千葉市(2)

おことわり

千葉市議会に関してはEMだけでなく波動MRAならびに船井幸雄氏について言及している点がありました。EM同様にニセ科学として問題の大きいものですので,併せて取り上げさせていただきます。

1993.12.13 平成5年第4回定例会

千葉市(1)の藤井武徳議員の質問に対する答弁の続き)

◯環境衛生局長(尾形裕也君)

 EM技術とその応用につきまして,環境についてのうち所管事項及び医療についてお答え申し上げます。
 まず,環境衛生局長としての総括的な見解をとのお尋ねでございますが,御紹介のありました琉球大学の比嘉教授の著書を拝読させていただきました。そういった段階でございますので,いまだ断定的なことは申せませんが,とりあえず感じたことを申し上げますと,EM技術は嫌気性微生物と好気性微生物の組み合わせというスケールの大きい議論であり,これまで成果を上げてきているという農業分野のみならず,環境問題含め,今後幅広く利用される可能性があるということについては大きな関心を抱きました。今後,この技術の動向に注目をしてまいりたいと存じます。
 次に,EMの地下水汚染対策への応用についての御質問でございます。
 地下水浄化技術につきましては,現在,さまざまな技術開発が盛んに進められておりますが,その方法といたしましては,還元等の科学的処理,吸着等の物理的処理,微生物による生物学的処理等種々の技術がございます。本市は有機塩素化合物及び六価クロムによる地下水汚染の問題を抱えておりますので,事業者指導のための地下水の浄化対策技術について種々検討を進めているところでございます。したがいまして,御指摘のEM技術につきましても,本市の汚染特性に照らし適応可能かどうか今後検討するとともに,試行的なテストもあわせて行ってまいりたいと考えております。
 次に,EM技術の環境全般への応用についての御質問でございますが,EM技術の農業への利用についてはこれまで数多くの実践例があり,技術の確率が図られたものもあるようでございますが,環境分野においては実践例が少なくEM技術の適用は今後の課題であるというふうに認識いたしております。環境分野の技術開発は近年の地球環境問題への対応等により技術の革新が急速に進展しており,特に最近では微生物の活用による技術に大いに関心が高まっております。EM技術はこうした技術革新の大きな流れの中で注目すべき技術でありますが,その適用に当たりましては,生態系への影響のほか,EMの使用方法,条件,処理対象物の範囲等,さまざまな課題がございますので,今後,十分検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に,医療における応用についてでございます。
 1点目の強い酸化状態をもとに戻し,本来持っている自然治癒力を復元する,こうした視点が深刻な医療問題を解決し,国民全体の健康を取り戻す道ではないかという御質問でございます。
 現在,医療が高齢化への対応あるいは健康づくり等,いろいろな課題に直面していることは議員御指摘のとおりでございます。そういった意味で,EM技術等の新しい技術が開発され医療に応用できるとすれば望ましいことであると考えております。ただ医療におきましては,人の体を直接扱うため,安全性の問題等,より一層慎重に対処しなければならない分野であり,本件につきましては,今後,専門の医療関係学会等の動向を見守り適切に対応してまいりたいと存じます。
 次に,2点目の院内感染防止のために市立病院がEM菌活用を実施し広めていったらどうかという御質問でございますが,病院はその施設の性格上,清潔保持等衛生面については特に厳しい基準が設けられており,病院での使用に当たっては有効性はもとより安全性についても慎重な対応が求められるところでございます。そこで,医療への応用の場合と同様に関連学会の動向,国の動き,その他の実施事例等を見守って対応してまいりたいと存じます。
 以上でございます。

◯清掃局長(古川 誠君)

 所管にかかわりますその具体的対応についてお答えを申し上げます。
 衛生処理場,それから一般廃棄物の処分場につきましては,市の施設でございますので,先ほどお話のありました他市の例等,実態調査を行いまして検討してまいりたいと存じます。
 それから,生ごみの減量につきましては,本市ではコンポスト容器への助成制度を実施しておるところでございますが,EM技術の活用についても実施している都市,これは我孫子の例だとかございましたけれども,結果を踏まえまして検討したいと考えております。さらに合併処理浄化槽,単独浄化槽,産業廃棄物処分場などにつきましては,民間の管理でございますので,実績データなどによりその効果を示し,協力を得る必要があると考えております。いずれにいたしましても,その適用に当たりましては種々のデータの集積が必要であると考えます。したがいまして,今後,研究結果や実施している都市の推移などを見ながら可能性について検討してまいりたいと存じます。
 以上でございます。

◯下水道局長(浦田健一君)

 御質問のうち,下水処理技術及び重金属の処理技術についての御質問にお答えいたします。
 廃水処理技術という観点からまとめてお答え申し上げます。
 廃水処理へのEMの利用についての見解ということでございますが,現在の下水処理方法は,その安全性,処理効率,経済性などの面から微生物を活用したさまざまな方式が開発され広く採用されているところでございます。本市では,そのうち活性汚泥法を採用しております。この方法によりますと,汚濁物質の除去の過程で汚泥が発生するわけでございます。比嘉先生の報告によりますと,EM技術は嫌気性,好気性の微生物を共存させて土壌を腐敗型から蘇生の方向に変えたという実例が報告されておりまして,環境問題にも応用できる技術であると報告がされておりますことが注目に値する点ではないかと考えております。今後ともこのEM技術につきましても,その開発動向に研究,調査をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◯都市局長(林 孝二郎君)

 街路樹及び公園樹にEM土壌改良剤を使用したらどうかという御質問でございました。
 現在でも芝生や植え込み等の花木の肥料には有機化成系の肥料を使用いたしております。これにより樹木の成育,土壌の活性化を図っているところでございます。御質問のEM技術など微生物材の活用による樹木への応用につきましては,研究の最も進んでいる農業面での効果と影響等踏まえまして,試験的な使用も含め,調査,検討してまいりたいと考えております。
 以上です。

◯水道局長(青木政史君)

 上水へのEMの使用についてのお尋ねでございます。
 各水道事業者が現在行っております水道水の浄水方法は,水道法に基づく国の認可のもとに運用されているところでございます。議員御提言の有効微生物群による浄水方法につきましては,将来,その有効性が客観的に広く認められるようになりますと,水道水の浄水方法の一つとして各水道事業者が取り入れていくものと認識いたしております。今後,関係機関,各水道事業者等の対応状況の把握に努めるなど調査をしてまいりたいと存じます。
 以上でございます。

◯53番(藤井武徳君)

 私は,実は比嘉さんのEM技術を知ったのは,たまたま本屋で船井幸雄さんという経営コンサルタントがいます。これは250人の経営コンサルタントを抱え,株式を公開,世界で始めてしているという人でありますが,その人の,船井幸雄さんが言うのには,今,非常事態であると。この不景気は相当長く続くだろうし,世界的同時不況というのは今までかつてないことだ。それはある意味では大きな歴史の変動期でもある。1991年にもう世の中は変わってきている。こういうことを言っております。物,金から心の時代へと移りつつある。2番目には,経営者の意識も変わってきている。すばらしい経営者はエコノミストからエコロジストになっている。3番目は,宇宙エネルギーが認められ始めた。これにはいろいろな問題があります。空中の微生物から電気を起こす機械も開発されたそうでありますがそういう問題。それから4番目に,非常時なのに平常時のよさが残っている。本来,文化,芸術,グルメ,ファッションなどというのは非常時のときにはこれはずっと停滞するんですが,そういうのが今でも発達し続けている。こういう時代の中に,今までのように対決・競争の時代から,いよいよ共存・共栄の時代に入っていく。そしてやがては本物の時代が来る。今,その移行期だ。その本物の時代の本物の商品の特徴というのはですね,船井先生のお話ですと,一つは単純であると。2番目は万能で何でも効く。3番目は即効性がある。4番目は制約はない。5番目は副作用がない。
 これに対して比嘉先生は五つの特性はもちろん,四つのことでチェックする必要がある。一つは安全快適で,2番目はローコストでハイクオリティ,要するに単価が安く,そして品質の高いもの。3番目は省エネ型であること。4番目は自然の生態系を破壊せずに環境をよくしていく。こういう点でですね,点検していく必要があるんじゃないかと,こう言ってまして,私も実はびっくりしました。
 そしたらある日,あそこの千葉市のリサイクルセンターの祈願祭で三菱重工の役員が来てましたので,役員の人にEMの技術,知ってますかと言ったら知っていると言うんですね。で,91年を境に世の中変わって経営者の意識も変わっているようですが本当ですかと言ったら,こういうこと言いました。藤井さん,恐らくこれから二,三十年後たって世の中がこんなに変わったのは1991年を境にしてからだろう。こういうふうに述懐するだろう。私は三菱というのはやっぱりすごいなと思いましたのは,そういう情報を彼らはみんな知っていて勉強している。まあ,そういうことでありまして,その本物の時代の象徴的なのがこのEMの技術だと言われています。
 恐らくこれは,先ほど言いましたように,紹介しましたように,今,世界の41カ国,日本の学者が開発したのに世界が先に使っていっているという,この奇妙なのは,本当に私どもせっかくこれだけすばらしい学者を出して,私は近いうちノーベル賞をいただける人ではないかなと思っておりますが,そういう状況に世の中が変わろうとしている。
 それだけではありません。ここにですね,宮里の農家がですね,マルワ園芸出荷組合,10軒の農家なんです。そこはみんなEMでやっているんです。で,市場に出すときに段ボールに品物入れます。ここにですね,印刷物があります。ちょっと紹介しますと,決してきれいな印刷物じゃないんですが,見出しにですね,太陽の光をかいて大根だとかニンジンが育っている図をかいてですね,健康な作物は健康な土からと題しまして,私たちは健康な作物は健康な土に育つと考え,本来の土の姿を取り戻そうとEM(有用微生物群)を活用し健康な土を育ててきました。その結果,農業,化学肥料は必要としない健康な作物が育つようになりました。大自然に感謝し,その恵みを皆様にお届けいたします。こういうのがみんな市場でですね,そこの扱った農家の人はこういうチラシ入れている。ところが実際は小売店行きますともうこれはないわけですから,よっぽど小売店の経営者が消費者に言わない限りそれはわからないわけですが,世の中はですね,変動期の変わる時期というのは我々注意しなけりゃいけないのは,その本来の農業の技術者の水準を超えて,現場でですね,どんどんこういうことが進んでいる。この実態にぜひですね,農業の担当する農政センターの皆さん,農政部の皆さんあるいは農業委員会の皆さんは考えていただきたい。
 私ども,やっぱりですね,現場を見て,やっぱり技術者の頭を切りかえていく。私は,実は農業の問題もあんまり関心なかったし,農業ののの字も知りませんでした。しかし非常にそれを知って恥ずかしく思いました。もっともっと我々のアンテナをやっぱり立ててなきゃいけなかったんだな。三菱重工の役員じゃありませんけれど,こんなことを知らないのは私ども政治家や役人ぐらいのものですねと言ったら笑っていました。このようにですね,船井さんの講演会は毎年夏,大阪と,あるいは関東でやります。(発言する者あり)
 静かに。まあまあ静かに聞いてくださいよ。
 いいですか。やっているときに,そこに日本のですね,数多くの経営者が集まるんです。そういう経営者の中で比嘉さんの話がされている。改めてですね,私はそういうことの大事さを感じているわけです。そういう点でですね,千葉市の農家に一日も早く農薬や化学肥料を使わない農法に転換させるためにですね,今までの技術経験を最大限に生かして頑張っていただきたいものだと思います。また,消費者や市民に安全な農作物を提供する責務を果たすべきだと考えておりますし,先ほど言いましたように市民の命と健康を守るための環境,最大のやっぱりそれは土壌だと,そういうことで皆さん方の御努力を一層ですね,期待したいと思います。
 それから一方,消費者の努力としてですね,卸売市場や消費者生活サイドから市民に安全な農作物,食品を提供するため,あるいは市民の命と健康を守る環境をよくしていく視点からですね,ぜひ消費者サイドからも頑張ってですね,一日も早く私ども,そういうものを食べたい。実は鎌ヶ谷の農家から大根とですね,ネギをいただいたんですが,本当に家族全員がおいしいと言ってました。それを一日も早くやるようですね,現場を見ていただく。あるいは農薬を使わない農業をやっていただくということでございますので,ぜひ頑張っていただきたい,そのように思います。
 それから,環境衛生局長にお願いしたい点は,やっぱりこれがすべてを物語っているというのは,沖縄のですね,具志川の市立の図書館では,合併浄化槽にEMを入れただけでですね,BODが0.05ppm,これはもう恐るべき数字であります。下水道でですね,3次処理やったって20ppmですから。下水道は好気性の微生物です。だからこの好気性と嫌気性を組み合わせる。そうすると嫌気性の微生物はそういう今までの汚物をみんな食ってくれる。だから汚泥がなくなるわけです。だから,そしてこれは旭川のですね,食品業者の産業廃棄物を出しているところでこのEM技術を入れたそうです。そしたら90%BODが除去できた。そしてその産業廃棄物は肥料に使われるようになった。今までハエがたかっていたような層のところにですね,ミツバチが来るようになった。こういうことで,それもですね,ボカシを入れてね,1日EMを1リッターやればそうなった。そういうことでございますので,これはもう微生物の持っている本当の自然の循環を,今崩壊型が90%の土壌ですから,これに繁殖しやすい条件をEMの技術を使ってやってやることによってですね,自然の循環で自己増殖を続けていく。環境問題の私は決め手だと思います。
 この質問する過程に答弁者の方々といろいろお話しして,ぜひ見てほしいと言ったら,議会終了後ですね,なるべく早く沖縄の具志川の図書館なんかも見にいきたい,各担当者が言っておりました。私は担当者と同時に,先ほど言いました関係する局長や部長はぜひですね,自分の目で確かめていただきたい。旭川の例あるいは沖縄の具志川の例,そして私は大いにですね,日本が生んだすばらしい学者ですから比嘉先生を使ってですね,実際どうやっていったらよいかという研究をしていただきたいと思います。
 そして,上水は直接にはこれは県の問題でありますが,あの今の柏井の浄水場にはですね,活性炭と塩素を非常にぶち込んでいるわけです。この塩素をぶち込まないでEMをやれば本当にきれいな水が提供できる。今,どんな家庭でも浄水器をつけない家庭がないぐらいに飲み水も心配であります。そういうことで,そういう問題にも解決になりますし,鹿島川沿いにはぜひ合併浄化槽を推進していただいて,そこをEMを入れていただければ水の質が0.05まで下がるわけですから。そして,その使った微生物がさらに河川の有機物を食って水をきれいにしていくわけですから,これは河川浄化にもなるわけです。
 そういう点でですね,環境行政をあずかる各セクションの皆さん,ぜひですね,御奮闘お願いしたい,そして私ども議員はいつもですね,私ども花見川が近いわけですが,いつまでたっても花見川はきれいになりません。約束中にも公共下水ができないというつらさでありました。しかし,もう現実的に解決できる状況が生まれたわけですので,ぜひ市民の期待にこたえて環境問題。
 そして医療問題も最後少し述べさせていただきますが,EMスペシャルというのをつくったそうです。比嘉さんは医薬メーカーから何回も技術提供しようという話があったんですが,それをやると高くなるということで,このEMのスペシャルを飲みますと,実践例では肝臓がんの末期患者が治ったとか糖尿病のひどい人が治ったとかですね,いろいろな実践例が出て現場の医者も取り組んでいるようです。そういう点で,医療そのものも変えていく力になるんではないかと私は確信しております。
 そういうことで,皆さん方の,職員の皆さんの一層の御努力を期待いたしまして,大変長くなりましたが私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

1993.12.15 平成5年第4回定例会

◯18番(鹿野 強君)

 環境消防委員長報告をさせていただきます。
 当委員会に付託されました議案1件,請願1件,陳情1件のうち結論の得られました案件につきましては,お手元に配布されております委員会審査報告書のとおりでありますので,以下審査の概要について御報告申し上げます。
 最初に,議案第130号・平成5年度千葉市一般会計補正予算中所管につきましては,当局の説明を聴取した後,委員より,まず,繰越明許費補正におけるCMCプラン実施事業に関して,水質浄化施設設置予定地の変更に伴い減量される場合の処理能力及び当初計画との相違,地権者の承諾が得られなかった理由,既に稼働している浄化施設の実績とその効果,また,浄化施設設置に当たっての事前調査の実施方法と同施設が稼働した場合の周辺へ及ぼす影響,合併処理浄化槽設置における清掃局との連絡調整等について質疑が行われたほか,委員より,事業を実施する以上は,より効果が得られるように行われたいとの意見,一定の効果が見られるので,事業のさらなる実施を望むとの意見,さらには,河川浄化対策の一環として,合併処理浄化槽のより積極的な普及とあわせた本事業の推進を望むとの意見,河川の浄化対策事業においては効果的と言われている有用微生物群EM技術の研究を今後検討されたいとの意見が述べられたのであります。

(→千葉市(3)に続く)

  • 最終更新:2014-05-31 07:19:06

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