品川区

清掃・リサイクル特別委員会_11/07 本文 2001.11.07

◯南委員

 ぜひデータを生かしていただきたいし、できたら生ごみの収集・分別という意味では継続をぜひしていただきたいと思うんです。
 今、課長がご答弁されたように、収集したものを化石燃料を使って堆肥化するという、そこは私も非常に疑問を持つところなんです。そういう方法で堆肥化して、やっぱり大気汚染されるし、環境破壊につながっていくという点で、いかがなものかなというふうに思うんです。ですから、そういうシステムじない堆肥化の方法というものもあるはずですし、今地方ではいろいろ実践している例がたくさんありますね。今年の夏も生ごみリサイクル交流会だったか、そういう名称だったか忘れましたけれども、そういうのが毎年夏の時期に開かれていまして、私も何回か参加しています。山形県だとか、山梨県だとか、岐阜県だとか、いろんなところで実践して実施されて、EM菌だとかそういうものを使った堆肥化で、自治体とまちと一緒にやっていますから、そういう方向を含めて生ごみのリサイクルも進めて継続していただきたいなというふうに思っているんです。
 ただ、堆肥になったときに、どうやってそれをリサイクルとして完結させるかというのが、一つの大きなネックになっているのは承知した上での発言をしているつもりなんですけれども、その辺も含めて検討をしていただいて、せっかくここまで一部の地域ではあっても、生ごみの分別収集と堆肥化の問題が、品川区の大きな事業としてスタートして発展して認識も広がってきているときだけに、補助金の問題、コストの問題だけでこれでやめにしちゃっていいものかというのはすごく思うものですから、そういうほかの方法を含めて継続していただけるように検討をぜひしていただきたいと思っておりますが、いかがなものでしょうか。

◯中山清掃リサイクル課長

 端的にこの事業の継続ということになるかは別にしまして、今回のモデル事業を何らかの形で区政の中、あるいは対外的にオープンにしていくという流れの中での検討、およびそういった意味での活用について考えていきたいと思っております。

平成15年度予算特別委員会(第5日目) 2003.03.13

◯沢田委員 

 ごみの減量を考えた場合、全体の割合として4割だというデータが出たんですけれども、生ごみを本当にリサイクルしていかないと、ごみの減量はずっと下がってきて平行になっていると、ここにいかに手をつけるかということが課題なんじゃないのかなと思います。
 私のことを言って恐縮ですけれども、10年ほど前から自分のところの生ごみをポリバケツに入れて、EMという菌を入れて、ずっとやって生ごみの排出量は我が家はゼロなんです。どこかに生ごみの材料はないかというので、予算委員会、決算委員会のみかんまでもらってつくっては、自分の菜園に持っていって埋めたりしています。これを実際にやれば、本当にこれは資源だというのを身をもって感ずる、私の感覚なんですね。
 ですから、そういう点ではモデル事業としてやって、確かにコストがかかるというのはよくわかりますけれども、途絶えさせないで、ぜひ個人的にやっている人たちに対しても、1カ月200円か250円ぐらいの発酵促進剤が要ったり、ポリバケツが必要だったり、そんなにお金はかからないですけれども、そういう支援もするべきじゃないのかなと。
 区としてもコストがかかるというけれども、トータルコストで見た場合、埋立地の造成費だとか、地球温暖化のCO2対策だとか、ダイオキシンだとか、あるいは農業、食の安全だとかということを全体で見てみれば、品川区だけでということではないんですけれども、採算は取れる可能性がある。
 そういう意味では、狭い意味で見ないで、ぜひこれを普及するように努力をしていただきたい。その辺をもう1回答えていただけるとありがたいと思います。

◯中山清掃リサイクル課長

 ほかにも生ごみの有効利用という部分の取り組みを若干申し上げますと、電気式生ごみ処理機助成を既に230件ほど助成しているわけですが、電気を使わないものとしてもコンポスト化助成を平成5年度から実施しておりまして、類型で約700件の助成ということで、これはエネルギーを使わない土に返す助成というものもやっておりまして、これは継続的にやっていきたいと思っております。
 コストすべてというふうに認識してございませんけれども、先ほど菜園の話もありましたけれども、もう一つの問題として利用する場、土地の確保というところで言えば、品川区の事情の中で安定的なルートが構築し得るのか、これも十分見ていかなければいけない。コスト、安定的なルート、そういう中で、品川区に合った有効利用の方策というものは注視し研究していきたいと思います。

◯沢田委員 

 217万人の名古屋市が、同じように2年間モデル実施をしまして、今年からさらに小学校区単位、もう少し広げて実施をしている。
 確かに、できた堆肥をどう処分するのかというのがないと、リサイクルにならないわけで、それは最大の問題だと思うんですけれども、そこがやっぱり知恵の働かせどころじゃないかと。例えば、近郊農家と連絡を取って、堆肥を持っていって、そのかわりに有機農作物を持って帰ってきて給食に使うだとか、区民に頒布をするだとかということも含めて、合理的な利用方法を考えていただきたいと思います。
 改めて、個別にそうした問題を市民団体がやろうとした場合に支援をして、そこからずっと広げていくという方法も一案じゃないかと思うんですが、その辺についてはいかがでしょうか。

◯中山清掃リサイクル課長  基本的には、ある種の制度を考え、それに対して利用する方の助成が、どういう合理的なメニューなのかということを、見極めて助成していくという方法で考えてございます。それで先ほど幾つか申し上げた方法を現在やっておりますが、それ以外の技術も注視している。

 現段階では、特定の団体に対しての支援というものは考えてございません。

平成15年_第3回定例会(第2日目) 2003.09.26

◯若林広毅君

 質問の第2は、目黒川の水質浄化や地域資源としての積極的な活用について伺います。約60ヘクタールに及ぶ同地域の中心を流れる目黒川をまちづくりの中にどう取り込んでいくかは、今後のまちのあり方に大きな影響を与えます。水と緑が品川の将来像のキーワードであることは、第3次品川区長期基本計画の中でも明確に示されており、各治水対策の進捗により、目黒川の課題が治水から浄化へと力点を移す時期になったと考えます。将来、水に親しめるほどの浄化がなされた目黒川は大きな環境資源として、さらには観光資源としても有意義に活用できる可能性を秘めていると考えるのであります。かつて私の先輩が、桜満開の目黒川に屋形船を浮かべたいと夢を語っておりましたが、この風景を浮かべた船の上から眺めてみたいものです。
 ところで、平成5年第4回定例会において、公明党から既に紹介をしておりますEM菌は水質浄化に効果ありと言われますが、この有用微生物を使い、河川浄化運動を進めている山口県岩国市では、市内の自治会、地域住民が立ち上がり、積極的に運動に取り組んでおられるそうであります。今回の再開発を契機に、目黒川の浄化について地域住民の協力も得て本区としてどのように取り組んでいかれるのか。また、親水施設など夢広がる構想はどのようなものかを伺います。

◯まちづくり事業部長(中谷勝年君)

 次に、大崎駅周辺地域におけます目黒川の水質浄化についてですが、これまでも、例えば落合処理場の再生水の放流による浄化など、目黒川の水質浄化について積極的に取り組んできたところでございます。区としましては、これまでの取り組みも踏まえまして、大崎駅周辺のまちづくりを進めるに当たって、水と緑のネットワークの形成や、魅力ある地域づくりといった観点からも、目黒川を環境資源として活用することを戦略的に取り組んでいきたいと考えております。具体的には、現在、東京都や事業者などとも調整を図りながら、御成橋付近におけます下水再生水放流施設の整備について検討や、護岸の緑化などの取り組みを行っているところです。

平成17年(平成16年度)決算特別委員会(第4日目)  2005.10.11

◯堺委員  私も冒頭申し上げましたように、いろいろ区ではまちづくり事業部のほうは事業部のほうで、あるいは保健所・保健センターのほうでもそれなりの費用をかけて努力されていることは十分承知いたしておりますが、まだまだなかなか、私は西品川一丁目というところに住んでいるんですが、ときたま路上に犬の排泄物が落ちているんです。あるいは私の近所に西品川公園というのがあるんですが、そういうところでありますとか、幾つか近隣の公園の中にも大変申しわけないんですが、現物があるんですね。これはあくまでもやっぱり飼い主のマナーによるものだとは思いますが、だから、その辺のところもしっかりこういういろいろな犬のしつけ教室でありますとか、そんなところを利用してやっておられるわけですから、ぜひそういう目に見えた効果があらわれるように努力をさらにお願いしたいなと思うんですが、ここに一つこういうところが新たに出てまいりました。これはご存じかと思いますが、岩手県の久慈市というところです。犬の公衆トイレ登場と。参考までにちょっとお時間がありますので読みます。

 「犬を散歩させる人が比較的多い久慈川河川敷の遊歩道沿いに犬専用のトイレを5個設置した。トイレは生ごみ処理容器を活用、容器の中にはあらかじめ枯れ葉や土などが入っており、定期的にEM菌を加えることでふんを肥料化し、悪臭を抑える。ただし、トイレを設置しても飼い主にモラルがなければ意味がない」、こんな報道があるんですが、この辺についてはいかがでしょうかね、ご感想がありましたら。

平成18年_第3回定例会(第1日目)

◯大西光広君

 3、旧東海道の景観維持と立会川ならびに目黒川の環境美化について。
 古い時代の町並み保全が難しくなっておる昨今ですが、旧東海道の景観維持の現状についてお尋ねいたします。
 私の地元の旧東海道沿いでは、多くの地元住民の反対にもかかわらず、倉庫跡地にスーパーホテルなるものが学校のすぐそばに建設されたり、まさしく旧東海道のど真ん中に当たる品川寺の隣には5階から6階建てのマンションが建設されるという、全く近隣地域環境や住民感情、歴史的景観保全を考慮しない建物が建設されているという状況でございます。私も品川区の一市民として、また、区議会議員として大変悔しい思いをいたしました。いわずもがなのことでございますが、品川宿は1600年の初めに徳川幕府が江戸に開かれるとともに整備された東海道第1番目の宿場町として誕生したものであり、私は恐らく日本人で品川を知らない人はいないと思っております。そのよき品川の歴史が損なわれていることを看過することができません。
 私は、品川区は行政として何らかの知恵を出すべきであり、また、最大限、歴史景観の保全や街の環境維持に力を発揮し、区民の期待にこたえるべきと考えますが、品川区のお考えをお聞かせください。
 また、地元の皆さんから寄せられている根強い要望として、旧東海道を横切る2本の河川、すなわち立会川と目黒川の悪環境であります。地元住民にとっても、品川区の旧東海道を観光で訪れた観光客にも大変不興であります。私は、さきの予算特別委員会でもこの問題を指摘し、理事者答弁で微生物による汚泥やヘドロなどを分解する試みを実施しているとのことでありましたが、その後の経過ならびにさらなる環境美化策があればお聞かせください。

◯まちづくり事業部長(福田法光君)

 次に、微生物による汚泥分解の試みとさらなる環境美化対策についてお答えいたします。
 微生物を用いた河川の環境対策につきましては、ことしの7月の川の日に、汚泥の分解に効果があると考えられるEM菌を地元の方々と立会川に投入するなどの実験的な試みを行いました。大規模な実験ではなかったことなどから、現在のところ明確な効果は確認できておりませんが、今後とも、さまざまな手法についての調査を行うなど、水質改善に関する取り組みを継続していきたいと考えております。
 また、環境美化対策につきましては、現在、区では「新・水とみどりのネットワーク構想」の作成を行っておりまして、さらなる水辺環境の向上に取り組んでいくこととしております。例えば目黒川では、現在も臭気の発生や白濁化などの問題が生じておりますが、このような状況を改善するためには、京浜運河あるいは大井埠頭付近の比較的良好な海水を導水し、上流から放流することが有効と考えられますので、このような抜本的な対策に向けて、来年度、実験を実施してまいりたいと考えております。

街づくり特別委員会_09/28 本文 2007.09.28

◯家壽田下水道河川課長

 それでは、私のほうから、目黒川の水質改善検討についてご説明させていただきます。
 本日は、こちらのスライドを使ってご説明したいと思います。まず目黒川のおさらいということで、お話ししたいと思います。ご存じだと思いますが、目黒川はこのような形で、一番上流端は三鷹市のほうになりまして、我が区が一番下流になっております。流域面積は45.8km2、延長は7.8kmの2級河川ということです。
 実際は目黒川というのは、世田谷区のこの大橋のちょっと上になるんですが、ここまででして、そこから上流につきましては、北沢川、烏山川という川になっています。これは現在でも2級河川の指定を受けておりますが、実態はすべて汚水が365日流れる下水道化されております。また、途中には蛇崩川、これは2級河川なんですが、これはやはり同じように下水道化されていて流れているということで、基本的にすべて下水に収容されて、それが処理場、水再生センターに送られていますので、自己水源が基本的にはない川であります。ただし、平成7年に清流復活事業といたしまして、新宿区にあります落合水再生センターから、清流復活用水として、下水の高度処理した水を流しておりまして、それが自己水源となっております。
 目黒川の水質の問題といたしましては、目黒川は途中のところ、船入場のところまでが、いわゆる感潮河川ということで、潮の満ち引きで、海の水が上がってくるところになっています。ここで水質汚濁が発生しているという状況がございます。
 目黒川の水質の歴史について、若干触れてみたいと思うんですが、下水道の整備がまだ始まったばかりの昭和40年代というのは、大変劣悪な水質でございまして、BODというバイオケミカル・オキシジェン・デマンドという、生物化学的酸素要求量、これが20を超えますと、基本的に虫もすめないという水質になりまして、それをはるかに超える、50という、どぶ、死の川であったわけです。それが下水道の整備が進んでいく上に、だんだん生活排水の流入がなくなってきまして、水質は改善してきました。昭和50年代ぐらいからは、何とか虫がすめる水質ぐらいまでに改善され、かつ、その後には何とか魚がすめる、そこまでなってきたと。
 下水道の普及が100%だったのが平成6年。平成7年から先ほど申し上げた清流復活を開始しまして、現在ではデータ的にはアユがすめるぐらいの水質までなっています。
 ただ、そうは言っても、課題がございまして、ここは合流式下水道の地域でございまして、雨の強いときには、下水からの越流水があると。そういった中で、汚濁負荷量が常にたまっている中では、白濁と呼んでいますけれども、川が真っ白くなっていて、においが出てくるという問題も発生しております。我が区といたしましても、この白濁現象、あるいは臭気の発生を何とか抑えまして、都市再生緊急整備地域の大崎であるとか、天王洲の運河ルネッサンスの地域を控えておりますので、この辺をまず改善していきたいと考えております。
 今、合流式下水道というお話をしましたけれども、この合流式下水道といいますのは、読んで字のごとし、下水が合わさって流れているということでして、通常の生活雑排水、トイレとか厨房の水が1つの管に入り、かつ、降った雨が同じ管に入っているということでございます。この合流式下水道は一緒に汚水と雨水を集めて、基本的には常に処理場で処理をするんですが、強い雨が降ったときには処理場で処理し切れなくなるという場合は、一定程度川や海に流すという構造になっております。
 雨天時の放流のイメージですが、ちょっとわかりづらいんですが、向こう側からこちら側に流れてきていて、汚水はここをふだんは流れているという形です。年間大体120回ぐらい雨が降るんですが、弱い雨、80回ぐらいの場合ですと、仮に雨が降って、水位が上がっても、何とか処理場に全部持っていくことができています。ただし、1年間に30回ぐらい、わりと強い雨が降ります。時間雨量にして5ミリとか、それぐらいの雨なんですけれども、それ以上降りますと、処理場に送り切れなくなりまして、それが川や海、ここで言うと、目黒川に流れてくる。その量はといいますと、大体晴天時の汚水量の3倍までは処理場に送るような設計で今、目黒川等はできています。
 これは神田川の写真なんですが、晴天時の吐口は口がぽっかりあいているだけなんですが、一定量の雨水が降りますと、汚水がまじった雨水がここを通って流れてくる。非常に環境上は悪いものとなっているという状況になってきます。
 目黒川の特性といたしましては、先ほど感潮河川ということで、これは縦断的に見たところなんですけれども、宝来橋や中里橋というのは、潮が上がってきませんので、清流復活用水しか流れてこない。わりときれいな川になっています。ただ、この太鼓橋、市場橋、居木橋という、我が区に入ったあたりになりますと、潮の満ち引きで、海水が上がってくるんですけれども、満ち引きはあるんですけど、この辺がある意味死に水といいますか、水が動かない状況になっています。清流復活用水がこのように流れてくるんですが、淡水です。淡水というのは海水に比べて軽いものですから、こちらの塩分がまざった部分がまざらなくて、上をすーっと滑ってしまうということで、下のほうの汚れた海水はなかなか改善されないという状況になっております。
 また、この部分というのはほとんど運河に近いようなところとして、勾配がありませんので、水の動きがないということで、この辺が課題となっております。
 昨年度、既に調査をしておりまして、ここの水質がどうなっているかというのを調べたものなんですが、8月の大潮の干潮・満潮時を調べますと、DO、溶存酸素といいまして、川の水の中にどれだけ酸素が含まれているか、これが多ければきれいですし、魚もすめる。汚ければ、汚れていて、汚れをいろいろなものが食って、酸素が減ってくるわけでありますが、運河に近いあたりでは、わりとこの青い、きれいな水があります。ただ、それが北のほうの上流域になりますと、酸素がない、汚れた水があるということがデータ上もわかっております。
 海水が行ったり来たりすると、わりとこの辺、上のほうはきれいなんですが、下のほうが汚い。これが夏から冬にかけて。冬になりますと、雨の量も少なくなってきますし、気温も下がってきますので、わりと水質は改善する傾向にあるんですが、残念ながら、この太鼓橋のあたりというのは、年中、酸素のない、汚い水が滞留しているということでございます。この貧酸素状態を何とか改善したいということが、ここからも見てとれます。
 目黒川が先ほど白濁している写真を見せましたけれども、これがどういうメカニズムでできてくるかということを若干ご説明します。先ほど、下のほうに酸素のない水があるということを言いましたが、比重が大きい海水が酸素を持っていなくて、溶存酸素のない、どろっとしたといいますか、そういった水が河川の下のほうにたまっております。ここが酸素がない状態で、汚濁物質がありますと、メタンでありますとか、硫化水素というものが発生することがあります。これは酸素がないと、嫌気性の硫酸還元菌という菌が働くそうなんですけれども、そうしますと、こういうものができてくる。出てきますと、表層の淡水の酸素を含んだ水と接触すると、これが白くなるという、化学的な働きがあるそうでして、これで白濁が発生するということがわかっております。
 それで、白濁を抑えるためには、酸素のある水を何とかそこに入れてあげればいいわけでして、それを今年度はどういう形でやったらいいかということを検討しております。例えば、目黒川の流量や水質が今どうなっているかということは先ほどご説明しました。この辺をもう少ししっかり測ろうと。それから、下のほうに汚い泥であるとか水があるということがわかっていますので、それらがどのくらい酸素を食べてしまうのか、吸収してしまうのか、この辺なんかも測ってみる。
 そうしたことを踏まえまして、昨年は計算しかやっていなかったんですけれども、計算に加えて、水理模型実験をやってみまして、密度の違う水をまぜたときに、どうまざるかとか、どう移動するかということを実験してみたいと思っています。それから、そういったさまざまな測定データとか、実験データをもとに、どんなことをやれば、どういう効果があるかというシミュレーションをしたいと思っております。
 それから、先日も皆様にごらんいただきましたけれども、立会川で高濃度酸素溶解水による実験をやっておりましたけれども、あるいはそういう実験なんかも、成果などを踏まえて、目黒川の浄化を考えていきたいと思っています。目黒川に合った水質改善手法を見い出したいということです。
 水質測定につきましては、目黒川の特徴、水質の問題点を把握するということで、調査区間は6キロにわたりまして、8測点設けております。その中で、年間4回、干潮と満潮の大きいときに水の調査をし、また1日24時間、どういう変動があるかということも測ってみたいと思います。それも深さごとに表層はどうなのか、下のほうはどうなのかという、縦断的な水質の変化なんかについてもとらえたいということで、既にこれについては調査を開始しております。
 それから底泥と言われるヘドロ部分がどのくらい酸素を吸収するかということは、実際に現地の泥をとりまして、それでそこの水でふたをすると、どのくらいの時間をかけて、どのくらいの量の酸素がなくなっていってしまうのかということを測ってみたいということで、これもこれから実験いたします。そうしますと、どのくらいの酸素を送れば、きれいになるかということも、ある程度想定できるということでございます。
 それから、これが一番大きいといいますか、水理模型実験ということで、20分の1スケールの模型をつくらせまして、それで海水がどうまざるかということを実験しようと思っています。海水をためたところに、その比重の違う水を送ったときに、どういうふうに浮くのか。どのぐらいの比重の差がありますと、軽いものは上のほうに走ってしまいます。上のほうに走ってしまったら、下のほうの大事な改善したいところが改善されませんので、それがどういうぐあいか。
 海水が入ってくるときに、重い水を持ってくればいいんですが、もともと重い水というところには、あまり酸素がないということがわかっておりますので、そうすると、どの深さの、どれだけの比重の、どれだけ酸素があるものを持ってくれば一番効果的なのかというのをいろいろトライをしてみたいと思っております。ということで、この辺の評価をもとにいろいろ、我々も検討していきたいと思っています。
 昨年、シミュレーションということで、机上の数値計算をやった結果がこちらなんですけれども、京浜運河のほうから1秒間に3トンの水を目黒川上流に持っていった場合に、どのくらい改善効果があるかということをシミュレーションしております。導水がなかった場合には、溶存酸素というのは、今、0.13mg/lということで、魚がすむのに非常に厳しい状況になるわけなんですが、例えば毎秒1トン、毎秒3トン、毎秒5トンという水を送ると、このような形で水質が改善するということがわかっています。今のところ、5トン送っても、あまり3トンと変わっていないということがわかりますので、3トンぐらいの導水をすると、4.16mg/lということで、魚がすむにはまあまあいい水質まで改善するということもわかっておりますし、BODと呼ばれている水の汚れの指標でも、導水すれば、3mg/lまで改善する。アユがすめる水質ぐらいにはなるということで考えておりまして、今の段階では3トンぐらいの水を送ったらどうなるかということを考えております。ただ、まだどうまざるかということはわかっておりませんので、それは先ほどの水理模型実験を踏まえて、まざりぐあいなんかを見てみたいと思っています。
 それと、先ほどの高濃度酸素溶解水、あれを例えば組み合わすとどうなるかということも、いろいろ検討していきたいと思います。
 ちょっとご紹介が重複になりますが、立会川の高濃度酸素溶解水の実験、これはかなり成果を上げてきておりますので、この辺なんかも取り込んでいきたいと思っております。
 それから、去年は立会川だったんですが、ほかの地区でEM菌という、汚れをとってくれる菌があるんですが、そういったもの、水生植物に食べさせるものをやっております。そうしたものも浄化なんかのデータと比べながら、それが目黒川に適用できるかできないかというあたりも検討していきます。それから炭素繊維に汚れを吸着させるという実験をやっている自治体もあると聞いておりますので、その辺の知見なんかも取り入れようと思っております。こうしたさまざまなことをもちまして、目黒川に一番効果的な浄化手法を検討していきたいと思っています。
 導水規模は、先ほど3トンぐらい送ったらどうかということもありますが、取水する位置によっては、水質も違いますし、それから施工費も変わってきます。それから放流する位置によっても、一番改善したい低層の部分の水が入れ替わるか入れ替わらないかということも変わってきます。それから放流量によっても、溶存酸素、それからBODの改善がどうなるかというのも変わってきます。それから導水施設の規模によっても、当然、イニシャルコスト、ランニングコストにはね返ってきますので、しっかり検討しなければいけないと思います。
 それから運転時間におきましても、結構水質についても、夏場と冬場では違うということもわかってきていますので、365日回しっ放しというのは、当然電気代もかかってしまいますから、例えば汚れている夏だけがいいのかとか、連続運転がいいのか、昼だけがいいのかと、いろいろな運転パターンも考えられると思いますので、その辺についても検討していきたいと思っております。
 先ほどの模型実験につきましては、つくばのほうに実験場が既につくり始めておりまして、場所はつくばエクスプレスの万博記念公園から車で10分ほどのところなんですけれども、そこに今、このような形で、本当は野原なんですけれども、何もないところを8月上旬に整地を開始しまして、今現在はこの水路の模型、全長35メートルある、非常に長い模型なんですが、これができつつあるということで、何とか来月中には模型実験を開始したいということです。
 11月の下旬ぐらいにはかなりデータがそろっておりますので、もし委員の皆様も、機会がございましたら、この辺のところで現地にご招待できればと考えております。
 ちょっと駆け足になりましたけれども、現在の私どもの取り組みについてのご報告を終わります。

平成19年(平成18年度)決算特別委員会(第5日目) 2007.10.09

◯原委員 

 私のほうからは、成果報告書の143ページ、目黒川のほうの排水設備関係、それから、144ページの水質調査等の委託関係、それから、あと146ページで、目黒川の緑道、それから、親水護岸、その辺まで、全体的に目黒川についてお聞きしていきたいと思うんですが、まず、細部のほうからお聞きしてまいりますけれども、川底の問題ですとか、排水設備関係その1、2とか、実際に続いて、平成19年度まで来ているんですけど、その1、2、こういう分類についてまずお聞きしたいのと、それからあとは、144ページの水質調査等委託、まず水質調査自体はどの辺でやっておられるのか。何カ所かとか。それからあとは、「等」という言葉なんですけれども、「等」というのは非常に便利な言葉でして、この辺について、この3点、ご説明いただければと思います。

◯家壽田下水道河川課長 

 それでは、目黒川の関係につきまして、ご答弁申し上げます。目黒川右岸低地部排水設備工事というのが、その1、その2工事とありますが、これは工事の順によって番号を振っているものでして、まず、目黒川右岸のその1工事は、シールドというものを通すときに、立て坑という立て穴を掘る必要がありまして、この立坑工事を行うものでございます。その2工事につきましては、そのシールドのトンネルを掘る本体のものでございます。以後、今後は、その2に引き続きまして、その3、その4工事というふうに続いてまいります。
 それから、続きまして、河川水質の調査でございますけれども、これは目黒川で、全体7カ所の水質を調査するものでございまして、昨年度実施しております。特に特徴といたしましては、通常都や区ではかっていますのは、深さ方向1カ所だけなんですが、これは縦断的に深さ方向でもどういう水質の変化があるかということをしっかり調査いたしまして、この結果をもとに目黒川に必要な、最適な水質改善法を調査するために必要なものをはかるというものでございます。
 それから、目黒川水質調査委託等の「等」ということでございますが、今回、当課で出しましたのは、目黒川水質調査委託ということで、予算上は「等」はついておりますが、委託上は「等」のない形で出しております。

◯原委員 

 そうしますと、「等」というのは便宜上ついているという解釈でよろしいわけですよね。ちょうど、まあ、これは次ですけど、決算特別委員会なので、200万円しかついてないんですけれども、平成19年度4,800、約5,000万円ついておりますので、これは水質調査という解釈でよろしいわけですね。

◯家壽田下水道河川課長 

 すいません。目黒川水質調査等委託について補足させていただきますと、平成18年度におきましては、「等」の中では、立会川の土壌調査の委託を行っています。これは、昨年度、立会川の環境美化運動の中で、EM団子というのを投げたということをご記憶されている方もいらっしゃると思いますが、このEM団子の効果を室内で実験したもので、その水質の調査でこの予算を執行しております。

  • 最終更新:2015-03-17 16:28:59

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