可児市(2)

平成18年第5回定例会

◯3番(伊藤健二君)

 さて、次の第2質問に入ります。2問目は、土田地区の悪臭、環境対策の改善を求める内容であります。
 この質問を御理解いただくために、写真をごらんいただきたいと思ってつくってまいりました。遠くからだとわからないかもしれませんが、赤白の大きな煙突が立った工場の手前に、何か真っ黒けなよくわからない、これが今問題にしております豚舎でございます。
 土田には、実は悪臭の要因が二つありまして、一つは、名古屋パルプ工場の木質貯蔵地、あるいは紙製品を製造する過程で発生する工業的な臭気でございます。二つ目は、大規模養豚場がそのすぐ前にございまして、この豚舎からのにおい、あるいはふん便や排尿でにおいがつくられているんではないかと考えています。この二つは、実は可児市にあって、どちらも土田地区にのみ存在をしている。つまり、パルプ工場も、これだけ大きなものは可児市にはここしかありませんし、養豚場も、私も実は調べてびっくりしたんですが、 2,000頭を超える規模で、今可児市にはここにしかないということがわかりました。どちらも半世紀近い歴史を持っておりまして、そうした歴史的な経過を持った可児市での課題でもあるということであります。ぜひこの養豚場からのにおいの問題にきょうは絞って、その対策をただしていきたいと思います。
 私は、5年ほど前からこの養豚場のにおいの問題を追いかけてきましたけれども、8月8日の朝5時14分ごろに、偶然にして写真を撮ることができました。それは、養豚場の浄化処理水の異様な汚れを発見したわけであります。それがこの写真であります。ちょっと前と思うと写真のあれが違うんで見にくいですが、市長さんや関係部長さんにも見ていただきたいので、これですけれども、用水路から水が放出されていますが、大変この色が薄茶色に汚れています。わかるでしょうか。これは普通ならもう少し澄んでいて、透明度の高い水であればいいわけですが、今回のこの色は大変汚れている。薄汚れているというわけであります。公共水域に河川排水路の水質が汚濁して悪化をしているという状況です。周辺住民の悪臭の苦情も最近では頻発をしておりまして、この30年間に土田地区での、特に周辺人口が増加をし、居宅を建てられ、そこに住まう方がたくさんふえてきた。それに伴ってにおいをめぐる問題が多発しているということであります。これは「可児市の環境」(17年度版)最新版の中にもその対応に苦慮しているということが市の公式な報告文書として載っております。この養豚経営と地域住民との共存の方策が今改めて課題になっている。有効な臭気対策を確立するように求めたいということであります。
 具体的に何を問題にするかということですが、まず臭気対策というのは、問題の臭気の発生源に対する対策が有効かどうかでその対策の評価が決まります。つまり、大変難しいんですね、臭気というのは。におったよということで苦情が行って、後追いでそのにおいを追っかけようとするわけですけど、初めから網を張っておって、そこでにおいをキャッチできるというふうでは必ずしもありません。機械で臭気と目される成分をつかまえるということでこれまでも努力されてきて、可児市の担当の課長さんを初めとして、私が朝の5時ごろからうろつくもんですから、担当者の皆さんも一緒になってそのころに引っ張り出されるという大変さがあるとは思いますが、それほどつかまえにくいのが臭気、悪臭の問題であります。
 悪臭の被害というのは、苦情の内容と規模で認識され、示されていきます。私が議員になって以降寄せられた住民の苦情というのは、特に最近深刻であります。一々挙げますと本当にしゃべりたくもない内容がたくさんありますので、時間の関係で省きますが、事態は深刻であるということであります。何とかこの悪臭を少しでも低減させ、同時に、この地で長年可児市の農業の一つとして可児市の地域産業を形成してきたこの養豚場が、引き続き経営的にもうまくいくようにしていくのが地域住民の基本的なスタンスであり考えだと私自身も考えています。ですから、においがするからおまえのところは悪いんじゃないか、何とかしろと包囲するだけではだめであって、ぜひ住民からの率直な苦情は聞きつつ、可児市としてこの養豚経営、たった一つしか残っていないわけですから、その養豚場の経営的展開もうまくいくように、環境上の対応から応援してもらいたいということを考えるわけであります。
 また一方で、7月に複数の農業者から、富士の井用水排水路の河川の汚れが最近ひどいんじゃないか、近年汚れていると聞かされてまいりました。米づくり用の農業用水として下流域からくみ揚げをして使っております。稲の育成にも影響するとの心配の声が届いています。ことしは4月末にこの用水のヘドロを取り除いていただいて、ことしの夏にユスリカが大量発生するのを予防するということで措置をとっていただきました。そのかいがありまして、ことしはユスリカ問題はほとんど発生をせず、地域の皆さんから大変感謝をされております。たった3カ月前、4月末に取り除いたところなんですが、この河川に大変巨大な藻が発生をしてしまいました。こういう写真で、この緑色に光っている部分がその藻なんですけれども、大変汚れております。それで、そういう状況をこれ以上放置できないということで、富栄養化、要するに肥やしが効き過ぎた河川の状態の処理をしなきゃいけないわけですが、原因はどこだということで追っかけていきますと、やはり養豚場の排水口が一つの原因であることは間違いありません。それでうろうろしていたところが、先ほどの大変色の濃い、人間の浄化槽でいいますと未処理に近いのかなという状態が発見されました。そこで、その写真を市の環境課にお見せして、この汚れの原因、実態はどうなのか、市として調査をお願いしました。
 そこでお尋ねします。その調査結果について、内容と、原因がどうしてそうなったのか、また問題点の明示をお願いしたいと思います。
 二つ目は、環境基本法と公害防止法の趣旨を水質汚濁防止法、悪臭防止法に求めていくわけであります。その立場でこの悪臭を把握して、法の基準値と実態はどうなっているかということが問題になるかと思います。
 先ほども言いましたけど、悪臭というのは後追いなもんですから、基準値はあるんですけど、基準値はクリアしている、つまり基準値内におさまっているよと。しかし、実際には付近に住む方の悪臭、臭気というのは抜きがたく存在しまして、特に雨が降る直前ですと、土田地区全域ににおいが広がる。あるいは風向きにもよりますが、平日の晴れたときでもにおうときにはにおうということになります。においだけでは追い切れませんので、今回は水質汚濁防止法の関係で追及をしました。その結果、水汚法自体が施行規則がありまして、2年後、平成20年には総窒素量、それから燐酸量とも規制値が厳しくなります。ただ、今の18年度の時点では少し暫定的に緩やかになっておりまして、今後厳しくするよというふうになっています。結果のデータ自体を率直にお尋ねしたところが、平成20年の時点では、こうしたデータがもし出てきますと、違法状態に達する。つまり、汚れが実際に数値上も確認できたんではないかと思います。この辺の改善策をどうしていくのか、どう受けとめているのかについてお尋ねします。
 最後に三つ目です。どこまで具体的に改善を進め得るか、この点についてお尋ねをするものです。
 その一つは、豚舎、堆肥舎にこびりついたにおいを消すことが必要ではないかと思います。私は、EM菌、いわゆる有用微生物群の細菌を使った技術で脱臭する方法なども大分最近では開発されているので、そういう方策についてもっと研究を援助し、進めたらどうか。あるいはそういうものが応用できないかということを考えましたが、そうした方法、あるいはそれ以外の方法でも対策がとり得るならば、そうした状況についてお知らせいただきたい。
 2点目は、現在のPBO2という薬品を、これはEM菌の改良型のもののようでありますが、それを豚のえさにまぜて食べさせていると聞いています。EM菌をえさにまぜることによって腸内で上手に発酵して、そのにおいが取られていく、改善できるということであると聞いています。その対策をとられているにもかかわらず、引き続きにおいというのは、十分な改善ができていない、これが現状のようであります。投与量が本当に豚の頭数に対して有効な水準に達しているかどうか、その辺で使い切れていないんじゃないかという懸念も持ったりします。その辺で、もし投与量が頭数に対して有効に作用していないということが認識できるならば、その不足分を環境対策として支援していく。例えばですが、そういうようなことは考えられないのかどうなのか。何としてもにおいの問題について効果のある具体的措置をつくっていってもらいたいという願いを込めての質問であります。
 三つ目は、尿の浄化処理槽、人間と違って浄化槽とは言わないそうなんですが、この家畜の浄化処理槽というのは、豚の場合ですと、今回、この施設については、 100立方メートルの1日処理能力と聞いています。現在、豚を中心に、親豚と肉豚といいますか、子豚などを含めて総頭数で 2,000頭を超えている、 2,100頭ぐらい飼っていると聞いております。そこから出てくる尿を処理するわけですが、その処理能力が実際に足りているかどうか、この点をお尋ねします。
 ある学術雑誌には、母豚1頭で1日 100リットルの尿が排せつされることを前提に浄化処理槽の設計をすべきだと書いてありました。親豚だけなら単純計算をすると 200立方メートルの処理能力が要るだろうと。現在はその2分の1しかないということになりますが、どうも聞いてみると足りているという県の返事だというわけで、なかなかよく理解ができません。簡単で結構ですが、足りているなら足りているで、どうしてそういう状況に陥ったのか、処理能力の問題、技術的な問題からも尋ねてみたいということであります。ちょっと複雑な話ですが、御回答をよろしくお願いいたします。


◯環境経済部長(長瀬文保君)

 それでは、私からは、土田地区におきます悪臭、それから環境対策の改善をということで、特に土田地区にございます養豚場に関する問題でございます。
 議員御指摘のありましたように、養豚場は戦後直後から経営を営んでみえまして、現在に至って住居と養豚場が混在してしまうというところで、このままでは養豚経営が成り立たないということを経営者も理解されておりまして、今御指摘にございました臭気、あるいは水質の改善という努力は続ける必要があるということは農林課の職員等とも懇談をしてしっかりと御認識いただいているという前提のもとでお答えをさせていただきたいと思います。
 まず、豚舎、堆肥舎にこびりついたにおいということで、これをEM菌によって脱臭する、これはある程度可能かと思われます。それから、ふん尿処理については、コンクリートの側溝を通って地下内にあります一時貯留槽、これは45トンでございますが、入った後、ポンプを使って定量の尿が浄化槽に入る仕組みとなっておりまして、浄化槽内の処理能力以上の汚水が急激に流入しないという形でコントロールされているわけでございます。そうした浄化槽で適正に処理されたものが公共排水路に排出されるということで、これは経営者が毎月2回実施しております自主的な検査結果を見ても、ほとんど基準値内におさまっているというふうに理解をしておりますが、気候が特に暑い一時的な時期に、現在の処理槽、これはバクテリアを使って行われておるわけですが、活動が弱まって、窒素、燐等が基準値を超えるというケースがあることは調査で事実であります。そのような場合、点検や汚泥の処理回数をふやして対応しており、例年、いずれも1週間程度で基準値内におさまっているということですが、ことしは非常に暑かったということで、少し基準値を超える期間が長かったということは事実だろうと思います。
 それから、議員から御指摘がございました排水口からの薄茶色の排水につきまして、これは常時流出しているのではなくて、流出している排水を市として採取して調査しました。この段階で基準規制値より悪い数値があるということも判明しました。これは、先ほど申しました非常に気候が著しい一時的な時期にそういうことが起きるんではないかというふうに考えられますが、これについても経営者に対してそうした事態が起きないように施設の適正利用及び管理を指導しているところでございます。御指摘のように、水質汚濁法で基準が定められておりますので、そうした基準値内におさまるように、経営者にもその努力を惜しむことなく努力してほしいと。それから、御指摘にございましたように、平成20年10月から、今のところ一段と厳しい一般基準ということへ移行が考えられておりますので、浄化槽を設置した専門業者にも相談しながら、その対応を図っていってほしいということを御指摘しておるところでございます。
 それから臭気については、県事業で年1回、あくまでも農家への指導と意識の高揚を目的として、悪臭防止法施行規則によって臭気測定を実施しており、その結果報告書から見ると、基準値を超えているものではないということでございます。ただし、議員御指摘のように、季節や時間帯によって地域住民から苦情がございますことは事実でございます。
 それから、その他について、先ほどございましたようにPBO2という悪臭防止の薬品を飼料に入れておられまして、一応投与量について、飼料の 0.1%から 0.2%というのが使用目安でございますが、現在 0.4%以上配合して対応しておられるということで、これについてはある程度効果を発揮しているんではないかというふうに考えております。しかしながら、まだまだそうした脱臭といいますか、悪臭ということについて課題がございますので、これはまだ、先ほどのPBO2以外にもいろいろと悪臭を防除する薬品とか対策が考えられておりまして、他の畜産農家についても利用されているところもございますので、そういったものについて検討していただきたいということで、これは経費面等の問題もございますので、簡単にいくというふうには言い切れませんけれども、経営者が努力したいというふうに言われておりますので、それぞれ指導させていただいているところでございます。
 それから、浄化槽の処理能力について、日々 100トンの処理量に対しまして、現在の畜産関連の浄化施設の基準を用いますと、尿の量が日々約25トンということで、先ほど45トンと申しましたが、そういう関連からいけば、処理能力としては一応の能力を有している施設と考えております。それから、平成4年に曝気槽を一つ増設されまして、三つの槽を通過していく構造にするなど、経営者の努力も認められるという状況でございます。
 しかしながら、冒頭に申しましたように、養豚業として地域と共存していくということについては、地域のそうした御意見、あるいは特に臭気や水質について、法の基準値内ということは当然でございますけれども、そうした御意見がある以上、可能な限り対策を講じていってほしいということをお話しし、また市としてもそういう御指導を差し上げ、可能なことは市としてもさせていただきたいという状況でございます。

◯3番(伊藤健二君)

 調査並びに御返答ありがとうございました。明らかに河川汚濁防止という観点でいけば、今回の排水は異常データであったということが確認できたと思います。
 問題は、法律を守ってしっかりやってくださいというのは、簡単に言うと、ちょっと言葉は悪いですけれども、どういう自治体でもどこでもやるわけです。今の可児市に一つしかない農業施設で、牛の問題では御存じのようにBSE問題があって、国内で豚をつくって、肉豚としても経営的に頑張ってもらうというのはまさに時代の要請にこたえている取り組みなわけであって、そういう可児市の農業者の努力を何としても支えていってもらいたいというのは、くどいですけれども、私の思いでもあるんです。
 そういう点で見たときに、改良型の薬は、一定量というよりも、有効量と言われる量の約倍近い 0.4%が使われているというわけですから、そうすると、もっとにおいの問題に有効性を持たせようと思うと、品種を変えるというか、ほかの手法もやったらどうなのかというふうに思うんですね。まだ試験中の素材なのかもしれませんが、酵素、いわゆるエンザイムですね。洗剤にも酵素パワーでなんていう宣伝があるので御存じかと思うんですけど、要するに生体内で営まれる化学反応に触媒作用として反応するわけです。だから、普通なら1年ぐらいかかる化学変化が10数秒で反応してしまう。そういうすごく作用を促進する高分子物質がいわゆる酵素と呼ばれるものであります。こういうものを体内で上手に使えばもっともっといろんな処理ができるんではないかというふうに思うんですが、多分部長のことですから、その辺はもうお調べになっておられるんだと思うんで、そういうものに対する臭気を封じ込めていくための環境対策として、具体的に一定の額について新たに制度を起こして支援していく、そういうような問題というのは考えられないんでしょうかね。それについて、1点お尋ねをしたいと思います。
 それから、もう少し突っ込みたいのは、浄化処理槽の技術的な問題になるのかと思いますが、時間によって水量も確かに変わるんですが、排出水量が減るときれいになるんですよ。8月8日前後の期間に暑かったので、浄化槽のバクテリアがくたびれてしまって本来の能力を発揮しなかったと。だから汚泥処理が進まずに薄茶色の乳白色になって汚れた。これはこれで理由はわかります。だけど、その直後、これは6時05分ごろの写真なんですけど、これきれいなんですよ、見ていただくとわかるんですけどね。こっちが5時14分ごろに撮った白濁している汚れなんです。それで、こういう違いが、時間でどっと汚いのが出て、その後少しきれいになる。これがもし繰り返されているとすると、先ほど説明があった浄化処理槽のバクテリアの状態が、ある時間はバクテリアがだめになって、ある時間はまたもとへ戻ってというふうな状況になるわけで、少し説明に苦しい部分があるんじゃないかという勘ぐりをしてしまうわけですが、多分構造的にも一応確かめてみえるので、恣意的に処理水を処理せずに一部が流れ込んだりするような構造にはなっていないというふうに私も聞いています。それで、比較的きれいな処理水と薄茶色の汚いのが交互に出るという問題について、もう一つ何か別の原因がないんですか。その点について、もし何かわかっていることがあるならば教えていただきたいと思って、その点について、2点お尋ねをします。

◯環境経済部長(長瀬文保君)

 それでは、2点ほど再質問ということで、まず1点目の、PBO2にさらに加えて考えるということで、それはこちらも研究をいたしました。先ほど御指摘がありましたように、酵素の発酵脱臭剤ということで、これは製品名を言っていいかどうかあれなんですが、「SSKワンダー」というようなもので、これは、現実には原材料が果物だとか野菜だとか、1次原料が全部そういうものでできておりますので、いわゆる化学的な処理ではなくて、自然に近い形の脱臭剤ということで、この効力というのも検討しなきゃいかんわけですけど、こういうのをお使いになるということも一つ考えられます。
 それから、先ほど御指摘がありましたように、薄茶色の水の時間的なルール的な形が考えられないということですが、この調査をいたしましたのについては、基準値は現在の基準値で行くわけですけど、ある一つのピークの時期といいますか、非常にランダムにはなるんですが、そんなに頻繁に出ていないわけでして、その理由をつかむというのは、現在の処理能力からいって、ちょっと我々としても納得のいかないところがございますので、これは経営者とも協議して、改善できるように努めていきたいと思います。

平成19年第5回定例会

◯6番(酒井正司君)

 おはようございます。
 6番議員、誠颯会、まだ新人の酒井正司でございます。どうぞよろしくお願いします。
 大項目二つのうち1番目、EMボカシを通じてロハスの普及に後押しをのテーマで質問をいたします。
 当市が誇るEMボカシの活用が最近停滞ぎみであります。積極的な取り組みでごみの減量を推進し、ロハス思想の普及につなげ、地球温暖化阻止に貢献すべきだと思います。
 「ロハス」という言葉が目にとまる機会がふえてきました。御存じのこととは思いますが、念のために御説明申し上げますと、自分自身の心と体に優しくすることが、持続可能な地球環境維持につながる生活スタイルだと言われております。具体的な例で申し上げれば、農薬を使用しないものを選ぶ、燃費のよい車に乗る、ごみを減らす努力をするなど、少しでも地球環境に配慮することによって、心の安らぎを覚え、心豊かに暮らす生活習慣だとも言えます。
 資料を用意しましたのでごらんください。これは「ソトコト」という雑誌でございます。こういうものでございます。1雑誌を取り上げるのは恐縮でございますが、あえてこの雑誌を御紹介するのは、この出版社が、この1冊当たり1日1キロのCO2排出権を購入する取り組みを世界で初めてやっております。言いかえますと、読者はロハスな生活をすることにより、1日1キロ、年間365キロのCO2排出削減に協力をするということになります。
 このほか、いろんな雑誌等で御紹介をされております。これもちょっと個人的な会社で申しわけないんですが、これは中部電力の社内報でございます。これの特集に、やはりロハスという大きな特集が組まれておりまして、「心と体と地球に優しいロハスが提案するエゴでエコな暮らし方」というような紹介もされております。
 また、別の雑誌では、ロハスなレストランを取り上げて特集を組んでおります。
 これは一般紙でございます。最初が日経産業新聞、これでございますね。某食品メーカーのロハスをテーマにしたシリーズの紹介でございます。
 その次は、これ身近な例でございまして、可児市の生ごみエコサークルの記事でございます。生ごみ堆肥で育てたサツマイモを親子で収穫したという、大変ロハスに合致した活動の記事でございます。
 それから、これが各務原市、住みよい都市づくり国際コンクール銀賞受賞でございます。市長の談話で、公園を健康増進に活用したのが評価されたのではないかという記事でございます。
 身近な例で申し上げれば当市の花いっぱい運動、これはまさにロハスそのもののルーツかとも言えます。市の各課においてはもちろん、社会福祉協議会やNPO活動等の取り組みの内容にはロハスの思想と合致するものが多くあります。この考えがより広く深く浸透すれば、心豊かなまち、環境に優しいまちづくりに大いに貢献し得ることになります。
 可児市の環境基本計画によれば、第4節に「環境への負荷が小さく、持続可能なまちをつくります」とあります。まさにロハスの一面をとらえた文言が入っております。また、この計画のごみの発生抑制と減量化を図るという項目では、「EMボカシの普及、各種啓発活動を行っている」とあります。このEMボカシは我が可児市が先進的な取り組みをし、他の自治体へ発信した誇るべき経緯がございます。
 そこで、まず1点目の質問として、EMボカシの普及について、過去の取り組みとその実績についてお聞かせください。
 ロハスという大きなテーマの中で、このEMボカシと関連した生ごみについて考えてみたいと思います。
 当市のごみの量を見ますと、全国平均1人1日当たり718グラムに比べまして、672グラムと低いレベルにあります。県の環境基本計画にも、中濃圏域は他と比較してごみの排出量が少なく、環境対策推進モデル圏ですとうたってあります。しかし、18年度は残念ながら1人当たりの排出量は対前年で約1.5%増加をしております。
 ごみは9割が可燃ごみです。これを減らせば、CO2等の有害ガス発生を抑制し、地球温暖化阻止に貢献でき、収集費や焼却費用減少など、財政的な効果も期待できます。特に生ごみは申すまでもなく、その重さ、におい等、輸送上の問題もある上に、燃焼の際には水分を気化させるためのエネルギーも多く要り、燃焼温度低下によるダイオキシン発生の要因にもなります。
 バイオマスや各種先進的な多くの研究が行われている中で、EMボカシによる肥料化は、発生源に最も近い位置で処理でき、補助的エネルギーを必要とせずに、燃やすことなく肥料とし、土壌改良にも役立つことは、安全、環境面、また経済性からも理想の処理方法であると言えます。
 我が可児市はいち早くこのすばらしさに着目し、過去にさまざまなキャンペーン等を実施され、現在も半額の補助を継続し、EMボカシ普及を支持されていることは大いに評価すべきことだと思います。
 にもかかわらず、最近、この利用者が伸び悩んでいる事実は残念なことであります。この効果を最も早く、深く知った可児市としては、さらなる普及に向けた取り組みを行うのは、情報発信した自治体としての責務ですらあると考えます。
 ささゆりクリーンパークの生ごみ減量研究施設のテストプラントで、平成11年から環境浄化を進める会が各種の実験に取り組まれています。このプロジェクトは、現在約200世帯の生ごみのモニターや献身的なボランティアに支えられて続けられていますが、社会的貢献の大きさに比べて、その扱いは余りにも貧し過ぎると感じます。もっとその可能性を認識し、心への安らぎ、財政への効果、環境面への貢献、まさにロハスそのものの取り組みを積極的に応援すべきだと考えます。
 時はまさに追い風であります。団塊世代の多くの方々の家庭菜園への関心、また世に環境問題の認識の高まりがあり、そして市の将来の財政予測からも、ごみの減少による財政面へのプラス効果は小さくないと思います。具体的な取り組みとしては、あらゆる媒体を通じての広報活動、キャンペーンの実施、また各種行事への組み込みはもちろん、特に学校での環境教育に役立てる意味で、学校農園との協働、学校給食の残渣などもしかるべき取り扱いがなされるべきだと思います。また、県農業大学校や花フェスタ記念公園等との連携はできないものでしょうか。
 ボカシ利用を断念した人を調査したところ、処理したが自家で利用できない。夏の期間の臭気による理由などで中止した方が多くお見えです。収集方式の検討、処理したものの利用促進、さらなる処理技術の開発に行政として後押しすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 また、以上のような前向きな取り組みをし、環境基本計画の見直しの際にぜひ盛り込んでいただきたいと思います。
 私ごとでまことに恐縮ですが、約17年間、我が家からの生ごみ排出ゼロを実践してきた者としての提案とお願いであります。
 ロハス思想普及で、市民の健康のため、環境のため、そして市の財政のための取り組みにぜひとも前向き、積極的な御意見をお聞かせくださることを期待します。よろしくお願いします。

◯環境経済部長(長瀬文保君)

 それでは、EMボカシの普及につきましてお答えしたいと思います。
 まず初めに、EMボカシの普及についての過去の取り組みと実績についてお答えします。
 御案内のように、EMボカシは塩河在住の奥村さんが考案されました生ごみ発酵促進補助剤というものでございまして、生ごみを堆肥化する画期的な処理剤として平成4年ごろから急速に全国的に広まり、一時期可児市にも多く問い合わせをいただきましたし、市としても積極的にPRに努めてきたところでございます。このEMボカシを普及させていくために、平成8年度から15年度まで、自治会を対象としまして生ごみの減量化モデル地区の指定を行い、家庭における生ごみ減量事業を実施してきたところでございます。
 この間、EMボカシの使用個数でございますが、平成11年度9,200個、12年度に9,600個、それから16年度には1万1,000個を超えておりましたが、御案内のように昨年度は9,700個と、若干減少傾向にあります。昨年度までに11万個以上を市民が生ごみの減量に利用されたことになりますけれども、製造者である奥村さんの換算によりますと、EMボカシ1袋、これは600グラム入りでございますが、用いますと、生ごみを20キログラム減量できるそうでございまして、昨年度末までに約2,270トンの生ごみを減量化できたことになります。また、市では、利用促進のために、議員からもお話がございましたように製造費の半額を補助するなど、手段も講じてまいりました。
 しかし、先ほど申し上げましたように、EMボカシの販売数は平成16年度をピークに下降しておりまして、これは関心が若干薄れてきたということと、それから、市が補助しております機械式の生ごみ処理機の普及によるところも若干あるのではないかというふうに考えております。
 続きまして、市の生ごみ減量に対する取り組みでございますが、ささゆりクリーンパークを建設する際に、生ごみの減量化、資源化の研究を進めていくために生ごみ減量研究施設を開設し、EMボカシを使って生ごみを堆肥化処理する循環システムを研究してきました。施設の開設から今日まで、環境浄化を進める会に研究を委託し、環境に優しいごみ処理をテーマに、乾燥堆肥をつくり上げる過程での諸問題の研究、その他の効果などに取り組み、実証実験を繰り返して、データを収集しておるところでございます。
 議員御発言のロハス、つまり健康と環境にこだわる生活様式の定着は、これからの日本をつくり上げていく中で非常に大事なキーワードであるということも同感でございます。この研究施設で目指すものは、生ごみを資源として利用し、再び食生活の中に戻す循環システムでございます。こうした考えに賛同いただいた市民の皆様をモニターとして、EMボカシ処理をお願いし、生ごみ減量研究施設に提供いただいております。現在、モニターは約200世帯で、週400キロから500キロほどを回収し、年間20トンから30トンの生ごみを減量しておるところでございます。今後もモニターとなる市民をふやし、なお一層の減量化、資源化を進めてまいりたいというふうに考えております。
 また、ごみ減量につきましては、定期的に広報紙などで「環境にやさしい生活術」などの特集記事で、市民に呼びかけてきました。さらに御指摘いただいております学校給食における残渣につきましては、環境学習の一環として、ワーキンググループ、生ごみエコサークルの協力により市内小学校の環境学習の場において、段ボールを使って生ごみ減量体験を行い、給食の残渣を堆肥にしたプランターで野菜をつくるというような、文字どおりロハスの理念を入れた教育実践を行っています。今後も小学校に対して広く呼びかけ、給食センターの残渣を利用した取り組みを推進したいというふうに考えております。
 今後の取り組みといたしましては、特に学齢期からの生ごみの排出抑制、資源化の重要性を理解できるよう、小・中学校における環境学習の機会の充実をお願いしてまいりたいと考えております。
 このほか、生ごみ減量研究施設で実証報告のありました1平方メートルの小スペースがあれば生ごみを堆肥化できる方法につきまして広く広報していくとともに、農業大学校や花フェスタ記念公園など県施設での連携の可能性を検討しつつ、生ごみ減量化を進めていきたいというふうに考えております。
 このように、今まで限られた生ごみの利用方法に加え、市でもさまざまな方策を提示申し上げ、広報周知を深めることで生ごみの資源化を促進していきたいということでございます。
 現在、先ほどもございました環境基本計画につきましては平成22年度が目標でございまして、数年先には見直しも必要となることから、その際には、このような生ごみ減量についての具体的な目標等を盛り込み、生ごみをごみとしてではなく、資源化する認識を一層高めていきたいというふうに考えております。以上でございます。

◯6番(酒井正司君)

 いろいろ前向きにお考えいただいているようで、大変ありがとうございます。
 特に学校給食センターの、前回見せていただいたんですが、当初のころは、生ごみを何とか生かしたいということでお取り組みいただいたそうですが、コスト面とか、もろもろの諸般の事情で断念したという、非常に残念なお答えをいただいたものですから、ぜひともきれいなドライ方式の最新鋭の設備があるわけですから、やはりごみの処理も、最も地球に優しい最先端のお取り組みをいただければありがたいと思います。
 それから、環境基本計画のお話が今あって、22年度というふうなんですが、県の方は18年から22年のが現在あるんですよね。ですから、結構最新の状況に合わせた計画がなされておりますが、市の方は、残念ながら平成12年に出されただけで、現在に至っておるわけですが、その間に、やはり外国人がふえたり、高齢者がふえて、地域での生活者がふえたりとか、そういう諸般の事情が随分変わってきていると思うんですね。ですから、もっとタイムリーな取り組みをぜひお願いしたいと思います。
 それから、市が16年をピークに下降ぎみであると。非常に残念な結果で、実は私も奥村さんにお会いして、1平方メートルとか、いろんなことをやってみえるんですが、何かもう一歩、市民の皆さんへのアピールが足りないなあと思うんです。例えば環境フェアなんか見ても、さほど大きなスペースがないし、ささゆりクリーンパークの展示場所に古いタイプのボカシ容器があるんですね、小さい。あれは水分と分離できないもんですから、非常に管理が難しいわけです。今のはすのこ状のものが入って、コップで液肥部分を分離できるというような容器に変わっているわけです。ですから、ぜひ変えてほしいというお願いをしておきましたけれども、もう少し担当者みずから、もっと積極的なお取り組みを願いたいと思うんです。
 それで、16年から下降ぎみであるという御認識は持たれたようですが、その後、何らかの取り組み作業をされたのかどうか。単なる電気的な家庭処理機がふえたから、そのせいであろうというのはちょっと納得しがたい取り組みだなあと思うんですが、その後、下降ぎみが判明された時点でどのようなお取り組みをされたか、お聞かせいただきたいと思います。

◯環境経済部長(長瀬文保君)

 それでは、お答えします。
 広報等、あるいはホームページ等、その時点からEMボカシの数量が減少ぎみであるということを自覚して、そうした一般的な広報もですし、それから、特に現在、申し上げましたようにモニターの家庭をふやすように努力を並行して続けてきました。ただただ、現在の段階では、全体の世帯から比べれば取り組んでいただける世帯が少ないもんですから、継続して一生懸命、やはりどうしても実際のところ、使っていただくとそのよさがわかるということで、すぐにできることはモニター世帯をふやすことではないかというふうに考えておりまして、それに力を入れていきたいと思っております。

◯6番(酒井正司君)

 ありがとうございました。
 広報に載せた、ホームページに載せたということはわかりましたが、例えば農業祭に先日出させていただいたんですが、ああいうところでのPRですとか、あるいはいろんな行事に、環境フェアもそうですし、例えば可児市の里芋なんかも産業として発信しようとしているわけですが、これはボカシでできたよというような取り組みをされれば全国的な発信ができるかと思いますので、いろいろ知恵を絞って、ぜひとも前向き、積極的に取り組んでいただければありがたいと思います。ありがとうございました。


  • 最終更新:2014-11-05 13:55:48

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード