京都市

京都市議会とEM

平成13年  9月 定例会

◆ (小林あきろう議員)

 次に、EMの活用についてお聞きします。EMという言葉は既に10数年前から取り組まれてきているので皆さんはお聞きになったことがあるかもしれませんが、EMとはEffective Microorganismsの略でありまして、有用微生物群という意味で、乳酸菌や酵母、光合成細菌など昔から食品加工などに使われている人間にとっても自然にとっても有用な微生物の集合体がEMと言われているものであります。今より四、五年前から現代用語として採用され、解説なしにEMという言葉で通じるようになっております。このEMは、20年前に琉球大学の比嘉照夫という先生が開発され、今では全国の自治体や運動団体、ボランティアグループ、個人などが非常に熱心に取り組んでおられます。こうしたEM応用の活動を中央省庁、以前の農林省、建設省、環境庁、文部省などでも非常に深い理解が示されるようになったとお聞きしています。
 さて、それではこのEMを活用した取組は具体的にどのようにして行われているのかということでありますけれども、まずEMの原液がどんなものかを皆さんに御紹介しておきたいと思います。これが原液でございます。この原液を用途に応じて何倍にも薄めて利用致します。またEMぼかしというものがありますが、ぼかしというのは以前から農業用語として使われているそうで、例えば米糠にEMを付着させたものをEMぼかしと言い、コーヒーかす、紅茶かす、もみ殻など有機物なら何でもぼかしになるとお聞きしています。
 ここでEMをまちづくりに生かしておられる沖縄県具志川市についてその具体的取組を少し御紹介しておきたいと思います。具志川市では1985年ごろから市民による地道な実践が行われており、EM関連団体である具志川市微生物応用研究会、具志川市EM関連異業種交流会、EM建築研究会による普及、研究活動、それらの成果を受けて具志川市立図書館のEM浄化法、EM技術を建築分野に応用した野外レクリエーションセンターのバンガロー、塩素の影響を抑えた川崎小学校水泳プール、中部北環境施設組合のごみ焼却場における悪臭やはえの発生の抑制、ダイオキシン抑制実験等々の取組が行われております。また、ここでEMを開発された沖縄大学の比嘉教授の基本的な考え方も御紹介しておきたいと思います。EMを使えば環境問題や地域活性化において大いに役立てることができる。EMの普及活動というのは、各々の社会的役割を各々が果たす、ある意味で社会を良くするための当然のボランティアなのである。このボランティアというのは、地域を良くしたいというその住民全員の志の高さがすべてを決める。したがって高い志は各々に勇気を与え、実行力を与え、知恵を与え、そしてその人を鍛えていくことにつながるのである。要するに見返りのないボランティア活動である。志が高いということは、その人の人生をより充実、そして豊かにする、そして自分が持っている良さが相手に伝わるということである。これがEMの原点につながるものである。この原点を理解して、わくわく楽しくやる運動がEMの運動である。この運動は個人もできる、グループもできる、地域全体でもできるというのがEMの蘇生力、要するにEMの持っている本質的な力だということである。そのようなことを比嘉先生は言っておられます。
 そこで質問となるわけですが、本市において今まで御紹介させていただいたEMの普及活動についてどのような感想とお考えを持っておられるのか。今後、本市においても、これだけ多方面にわたり環境問題、地域活性化に実績を示しているローコスト・ハイリターンのEMを是非積極的に採り入れてはどうかと思うのですがいかがでしょうか。また、こうしたEMなどの事例のような資源循環や環境保全、更には地球温暖化防止などに貢献する技術やシステムなどの情報収集やその評価などを市の施策へ反映させたり、市民、事業者に向けて情報発信することは環境先進都市を目指している本市としては大変重要であると考えられます。このような取組を環境局や全庁的に推進していくためには、これらに対応する組織的機能の充実が必要となってくるのではないでしょうか。以上のことについてお聞き致します。

◎ 環境局長(上原任)

 次に、EMいわゆる人間に有用な微生物群についてでございます。EMにつきましては水質の浄化や脱臭、更には生ごみの堆肥化など既に各方面で活用されている事例があると聞き及んでおります。自然との共生が大切であると言われている今日において、従来の化学系の薬剤に加えて自然界に生息する微生物などを活用する研究がより多く行われ、その中から有効な手法が得られることは大変重要であると考えております。環境にかかわる新しい技術開発につきましては日進月歩で進んでおりまして、今後とも広く情報収集に努め、必要なものについて調査研究を進めて参りたいと考えております。

平成13年 11月 普通決算特別委員会第2分科会

◆副主査(小林あきろう) 

 2点目に移ります。
 EMの問題点についてでありますけれども,EMというのは,御承知のように,エフェクティブ・マイクロオーガーニズムス,有用微生物群という,そういうことの略であります。
 人間にとって,あるいは自然にとって有用な,そういう菌を総称して有用微生物群という風に言っていると聞いておりますが,四,五年前からもう既に一般用語としてこれが通用されているということなんですけれども,実はこの間,質問を9月にさせていただきましてから以降,10月8日であったんですが,大阪の方でこのEMに関係した全国のイベントが,OMMビル,大阪のマーチャンダイズマートビルでございまして,私もちょっと参加をさせていただきまして,現場を見させていただきました。
 率直に言って,我々が認識をしている以上に全国的な展開がされ,あるいは世界にもこれがかなりの領域で使われているといいますか,適用されているということが再認識されました。非常に先進的にやっておられる自治体も数多くあるということが分かりました。
 その点で,本市がどれだけ正確な状態でこのEMというものの活動といいますか,事業について御理解をしておられるのかなというのが,ちょっと不安なところでありまして,今,現状,どのぐらいに局としてこのEMというものを捕らえておられるのか。まだもう一つよう分からんという状態ではないかという風に思うんですけれども,一応その情報は知っているけれども,詳しくはよく分からないというような程度なのか,もしそういうことであるとしたら,まずその御理解が先だという風に思います。EMというのは,本当にどういうような事業で,各自治体がどれだけの活動をしているのかということをじっくりと見ていただいて,そのうえで本市が対応してよい事業なのかどうかということは御判断をしていただいたらいいし,また,そのことを踏まえながら実験的にこういうようなところで一遍やってみようかというようなことで,これも登用していただけたらどうかという風に思うんですが,この点について,今の現状について局の方からの率直なお考えを聞いておきたいという風に思います。いかがでしょうか。

◎環境保全部長(徳田純夫) 

 率直にということでございますから端的に申し上げまして,私どもは,そのEM菌というものについて情報を集めて勉強しているところだという風にしか申し上げようがないかと思うんです。ただ,その情報を集める中で,最近特に言われますのは,EM菌が何にでも効きますよと,あるいはEM菌の入ったものを飲めば非常に健康によろしゅうございますよというような報告があるかと思えば,一方では,いやいや,あれはとんでもない話だというような情報もございまして,非常に本当にどこまでがほんまの話なのかというところがよく分からないというのが率直な印象でございます。
 ただ,そのEMというのは,先ほど先生が御指摘のように,有用な微生物群ということでございますから,微生物を働かせる環境が整えばいいんだろうと思いますけれども,その繁殖条件から外れたような所でもEMは効く,あるいは効果が出るというような話になりますと,いささかちょっとどこかにつばを付けてというような話にもなるわけでございますので,これは私どもとしては慎重に対応をして参りたいと,かように考えているところでございます。

◆副主査(小林あきろう) 

 少なくとも私の方の情報では,具体的に沖縄の中の具志川市とか,あるいはほかの都市ででも,そのEMの効果については実績を作って,その実績が,具体的にこういうような形でプラスの面で現れているということがいろんなデータで出ているという風に思っています。
 確かに,飲用という,飲むところですね,人間がこれを飲んで,非常にこういうのが効用があったとかいうようなことは,これはもう本当にどれだけの裏打ちをされたものかというのは,これは私もプラスマイナスの話は聞いておりますので,ただ,少なくともプラスの面できちっとしたそういう事業展開ができて,実績を作っておられる所がたくさんあるかという風に思っております。
 だから,慎重にということはありますけれども,プラスの部分でそういうものがこの本市で適用できるとしたら,これはこれでもっと積極的にやっていいんじゃないかなという風に私は思っております。
 現に,京都市の市内の中でもEMに対するNPOの関係の方々が,ボランティアとして,二条城の外堀の所の浄化を,ヘドロを少しでもなくしていくというようなことで,継続的な投与をしておられるという風に聞いておりますけれども,これがどんなものかというのは私は今のところまだ聞いておりませんけれども。いろんな形で,京都でもそういう民間レベルで,ボランティアの方々を中心に活動がされているという風に聞いておりますので,本市として取組ができるところがあれば,これは私も全部これをプラスという意味で評価をするというところまでの勉強も出来ておりませんけれども,少なくとも私がそのイベントで見たいろんな話,それから内容については,かなり信用ができる内容ではないかという風に思っておりますので。
 しかも,これを投与していくという自治体がかなり増えている,あるいは国としてもそれを適用してやってきているという所がたくさん増えているということが報告で出ておりましたので,そういうものを,できる限り正確な情報を得ながら積極的な取組をしていただけたら,あるいは実験的な取組をしていただけたらありがたいなと,こういう風に思っておりますので,これは強く要望しておきたいという風に思います。

平成13年 12月 普通決算特別委員会第1分科会

◆ 委員(加藤広太郎)

 今,副読本の中で環境問題がどういう風に教育されているかということで,私はこの3冊を届けていただきました。これを読んでみても,先ほどの御答弁もありましたけれども,ごみ問題を中心とした環境問題というのが,この中でも大分多いんです,まあ言ったら。ですから,今御答弁あったように,環境教育というのはいろんな形で今広がって,取組をしていかなくてはならないという課題になってきていると思うのです。たまたまこれずっとよく見ると,全部環境局が作っておるんやね。だからそういう意味では,今,確かに前の衛生局などが一緒になった,環境局になったんやな。ということにもなってきておると思いますので,それはここが中心になっても仕方がないと思うんですけれども,やはりいろんな立場からの問題が言われるだけに,ちょっとこれは本当に,ごみ減量化の問題を中心に偏っておることが非常に,一つは心配になったから,ちょっと質問もしたいということなんですが,教育研究の指定校だとか,子供のエコリーダーだとか,いろんなことの取組をこういった中でやられてきているというのも承知をしております。牛乳パックなどで50万個ほどのトイレットペーパーを作っているとか,そういうことなどもしているんですが,やはり日常的に家庭の生活などを含めて,子供たちのこういう教育というのは非常に重要な位置になるだけに,一つはお尋ねをしたいのが,学校給食などで出てくる食料の残さ物というんですか,食べるものを残したものとか,そして,そういったものが本市全体とすればどのぐらい出て,それを今現在どういう処理をしているのかといったら,もう業者で処理されていると思うんです。それの費用がどのぐらい掛かっているのかということも含めてですが,私はこれを,最近のEM菌だとか,そのほかのいろんな有機生物などを活用して肥料化ということで,減量化と共に肥料化と,地球に戻すというのはもうたくさんの自治体がやっているし,いろんな家庭もやっていると。学校現場でこの問題を本当にしっかりやる必要があるのではないか,そう思います。
 だから,牛乳の問題にしてもリサイクルすればいいというものでもなくて,あの牛乳パック自身かて,私どもは本当は,極端に言えばもう無駄だと思います。あれはやはりリユースして牛乳瓶というのがちゃんとあると。いろんな子供の,先生負担とかということなども今まで議論がありました。もう一度牛乳瓶に戻して,ちゃんとした地球環境の点からも考えていくことも必要な段階に来ているのではないか。やはりこのリユース,リサイクルではなくてリユースのところを,ごみを出すのを少なくするということを含めて,今の食料残さの問題を含めて積極的に取り組むべきだと思うんですけれども,いかがでしょうか。

◎体育健康教育室長(小池善己) 

 まず,学校給食におけるごみの問題ですけれども,学校給食から出るごみにつきましては,年間大体1,200トンぐらいが,これ9年度の数字ですけれども,学校給食から出るようになっております。このごみの収集につきましては,ごみの回収業者が大体週二,三回ですが,各学校を回りまして,それぞれ回収をしております。それから,経費につきましては,おおむね1,600万円ぐらいの経費が掛かっているというように思います。
 それから,先生御指摘の牛乳パック,紙パックから牛乳瓶ということですが,これにつきましては,牛乳瓶については子供が今牛乳を教室にそれぞれ運んでいる関係で,非常に重たいということもありますし,危険であるということもありますので,牛乳を紙パックに変えたところでございますし,今後もこの紙パックで子供が教室の方に運ぶということにしたいというように考えております。
 以上です。

◆委員(加藤広太郎) 

 私がお願いしたのは,牛乳瓶の問題は,重たい,危険だと言いますけれども,これを防ぐことはなんぼでもできるし,それ自身が教育ではないかという風な思いはします。これは十分に検討してほしいということを要望しておきますが,食料残さの問題について,やはりこういう有機物などを含めて活用して,肥料などに活用する必要があるのではないかということなんです。これについての考え方はいかがですか。

◎体育健康教育室長(小池善己) 

 学校給食から出たごみについても,今申し上げましたとおりですが,別途,別に小学校でごみのたい肥化ということも考えて機械を入れまして,そこで学校の方でたい肥化をしているところでございますし,それが学校の中で環境教育につながっているというように考えております。

◆委員(加藤広太郎) 

 どのぐらいの学校で実施をされて,そしてその分は,例えば今の1,200トンというのが出ているということですが,それをどのぐらい防いでいますか。その成果はどういう形で検討されていますか。

◎体育健康教育室長(小池善己) 

 今の御質問の学校名ですが,朱雀第四小学校と,大原野小学校でごみのたい肥化について今,実施しているところでございますし,これについても校内の中でそれぞれ給食の残菜をたい肥化して,それから生成されたたい肥を学校の菜園に活用しているというところが現状でございます。

◆委員(加藤広太郎) 

 二つの所では絶対にいい結果が出ていると思うんです。ですから,やっぱりこれを全体に広げてほしい,広げていく検討をしてほしい。決して初期の投資は,それは一定のものを設置するわけですから,少しのお金は要るかと思いますけれども,やはりこういったものがこれだけ変わって役に立つんだというものは,実践的な役割として,この小学校など,私も一遍行ってみたいと思いますけれども,是非とも全体に広げていただきたい,これをお願いしておきたいと思います。
 同じように地球環境の問題からいきますと,異常気象ということが非常に心配されています。都市化が進む中でのヒートアイランド現象などを含めて,いろんなものが指摘をされるんですが,教育委員会の所ではグリーンベルトなどの努力などや,花壇とか,いろんなことでなごませるようなことを含めて,防災機能の点では井戸などを設置していただいたりして,防災の緊急避難の所でも役立つという形にもなるんですが,全体的にこういう都市化が進む中で,学校施設においての雨水の貯留,利用という点は,是非ともこれやっていただきたいと思うんです。これも今,全国的に,少ない所でも200トンの,多い所では500トンぐらいのタンクなどを付けて,屋根に降るやつをそこにためて,それを花壇などの散水などに使っている例などがたくさんあります。これは緊急時のときには,また飲み水として,ちゃんとしてできるということにもなります。そういう意味での,これから新しくなる所だけではなくて,今ある所でも工夫をすれば全部やることができることがあります。今の食料の問題で,二つの小学校でやっているということがありますから,そういった所を含めて,試行的にも幾つかやって実践をしていくことが必要なのではないかという思いがあります。
 これと同時に,例えばプールの水も,全部ほかすときに下水にほかすのではなくて,それをやはりちゃんとトイレの水の雑排水などで利用するという所もたくさんあります。これから新しく作る学校などでは,初期の段階からこういうことを含めてやっぱりやっていく考えを,関係局とも併せて設計などもしていただきたいし,そういう活用をやっていただきたいという思いがあるんですが,いかがでしょうか。


  • 最終更新:2014-05-09 12:58:24

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