。505本の桜それぞれの特質を理解しているのは最も近くに住む住民であり、その意向を取り入れていく中で、だれからも喜ばれる桜の名所になるものと考えます。

  質問のア、桜の木の害虫駆除対策としてEM散布を導入することが重要と考えますが、執行部の見解を伺います。
  イ 、春の桜と秋の紅葉を花のまち鴻巣としてPRする必要があると考えますが、いかがでしょうか、ご見解を伺います。
  ウ、桜の木の剪定に当たっては、地域住民の意向を反映されることに対する見解を伺います。

◎ 成塚益己まちづくり部長兼建築主事

  ''次に、イについてでございますが、害虫駆除対策としてのEM菌散布についてですが、このEM菌利用は、本来土壌の活性化を図り、病気や害虫に強い樹木に育てるのが目的と伺っております。この培養液を葉に散布することにより、害虫の取りつきを抑えるものです。EM研究機構に確認したところ、面的な樹木には効果が見られたが、街路樹ではその環境により効果に差が出るとのことでした。実施に当たっては菌の培養から始めなくてはならないので、今後の体制での取り組みが可能か検討したいと思います。
''

平成19年  3月 定例会

◆ 25番(渡辺仁議員)

  続きまして、(2)河川の浄化問題について。今回の一般質問が任期最後の機会となりますので、OBでもある私は、共和小学校の児童の皆さんに共和地区のために提言をしていただいたことを決してむだにすることがないように応援したいと思います。鴻巣駅から一番遠い位置にあるとされる共和地区ですが、空気のおいしい、川のきれいな、そんな暮らしやすい地域になってほしいと願い、質問いたします。
  最近共和地区には大型の宅地開発が進んでおりまして、住宅がふえてきました。それに伴いまして人口の増加、また小学児童の増加等、何かと一安心というところです。この要因の一つとしましては、都市計画法34条8の3という市街化調整区域内の規制の緩和を図る開発制度の見直しがされたことが最大の要因であると思います。地域の活性化が最大の目的でありますので効果が出てきている、そんな感じがしております。
  共和地区に移り住んでいただいた方には、快適で暮らしやすい環境に満足していただきたいところでもあります。数ある住宅候補地の中からこの場所を選んでいただいたわけですから、それにこたえてあげたいところです。
  共和小学校では、毎年総合的な学習時間の一環として、6年生の児童が最初は村長へ、そして町長へと提言をしてきました。ことしも1月25日に市長さんへの提言として発表会が行われました。発表の場には原口鴻巣市長、鈴木教育長、池澤川里支所長が出席されました。今までは、発表する児童の皆さんが全員で役所へ出向く形でございました。今回は共和小学校まで来ていただけたそうです。これは「21世紀の川里、新しいまちづくりに挑戦」と題して学習したものです。今回は、今建設中の花と音楽の館かわさとに関するお話を池澤川里支所長さんから詳しく説明を受けたそうです。そして、それに基づき、きれい、便利、蛍の三つの視点から課題を見つけて調査、観察、体験を重ね、子どもたちの考えをまとめ、提言したそうです。その提言の内容については、次のようなものです。
  提言1、共和をきれににしよう。今汚れているところはごみを取るだけでなく、ごみを減らすために花を植えてはどうか。浄化水槽を通した水のみ排水するようにしてはどうか。
  提言2、便利な川里にしよう。店内すべてバリアフリーの店(スーパー)を誘致してはどうか。フラワー号のルートをより多くの人が利用できるようにしてはどうか。

  提言3、蛍を放流し、蛍博物館をつくろう。野生の蛍を共和の川によみがえらせるため、EM菌EMだんご)を投入して川の水質を浄化させてはどうか。より多くの人、世代に蛍のことを知ってもらうために、蛍博物館をつくってはどうかというものでした。
  この共和小学校は、皆さんもご存じのとおり蛍の学校として知られるようになり、毎年7月ごろ蛍観賞会が開かれています。子どもたちが卵から幼虫、成虫になるまで一生懸命観察しながら育てております。環境教育の一環でもある蛍の飼育は、全校生徒の目標でもあります。今までもきれいな共和、蛍がすめる川里を目指して提言をしてきましたが、行政としてはそんな子どもたちからの提言をどのように受けとめているのでしょうか。具体的に取り組んでほしいところですが、このことは何度となく新聞などにも取り上げられ、報道されております。提言の発表後、感想を原口市長よりいただき、「鴻巣市のテーマは花、ともにきれいなまちにし、自然を大切にしていくために皆さんの力をかしてください」との返事があったそうです。そんな提言に対して三つのことを質問します。
  ア、共和小学校児童からの提言の対応は。
  イ、汚れている川の調査や実態の把握状況は。
  ウ、蛍を川によみがえらせたいとの提言について市の考えは。


◎ 加藤孝市民環境部長

  続きまして、2、河川の浄化問題についてお答えします。順不同となりますが、まず初めに、イの汚れている川の調査や実態の把握について、鴻巣市では市内に流れる河川や水路の合流地点34カ所で毎年10月の決められた時期に水質調査を実施しています。この調査結果を「鴻巣市の環境」という冊子に掲載し、過去からの水質の変化の記録を比較しています。これらのデータを見ますと、多少のばらつきはありますが、年々水質の浄化が進んでいることが確認されております。これは、公共下水道や合併処理浄化槽、農業集落排水の普及による効果が大であると考えます。

  公共下水道の普及は平成18年2月現在で約3万世帯、合併処理浄化槽の普及世帯は約1万2,000世帯となっています。公共下水道未整備地区での汚れた排水の大半は一般家庭からの排水であり、そのまま河川に排水しますと、河川に流れ出す水質汚染の量は、合併浄化槽処理の排水に比べて8倍汚れた水になります。このため、市では補助金制度を設けて合併処理浄化槽の普及を推進し、平成18年度の補助件数は平成19年2月現在で74件ほどありました。ほかに鴻巣市では農業集落排水の普及は850世帯でございますが、最終処理場の汚泥の減量のために、汚泥の中にEM菌を投入しています。これによる効果は大きくあらわれており、ある施設では過去EM菌を使用したことにより、汚泥の処理量が40%にまで減少した例もございます。
  次に、蛍を川によみがえらせている他市の事例といたしましては、群馬県吾妻郡東村では天然蛍が繁殖しており、まち全体で蛍の保護に取り組み、その成果が着実にあらわれているとのことです。
  現在鴻巣市としては直接蛍を川によみがえらせる関係の活動につきましては行っておりませんが、鴻巣市内の滝馬室にあるボランティア団体が平成18年10月22日日曜日に蛍の幼虫を馬室氷川神社のわき水に放流し、翌年の夏に観賞できるようにとの活動をしています。当日は一般の人も募集して、親子連れの参加者も一緒に放流体験ができました。平成19年の夏には氷川神社の林の中を蛍が飛び交うのが見られると思います。
  河川の浄化等により、昔のように蛍のすめるようなきれいな河川が戻ることを願い、今後市といたしましては共和小学校児童からの提言の趣旨を踏まえ、河川に流入する各家庭からの生活排水の浄化を推進するための方法として、合併処理浄化槽の設置の促進や合成洗剤や廃食油等の河川への排水を抑制していただきますよう、積極的に広報等による啓発活動を考えておりますので、ご理解くださいますようお願い申し上げます。


平成19年  9月 定例会

◆13番(大塚佳之議員)

  初めに環境行政、(1)地球温暖化対策の取り組みについて。本定例会の初日、8月30日の中で行政視察研修報告があり、私を含む会派鴻巣フロンティアは愛媛県東温市へ出向いた旨の報告がされました。東温市は環境行政にすぐれた実績を持ち、他の先例となっていることは既にご報告された内容で明らかです。そこで、東温市と本市との比較について2点にわたり伺います。
  ア、エコ市民育成事業としての取り組みの中で、特に小学生を対象とした事業についてどのような違いがあるのか。
  イ、新エネルギー導入に関して先例市に見習うところがあるのかどうかについてそれぞれお尋ねします。

◎ 加藤孝市民環境部長

 そこで、ご質問のエコ市民育成事業についてでございますが、東温市では、子どもの成長に伴って環境に配慮した行動のできるエコ市民になっていただくことを目的とし、小学生の環境学習プログラムであるエコキッズに取り組んでいると伺っております。これは、学校教育を通じて環境負荷の少ない暮らしの実践として、小学生が家庭での電気やガスの使用量やごみの量を記録することで削減の変化を感じ取ることや、ISOの運用システムにより実際に学校や学校を取り巻く地域の環境保全に自主的に取り組んでいるというものです。
  本市においても、東温市の事例に近いものとして、埼玉県が地球温暖化対策の一環として推進しているエコライフデーへの参加を積極的に行っております。この事業は、埼玉県が主体となり、6月と12月の環境月間の機会をとらえて、県民に環境と地球温暖化防止を考えたエコライフを送っていただき、1日の成果をチェックシートに記入し、削減できた二酸化炭素の量を市町村ごとに集計し、環境保全の大切さを感じていただくという趣旨で、多くの県民や事業所等が参加している事業でございます。
  本市では、埼玉県が委嘱した地球温暖化防止活動推進員7名の協力と教育委員会の協力をいただき、昨年1年間を通じた参加者数では約2万5,000人と、県内52市町参加の中で上位から2番目に多くの参加をいただいたところです。ことしも7月1日のエコライフに参加をいたしましたが、市内全小学生6,650名中4,673名、率にして約7割の参加をいただきました。また、昨年度に増して小中学校生を初め高等学校及び専門学校生にも推進員より参加協力を呼びかけていただいたことで、昨年より約9,000人ほど多くの参加をいただいたところです。これは、推進員を初め教育委員会を通じた啓蒙活動による市民の高い環境意識のあらわれではないかと認識しております。

  一方、本市で環境に関する活動を行う団体として、リサイクル等の廃棄物関係や環境教育を主に実践、また調査研究を行っている「ザ・すぎちゃんズ」という彩の国こどもエコクラブの団体会員がありますが、これまでの活動が認められ、環境作文コンテストにおける文部科学大臣賞や経済産業大臣賞を初め、環境地図作品展や環境新聞づくり等多くの受賞歴がございます。特に平成17年にはこどもエコクラブ全国壁紙新聞コンクリールにEM生ごみ堆肥を利用した野菜づくりが埼玉県代表作品となり、参加をしております。
  今後もこのような環境配慮活動の輪がさらに発展し、拡大するよう、市といたしましても積極的に支援していくとともに、地球温暖化対策につきましても、関係機関と連携を図りながら、小学校の総合的学習の時間等を活用させていただき、幼少期からの環境意識の向上に取り組んでまいりたいと考えております。


 平成20年  3月 定例会

◆10番(谷口達郎議員)

  2として、元荒川の桜の保存についてであります。まちづくりの目標について、市長は新市計画の目標を「花かおり 緑あふれ 人輝くまち こうのす」と目標を置いておりますが、この中に吹上地域の元荒川に有する桜について何も触れられておりませんが、吹上の桜は既に桜としての最盛期を過ぎているものと私は判断しております。この吹上の桜は埼玉百選にも選ばれ、市民を初め多くの皆さんより親しまれており、市の貴重な財産でもあります。今回の施政方針の中に何にも触れられておらず、先人から育てられてきた桜の維持に不安を感じていますので、市長はどのような対応を考えているのかお尋ねいたします。


◎ 原口和久市長

  次に、2点目の元荒川の桜の保存についてお答えいたします。吹上地域の元荒川沿いにあります桜並木は、500本余りの桜が川の両岸約2.5キロにわたって植えられており、春になりますと色鮮やかに壮観に咲き誇り、市内外から訪れる大勢の皆さんを魅了いたします。この桜並木は、花と清流、元荒川の桜として21世紀に残したい埼玉の自然百選に選ばれた名勝であり、川沿いが親水護岸で整備されているほか、意匠を凝らした橋もかけられているなど、見どころもたくさんあり、本市の有力な観光資源になっております。
  また、本市では、道草のできる道づくりと整備テーマであります郷土意識をはぐくむふるさとの散歩道を基本理念とし、鴻巣市全域を対象に市内の公園緑地施設、主要な公共施設、保全緑地や自然な空間、主要な歴史文化施設、代表的な郷土景観地区など、ネットワークで結ぶふるさと総合緑道の整備を進めております。
  この緑道は、本市のまちづくりを構成する上で欠くことのできない骨格としての機能と同時に、市民の皆さんの快適な生活環境の向上、ふるさと意識の醸成、残された自然や郷土景観の保全と触れ合い、そして身近なゆとり空間を提供することを目的としております。さらに、この緑道は来訪された皆さんに本市の魅力や個性をアピールすることなども期待できるものです。
  一方、当時の吹上町でも平成3年3月にふるさとの散歩道基本構想を策定し、この基本構想に基づき、豊かな自然や地域文化に触れながら町内を周遊できるふるさとの散歩道の整備事業が開始されました。元荒川の桜並木につきましては、この散歩道の主要なゾーンとして位置づけられております。このふるさとの散歩道は、本市におけるふるさと総合緑道でありますので、今後も継続して整備を進めたいと考えております。平成20年度は袋地区の元荒川沿い約400メートルを整備する計画であります。なお、この整備計画につきましては、施政方針の中で説明させていただいております。
  ご質問の元荒川の桜並木は、本市の貴重な財産であり、本市の将来都市像であります「花かおり 緑あふれ 人輝くまち こうのす」を代表する名勝の一つであると考えております。議員が言われますように、この桜並木は昭和29年ごろに植えられたものでありますので、桜としての最盛期は既に過ぎております。また、鴻巣市吹上地区振興会議から元荒川の桜についての提案がありますことから、市では桜の維持管理に慎重を期しているところであります。

  現在この桜並木の維持管理は、市で委託をしております鴻巣市シルバー人材センターが行っているとともに、地域のボランティアによる清掃や除草活動も行われるなど、市民との協働による桜並木の景観保全管理が定着しつつあります。また、桜並木を守り育てる新しい管理の方法として、樹木が元気になり、樹木の毛虫対策として効果があると言われておりますEM活性液による管理につきましても、今後試験的に実施してまいりたいと考えております。
  元荒川の桜並木は本市を代表する花の名所でありますので、今後におきましても適切な維持管理に努めるとともに、地域の皆さんにも自分たちのかけがえのない財産であるという意識を持っていただき、地域の皆さんとの協働による地域に根差した維持管理を行ってまいりたいと考えております。

平成20年  6月 定例会

◆ 11番(町田信隆議員)

  大きな2番、まちづくり行政について、(1)桜守り育成について、ア、元荒川の桜の樹勢調査について。元荒川の桜が満開の4月にはたくさんの人出があり、初めて訪れる方も多く見受けられるようになりました。しかしながら、この元荒川流域505本の桜も、見方を変えれば樹勢が衰えつつあるというのが率直な印象であります。
  先日、視察で訪問した長野県須坂市の臥竜公園は北信濃一の桜の名所と言われ、園内には樹齢80年のソメイヨシノ260本が今でも咲き誇っています。これには、桜を守る市民と行政が協働して臥竜公園守りの会を結成し、樹木医の指導、協力を得て、2001年から取り組んでいるそうであります。樹勢の衰えが、さまざまな施策により回復の兆候が見られるようになったそうであります。この実例から見て、桜の樹勢回復にはこうした市民と行政が協働した本格的な取り組みが必要であると考えております。元荒川の桜の樹勢調査及び樹勢回復について見解を伺います。
  イ、アメリカシロヒトリ対応について。元荒川の桜並木の管理について、本市においては害虫駆除の方法として枝切りとディプレックスという薬剤散布を中心に行っております。

  先日、アメリカシロヒトリの駆除に対する情報があり、視察に行ってまいりました。訪問先は埼玉県の上里町立上里中学校であります。上里中学校の校庭には30本ほどの桜とそれ以外の樹木70本があり、自然豊かなところでもあります。桜や樹木の毛虫対策として、従来は化学合成物質を使用した農薬散布を実施していましたが、農薬アレルギーの生徒への対応として新たに天然の除虫菊粉末を主成分としたEMを混合した粉末状の資材を散布しており、効果を上げているとのことでした。これは除虫菊に含まれるピレストリンにより殺虫効果が期待でき、農薬は使用しないので人体への影響はないそうです。従来の農薬散布にかわる害虫駆除方法の実例効果の確認はこの1件だけですが、調査研究する意味は大きいと思います。アメリカシロヒトリ駆除で脱農薬の方向が必要と思うが、見解をお伺いいたします。

◎ 武藤宣夫まちづくり部長

  吹上地域の元荒川沿いにあります桜並木は、500本余りの桜が川の両岸約2.5キロにわたって植えられており、ことしの春も色鮮やかに壮観に咲き誇り、市内外から訪れた大勢の皆さんを魅了いたしました。また、4月5日土曜、6日日曜日には、満開の桜の中、桜まつりが開催され、YOSAKOIソーランやフラダンスなどの催しや模擬店が軒を連ね、桜が舞う中、清流元荒川を屋形船が行き交うなど、優雅で情緒あふれる風情は、まさに本市を代表する名所でございます。
  しかし、このような桜並木も昭和29年ごろに植えられたものであり、桜としての最盛期は既に過ぎておりますことから、市では桜の維持管理に慎重を期しているところでございます。
  ご質問の元荒川の桜の樹勢調査についてでございますが、市ではこの桜並木の維持管理を社団法人鴻巣市シルバー人材センターに委託しております。一方、地域のボランティアによる清掃や除草活動も行われるなど、市民と協働による桜並木の景観保全管理が定着しつつあります。

  また、桜並木を守り育てる新しい管理の方法として、樹木が元気になり、樹木の毛虫対策としても効果があると言われているEM活性液による管理を昨年度から樹木35本を対象に試験的に行っております。なお、議員が視察された須坂市の臥竜公園にあります樹齢80年のソメイヨシノの樹勢回復は、EM活性化液を使用した管理によるものでありますことから、現在試験的に実施しております元荒川の桜並木につきましても、徐々に樹勢回復があらわれてくるものと期待しております。
  次に、アメリカシロヒトリの対応についてでございますが、元荒川の桜並木の維持管理につきましては、社団法人鴻巣市シルバー人材センターに委託しており、アメリカシロヒトリの駆除方法としましては、被害を受けた部分の枝切りや捕殺などを優先的に行うこととし、これによる防除が困難な場合には、ディプテレックスという薬剤散布を行っております。この薬剤散布に当たりましては、事前に告知看板やチラシを配布するなどにより近隣の皆さんに周知しておりますが、苦情や問い合わせも多く、市では対応に大変苦慮しております。

  議員提案の薬剤ではなく天然の除虫菊粉末を主成分としたEM資材を混合した粉末を散布する毛虫対策は、樹木と環境に優しい画期的な方法であると認識しております。今後このような対策を行っている先進地の取り組み事例などについてさらに研究を重ね、現在試験的に行っているEM活性液による桜並木の管理とあわせて実施を検討してまいりたいと考えております。

平成21年 12月 定例会

◆20番(星名悟議員)

  彩の国だより11月号に、「木を植えたらお知らせください。710万県民一人一本植樹運動」、県は今年度100万本を植樹を目標に緑の再生に取り組んでいます。対象は、平成21年4月以降、県内で植えた木であれば木の種類、本数は問いません。木を植えたら一人一本植樹運動にエントリーしてください。あなたの植えた1本を710万本の中にカウントします。ホームページの植樹カウンターに登録してくださいという事業です。12月4日現在、まだ1,278本がエントリーされているだけです。目標まで気の遠くなる数字が残っています。鴻巣市におきましても、本事業に何らかのかかわりがあるのでしょうか。イとして、710万県民一人一本植樹運動についてお伺いいたします。

◎ 福島一美まちづくり部長

  次に、710万県民一人一本植樹運動についてでございますが、埼玉県では高度経済成長期における都市化の進展に伴う緑地の減少に対して緑地の保全と推進に努めてきましたが、最近30年間で見ても平地林などの身近な緑は浜名湖の面積に相当する約6,514ヘクタールも失われている状況となっております。そこで、埼玉県では、緑豊かな埼玉を守るために平成20年4月に自動車税の一部を財源とした彩の国みどりの基金を創設し、緑の再生に本気で取り組み始め、平成21年度の彩の国みどりの基金を活用した事業の一つが710万県民一人一本植樹運動となっております。この事業は、710万埼玉県民が一人一本の木を植えれば710万本になるという一人一本植樹運動を展開し、緑の再生を図るというものでございます。

  本市におきましても、先日開催された、かわさとフェスティバルでの緑の募金を活用した苗木の配布も一人一本植樹運動推進の一助になっているのではないかと考えております。さらに、県民との協働、県民参加という観点から、自分たちの地域の環境づくりは、自分たちの手でやってみたいという思いをお手伝いする事業として、みどりの埼玉づくり県民提案事業という制度があり、埼玉県から補助金が交付されております。平成21年度の本市関連事業としては、特定非営利活動法人EMネット埼京による吹上地区の元荒川桜並木の環境保全事業と元市町内会による鴻巣公園内に桜の苗木を植える地域ぐるみで緑を育てる元市町内会プロジェクトの2件が採択され、地域の皆さんが自分たちの手によるみどりの再生、育成の取り組みに対し、応援しております。

◆29番(岡田恒雄議員)

  4、まちづくり行政。(1)本市の将来都市像「緑あふれる行政」について。森林は、国土の保全、水源の涵養、地球温暖化防止などの公益的機能を持っており、私たちに多くの恵みをもたらし、潤いや安らぎを与えてくれています。CO2吸収の重要な要素である環境重視型植樹は、命を植えるとも言えます。本市では緑化推進条例が制定され、30年が経過し、さらに本年には緑の基本計画も作成されております。本来の将来都市像「花かおり 緑あふれ 人輝くまち こうのす」実現のため、一層の基本方針の実践及び彩の国みどりの基金活用により、豊かな自然環境を次の世代に引き継ぐ政策について答弁願いたい。


◎ 福島一美まちづくり部長

 さて、先ほども申し上げましたが、本市では緑の家庭募金を活用して、市内の公園などに苗木や若木の植樹やイベント開催時に苗木の配布を行い、緑の推進に取り組んでおります。特に上谷総合公園の区域は、新たに整備した区域であり、昨年度より募金を利用し、植樹を始めたところでございます。東側の状況は、元荒川沿いに苗木を36本、緑の家庭募金を活用して27本の植樹をいたしました。今後鴻巣水曜ロータリークラブが主体となり、ふるさとの森づくりをコンセプトに、市内3小学校の児童を中心に多目的広場付近の約1,500平方メートルに3年計画で100本程度の苗木の記念植樹などの計画も予定しております。ご指摘の彩の国みどりの基金につきましては、緑の再生を図るための財源を自動車税の一部に求めた画期的な制度であり、この基金を活用することは、鴻巣市緑の基本計画の基本方針を実践していく上で極めて有効であると認識しております。本市におきましても、基金の対象となる事業の中で、今回緑と花の公園づくり推進事業に取り組んでいるところでございます。今年度中に地元住民と協働で市内ひばり野にある公園に垣根を作成したり、講習会を開催して、苗木を植えつけたりする予定でございます。また、みどりの埼玉づくり県民提案事業として、特定非営利活動法人EMネット埼京による吹上地区の元荒川桜並木の環境保全事業と元市町内会による鴻巣公園内に桜の苗木を植える、地域ぐるみで緑を育てる元市町内会プロジェクトの2件が採択され、地域の皆さんが自分たちの手による緑の再生、育成に取り組んでおりますので、本市としてもこれらの活動を支援してまいりたいと考えております。

平成22年  9月 定例会

◆11番(町田信隆議員)

  大きな3番、まちづくり行政について、(1)樹木の管理実態について、ア、元荒川の桜の樹木管理について。元荒川の桜並木は、流域全体で505本植えられております。吹上町当時は、観光やイベントに活用されていた経緯から、植土、消毒等の維持管理は商工会が行い、行政は交付金を交付することで維持管理を行っています。合併後は平成18年から行政が桜並木の維持管理に努め、シルバー人材センターへの管理委託となっております。今から数十年前に地元有志により植樹された桜は、現在では貴重な観光資源となり、今後も計画的な保存が必要であります。しかしながら、元荒川の桜の中心をなすソメイヨシノの寿命は、桜の中でも短く、60年程度と言われており、寿命が過ぎた木は枯れて枯死し倒れる。元荒川の桜はまさにその時期に差しかかっていると考えてもおります。今後も鴻巣市の貴重な観光資源として桜並木を保存管理する必要があると思います。
  質問のア、元荒川の桜の樹木管理は今後も保存し、生育させるという立場で行うのか、執行部の見解をお伺いいたします。

◎ 福島一美まちづくり部長

 初めに、(1)樹木の管理実態についてのア、元荒川の桜の樹木管理でございますが、吹上地域の元荒川沿いにあります桜並木は、川の両岸約2.5キロメートルにわたって500本余りのソメイヨシノが植えられております。川沿いが親水護岸で整備されているほか、意匠を凝らした橋もかけられているなど見どころもたくさんあり、市民にとって貴重な憩いの空間になっているほか、市内外から訪れる多くの皆さんを魅了しています。この桜並木は、花と清流、元荒川の桜として「21世紀に残したい埼玉の自然百選」にも選ばれた名所であり、春には色鮮やかに咲き誇りのさくらまつりには、約5,500人の方が来場されるなど本市を代表する観光資源となっております。この桜並木は、昭和28、29年ごろに地元有志らによって植えられたものであり、既に50年以上が経過しておりますので、最盛期は既に過ぎていることから、桜の維持管理に細心の注意を払っているところでございます。現在この桜並木の維持管理は、親水護岸全線の下草の除草のほか、さくら橋から下流部は消毒による害虫駆除を実施しております。さらには、今年度からはさくら橋から上流部の区間の桜並木約255本については、有用微生物EMを使用した害虫駆除を試験的に行っております。このEMは人間にかかわりの深い乳酸菌、酵母を主体とした安全な微生物の集合体で、育土、樹勢回復、害虫忌避に効果があると言われております。桜並木の保全につきましては、今年度から試験的にEMを使用した維持管理を始めたところでございますが、効果が出るにはいましばらくの時間が必要かと存じますので、経過を見守ってまいりたいと考えております。

平成22年 12月 定例会

◆22番(長嶋貞造議員)

  1、環境行政について、(1)元荒川の環境と管理について。元荒川は、名前のとおり荒川と利根川が合流していたころの荒川の本流であったと見聞きしています。元荒川は、熊谷市佐谷田の荒川付近の湧水を水源としています。しかし、今は湧水が少なく、ポンプアップの水が多くなっていると聞きます。元荒川の源流付近では、世界でも熊谷市にしか生息していない希少な魚ムサシトミヨが生息しています。ムサシトミヨは、埼玉県、東京都西部に生息するトゲウオ科トミヨ属の魚類で、冷水域に生息、分布していました。昭和30年代ごろから都市化の変化に伴い、各生息地の湧水が枯渇してしまい、現在では熊谷市元荒川の源流付近のみに生息する希少水生動物になってしまいました。ムサシトミヨが小川に多く生息していたころは、吹上のまち中を流れている元荒川では、団塊の世代が小学校の子どものころには、元荒川が絶好の遊び場であり、水泳ぎをしていたとも聞いています。それが今では汚水、泥水と言われるようになってしまいました。ムサシトミヨがまち中の元荒川までとは言いませんが、幾らかでも元荒川を昔のような清流にすることと、周囲の環境を取り戻すことができないものかと思います。
  そこで、お伺いいたします。ア、元荒川の利活用の現状について。
  イ、元荒川周囲の環境と樹木の管理状況について。
  ウ、元荒川の汚れと水質について。
  エ、三ツ木堰水門の開閉による環境の変化について。
  オ、榎戸堰の利活用の現状について。
  カ、足立北部土地改良区Ⅰ、Ⅱ号用水路・排水路の環境と管理状況について

◎ 土岐善行環境産業部副部長

  次に、イ、元荒川周囲の環境と樹木の管理状況でございますが、吹上地域を流下する元荒川においては、榎戸堰からアピタ前までの左右の一方、もしくは両岸に桜が植栽され、その数は約500本で、樹齢50年を超える大木が大半を占めております。その中でJR高崎線から筑波橋上流までは県施行による親水護岸が整備され、例年4月に桜橋を中心に開催される吹上さくらまつりには多くの来場者でにぎわい、春を満喫できるイベント会場になっております。この桜の管理は、合併前に吹上商工会で管理しておりましたが、合併以後は市の管理となり、河川管理者である県との管理協定に基づく親水護岸の除草、清掃等の管理のほか、開花に欠かすことのできない剪定、病害虫駆除等の管理作業を実施しております。

  今年度における病害虫駆除は、桜橋を境に上流と下流で管理委託業者を分けておりますが、桜橋より上流部の一部区間でEM菌等を活用した駆除方法を採用して、人や環境に配慮した管理を実施しております。剪定におきましては、元荒川の桜にアメリカシロヒトリ等害虫が発生した場合、枝が道路側に伸び過ぎますと、桜の枝を伝い、隣接する民家に侵入することもあるため、太い枝の剪定を数年前に一部区間に実施いたしました。結果としては、やむを得ないこととはいえ、樹形的にはマイナス要因となってしまったようです。また、交差する道路との交通標識が多数ありますが、桜の枝により見にくい箇所があり、鴻巣警察署と協議の上、一部小枝や葉などの剪定を実施しております。このように現地の状況を見ますと、河川の端に住宅が連檐する立地であるため、人間のさまざまな活動により、桜が生育する環境として制約を余儀なくされる実態がございます。今後とも、この生育環境の中で、現実的な手法としてEM菌等の活用区域の拡大等の検討を進めてまいりたいと考えております。

◆ 22番(長嶋貞造議員)

  1、環境行政について、(1)元荒川の環境と管理について、イ、元荒川周囲の環境と樹木の管理状況についてです。病虫害駆除は、桜橋を境に上流、下流で管理委託業者を分けたと聞きました。2社による病害虫駆除の技術を競争させるなどのコンテスト結果はいかがでしたか。

  2、EM菌等を活用した駆除方法を採用し、人や環境に配慮した管理を実施していると聞きましたが、EM菌を活用した駆除方法の効果についてお伺いいたします

◎福島一美まちづくり部長]

 1、環境行政についての再質問に一括してお答えいたします。

  2社による病虫害駆除の技術を競争させるなどのコンテスト結果についてですが、特に競争させるコンテストのようなことはしておりませんが、2社にすることにより、自然と競争意識を持たせることはできているのではないかと考えております。また、業者を分けたことにより、発生したアメリカシロヒトリなどの害虫の早期発見、駆除に対応できることとなりました。EM菌などを活用した駆除方法の効果につきましては、このEM菌は人間にかかわりの深い乳酸菌、酵母を主体とした安全な微生物の集合体で、育土、樹勢回復、害虫忌避に効果があると言われております。そのような自然界に存在する材料を使用しているため、桜にとってEM菌などによる効果を長期にわたり見定める必要があると考えております。桜の木の管理者には、大きく剪定することは簡単であろうが、今後の剪定についてですが、桜の枝が木にとって重要な役割を果たしていることは十分認識しておりますので、今後剪定などの作業を実施する際、生育環境に十分配慮し、あわせて近隣住民の理解を得て進めてまいりたいと考えております。

◆22番(長嶋貞造議員)

 一通りの答弁をいただきました。では、再々質問させていただきます。
  1、環境行政について、(1)元荒川の環境と管理について、イ、元荒川周囲の環境と樹木の管理状況について。病害虫駆除は、桜橋を上流、下流で管理委託業者を2社にすることで競争意識を持たせることができると聞きましたが、2社による病害虫駆除の技術、競争意識を持たせて実施した結果はどうであったか、お伺いいたします。

◎福島一美まちづくり部長

 1、環境行政についての再々質問にお答えいたします。

  2社による病害虫駆除の技術、競争意識を持たせて実施した結果はどうであったかについてですが、技術を競争させるために分けたわけではなく、EM菌などを活用した駆除方法の効果を長期的に見定めるためには、県民提案事業で実施してきました作業区間を継続的に実施する必要があると判断したものであります。結果としまして、作業実施体制などにおいては、競争意識が醸成され、的確な管理の実現が図られたものと思われます。

平成24年  6月 定例会

◆ 18番(加藤久子議員)

  (3)EM菌について、ア、EM活性液について伺います。私は、去る5月の16、17、18と沖縄県うるま市と北中城村に行き、EM菌についての視察をしてまいりました。うるま市の市長さんは、EM菌を広めるという公約で市長に立候補し、見事当選するというほどにEM菌に取り組んでいるところです。

  EM菌とは、乳酸菌、酵母、光合成細菌を主体とし、安全で有用な微生物を共生させた多目的微生物資材です。開発者は、沖縄の琉球大学農学部、比嘉照夫教授ですが、1982年にオリジナルが完成して以後、メーカーによって商品化され、国内で1社、海外では35カ国で製造が行われております。当初は農業分野向けの土壌改良剤でありましたけれども、現在ではさまざまな分野で広く使われるようになりました。

  その内容を申し上げますと、ごみ処理などに使用するEMボカシ、作物に噴霧すると害虫に負けにくい作物が育成できるEMストチュウ、河川や海、池などに入れると水が浄化されるEM活性液など、その他いろいろな分野に使用できます。

  お隣の北本市さんでは既に数年前から百倍利器という機械を購入し、授産所に提供したことで、授産所ではEMボカシと活性液を販売しているということです。また、市独自でも百倍利器という機械を購入し、活性液をつくり、各学校のプールなどにも入れているということです。入れたことによりましてプールの掃除が非常に楽になったということを聞いております。

  本市といたしましてもぜひEM菌の活用に取り組んでほしいと思いますが、考えをお聞かせください。

◎ 山田芳久環境産業部長

  次に、(3)EM菌についてのアについてお答えいたします。このEMとは、人間や作物にとって有用な乳酸菌や酵母菌等の微生物をまぜた培養液のことであります。土中や水中にこうした有用な菌がふえることによって、病原菌や腐敗菌が減少し、汚水浄化や消臭に効果があるとされ、生ごみの有機肥料化やヘドロの処理、土壌、水中に残留する農薬等の化学物質の分解にも大変役立ち、土壌改良や河川浄化、あるいは下水、廃棄物処理に使っているところもあるようです。

  しかし、一方では、EM菌を用いた河川浄化の行為が流れ込む先の海の汚濁につながるとの情報もあり、EM菌の使用について再考する自治体もあると聞き及んでおります。
  さて、本市の活用状況では、平成23年度から吹上地域の元荒川桜並木に対し、活性液の散布による樹勢回復作業を行っておりますが、具体的な効果は現在のところ検証されておりません。

  また、実際の活用ではございませんが、ごみ減量を推進するために生ごみ処理をするEMボカシ容器の購入費の一部を補助しております。全国の市町村においてもいろいろな事例があるようですが、活用に際してはまず何が有効なのかという基本的なところで幅広い観点から検討する必要があると考えております。

◆ 9番(羽鳥健議員)

 次に、(2)、プール清掃についてですが、昨年の東日本大震災後、津波の被害により海底から巻き上げられたヘドロにまみれ、また水産加工会社の冷凍倉庫から流出した魚介類の悪臭に加え、気温の上昇とともに衛生問題に苦しんだまちの一つが宮城県の気仙沼市でした。そこで行われたのがEM散布浄化作戦でした。EMを活用した環境浄化活動により、消臭効果はもちろんのこと、ハエが徐々にいなくなるなど、即座に確認がとれたそうです。

  前にも同じ質問がありましたので、簡単に説明をさせていただきますが、EM菌とは発酵食品でもなじみ深い乳酸菌や酵母などの複数の有用な微生物を共用、共生させた有用微生物群です。自然浄化や土壌改良に有用な善玉菌を集めて培養され、自然が本来持っている浄化作用を促し、さまざまな分野での活用がなされています。そこで、成功事例の多い小中学校のプール清掃での活用が本市において可能なのかを、ア、EM菌の活用についてとしてお聞きをいたします。

◎ 小谷野富雄学校教育部長

 次に、2のア、EM菌の活用についてお答えいたします。EM菌とは、有用微生物群という意味の造語です。琉球大学名誉教授比嘉照夫教授が昭和57年、農業分野での土壌改良用として開発した微生物の名称であり、一般的にEM菌の働きは抗酸化力により有機物の腐敗を防ぎ、発酵によってさまざまな抗酸化物質や養分をつくり出し、健全な環境を生み出すと言われています。

  しかしながら、EM菌の活用については、その後実験データが少なく、平成8年の日本土壌肥料学会での公開シンポジウムにおいて、EM菌が他の微生物に比べて水質浄化効果が低いという報告がされるなど、その効果を疑問視する意見もあると認識しております。また、平成15年9月13日付の中国新聞によれば、平成15年に広島県保健環境センターがEM菌製剤を用いた水質浄化効果判定試験を行った結果、室内実験での水質の浄化作用が全く認められなかったという理由から、海や川の浄化におけるEM菌の利用を推進しない方針を決めたと報じています。
  本市では現在、小中学校でプールの側面や底面に付着した藻などを除去するため、プールに塩素を入れ、その後中和剤を用いて1週間以上の期間を置いて塩素をなくして、害のない水にして排水しております。その後、学校の実情に応じてプール清掃を行っています。

  現在北本市では、プール清掃にEM菌を使用して行っておりますが、費用につきましては1校1回当たり約6,000円ということでもあり、塩素を利用しプール清掃をした場合、1校1回当たり約3,000円程度であることから、現在のところ本市としましてEM菌を使用してプール清掃を行うことは考えておりません。

◆ 9番(羽鳥健議員)

 (2)、プール清掃について、ア、EM菌の活用についてですが、25メートル掛ける15メートルのプールで水量が約300トン使われると聞いております。その中にEMボカシ、または活性液で300リットルの投入で非常にプールの清掃が簡単になると聞いております。EM菌自体、先ほど答弁のほうでは6,000円と聞きましたが、私の試算でも7,000円ちょっとと聞いております。六、七千円の購入で済むと考えますが、掃除する子どもたちや自然環境にも排水するプールの水はやはり塩素を中和した水よりもEMボカシ菌のほうが安全だと考えます。ここで、各学校が下水道に接続されているかどうかを再質問いたします。

◎小谷野富雄学校教育部長

  次に、(2)のアの再質問についてお答えします。プールの排水を下水道に放流している学校数について下水道課に確認しましたところ、小学校19校中9校、中学校8校中3校です。

◆ 9番(羽鳥健議員)

  EM菌に関しては、EM菌の活用をしてのプールの清掃、本市の教育委員会では大変慎重姿勢であることがわかりましたので、これ以上提案いたしませんが、北本市や加須市、そして幸手市や蕨市で行政、民間の違いはありますが、EM菌を活用され、大いに成果を上げております。私の手元には、川や海を初めとする自然に対しても生態系の改善や水質浄化に成果を上げているとの事例がたくさん報告されておりますので、しかるべき機会に来たときはぜひとも検討をいただければと思います。この点については、再質問はいたしません。

平成24年  9月 定例会

◆ 18番(加藤久子議員)

  まず初めに、大きな1番といたしまして、都市整備行政についてお伺いいたします。(1)元荒川の桜について、アとしまして、若木の植樹についてお伺いいたします。吹上地域の元荒川の桜は、ことしの春も色鮮やかに咲き誇り、桜が舞う中、元荒川を屋形船が行き交い、また野点なども行われ、市民の方たちはもちろんのこと、市外から訪れた大勢の方たちを楽しませてくれておりました。
  さて、この桜の木は昭和28年ころ植えられまして、約500本の木も既に60年が経過しております。植えてある桜の種類はほとんどがソメイヨシノであり、そろそろ寿命が来ていると言われております。埼玉自然百選にも選ばれておりますこの桜は、いつまでも咲いてくれるわけではありません。
  そこで、お伺いいたしますが、見事に咲いてくれているうちに、老木に伴う対策をするべきです。それには今のうちに若木を植えておくことが必要不可欠かと思いますが、どのようにお考えか、お聞かせください。

◎ 関宏都市整備部副部長

  吹上地域の元荒川の桜並木につきましては、戦前の元荒川改修が行われた工事の際に、川の両岸に植えられたのが始まりと聞いております。その後、戦後の極度の物資不足に見舞われて、学校給食用のまきとして切り倒されてしまいましたが、昭和28年に地元住民からの発案で再び桜が植えられました。その後立派に成長した桜並木は、昭和60年に埼玉県の自然100選にも選ばれ、鴻巣市を代表する桜の名所となっております。

  この桜並木は、合併以前は商工会が中心となり維持管理を行なっていましたが、合併後は市がシルバー人材センターなどへの委託により管理しており、桜の害虫消毒や護岸の除草などを行っております。また、害虫対策や樹勢回復効果もあるというEM活性液の散布なども業者委託により部分的に行うなど、保全に努めているところでございます。しかしながら、植樹をしてから60年近く経過しております巨木の中には、台風等で枝が折れやすくなっているものや、木肌も荒れて、アリなどの侵食があるものも見受けられます。
  ご質問の若木の植樹につきましては、河川区域内ということもあり、河川管理者であります北本県土整備事務所に確認したところ、河川区域内における樹木の伐採、植樹基準があり、河川法に基づく専用手続などはもちろんのこと、植樹の実施主体や維持管理も市が行うことで許可されます。
  さらには、元荒川のような掘り込みされた河岸に植樹をする場合の技術基準では、樹木の枝や根等が道路側に越境しないようにすることなどが規定されております。また、河川管理用通路に植樹する場合は、護岸の高さが計画高水位以上の場合に限ること、樹木の成長を考慮し、護岸構造に支障を与えないよう必要な距離を法肩から離すことなどの条件もございます。
  このようなことから、枯死した桜の跡地に若木を植えることは、基準に適合すれば可能であるとの見解ですが、条件も厳しく、護岸などの状況が場所により異なり、植樹できない場所もあることから、その都度北本県土整備事務所との協議を行いながら対応してまいりたいと考えております。

  • 最終更新:2015-02-24 07:58:47

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