千葉市(3)

おことわり

千葉市議会に関してはEMだけでなく波動MRAならびに船井幸雄氏について言及している点がありました。EM同様にニセ科学として問題の大きいものですので,併せて取り上げさせていただきます。

1994.03.18 平成6年度予算審査特別委員会

◯委員(藤井武徳君)

 今回の総括質問では,EM,有効微生物群技術の応用と教育についてのうち,すぐれた文化の伝承と国を愛する日本人をどう育てるかという質問をし,契約についてと教職員の研修については,次回にしたいと思います。
 まず最初に,EM技術の応用について,質問いたします。
 12月議会でこの問題を取り上げてから今日まで,再び富里の農家を訪問し,そこでの経験,1月25日,雑誌社で企画したEM講演会での報告,沖縄の具志川図書館の視察,あるいは琉球大学比嘉照夫教授の訪問,一宮町の農村集落排水事業現場の視察など通して,再び取り上げるものであります。
 ことしの1月7日,富里の農家,越川さんを再び訪ねました。そこで,驚くべき事実に出くわしました。昨年の11月23日に越川さんを訪ねたとき,ビニールハウスでは,収穫が終わったトウモロコシの残渣がいっぱい残っていました。EM農法では残渣をすくとは聞いておりましたが,まさか1カ月足らずであの太い幹と葉っぱがふかふかの土になっているとは,とても信じられませんでした。12月の初めにすいて1カ月足らずでふかふかの土になったと越川さんは事もなげに言っていましたが,本人自身,実はびっくりしたそうです。2回目の訪問ですから,越川さんも打ち解けていろいろと話をしてくれました。1年目でゴボウの収穫と品質がよく,大阪市場で最高の値段がつき,関西で野菜を宅急便をやっている会社で年間百数十億の売り上げがあるそうですが,そこでゴボウの産地指定を受けたそうです。契約栽培ができるということで,安定経営ができると大変喜んでいます。とにかく病気をしない。品質がよく収穫もいい。たまたま一昨年大雨で畑が冠水して,皆病気になったことを思うと,改めてEM,微生物の力のすばらしさを実感するとともに,今までは農薬や化学肥料の悪循環,さらに強力なものということで,石油類の農薬缶を示しながら,こんなもので土壌がよくなるわけがない。夢のようだ。2年,3年と先がますます楽しみだと言っていました。そういうことですから,奥さんもにこにこで,外国の方2人を雇っていました。また,生産者組合では,以前紹介しましたチラシから段ボールに農薬や化学肥料を使わないでEMで野菜をつくっていることを印刷していました。さらに,生協からの野菜を取り扱いたいという申し入れがあるそうであります。
 1月25日,東京の中央公会堂で雑誌社企画の環境対策とEM技術のフォーラムが行われました。ここでは,比嘉照夫教授のEM技術と新産業革命の到来,高松市産業部次長,久保隆彦氏が行政,農協,農家が一体となったEM自然農法の展開,可児市環境課長,浅野満氏がEMボカシのごみ処理対策利用と堆肥化プラント建設計画の展開,具志川市立図書館長,知念信正氏がEM浄化法による汚水処理とリサイクルと題して,4人の方が5時間にわたって講演されました。会場は900名の参加者で満員で100名ほど断ったとのことです。会費1万円で,全国各地から自治体関係者,議員,専門家,研究者,業界の方々など,大変関心を呼んだ勉強会です。市の職員の方も何名か参加されましたが,その中で,高松市の産業部次長の久保さんの取り組みは大変感動的でありましたので,少し紹介させていただきたいと思います。
 長年,久保さんは,農政に取り組んできて,農薬や化学肥料の限界を感じていた。このEM技術は従来の自然農法や近代農法の,いわゆる化学肥料,農薬利用農法から一歩前進した光合成細菌を中心に置いた有効性微生物群による農法で,微生物と人間との共同作業によって成立する農業技術の革命であると,そしてその五つのハードルを挙げております。その一つは,この農法を実施すると,人間がまず健康になる。第2に,経済的な農業ができる。第3に,だれが実施しても簡単にできる大衆性である。第4に,この農法の安全性である。第5に,生産性の向上であると述べ,環境保全型農業を確立することができると言い切っております。当初,高松市では,EM技術を戦略として市場席巻を考えていたが,それは間違いで,EM技術こそ全国に一日も早く展開していくことが必要だということで,これはやめたそうです。さらに,スライドで野菜や果物,畜産の具体的状況を詳しく報告されました。その中で,印象的だったのは,大根は糖度が10%ふえてスライスで食べても大変おいしいと。メロンは3日に1回,農薬をやるために農家の人の健康に非常に問題があった。EMを使ってから安心して農業ができ,しかも糖度もふえて,大変おいしいものができた。どの農家も笑顔ばかりであります。特に,ある牛舎の話では,微生物で発酵された飼料を添加剤として,牛1頭当たりに1握り程度,毎日いい肉になって人間に帰ってこいよと声をかけながら与えるそうであります。牛が生き生きとして,目が段々澄んできて毛並みにつやが出て,自然の中のゆったりとした穏やかな顔つきの牛たちになり,牛が話しかけてきます。久保さんが牛舎に入っておはようございますと声をかけると,牛が声を上げて反応するそうであります。排泄物がにおわなくなり,蚊やハエがいなくなり,近隣からの苦情もなくなり,しかも肉質は最高のものになっているということであります。
 2月23日,沖縄の具志川市立図書館を訪問しました。琉球新聞平成3年7月19日には,7段抜きでこの図書館を紹介しております。それを引用させていただきますと,同図書館は,汚水を浄化し,トイレや散水などに再利用する中水利用システムを導入している。施設は活性汚濁法による連続ばっ気方式で,この装置による放流汚水の排出規制は,SS,浮遊物質が50ppm,BOD,生物化学的酸素要求量が20ppmであるんですが,この施設では,SSが1ppm,BODが0.5から1.6ppmという考えられない低い数値でありまして,飲用に採取される小川のせせらぎがSS5から6ppm,BODが3ppm程度だから,この数値がいかに画期的なものかわかる。どうしてこういうことが可能になったか。実はその秘密は,琉大の比嘉照夫教授の開発した有効微生物群にあるのです。嫌気性微生物を主体にしたMS101を浄化槽に注入することによって,これだけ成果を上げていると,知念館長は説明するとありました。また,この処理場はEMを使うことによって汚泥が一切発生していません。したがって,全国から,また海外からたくさんの視察が連日続いているとのことであります。私は,知念館長に会って,そのEM技術を衛生処理場の汚泥対策,単独,合併浄化槽の汚泥対策,農村集落排水対策,河川浄化対策,下水道の汚泥対策,産業廃棄物などの環境対策にどのように応用すればいいか,そのヒントを聞くために訪れたのであります。知念さん自身,微生物研究会の一員でもあると聞いておりましたが,知念さんは一言,何の特別の施設や機械は必要ありません。EMの適時適量の問題です。そして,千葉県で規模の大きい農村集落排水処理場で実践されていることも教えていただきました。EMの販売会社,サンバイオを紹介していただき,サンバイオでは水処理専門でEMを使っているということで具体的なお話を聞くとともに,そこで千葉県の一宮町,原農村集落排水処理場を管理している代理店の日の出商会の野口さんを紹介していただきました。
 そこで,3月12日,実際に見てまいりました。その処理場は4年目に入っているものでありますが,嫌気路床方式と言われるもので2,000人の処理人口です。当初から悪臭がひどく,車で通るとにおう。隣の保育所では,もう連日の苦情だそうです。事務所で弁当がまともに食べられないというほどひどく,また汚泥抜きは週2日で2回で年間600トンあったものが,昨年の9月からEMを使用することによって臭気が消え,ウジがわかなくなり,汚泥が生ぜず,汚泥抜きは一切やらなくて済み,機械にこびりつく汚泥が今までは大変だったそうですが,簡単に落ちるようになったということであります。また,SSが当初,10から25ppm前後,BODが10から15ppm前後であったのが,EMの使用によって,SSが6ppm,BODが1から5ppmまで下がったそうであります。2,000人規模での実施は全国で初めてのケースですので,全国から視察が続いているようであります。また,単独,合併浄化槽をEMを使うと,一切の汚泥抜きが必要なく水質基準が下がっているそうであります。
 そこで,質問いたします。
 まず,農政部の問題ですが,農政部長は,長年,農政に携わり,高松市の久保さんと同世代でもあります。久保さんは,戦後,化学肥料,農薬を使用することによって,食糧難の時代を克服してきた。この近代的農業と言われている現代農業は,化学肥料,農薬の過剰使用による農産物汚染や環境汚染による生態系の破壊や,そこから生ずる抵抗性病害虫の大発生等を生じてきました。その結果,日本で農耕が始まって2000年の歴史の中で,営々と築き上げてきた地力をわずか40年余りでだめにしたようであります。歴史的に見ても,文明発生の地からは森が消え,農業が今の姿を見るとき,今こそEM技術がこの地球を救う手段として登場してきたように思われると述べています。小島部長も近代農業の申し子の時代にスタートされたわけですが,改めて近代農業の果たした役割とその問題点と展望を含めて御見解をお尋ねしたいと思います。
 2点目に,農業は二つの大きな役割があると思います。一つは,国民に安全な食を提供する責務です。EM技術の農法による農産物は,すべてうまくて,その中に含まれている酵酸物質のビタミンC,E,ベータカロチン,アミノ酸,糖類などの含有量が非常に高く,これらのものを食べると非常に健康になります。この微生物を利用することによって,乳量アップや病気から解放され,抗生物質や消毒薬のお世話にならない牛乳や肉,おはしでつかめる卵の黄身等,本当に安全な食物ができてきますと久保さんは述べています。
 二つ目には,環境に果たす責務であります。
 農薬や化学肥料は自然生態系を壊してきました。日本の土壌の9割以上を崩壊型にしました。そのことは水や河川の自浄作用をなくしました。また,野菜類の残渣は炭酸ガスを大量に発生させ,地球規模で言えばオゾン層破壊の最大の犯人と言われ,フロンどころではない規模と言われております。農薬や化学肥料の近代農業は,土壌,水,大気汚染の最大の要因の一つでもあります。久保さんは,農薬,化学肥料を使用しないで済むのですから,生態系を保全すること,すなわち環境に優しく,汚染源となるものは何も使用しないし,これらの微生物を利用した農業を実施すると,水田でも畑でも,また畜舎に行くだけで元気が出てきます。そして,それらの動植物が我々に話しかけてくるようです。これは,この農法を実践した人の実感なのでありますと述べています。
 そこで,お尋ねいたします。
 この農業の二つの責務に対して,農政部としてどうこたえていくか,御見解をお尋ねいたします。
 三つ目は,千葉市の農家に一日も早く農薬や化学肥料を使用しない農法の実践が求められていますが,12月以降,どのような取り組みをされているのか,お尋ねいたします。
 続いて,中央卸売市場行政について,お尋ねいたします。
 先ほど述べましたように,農薬や化学肥料を使わない農家に生協が提携をする話や,関西では野菜の宅配をする会社の話をしました。今ですら量販店でもあるスーパーなどは市場を通さないで対応しようとしていると聞いています。これに生協が直接産地と提携すれば,もはや市場や青果店の存在そのものが問われることにもなると考えます。今こそ,卸売市場行政は,消費者の立場に立って,安全でおいしい農薬や化学肥料を使わない野菜や果物を提供する責務があると考えます。それができないようならば,みずからの任務を放棄することにもなりかねないと考えます。基本的な考え方とともに,その後の取り組み状況をお答えいただきたいと思います。
 続いて,教育委員会にお尋ねいたします。
 一つは,学校給食の問題です。
 中学校の給食センターで扱う果物,野菜,肉類に一日も早く農薬や化学肥料を使わないものでやっていただきたい。また,公の給食センターが率先して行うことが産地消費への広がりを広げていく大きな力にもなります。そして,小学校の学校給食へと広げていただきたいと考えますが,その後の取り組み状況について,お尋ねいたします。
 続いて,学校プールのEMの使用です。
 この点は,具志川市へ調査されたようですが,その模様と今後の対応について,お尋ねいたします。
 続いて,清掃局所管について,お尋ねいたします。
 一つ目は,汚泥対策です。
 御承知のように,千葉市の汚泥は浄化槽,衛生処理場,合わせて日量211キロリットル,年間7万7,191キロリットルを海洋投棄しています。汚泥対策は,千葉市にとって,緊急かつ重大な課題の一つであります。具志川の経験や,特に一宮町の実践は,EMによって汚泥を分解することができるのではないかと確信しております。衛生処理場で実験的に対応することを御検討いただきたいと考えますが,御見解をお聞かせください。御承知のように,家庭では1年に1回また大型合併浄化槽では数回,汚泥抜きが必要ですが,EMのちょっとした工夫で汚泥が生じないということであります。単独浄化槽汚泥処理費が1万1,000円,保守点検で1万2,000円,合併浄化槽では,年間二,三万円の汚泥処理費,その上,年間4回の保守点検があり,その費用2万円で市民の負担は大変であります。また,行政側も,持ち込まれた汚泥処理は大変です。それだけに,EM投入で汚泥が生じないことは大変な朗報であり,河川浄化にもつながることにもなります。千葉市は,単独浄化槽4万9,000カ所,合併浄化槽1,800カ所であります。この対応を十分,調査,検討をお願いしたいと考えますが,御見解をお聞かせください。
 次に,環境部についてお尋ねいたします。
 一つは,都川のCMCプランの排水路浄化施設にEMを投入すれば,水質の改善とともに,河川をも浄化する役割を果たすことを立合橋の現場を見ながら確信するに至りました。ぜひ一宮町の実践例を参考に御検討ください。御見解をお尋ねいたします。
 二つ目は,環境行政のあり方,そのものを問いたいと思います。
 御承知のように,今,地球環境をこれ以上悪化させない,さらに改善していく課題は各国,各自治体にとっても重要かつ緊急であります。そのために,司令塔の役割を果たすのが環境部の役割だと私は考えます。今回のEM問題一つとっても,農政,経済,中央卸売市場,教育委員会,清掃業務,施設,下水道,環境にまたがり,さらに医療分野にも広がる課題でもあります。調査,研究,調整が各部ばらばらの対応では困ります。例えば,小さなことですが,調査,研究で,先進地の視察で,同じ市に各部ばらばらで行ったのでは相手にも迷惑をかけることにもなります。それでなくても,今,先進地には,全国から,あるいはさらに外国からも訪れているだけに,事前の徹底した調査と目的を明確にし,ある程度メンバーをそろえて対応していくなども大事かと考えます。また,課題の一つであります農薬や化学肥料を使わない農業の問題でも,生産者サイドから農政センターや農業委員会,農政課の役割,消費者サイドからは卸売市場や消費生活課,教育委員会の役割,環境面や微生物の検証での環境部の果たす役割を考えたとき,環境部こそ,その中心に位置し,全体をまとめ,ソフト面でリードしていく役割があるのではないか。そのために調査,研究を徹底し,政策のリーダーシップが求められます。そのために,環境に絡む各部のエキスパートの人材確保とともに,その役割をしっかり位置づけられることが大事だと考えますが,助役からの御見解をお聞かせください。

◯農政部長(小島 隆君)

 EM技術の応用について,3点の御質問をいただきましたので,順次,お答え申し上げます。
 1点目の,近代農業の果たした役割とその問題と展望を含めた見解はとのことでございます。
 農業基本法が制定されて以来,三十有余年を経過し,この間,経済の著しい発展に伴い,社会構造は大きく変化し,国民生活の豊かさが追及されてきたところでございます。このような状況下で,農業総生産の増大を農政政策の主眼とし,選択的拡大を図りつつ生産性の向上を図るため,各種施策が推進され,食糧の安定供給を初め,国土の保全,経済の発展と国民生活の安定に大きく寄与してきたところでございます。一方では,農業と他産業との所得格差の是正を図るため効率性が重視され,農薬,化学肥料に依存する化学農法,農業機械化が進み,土地生産性より労働生産性が重視されてきたところでございます。その結果といたしまして,高性能機械化による硬盤化,これは土地の硬盤化でございますが,土地生産性を低下させるという問題が生じてきたところでございます。
 農業は,元来,物質循環を基本システムとするなど,環境に最も調和した産業でございます。新しい政策においては,生産の効率性一辺倒の反省から,農業,農村の持つ公共性,公益機能を重視しつつ,安全な食糧の供給,心の豊かさをも充足できる,環境と調和した持続型農業,つまり環境保全型農業が提起されたところでございます。今後は,新政策関連3法等の趣旨に沿って,より新味の農政が展開されるものと存じます。
 次に,2点目の農業の二つの責務,安全な食の提供と環境に対する責務に対して,農政部としてどうこたえていくのかとのことでございますが,関連がございますので,一括してお答えいたします。
 農業は,食糧を生産するのみならず,環境や農村文化,さらには地域経済の安定的発展の基盤としての役割など,多面的な役割を担っております。この役割を高次に発揮させるため,国際化時代に対応した産業として自立し得る農業の育成と新しい農法を取り入れた環境と調和した生産方式の確立,都市に潤いや安らぎを与える森林等の緑の保全と活用を図りながら,都市と農村部の共存,共栄し,魅力と活力ある農村社会の形成を目指してまいりたいと存じます。
 次に,3点目の12月以降,どのような取り組みをされたのかとのことでございます。
 EM農法を初めといたしまして,環境保全型農業など,新しい農法のあり方については,積極的に取り組むべく,講演会に参加するとともに,自治体や農業団体等の取り組み状況を調査してまいりました。そこで,実践農家との連携を図りつつ,調査結果をもとに農政センター内の有機農法実証試験圃場において,有機農法とあわせて試験をすべく準備をいたしているところでございます。また,畜産農家の臭気,ふん尿等の環境対策としての実証試験にも取り組むとともに,有機農法にかかわる農家の実態調査を進めているところでございます。
 終わります。

◯中央卸売市場長(高橋紀一君)

 それでは,私からはEM技術の応用についてのうち,所管でございます消費者に安全な青果物の提供について,市場としての基本的な考え方と,その後の取り組み状況について,お答えを申し上げます。
 まず,基本的な考え方でございますが,市場行政は,消費者に対しまして,生鮮食料品を安定的に供給することはもとより,安全なものを提供することは重要な使命と認識しております。
 そこで,開設者である市といたしまして,日ごろから卸売業者に対しまして,安全な生鮮食料品の集荷方の要請を行ってきたところでございます。
 次に,その後の取り組み状況でございますが,無農薬野菜などを出荷している農家から生産状況などについて調査を行いましたが,市場への出荷は価格,それから荷ぞろいなどの面から出荷者の負担が大きいなどの指摘がされております。したがいまして,今後,こうした問題につきまして,どう改善できるか。卸売業者を含めた関係業界と検討を進め,市場への出荷について,要請してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◯施設部長(山本泰道君)

 EM技術の応用についての御質問のうち,清掃局所管につきまして,一括して御答弁を申し上げます。
 衛生処理場並びに単独,合併浄化槽へのEM技術の採用についてでございますが,沖縄県具志川市の施設や,県内の一宮町の農業集落排水事業におきまして,臭気や汚泥が生じないなど,効果を上げているとのことでございます。
 そこで,先般,両施設の状況につきまして,調査してまいったところでございます。EMの使用につきましては,季節条件あるいは施設の規模,状態,流入原水等々,それぞれ要因が異なっておりますので,今後もデータの収集を継続するとともに,実験についても,検討を深めてまいりたい,このように考えております。
 終わります。

◯学校教育部長(斉藤泰雄君)

 EM技術の応用についてのうち,所管についてお答えいたします。
 前回の御質問が初めてのことでございましたので,まずEM菌を理解するため,直接取り組んでおります我孫子市並びに具志川市の両自治体を視察しまして,給食の残菜処理並びに学校プールにおけるシーズンオフの藻の発生を防ぐ対策にEM菌を活用するとどうなるのかという点で調査,研究してまいりました。
 我孫子市では,二つの実験校が学校内に設置した密閉ポリ容器に給食残菜を入れまして,EM菌を使用して堆肥化処理をしており,処理したものを校内の花壇や畑で肥料として活用しておりました。課題といたしましては,残菜量が減らないということから,継続的に残菜すべてを処理するには,保管する場所の確保が必要であるとのことでございました。
 また,具志川市では,学校プールにおけるEM菌の投入について調査してまいりましたが,本市に比べ気温が高く藻が発生しやすいため,シーズン初めのプール清掃に3ないし4日ほどかかるそうでございます。そこで,4年前より試験的に1校の小学校でシーズンオフにEM菌を投入してみましたところ,以前に比べて藻の発生が少なく,水をかける程度で簡単に落とすことができ,プール清掃も楽になったとのことです。本年度は,実験校を市内13校あるんですが,そのうちの11校にしまして,10月からEM菌を投入して経過観察中ということでした。菌投入の経費は,菌を定価で購入しますと,1校12万円程度かかりますが,業者の特別な配慮をいただいて,1校当たり年1回の投入で5万円程度で済ますことができたということでした。
 本市での対応はどうかということですが,気象条件が異なるため,藻の発生は具志川市に比べてかなり少なく,プールの清掃は半日程度で現在終了しております。そういう状況と観察結果をあわせ踏まえて,経費並びに作業時間等,総合的な観点から,どうすべきか引き続き検討してまいりたいと考えております。
 次に,学校給食に無農薬野菜等を積極的に取り入れるようにとの御質問でございますが,現在,学校給食センター及び小学校給食,ともに可能な限りその購入に努力しておるところでございます。
 しかしながら,無農薬野菜につきましては,献立に見合う量の安定供給や価格面等からの課題もございますので,今後,EM技術による生産物を含めまして,安全でおいしい食材料の購入について,さらに研究して取り組んでまいりたいと考えております。

◯環境部長(加藤秀平君)

 EM技術の排水路浄化施設への応用についての御質問にお答えをいたします。
 EM技術の応用による水質の改善につきましては,一宮町の施設,岐阜県可児市における排水路直接浄化実験施設の現地調査を行うなど,知見の集積に努めているところでございます。排水路浄化施設につきましては,現在,さまざまな技術開発が進められており,本市は,接触酸化法による施設をCMCプラン実施事業で5カ所設置しておりますが,良好な除去効果が認められておる状況でございます。
 昨今,環境保全にかかわる新しい技術の開発が急速に進展しておりまして,これらの情報収集,基礎的な試験等の調査,研究を行うため,環境保健研究所及び環境部のスタッフから構成される調査,研究チームを設置いたしたところでございます。
 EMにつきましても,新しい技術の一つとして,調査,研究チームにより基礎的な研究に着手したところでございます。
 以上でございます。

◯委員(藤井武徳君)

 2回目は,質問はやめまして,要望も含めてお願いしたいと思います。
 私は,昔から農業は国のもとということがよく言われていました。しかし,私自身は,個人的には,農業に余り関心なかったんです。しかし,今回,たまたま船井幸雄さんの本を読んで,本物の技術ということで,EMの問題を知り,農家を訪ねていく中で,本当にやっぱり農業というのは大事だな。一つは,毎日の食事の安全な物を,おいしい物を提供する。非常に崇高な任務を持っている。同時に,土壌がよくなれば,水も大気も絡んでくるんだ。環境問題のやっぱり中心になるんだということを改めて知りまして,市政にとっても,非常に農業というのは大事ではないか。これからの農政は,その二つの安全なおいしい食品を提供していくことと環境保全していく。この二つの視点の政策でですね,私は意欲的に頑張っていただきたい。恐らく四,五年もせんうちに日本の全国の農家は,全部化学肥料,農薬をやめるだろうと思うんです。ただ,その流れを待つのではなくて,ぜひ積極的に推進していっていただきたいし,学校給食の場では,ぜひ次代を担う子供たちにやはり安全でおいしい食事を提供していただきたい。このためには,もう現実的には,そういう体制にできておりますので,教育委員会はですね,全力を挙げてやってもらいたい。市場とあわせてやってもらいたい。
 それから,市場行政の方でもありますが,ぜひでずね,私は昔から家業としてやる野菜屋,八百屋がですね,地域に根差しているわけですから,生協の積極的な役割も評価しながらも,やはり野菜店がみずから消費者のニーズにこたえるような展開が私は求められていると思う。そうでなかったら,置いてきぼりを食らわれると思います。今の消費者は,そういう意味では,生易しくないですからね。私は思いますが,八百屋がですね,我が店は一切農薬や化学肥料を使っている野菜は扱っておりませんという看板を出せば,車でも来ると思う,遠くの方から。それほど消費者のニーズは高いのでありますが,現実的にどこにあるかということがわからないのが今の問題点だと思いますので,この点はですね,格段の中央卸売市場の努力をお願いしたいというふうに思います。
 それから環境面であります。
 何でもそうでありますが,画期的な技術だとか,先進を築かれると,むしろ積極的な評価よりはですね,足を引っ張るというのが案外多いものでありまして,だけど,私も,そういうこの間の勉強会で,高松の産業部の次長さんの話を聞いたときには,本当,感動いたしました。本当に農家の立場に立って,安全な食品を提供するためにですね,高松市は農協ぐるみ,そして農家ぐるみ,行政ぐるみでやっているわけです。今,私は,行政というのは,そういうふうなことが求められていると思うんですね,これからの時代は。そういう点で,ぜひ頑張っていただきたいと思いますとともに,環境問題でもですね,あれだけの厄介な汚泥がですね,もう半年以上。9月からですから,もう半年以上ですね,一切発生していない。臭気も一切消えた。この事実の中にですね,私はいろいろな工夫によってできる大きな道を切り開いた。その意味では,一宮町というのは,余り名前を明らかにしてもらったら困るということを言われたぐらいです。だけど,県都である千葉市がですね,政令指定都市の千葉市が環境行政で,日本の中で最新を切るように私はお願いしたい。千葉市ぐらいの規模が実験し,そしてそれに成功することができれば,全国一斉にその技術が展開できるわけであります。ぜひお願いしたいというふうに思います。そういう点で,それぞれのセクションの御活躍を私は期待したいと思います。

(→千葉市(4)に続く)


  • 最終更新:2014-05-31 07:20:57

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