千葉市(1)

千葉市議会とEM


おことわり

千葉市議会に関してはEMだけでなく波動MRAならびに船井幸雄氏について言及している点がありました。EM同様にニセ科学として問題の大きいものですので,併せて取り上げさせていただきます。

1992.12.11 : 平成4年第4回定例会

◯2番(竹内悦子君) 2回目の質問をさせていただきます。
 まず,清掃行政ですが,細かく答えていただいてありがとうございました。基本的に私たちが求めている資源循環型のごみ処理というのに,やっぱりちょっと違う部分があるなということを感じていますので,その辺をちょっと質問させていただきたいと思います。
 燃やして減容して最終処分をするというのが今の清掃の基本的なやり方だと思うのですけれども,燃やすということで確かに容量は減るのですけれども,やっぱり負荷もすごく大きいと思うのですね。特にプラスチック類などは,かなり有害ガスの発生ですとか,そういう心配がありますので,なるべく燃やさないで自然の循環の中で処理できるような方法を,これからは求められる時代だと思うのです。
 ヨーロッパなどでは,かなりそういう方法が徹底してきまして,焼却工場を持たないごみ処理というのが進んでいるところもたくさんあると聞いていますけれども,千葉市も最終処分場の確保には今,非常に頭を痛めているところだと思うのですね。それで本当に今,中田の次がどうしようかというところに来ているわけですから,本当にごみになるものを極力減らす。で,減らすということは,自然に返るものは自然に返してやるという方法で返すのが一番よいと思うのです。
 例えば,紙類の集団回収も,前回ですか伺ったときには,回収団体がまだ5割程度ですから,回収に参加できない市民もかなりたくさんいるのですね。そういう市民の紙類というのは,今まででしたらダストボックスに入っていましたし,今でしたら燃えるごみの日にかなり出ているのは,私なんかも何回も見ます。
 ですから,できるところからで結構ですので,ぜひ集団回収は集団回収として続けていくことはもちろん大事なんですけれども,それ以外のですね,集団回収に参加できない人というのはかなり多いと思うのですね。集団回収というのは,大体自治会ですとか子供会ですとか,学校なんかがやっていますから,それに漏れてしまう階層というのがいるわけですね。そういうところの紙類のリサイクルというのをぜひ市がやるべきだというふうに考えますので,その点についてもう少し前向きの御答弁がいただけたらなと思いますので,お願いします。
 それから,生ごみについては,コンポストがかなり普及はしてきているのですが,あのコンポストですと,かなり土地がある人じゃないと利用できないという欠点があるわけですね。あとは土地があっても,においですとか虫の発生で,長く続けるということも難しいという話もちょっと聞いたりします。
 たまたま,先ほどは市民会という表現はされませんでしたけれども,この中に岐阜県の可児市の例を例にしたコンポストというか,コンポストではないのですけれども,生ごみの減容化の施策の実例が載っていまして,それによりますと,可児市では市がEM菌という嫌気性の菌を使った生ごみの処理を進めたところ,可燃ごみの量が10%ぐらい減っているのですね。それだけ市民が簡単にできる方法で,これはごみを入れてEM菌,ぼかしと言われるらしいのですけれども,EM菌を一緒に入れることでね,生ごみがごみでなくなるという魔法のようなちょっと話なんですけれども,そういうことを普及することで,例えば団地に住んでいたりとか,庭がなくても生ごみをごみとして出さなくて済むというようなことも,かなり実績として上がっていますので,ぜひいろんな方法を検討していただきましてね,本当に燃やすごみを少しでも少なくするという方法を考えていただきたいというふうに思いますので,その辺のことについての可能性についてお答えいただければというふうに思います。



1993.12.13 平成5年第4回定例会

◯53番(藤井武徳君)

 今回,契約問題については,時間の関係で次回に回していただきたいと思います。
 今回はEM技術とその応用についてのみ質問したいと思いますので,よろしくお願いします。多少,風邪引いておりますので,お聞き苦しい点は御容赦願いたいと思います。
 EMといいますのは,有効微生物群,イフェクティブ・ミクロ・オーガニズムの略であります。この技術を開発したのが琉球大学教授,比嘉照夫さんであります。比嘉照夫さんの書物「地球を救う大変革」,これは10月1日以来ベストセラーになっておりますが,この本がそうであります。同僚議員や執行部の皆さんも,ぜひ読んでいただきたいと思います。私はこの本からの引用と,先月,富里,成田,我孫子,鎌ヶ谷のEMを使って農業経営を行っている農家8軒を訪ねてきました。その経験,さらに富民協会発行の毎日新聞社発売の「EMのすべて」,この本であります。また,全国各地で新聞報道の引用から,今回,質問に当たりたいと思います。
 具体的にEMというのは,ちょっとここに用意いたしましたんですが,5科10属80種類の微生物を液状にしたものであります。このEMを使うことによって農薬や化学肥料を使うことなく土壌を改良し,費用が安く,収穫量が多く,農作業の時間が少なく,高品質で安全な野菜や果物,米をつくりだし,さらに牛や豚に鶏小屋の悪臭を消し,病気のない良質な肉質をつくりだし,ふん尿が公害ではなく最高の肥料になっていく実態,さらにEMは農業問題だけではなく,水や河川,大気の環境汚染の解消に大きな役割を果たし,難病まで治す効果もあると言われています。このEM技術こそ病める地球環境を救うキーワードになると,私は確信しています。
 農業,環境,医療などのジャンルにEM技術が大きな変革をもたらしつつある現状を概略説明したいと思います。多少,引用,説明が長くなろうかと思いますが,よろしくお願いします。
 自然界は大きく分けて蘇生と崩壊という二つの方向性があります。蘇生の方向へ進むとすべてのものが生き生きとし,健全な状態を維持するようになります。反対に崩壊の方向に変わると,腐敗や汚染が進み,病気が発生し,すべての物がだめになってしまう。この方向性を左右しているのが私たちの目には見えない生命の最小単位の微生物であるということが最近わかってきたと比嘉先生は言っております。例えば,土の中で蘇生型の微生物が優勢なところでは植物が驚くほどすくすく育ち,病気にもかからないし,虫も寄ってこない。農薬や化学肥料も全く必要としないので土壌がどんどんよくなっていく。反対に崩壊型の微生物に支配された土だと,植物は病気がちで弱々しく害虫がたくさん集まってきて農薬や化学肥料の支えがなければまともに育ちません。今の日本の土壌の9割以上は腐敗型で崩壊の方向に進んでおり最悪の状況になっていると言われています。1グラムの土の中には,十数億の微生物が存在しているそうであります。土の中には何兆も把握しきれない多数の微生物がいます。EMは蘇生の方向性を持つ,先ほど言いました5科10属80余種の微生物をタンク培養した液状のものであります。これであります。その中には好気性微生物と嫌気性微生物が共存しております。つまり,酸素がなければ生きていけられない微生物と酸素が大嫌いな微生物が共存しているのがEMの大きな特徴であります。
 微生物を扱う世界には今まで一つの固定観念があったそうであります。すべて1種ずつ単独で扱うことが常識であったそうです。あの微生物とこの微生物を一緒にしたらという複数を一緒にするなどは思いもよらないものであり,お互い敵同士,複数だと因果関係が明確でないからであります。比嘉先生自身は当初から農薬や化学肥料を信じて研究してきた。そうしてEMの着想を得たのは昭和43年ごろと言っています。しかし,数々の農業実践の中,化学物質に頼り過ぎるのはよくない。微生物のようなものを使って生物コントロールすることを考えなくてはいけないと痛切に感じて,サイドワークだった微生物に本腰を入れ始めたが,結果は惨たんたるもので,昭和52年の秋から足かけ5年,成果らしい成果も得られませんでした。もうやめようかと何度思ったやさき,昭和56年の秋のこと,微生物の研究では伝染を防ぐためその始末をきちんとしなければならない常識があります。すなわち,使ったものは必ず殺菌してから捨てるのが原則なのですが,比嘉先生が扱ってきた微生物は人間が口に入れても差し支えないようなものばかりだったのでバケツにそのまま放り込んでおいた。あるとき,そのバケツの中身を付近の草むらにまいたら,1週間ぐらいたったらその草むらだけがけた違いに繁茂していた。何かまいたのかと学生に聞くと,いいえ,ここは先生しか触っていない。そのときにぴんと来たということであります。組み合わせの妙だと。それから大きな木の根っこから古い木,よくできた堆肥,みそ,しょうゆ,とにかくよさそうな菌を片っ端から集めて試験官の中でブレンドして色が変わったり悪臭を発するようなものは捨てていく。そうでないものは実地に試してみる。そういうことを繰り返しているうちにいろいろなことがわかり始めたと言っております。やはり腐敗菌と言われる微生物は植物にもよくない。有用発酵菌はおしなべてよい結果を出す。ある組み合わせだと何十もの微生物を一緒にできる。だが,ある菌を一つでも入れるとたちまち大げんかが始まったり,あっという間に腐ったりする。まさにトライ・アンド・エラーの中から,このグループなら作物がよく育ち病気にもならない。収穫もふえるし味もよくなるという組み合わせができ上がった。これが有用微生物群,すなわちEMなのであります。
 従来の微生物学では高次元培養は不可能とされていた。しかも現実には,好気性微生物と嫌気性微生物の共存は可能なのであります。例えば,土の中に住む微生物の一種に,光合成細菌とアゾトバクターがあります。この両者は生きる条件が正反対なのであります。光合成細菌は酸素が嫌いな嫌気性,アゾトバクターは酸素が好きな好気性,なぜ共存できるか。一つには,お互いにえさを交換しあえることであります。アゾトバクターが有機物をえさにして繁殖して排泄物を出す。その排他物を光合成細菌が好んで食べるのです。その光合成細菌がつくり出す有機物が,またアゾトバクターのえさになる。この循環によって,両者が共存できるのであります。土の中には把握しきれない多数の微生物がいますが,その大半は日和見の性質を持っている。勢力の強い微生物の言いなりになる。つまり,蘇生型になるか崩壊型になるかは一握りのボス的な微生物が握っている。それが権力闘争を繰り広げてどちらかが勝つと,何兆もいる他の微生物たちは勝者の言いなりになるのであるということであります。これは人間の世界でも同じかもしれませんけれども。
 この蘇生型の微生物の代表的なものに,よい環境条件を与えて繁殖させてやると,その方向性に他の菌はすべて右へ倣えする性質があります。EMは蘇生型の代表的な微生物ばかりを集め,強い力を持つようにしてあるということです。それは光合成菌,乳酸菌,酵母菌,こうじ菌,有用放射線菌など,人間や植物に有益なものをつくり出す微生物で構成され,嫌気性,好気性,取りまぜ,すべて蘇生型のボス的な微生物の集合体であるということであります。
 このEMが環境汚染の解消に役立つのは,抗酸性物質を生成する有用発酵型または合成型の嫌気性微生物の働きによるものであります。嫌気性微生物は,人間にとって迷惑千万な汚染物質が大好きなのであります。EMの中で中心的な役割を果たしている光合成細菌の仲間には数百度以上の熱に耐える微生物がいるそうであります。中には700度以上でも酸素がなければその情報を保持しているものもあり,これらの微生物の先祖は地球が火の球であった時代に宇宙のどこからか飛び込んできて住みついたとしか解釈できない,これが地球生命の始まりなのです,比嘉先生は言っております。地球には500度以上の高温に耐えられる酸素が大嫌いで炭酸ガスやメタンガス,アンモニア,硫化水素などが大好きな嫌気性微生物が最初に存在し,それらが猛烈に繁殖して,そして炭酸ガスを固定し,窒素ガスや酸素や水をつくった。その結果,炭酸ガスによる温室効果を減少させたために地球は100度以下になり,冷却され,大気中の水蒸気が結露し,雨となって海を形成するようになった。そして藻ができて,そして人類が長い間,発展していく過程の歴史になった。我々にとってありがたい酸素や水は嫌気性微生物にとっての排泄物ということになります。繁殖し過ぎた結果,酸素による猛烈な環境汚染を引き起こし,酸素の増大とともに地球の片隅に追いやられた,みずからつくりだした排泄物の汚染によって,あるものは進化をし,進化できなかった微生物はほとんど絶滅するか,限られた場所にしか生きられなくなってしまった。環境汚染の解決のポイントは地球の先住生命だった微生物のうち,嫌気性の蘇生型のものを彼らの隠れ家から引っ張り出してきて,好気性微生物と共存できるようにしたEMを現在の地球汚染の現場に置いたらどうなるのか。それは,彼らはかつて自分たちが栄えたころとよく似た環境に置かれることになる。炭酸ガスもアンモニアもメタンガスも硫化水素も彼らにとってはごちそうですから,喜んでぱくぱくと食べて,そしてその排泄物の酸素を好気性微生物が食ってくれるのですから死に絶えることはありません。増殖は続いていきます。
 ちょっと引用が長くなりましたが,EMが農業にも環境にも医療問題解決に大きな役割をする要因がわかっていただけたと思います。
 比嘉先生にとって,EMの実用化のめどがついたのは,昭和57年,EMに関して園芸学会など発表しても反応はゼロだったそうです。ちょうどそのころ,教え子の一人が世界救世教で自然農法に取り組んでいるが,どうもうまくいかないので先生の御協力を仰ぎたいと言ってきた。世界救世教の教祖,岡田茂吉は自然のあらゆる原理を活用して人間の健康を守る,環境を守る,そして食糧を不足なく供給するのが自然農法であると述べ,食に責任を持つと明言したのは,世界の宗教史の中でも世界救世教だけであり,岡田茂吉の思想には共鳴できたので,比嘉先生は石垣島の農場でEMを使った栽培試験を始めたそうであります。その結果,余りの理想主義のために,それまで一部の信奉者を除いて冷笑の対象でしかなかった岡田茂吉の自然農法は,EMの応用によってことごとく実現していったのであります。岡田茂吉の唱える自然農法の具体論は,土の本当の力を引き出すと土が作物を育てる熟練工になり,連作ができ,土が肥料の塊になる。化学肥料や農薬なしで経済的作物栽培ができる。自然を守り,医療,食糧,環境の同根の世界をつくる,などと言うのですが,理屈はそうかもしれないが,そんないいことづくめの農法など不可能だというのが大方の見方でした。ところが,EMを使うとそれがすべて現実に可能になってしまうのです。
 幸いにして,世界救世教には,病,貧しさ,争いを絶無にして地上に天国をつくるという理念のもとに,自然農法を世界に広める目的で自然農法国際研究開発センターという財団法人があったので,そこを通じて海外へのEM普及が始められたということであります。EMについて比嘉さんが海外で初めて発表したのは1986年,昭和61年8月,カリフォルニアで開かれた第6回世界有機農業国際会議においてであるそうです。このときの反響は予想外に大きく,多数の国から技術導入の依頼が寄せられた。外国の国々を指導する場合,原則として民間企業とはやりません。その国の政府と直接か財団法人のような団体をつくり,同意書を交わしてから始めているそうであります。なぜならば,EMは1企業の利益のためでなく,その国の農業に役立たなければ意味がない。同意書の内容もかなり厳しくしてあり,例えば,彼らが独立するまでこちらから技術員を派遣し,責任を持って指導に当たる。必要に応じて予算的な応援もするが,その結果,もうかったお金はその国の環境保全と自然農法の普及のために使うことが原則である。その結果,国策として積極的に取り上げる国がふえ,現在,41カ国で取り組んでいるそうであります。
 例えば,アジアではですね,タイの方で砂漠だったところにEMをやって5年間でですね,マンゴ,パパイア,バナナなどの果実が,これちょっと見えにくいと思いますが,緑のうっそうと茂った成果が上がっている。これを見て,アジアの国は,マレーシア,インドネシア,フィリピン,韓国,台湾,パキスタン,バングラデシュ,スリランカ,ミャンマー,ネパール,ラオス,インド,中国が始めるようになった。しかも,タイのみかん農家では,EMを使う前は農薬と化学肥料で水は汚れ,害虫がつくということで,今,全部EMを使っているそうであります。南米のブラジルでは,焼き畑農業からの脱却,アマゾンの自然保護などのためにEM農法は大きな注目の的になっているそうであります。例えば,四国ぐらいの広さのココアを経営している人が300万の労働者と2,000人の技術者がいるそうですが,魔法のほうきという病害虫が発生しますと1日に60キロぐらい減るわけです。壊滅的な打撃を受ける。その中に1軒,青々と茂ったココアの農家があった。そこでEMを使っているということで,そこの業者の人も急遽ですね,EMと技術者を大量によこしてくれということですが,EMはそれだけ間に合わないということでありますが,今,ブラジルでは世界で一番,EMを使っているそうです。このほか,中南米では,アルゼンチン,パラグアイ,ウルグアイ,ボリビア,ペルー,エクアドル,ニカラグア,メキシコでも試験栽培が始まっているということであります。先進国の諸国の中でも,アメリカやカナダが大きな関心を呼び,アメリカでは,日本に当たる農水省が取り組んでいるということで,EMの製造設備の建設もアメリカでは進んでいるそうです。ヨーロッパでは,フランス,ドイツ,スペイン,ポルトガル,スイスとコンタクトができて,EM農法のほかに,環境問題解決のため,EMの活用が具体的に始まっているそうであります。フランスでは,特に牛や豚のふん尿の公害が地下水汚染と環境問題,非常に悪化させているということで,真剣に取り組むということであります。また,アフリカや東欧諸国でも,EMの存在を知って大変乗り気になっているので,今世紀中には,ほとんどの世界を網羅したEM自然農法のネットワークができそうな情勢だそうです。比嘉先生の試算では,EM農法が世界の隅々まで普及すれば世界の人口が100億人になっても食糧は不足しない。EMを使えば,砂漠にも作物をつくることが可能だと述べております。
 そこで,私は具体的に農業の実践例を報告させていただきます。
 EM農法の特徴は,まずボカシづくりであります。これは富里の農家の例ですが,ぬか30キロ,油かす15キロ,魚の粉9キロ,水10リッター,そしてEMを120cc,糖蜜を120cc,もみを60キロ,これを入れてかき回して,密閉した容器に1週間から10日入れておきますと,発酵して,そしてそれを乾かしてEMが繁殖しやすいえさができます。例えば,大根を植える前には,10アール当たり50キロのボカシをまいて,EMを1,000倍ぐらい薄めた液を噴霧器でかけて,その後,種をまけばいいわけであります。このボカシに学校給食の残飯あるいは生ごみなど,それぞれ農家の方が創意工夫して入れております。そうしますと,農薬や化学肥料は一切要りません。今,日本の米の平均的な収穫量は10アール当たり9俵,540キロだそうですが,これとて,農家が端正込めて面倒を見て,天候に恵まれ,農薬や化学肥料の世話になっての数字であります。これがEMを使いますと,数年後には14俵から15俵になり,実験栽培では最高27.6俵という数字ができているそうであります。化学肥料,農薬を使うと費用も10アール当たり,平成2年で24万4,000円になっていますが,EMを使うと大変安くなります。しかも品質が最高で,残留農薬の心配のないおいしい米がたくさんとれるということであります。今回の冷害で,東北地方では,10アール当たり1俵程度でもEMを使った農家では,12俵から14俵とれた。このサンケイ新聞にも報告されておりますが,そういう状況だ。将来は乾田で,直まきをすれば20俵は射程距離だと言っております。キュウリも1筋から,普通1個しかつきませんが,それが四,五個,トウモロコシが8個も着果する例,通常30個しかつかないミニトマトが300個もついたという信じられないことが起きているということであります。もちろん,これは最高の数値であります。しかも味もよく,栄養的にも最高なものだそうです。
 土には,人間など存在しない大昔の時代から大森林を育てるだけの力がありました。その力の源は微生物だったわけであります。私が訪ねた富里の4軒の農家では,ことし始めたばかりですが,ニンジン,大根,白菜,キュウリ,ホウレンソウ,キャベツ,トマトなど大きな成果があり,ミニトマトでは10アール当たり2,000万の収入,ネギ10アールで昨年の倍稼げた。白菜はこんなものをつくったことがない品質である。大根,ニンジンは肌がいい,つやがある,糖質があり甘い。ホウレンソウ,キャベツは葉っぱが光っている。軟らかくて甘みがある。ある農家では,おばあちゃんがシャコバサボテンを見てください。EMのボカシをやるとこんなに生き返ったと自慢げでした。また,豚を飼っている畜産家の主婦は,わざわざ家の中に私を案内し,シャコバサボテンを,これはEMで育ったもの,これはEMを使わないものとその対比を見せ,誇らしげに私に見せてくれました。葉っぱの色つやが全然違い,花の色の勢いまで余りの違いに私はびっくりしました。〔「質問どうした質問は」と呼ぶ者あり〕
 ちょっとお待ちください。
 鎌ヶ谷市の農家は,今までの常識では考えられない収穫であり,成果でもあった。ねぎは今まで1本45本が平均だったのが60本でも物すごく育ちがよく身が引きしまっている。大根は今まで30センチしかできなかった間隔が27センチで十分,15センチでも可能で,しかも均質した肌がつやつやしたいいものがとれると言っております。こういうように我孫子市でも,そういう実践が報告されました。
 いずれも共通してますのが経費が安い。10アール当たり,従来なら農薬と化学肥料で7万から8万かかったのが,2,500円でできると。二つ目に,収穫量が従来より多くとれる。三つ目に,質がとにかくよい。四つ目に,丈夫であり育ちがいい。五つ目に,手間が全然かからず楽になる。六つ目に,安全な農作物を自信を持って消費者に提供できる。おかげさまで農業経営にも展望が待て,息子も跡を継いでくれるようになったといずれも誇らしげでした。そして,いずれの農家もよく勉強会を行い,情報交換しあい,仲間がふえている。富里では,EM使用の農家は現在40軒あるそうです。また,成田市の豚を飼っている畜産家は,えさの中に3%のボカシを入れたらにおいがほとんどなくなった。前は200メートル先からにおっていたとのことであります。普及員の天野さんはこれに飲み水に1万倍薄めたEMを入れ,床にボカシをまき,豚舎にEMを薄めたものを噴霧器でかけると一切においもなくなり,肉質もさらによくなりますと助言しています。今まで厄介者だったふん尿も富里の農家の肥料になっているということであります。
 時間がありませんので,全国各地の実践の紹介はできませんが,ことにあります「EMのすべて」では詳細にですね,その品質ぶりをわかりやすく,写真をふんだんに使って紹介しています。今,町や村では,町興しとして,農協と協力してEM農法の勉強会,実践が続き,沖縄,徳島,香川,奈良,福井,岐阜,北海道では県単位で導入に動き始めていると言われています。全国に燎火のような勢いでEM農法が広がっており,四,五年もしないうちにほとんどの農家が取り組まれるのではないかと思います。
 そこで,私は,まず農業委員会にお尋ねしたいと思います。
 私は,この質問に当たり,農業委員会会長,事務局長に,比嘉さんの「地球を救う大変革」と「EMのすべて」を見ていただくとともに,富里のEMで農業をやっているところを見にいくようお願いしておきましたが,まず率直な御感想をいただきたいと思います。
 二つ目は,今まで有機農法や自然農法は,生産性が上がらない,虫がつきやすいということで農薬や化学肥料を使ってきました。そういう中で,農家の人たちは自分が食べるものは農薬を使わないということは一般的によく言われておりました。しかしながら,このEMの技術によって,その実践が,しかも全国的に展開されている中,もはや農薬,化学肥料を使うことは弁解になりません。今,農業経営をするものにとって,消費者に安全な農作物を提供することは崇高な責務とさえ言えます。それもなるべく早く,即刻行われるべきものであり,遅滞は許されないものと考えますが御見解をお聞かせください。
 三つ目は,日本の土壌の9割以上は崩壊型と言われる中,植物,動物,人間にとって命となる水がますます悪くなっております。水,河川,地下水をきれいにしていく課題は緊急かつ重大な施策であります。そのためにも一日も早く蘇生型の土壌に変えていくことは市民の命と健康を守る意味からも,農業経営者のこれまた崇高な責務だと考えますが,御見解をお聞かせください。
 四つ目に,今まで農業委員会は,振興部会と農地部会の二つの機能がありましたが,首都圏に近い千葉市にとって,農業委員会イコール農地部会と言われるほど振興部会は影が薄かったわけですが,今,EM技術の全国的な展開にあって,振興部会の果たす役割は重大だと考えますが御見解をお聞かせください。
 続いて,農政課,農政センターを担当する経済農政局長にお尋ねいたします。
 局長にも,先ほど言った本「EMのすべて」,また担当者には,比嘉さんの講演会のビデオや,あるいは富里のEM実践の現場農家の視察,我孫子市での比嘉さんの講演会,農業実践報告にも参加していただきました。そこで,まず,率直な御感想をお尋ねいたします。
 2点目には,先ほど農業委員会にお聞きしたことと同じことですが,農政を指導していく立場から一日も早くEM技術を使って,市民に安全な野菜,果物,食品を提供することは農政の緊急かつ重大な施策と考えますが,御見解をお聞かせください。
 3点目は,水,河川,地下水をきれいにしていく課題で,農地,森林の土壌の蘇生化を進めていくことは,市民の命と健康を守る意味からも,緊急かつ重大な施策でもあると考えますが,御見解をお聞かせください。
 4点目は,現在行われている農業集落排水対策事業は費用の点や効果の点で再検討すべきだと考えます。後ほど環境問題でも述べますが,合併浄化槽にEM技術を入れてやることによって水もきれいになり河川もきれいにしていく方がより効果的だと考えます。ぜひ調査,検討していただきたいと思いますが,御見解をお聞かせください。
 五つ目は,農地の改良区に使う井戸水においてもEMの活用を研究していただきたいと考えます。御見解をお聞かせください。
 続いて教育長にお尋ねいたします。
 子供たちに安全な食品を提供することは学校給食の大きな役割だと考えます。EM技術によって農薬や化学肥料を使わないで農作物,食品を提供できるようになった中,一日も早く給食現場をあずかるものとして,野菜,肉類の安全な食品確保のための御見解をお聞かせいただきたいと思います。
 続いて消費者サイドからであります。
 中央卸売市場行政では,市民に農薬や化学肥料を使わない安全な野菜や果物を提供するためにも,卸売業者を通じて生産者団体に強く働きかけるとともに,市内の量販店にも安全な野菜,果物,肉を提供するため,小売店としても努力してもらうことなど,非常に大事だと考えますが,御見解をお聞かせください。
 また,消費生活センター,消費生活課を担当するセクションとして消費者に強く働きかけ,今こそ農薬や化学肥料を使わない安全な食品を提供することも大事な施策として創意工夫して展開していくことが大事だと考えますが,御見解をお聞かせください。
 昔は農業は国のもとということですが,今は農業は国の荷物になっています。こんな事態になったのは,一つは農業政策,もう一つは化学肥料や農薬と大型機械に頼り過ぎた結果です。農薬や化学肥料の過剰な投入は人間の健康や環境に破壊的に作用し,土の中の病原性微生物をふやしています。崩壊型の微生物がリーダーシップをとってしまうので土が本来持つ作物を育てる力がどんどんそがれていく状況にあり,特に問題なのは,化学肥料や農薬を使った農作物は,本来,その中に含まれているはずの抗酸性物質が極端に減り,人間の健康を崩壊の方向へ追いやっていることであります。人間が健康であるのは過剰な酸化を防止する抗酸化力と免疫力であります。我々の周囲には崩壊型の微生物もたくさんいますが,それに打ち勝っていけるのはこの両者のおかげです。その打ち勝つ力が生命力ですが,最近,この生命力のレベルが下がっている。各種のアレルギー反応,原因不明の難病など,今まで絶対に負けるはずのなかった菌にころりと負けたりする。エイズなんか取るに足らない弱いレトロウィルスですが,そんなものがのさばり歩くほど人間の生命力は,弱っているという見方もできると比嘉さんは言っております。また,金属はさびやすくなったり大理石の彫刻が崩壊の危機にさらされたり材料の劣化が早くなるなど,環境悪化と地力が弱くなっているのが軌を一つにしているのは単なる偶然ではない。生命力は衰弱したり物質が劣化するのはすべて酸素のせいだ。酸化という現象がすべてを崩壊させている。私たちが吸っている普通の分子状の酸素には直接的な酸化力はありません。この酸素が活性化して反応を起こす状態になったときにすべてが急速に酸化される。この活性した酸素を活性酸素またはフリーラジカルと称しています。塩素や窒素酸化物,硫化物などあらゆるイオン化した成分がそういう作用を持つようになっている。水も非常に厄介な性質があって,水には情報転写力というのがあって,雨になって落ちてくると最初に当たった物質の情報をつかんでしまう。悪い土壌ですと水は非常に悪い情報を転写する。それは沸騰させてもその性質は変わらないということであります。今,環境は大気から土や水まで皆悪くなっているので水はそういう悪い情報をしっかり身につけてしまうことになる。これは健康のためにゆゆしき問題と言えると言っております。EMはその生成する各種の物資によって,この情写体を解除する力がある。だから,酸性雨が降ろうと大気が汚染されようと,畑や森林のEMのレベルが高いと地下水はきれいになり浄化される。こういう水を浄化する働きは,今までは強烈な磁場とか静電気,紫外線,遠赤外線などが持つ特性とされていましたが,微生物にもあるということは今までだれも気がつかなかった。今,環境汚染,食品汚染,過剰な治療や投薬等,人間は皆強い酸化状態の中で生活している。この厄介な問題をストップさせるかぎを握っているのが抗酸化物質である。この抗酸化物質を生活の中にふんだんに取り入れることによって人間は病気になる原因をほとんどすべて取り除くことができる。地球全体の酸化傾向にストップをかけ,抗酸化状況をつくり出すことこそ地球に優しい環境行政の最大のテーマのように私は思います。
 そこで,環境衛生局長にお尋ねいたします。
 環境行政の具体化は各部にまたがるものが非常に多いと思いますが,比嘉さんが開発されたEM技術はまさに自然の循環作用の理にかなったものであり,その柱の一つになり得るものと感じますが,総括的とも言える御所見をお伺いしたいと思います。
 続いて具体的な問題に入ります。
 各部にまたがると思いますので担当者で答弁をお願いしたいと思います。
 1点目は,清掃局,下水道局にかかわる問題ですが,現在の下水処理の主流は活性汚泥法と呼ばれる方式ですが,EMで処理しますと汚泥が発生しません。我が国の汚泥処理費は年間1兆円と言われています。しかも非常に厄介なものであります。この解決に役立つことになり,余った水を河川に流せば河川もきれいになります。御見解をお聞かせください。
 二つ目は重金属の処理です。これまた厄介なものでありますが,これをEMを使うと分子状態に戻るそうであります。分子状態に戻れば重金属の害が避けられます。御見解をお聞かせください。
 三つ目に,地下水汚染対策にEMを使うことであります。アメリカのある農場では,牧場の地下水の重金属が影響して家畜に奇形が多発していましたが,EMをその井戸に添加して使うようになってぴたりととまった例があります。これは重金属が分子状況になったために影響を弱めた結果と言えると言っていますので,効果が期待できると考えますが,御見解をお聞かせください。
 四つ目に,合併浄化槽にEM浄化法を使う問題です。沖縄県の具志川の市庁舎と市立図書館に,二つの公共施設の合併浄化槽に,従来のような好気性微生物を主体とした活性汚泥法ではなくて,EM浄化法で嫌気性菌を主体としたEMを投与して汚水を処理しているということでありますが,有機物はほとんど水と炭酸ガスに分解され,汚泥もほとんど発生せず,BODも飲み水の基準以下の0.05ppmという驚くべき数字に下がっている。これはせせらぎの小川の状況だということであります。千葉市においても,ぜひ具志川市の実態を調査していただくとともに,合併浄化槽業者にも検討させ,普及させていく課題は河川浄化対策にとって大事であり,御見解をお聞かせください。
 五つ目に,単独浄化槽くみ取り現場にEMを使うことであります。センターの天野さんに聞きますと,トイレにEMを入れるだけでにおいがなくなり作業をする人がとても楽になります。処理するときも楽です。単独浄化槽の設置の家庭が河川汚染の重要な要因になっております。これにEMを使うことの工夫を検討していただきたいと思いますが,御見解をお聞かせください。
 六つ目に,産業廃棄物場におけるEMの使用であります。今,栃木県では,掘った穴に産業廃棄物を埋めて地下水汚染が大きな課題になっております。汚染物質が大好きな嫌気性の微生物のまさに出番であります。大きな効果が期待できると考えます。比嘉先生とも相談していただき,創意工夫した対策を御検討していただきたいと思いますが,御見解をお聞かせください。
 七つ目に,最終処分地へのEMの使用についても,産業廃棄物同様,EMの使用について効果があると考えます。御見解をお聞かせください。
 八つ目に,ごみの減量の問題です。我孫子市では,市民グループがここにあります,ちょっと私用意したんですが,このプラスチックの容器なんですが,これにボカシというのが先ほど富里でも紹介しましたが,これにですね,毎日生ごみを入れてこのボカシを少量かけていく。これを繰り返すことによって発酵してですね,いい肥料になる。これを家庭菜園なんかにかけると非常にいい。こういうことによって,非常に生ごみが減って,我孫子市では,1,000世帯が使っているということであります。このボカシは福祉作業所が200円で市民にお配りしている,こういうことでございます。で,我孫子市の農家の玉根さんはですね,自分でつくったEMボカシ1型というのを消費者に配って,1週間に1回,100軒の農家からそれを取り寄せて自分のところの野菜づくりに生ごみを使っている。あるいは野口さんはボカシに学校給食の残飯を半分使っているということであります。岐阜県の可児市では,市を挙げて実践して,市長さんも使っているということであります。
 そこで,お尋ねしたい点は,千葉市も可児市や我孫子市の例を学び,生ごみ減量のリサイクル化に真剣に考えるべき時期に来ていると思います。今までコンポストは非常ににおいがすることで難しかったわけですが,このEMを使うとにおいが消えるわけですので,この点の御見解をお尋ねします。
 九つ目に,地下水,河川をきれいにする視点から,都市局長にお尋ねします。
 街路樹や植え込み,公園に定期的にボカシをやる課題です。木や花が生き生きと育つだけではなくて,土壌が蘇生の方向に進むとともに,地下水,河川をも浄化することにもなりますし,森林は先ほど述べましたように酸性雨対策にもなります。御見解をお聞かせください。
 これに関連して,このボカシづくりに清掃部も協力して,市内から出る需要家の生ごみを扱い,特に食べ物関係ですが,我孫子市のように福祉作業所に仕事の大きな柱としたら非常にそういう点ではですね,市民も求めやすいし,大きな一つの課題にもなると思いますので,その辺も御見解をお聞かせいただきたい。
 それから10番目に,学校プールの消毒にEMを。塩素を使うのではなくEMに切りかえる課題です。EMを入れると,人間の汚れも,おしっこも大腸菌もみんなEM微生物が食べて水をきれいにしてくれます。プールに塩素を入れる最大の理由は大腸菌対策ですから,その目的はEMで十分に果たせるわけです。水の中の抗酸化物質がふえ,目を痛めないばかりか肌がきれいになるとか,皮膚病が治るといったプラスの相乗効果が出ている報告があります。御見解をお聞かせいただきたいと思います。
 11番目に,上水のEMの使用であります。今,県水は活性炭と塩素を大量に入れていると聞いております。先ほど述べましたように塩素は活性酸素を刺激するわけですから,厚生省からあんまり塩素を使わないよう指導もあったと聞いておりますが,なにせ印幡沼は利根川の最後のところでありまして,しかも家庭の雑排水が入り込んでおります。比嘉先生自身がダムにEMを入れたらと言っているぐらいです。ぜひ比嘉先生とも相談していただき検討のほどお願いしたいと思いますが,御見解をお聞かせください。
 環境問題の最後は,汚濁した池の浄化にも利用でき,埼玉県のあるゴルフ場で実験した結果は1ヵ月間,水はすっかり透明度を増した。一般の池や養殖池の水の濁りを取るのにも使われている。あるいはタンカーの原油の海洋汚染も喜んでこの汚れを食べてくれる。砂浜にも散布すればその汚染源となっている有機物を磯にいる生物のえさに変える力がある。今まで解決不可能と思われた現象に微生物の働きで解決していくことが次々と出ています。ぜひ環境部におかれては,また環境行政の柱の一つとしてEMの役割を調査,研究をしていただき,実践に大きく踏み出すことを期待しています。御見解をお聞かせください。
 最後に医療の問題です。
 先ほど述べましたように生命力が衰弱したり物質が劣化するのは酸化という現象であり,酸素を活性化する状態,活性酸素またはフリーラジカルは排気ガスを初め,農薬や化学肥料,各種の酸化物,または腐敗物はすべて強烈なフリーラジカルを誘発します。腐敗菌や病原菌も強いフリーラジカルを誘発しますが,毒物のほとんどが超々フリーラジカル誘発剤と考える方が的を得ている。現在の医療現場における各種の治療は,結果的には酸化を促進する方法となり,薬は裏を返せば毒ということを証明しています。体力を消耗する放射線治療なども体内に大量のフリーラジカルを発生させます。対症療法的によかれと思われることでも全体的に見ると逆効果の場合があります。環境や植物,生活様式などが強烈に酸化状態となった病人に強い酸化を誘発する治療が重なれば期待に反することが多くなるのは無理もありません。EMを使って,鶏,牛,豚,魚など,難病や伝染病など熱帯の畜産で致命的とも言われる種々の病気がうそのように治ってしまう。植物の病気も同種で困難なものでも抗酸化物質のレベルを上げることによって劇的に改善された。身体において言われる食品,水,薬でも,良薬と言われるものは申し合わせたように抗酸性作用がある。それに,病気という現象や病気を誘発する原因はすべて酸化力を持つという共通点がある。治療の視点を酸化と抗酸化において考える。従来になかった新しい視点が明確になってきている。すなわち,これまで漠然としていた自然治癒力の概念であります。
 自然治癒力とは,生体が本来持っている自己修復能力のことで,この修復能力は山火事と消防の関係に似ていて,火の勢いが小さなときはいとも簡単に消してしまいますが,大きくなると手に負えず全焼してしまいます。病気で言えば,自然治癒力が働くのはまた火が消せるレベルであって,それよりも進んだ場合は,幾ら神様にお願いして薬を飲んでも無理なのです。このような大火事でも,それを上回る大雨が降れば火は消えますので,焼けた部分は時間の経過とともに回復し,もとの山に戻ってしまいます。人間の体は常に燃えているわけですから,それが火事にならないコントロールしているのが抗酸化物質の働きです。したがって,自然治癒力を高めようと思えば,体内の抗酸性力を高める必要があり,また免疫力を高めようと思えば日常的に抗酸化力を高める必要があります。したがって,どんなにひどい病気でも,その強い酸化状態をもとに戻すことが可能であれば,本来持っている自然治癒力を復元して劇的に回復へと向かうことになりますと比嘉先生は述べています。
 私は,この視点こそ,今日,医療問題の深刻な問題を解決し,国民全体の健康を取り戻す道だと考えますが,御見解をお尋ねいたします。
 二つ目は,院内感染,耐性菌のMRSAの対策ですが,加湿機やスプレーなどでEMにおいてにおい消しに使われておりますが,この技術を応用したりして,モップにEMを染み込ませて床面をふいたりすると,非常に大きな成果が上がっているということであります。とりあえず市立病院で実践され,それを広めていくことが大事だと考えますので,御見解をお聞かせください。
 以上で,大変長くなりましたが1回目の質問を終わります。長い時間,御清聴ありがとうございました。(拍手)

◯農業委員会事務局長(丸島義弘君)

 有用性微生物技術とその応用についてのうち,所管の4点について御答弁申し上げます。
 まず,1点目の参考図書と富里のEMで農業を行っている農家を見ての率直な感想はとのことでございますが,微生物利用による害虫防除の試験研究が行われていることは聞いておりましたが,参考図書を読んで,また有用性微生物の利用による技術が進み自然農法と結びつき,県内を初め全国各地で取り入れられ実績を上げているとのことで,会長ともども富里のEM農家を視察したところ,野菜を主体とした7ヘクタール余を耕作する農家でEMを利用しましてまだ1年余で,根菜類の害虫であるネマトーダは少なくなり土壌消毒の必要がなくなったし,またトウモロコシは味がよく,品質も向上したが本当の効果が出るのは数年先でしょうということに驚きました。会長もボカシのサンプルをいただいてきたところでございます。
 次に,2点目の消費者に安全な農作物を提供することは崇高な義務で,即刻行われるべきで遅滞は許されない,見解はとのことでございますけれども,今までの農業は生産性,経済性を追求するため,品種改良,化学肥料,農薬の開発,機械化の推進が図られ,これが現在の農法の主体となっております。一方,食生活の向上により,消費者ニーズも次第に自然志向,食品の安全性を問うようになり,消費者との懇談会においても農薬に対する質問が多く,そのため農家は低農薬化や地力の向上を図るため,有機物である堆肥の施用を行政の指導のもとに進めてきたところでございます。さらに一部農家では,無農薬,有機肥料による有機栽培を取り入れる農家もありましたが,問題点もあり,なかなか拡大しないのが実情でございます。この有機農法に有用性微生物が入ったEM農法は地力の向上が著しく上昇し,作物栽培に好結果をもたらすものと考えますので,さらに県内農家,実施農家を調査し,無農薬化を推進してまいりたいと存じます。
 次に,3点目の蘇生型の土壌に変えて市民の命と健康を守る意味から農業経営者の崇高な責務と考えるが見解はとのことでございます。
 2点目で御答弁申し上げましたように,生産性の向上を進めてきた結果,農地の地力低下と酸性化を招いていることは事実であり,このためこれまでにも堆肥を主体とした有機物の投与,緑肥作物の栽培,酸性中和剤の散布等,地力の向上に努めてきたところでございます。土は農業の基本であり,この土の地力を高めることは生産性の向上を図るだけでなく,森林とともに保水力,浄化能力の向上等,環境面においても大きな効果をもたらすものであり,有機物に有用性微生物を混入して投与すれば有機物の分解が促進されますので,さらに有機物の投与,緑肥作物の栽培等を推進してまいりたいと考えております。
 最後に,EM技術の全国的な展開にあって農業振興部会の果たす役割は重大と考えるが,見解をとのことでございますが,農業振興部会は農業振興方策の調査,研究,市長への建議,農地の流動化の推進等が主な業務でございますので,この件についても会長や農業振興部会長と協議し,問題提起をしてまいりたいと存じます。
 以上で終わります。

◯経済農政局長(長島照男君)

 有用性微生物技術とその応用についてのうち,7点についてお答えいたします。
 まず1点目の,EM農法の講演会等や実践農家の視察に参加した率直な感想についてでございますが,文献,講演会などで見聞いたしますと,EM農法は自然のメカニズムを利用した新しい農法であり,安全な食糧を安定的に供給するという観点から見ますと非常に注目すべき農法であると考えるものでございます。しかし,反面,EM農法が目指しております6点が実現するということになりますと,現在進めております技術体系を初め,農業構造や農業を取り巻く産業構造などに大きな変革が予想されますことから,経済社会にどのような反響をもたらすのか,想像しがたいものと感じているところでございます。
 2点目の,一日も早いEM技術を使って,市民に安全な野菜,食品を提供することについての見解についてお答えいたします。
 土づくりを基本とし,安全な農作物を安定的に供給することは,農政の重要な施策でございます。そうしたことから,現在,有機農法実証試験圃場を農政センターに設けて,その成果を出すべく努めているところでございます。また,富里町のEM菌使用農家を訪ね,その感想を聞くとともに,畑の土を持ち帰り土壌分析をしているところでもございますし,各自治体の取り組み状況につきましても調査をしてまいりたいと考えております。今後,農政センターの有機農法実証試験と合わせ,富里町の実践農家のようにやってみようという農家と連携して検討してまいりたいと考えております。農家への普及,指導につきましても,実証試験や富里農家の成果をもとに先進事例をも参照し検討してまいりたいと考えております。
 3点目の水,河川,地下水をきれいにして,農地,森林の土壌の蘇生化を進めることについてお答えいたします。
 21世紀に向けて,地球規模での環境保全が大きな課題となっている中で,農林業の果たしている役割は非常に大きなものがございます。このような役割を高次に発揮させていくためには,作物や樹木等が健全に成育することが重要であり,土壌保全が基本であると考えております。そこで,作物が健全に育つ土壌の蘇生化につきましては,農政センター内の有機農法実証試験圃場において検討してまいりたいと考えておりますし,森林の育成につきましても,土壌の素質より植生や経済林としての素質も異なりますことから,今後,自然生態系の中でのあるべき姿について,土壌の蘇生化等,研究,検討してまいりたいと考えております。
 4点目の,農業集落排水事業は再検討し,EMを使った合併浄化槽が効果的だと考えるがその見解についてお答えいたします。
 農業集落排水事業につきましては,採択地区の拡大とその推進に鋭意努力しているところでございますし,処理水についても,鹿島川における県の上乗せ条例の排水基準をも満たす施設を設置しているところでございます。しかし,計画地区全体を完全に整備しますには相当の期間を要しますが,都市と農村の生活環境格差是正の観点から,本市の生活排水対策推進計画との整合性を図りつつ,使用している事例を調査し,研究,検討してまいりたいと存じます。
 5点目の,土地改良区の井戸水にEMの活用を研究することについてお答えいたします。
 土地改良区の揚水機場は,公法人が所有する施設でございますので,農政センターで試験するデータ,先進地事例を参考にしながら,土地改良区と協議,検討してまいりたいと存じます。
 6点目の中央卸売市場行政でも,市民に農薬や化学肥料を使わない安全な青果物を提供することについてお答えいたします。
 当市場におきましては,現在,一部野菜につきまして,有機栽培を表示した農作物もございますが,市場が安全な青果物を市民に提供することは大事なことと認識し,集荷や販売に努めているところでございます。近年の安全志向を踏まえた栽培による農作物の市場の取り扱いにつきましては,関係業界と集荷や販売方法等について,協議,検討してまいりたいと存じます。
 最後に,消費者に安全な食品を提供する施策についてお答えいたします。
 近年,食品に対する消費者ニーズは,より安全でより新鮮なものが求められており,できるだけ農薬などを使わない安全な食品を消費者に提供する施策は重要と認識しております。このような消費者ニーズに対応するため,国においては有機農産物ガイドラインを作成し,平成5年4月1日に施行したところでございます。本市といたしましても,有機農作物等の啓発を図るため,消費者情報誌に掲載するとともに食品の安全性に関するビデオや映画フィルム,図書の貸し出し等,消費者の啓発に努めておるところでございます。今後とも,市民の消費生活の安全を確保するため,有機農産物等の生産,流通の実態を調査,研究し,消費者への情報の提供と啓発に努めてまいりたいと存じます。
 終わります。

◯教育長(山本義春君)

 最初に,有効微生物群の学校給食についての御質問をいただきました。
 学校給食に使用いたします野菜や肉類等の食材料の購入,お話にもございましたように何としても安全であること,そして新鮮な食品ということが肝要でございますし,同時にまた,大量購入ということから,安定的な供給システムが必要になることは御質問にあったとおりでございます。そうしたことを前提にいたしまして,EMによる生産物について学校給食に可能かどうか,今後,十分な調査,研究が必要かというふうに考えております。
 次に,プールの消毒に,塩素ではなくてこのEMに切りかえたらどうかという御提言でございますが,これも御承知のとおり,文部省の通達によりまして塩素消毒の基準が示されております。これが義務づけられておりますので,現行,この規準に従って指導徹底を図っておりますが,御質問にもございましたように,既に沖縄県の具志川市でシーズンオフにこのEMの投入について実験をしておるそうでございますので,私どももこの現地調査をしてみたいというふうに考えております。
 以上です。

(答弁はまだ続きますが,ファイルサイズの関係で千葉市(2)に続きます)

  • 最終更新:2014-05-30 19:20:09

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