四日市市(2)
四日市市議会とEM(その2)
2002.12.11:平成14年12月定例会
2点目に、まちづくりに生かす阿瀬知川浄化作戦について質問いたします。
阿瀬知川の浄化については、過去何回も質問いたしておりますが、今回は地域の皆さんの声を代弁させていただきますので、よろしくお願いします。
日本では、開発などで失われた自然林や湿原、干潟などを回復させるために、国会では自然再生推進法案が可決されました。自然生態系は私たちの知らない間にどんどん壊され破壊されています。例えば、国内に生息していた野鳥は、50年前を100とすると今は100分の1しか残っていないということで、北海道から沖縄まで、昔の野鳥のコーラスを聞けるところはもはやないとのことです。そして、野鳥が減ったということは、野鳥が食べていた昆虫も減り、その昆虫が食べていた食物も減り、日本の自然生態系は、50年前に比べ100分の1程度の規模になってしまいました。
本市でも自然環境を守るのではなく、当たり前のように破壊しています。例えば、河川のコンクリート三面張りはその顕著な例で、何でもコンクリート化してしまいます。一日も早くこの三面張りを壊し、もとの姿に戻してほしいものです。それを復元しても、一度壊れた自然生態系は私たちの生きている間にはもとには戻りません。
さて、EM菌で河川浄化対策に取り組んでいる阿瀬知川は、自然生態系に戻すため浜田連合で阿瀬知川を美しくする会をつくり、さらに浄化を進めるため、地元自治会の方々がネットワークをつくり、月2回の浄化体制づくりができ、活動の輪が広がっております。地元の方は、きれいになった阿瀬知川の水辺空間をのぞき込む方がふえています。ことし4月からドラム缶約70本分の米のとぎ汁、EM発酵液を投入しました。その都度、地元の皆さんが自然と集まり、その人垣にまた人が集まり、自宅でつくられたEM発酵液を持ち寄り、心から喜んで川に投入していただいております。この9月29日には、EM菌を阿瀬知川に投入してから満2周年記念ということで、NPO団体の方と地元自治会の方がEM発酵液2tとEMだんごを投入しました。この日は井上市長もEMだんごの投入に参加していただきました。私も自分の地元のことですので、自宅でも発酵液をつくり浄化作戦に取り組んでいる一人ですが、阿瀬知川は下流の住民とNPO団体だけが浄化しなければならないのか疑問です。
阿瀬知川は四日市市の中心部を東流する延長6km、幅5~10mの排水路です。その源流はどこから流れてくるのか。また、地元浜田地区の雨水、汚水はどのように流れているのかを図にしてきましたので、簡単に説明いたします。
この赤いのが阿瀬知川の流れですね。上流からずっと流れてきて、下流の方へ流れていきます。この青いところが私たちの地域の浜田地域で、ここは下水道が完備されておりまして、最終は日永浄化センターで浄化されております。
ここで、一つお断りをしておきますが、上流地域からは雨水、生活排水、雑排水と言われるもの、その上大量のごみがすごく流れてきております。でも、これは上流地域に住まわれる方、皆さんの責任ではないと思います。責任があるとしたら行政の責任でしょう。
地元の雨水、生活排水は阿瀬知川には流れていないということをご確認いただけたと思います。不思議なことに、阿瀬知川浄化には阿瀬知川を汚していない浜田地区の住民とNPOが熱心に取り組んでいます。私たちは地元の大切な川である阿瀬知川を浄化しないと言っているのではありません。行政がNPOと地元任せにしているので、それはおかしいのではないかと言っているのです。それでも、本年はよい方で、下水道部では、阿瀬知川浄化に取り組んでいるNPO団体と1年契約をし、そのための予算も確保されました。しかし、この契約で本当に阿瀬知川浄化ができるのかと疑問を抱く点が幾つかあります。
まず1点目は、この契約は主にEM技術を使った啓発に重点が置かれ、浄化することに重点が置かれていません。実際に上流地域の方がEM菌を生活排水と一緒に流せば、下流にヘドロは堆積せず、悪臭も発生しないのです。それが根本的な解決法です。しかし、この契約においては、啓発後のEM資材の提供については何ら予算立てはしてありません。啓発すれば、上流の地域の方は、次は、EM菌はどこへ行ったら手に入るのかとおっしゃるに決まっているではありませんか。
2点目は、下流の阿瀬知川浄化のためには、上流の久保田神社に1tタンク2基を設置しなければ下流の浄化ができません。これも契約に入っていません。材料費、人件費等一番お金のかかるところを触らないようにした契約になっています。これで、本気になって阿瀬知川浄化に取り組もうとしているとは思われません。NPOと地元自治会の資金を含めたボランティアにも限界があります。その点どのように対処されるのでしょうか。
3点目は、NPOの契約と育成についてですが、NPO団体との契約については、行政はそれをサポートし、活動しやすいようにすることが大切なのではないでしょうか。このNPO以外のどの団体が阿瀬知川浄化に取り組んでくれましたか。他市からの視察の受け入れも、その資料づくりも、その現地への案内もすべてNPO任せ、予算は不十分、このNPOはやればやるほど自腹を切らなければなりません。官民一体の浄化作戦と口を開けば言われますが、どこが官民一体なのでしょうか。
阿瀬知川の浄化活動の成果は米洗川に続き堀川にも広がり、堀川じゃぶじゃぶ作戦が始まっております。これは海蔵地区の隣接する小中学校が手をつなぎ、堀川の浄化に取り組んでおられます。山手中学校、大谷台、海蔵両小学校の児童・生徒と保護者の300人が自分たちでつくったEMを投入されました。地元浜田小学校でも4年生と2年生が中心となってペットボトルにEM発酵液をつくり、河川浄化しています。地元自治会長がEMのつくり方を教え、教えてもらった4年生が、だれも何も言わないのにそれを2年生に教えました。また、教育のもう一つの広がりとして、ビオトープ、学校のプールの浄化にもEM菌が利用されています。次の展開は、EM技術活動の輪を広げることにより自然の摂理に近い循環型のまちづくりに発展させることです。本市も下水道部だけが取り組むだけでなく、全庁体制でのシステムづくりが必要です。
もう一つの考え方として、阿瀬知川の浄化で盛り上がった地域住民の運動をまちづくりに生かしてはどうでしょうか。前回は兵庫県尼崎市のEM菌による花いっぱい運動でのまちづくりを紹介しました。
最近、都市計画課の若手職員の皆さんが、都市計画マスタープラン地域・地区別構想のご説明に各地区を回ってくださっております。私も地元の説明会に参加いたしました。行政の方から示せるものが何もないのに、一体市民は何をどのようにしたらいいのかわからないといった感じでした。阿瀬知川浄化に取り組んでおられる皆さんは、自然な形で子供からお年寄りまで一緒になって、昔のきれいな阿瀬知川にしようと夢に挑戦しておられます。本市はなぜこんなすばらしい住民運動をまちづくりに活用しないのか、不思議に思います。阿瀬知川の浄化はだれに言われたわけでもありません。地元の皆さんは川をきれいにしたいから参加しているのです。地区別構想の説明会にはわずかな人数の参加でしたが、阿瀬知川の浄化運動は一声かければ50人ぐらいの方がペットボトルを持って集合してくださいます。
最後に、職員研修のためにEM研究の第一人者である琉球大学の比嘉教授が四日市に来てくださいました。その比嘉教授が公害を体験した四日市だからこそ環境行政が大切で、他市ではできないアピールなんだとエールを送ってくださいました。それを励みに、EMによる環境先進都市四日市を全国に発信されてはいかがですか。
◯助役(山下正文君) 藤原議員からご質問いただきました2点目の阿瀬知川の浄化対策に学ぶまちづくりについてということにつきまして、私の方からお答えをさせていただきます。
ご質問にもございましたように、阿瀬知川で行われておりますEM技術、すなわち有用微生物群を活用した環境浄化技術による河川の浄化運動ということでございますが、これにつきましては、周辺のボランティア団体が主体となりまして、役所はサポート役というふうな形でこれまで展開をされてまいりましたわけですが、周辺自治会の協力体制も日ごとに高まる中、ご質問にございましたように、9カ月間の活動の結果、窒素あるいはリンの減少による水質浄化とともに、ヘドロが目に見えて減少し、悪臭の弊害がほとんどなくなるといった成果をもたらしながら現在も続けられておるところでございます。今回のこの阿瀬知川の浄化活動は、ヘドロあるいは悪臭の軽減といった本来の目的を達成するとともに、上流の常磐地区の自治会、あるいは婦人会の皆さん方の関心を引き起こすなど、いわゆる官民協働体制のまちづくりといったものへの市民参加意識の高揚といった大きな成果をもたらしたものというふうに認識をいたしております。特に昌栄町の自治会におかれましては、阿瀬知川の浄化運動に熱心に取り組んでいただいておりまして、私どもといたしましても感謝をしているところでございます。
今回、このご質問をいただくに当たりまして、私も、いささか泥縄式ではございますが、先日、阿瀬知川の方を見てまいりました。大変きれいな水が流れておりまして、驚いたところでございます。
そこで、議員ご提案の今回の活動を教訓にしたまちづくりの取り組みでございますけれども、基本的にはEM技術の活用といったものを、官民協働のまちづくりの有効な手法の一つとして活用してまいりたいという考えは持っておりまして、ご提言にもございましたように、花づくり運動、あるいは生ごみの堆肥化、福祉施設でのEMぼかしづくりなど、多岐にわたるEM技術の活用が考えられますが、まず第一には、EM技術を活用したまちづくり、そういったものへの市民の皆さんの意識の高揚を図っていくということが必要であろうというふうに考えておりまして、それにはEM技術といったものへの市民のご理解、ご協力が不可欠であろうというふうに考えております。現在、阿瀬知川だけではなしに、その他のところ、例えば、大谷台小学校とか塩浜小学校、あるいは橋北地区での花づくり運動にもこのEM技術が活用されているというふうなことも聞いておりますし、また、市におきましても、公園あるいは街路樹の剪定枝のチップ化、あるいは農業センターでの生ごみの堆肥化などに活用をしているところでございます。
そうした動きの中で、今後の取り組みといたしましては、今、活動中のボランティア団体、あるいはEM技術のまちづくりNPO、そういったNPO法人化といった動きも出てきておるというふうなことでございますので、今後ともEM技術の啓発に努めまして、市民意識の醸成を図りながら、いろんな分野での官民協働体制を構築した上で、できるところから順次、EM技術を活用したまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。
また、ご質問にもございました全庁的なプロジェクトの設置というご提案がございました。ご質問の中にもございましたように、このEM技術の活用分野といいますか、これは非常に多岐にわたっております。したがいまして、一つの部局で推進するというふうなことはなかなかできないだろう。したがいまして、ご提案にもございましたような全庁的なプロジェクトづくりといったものも一つの手法であるというふうなことになろうかと思っております。したがいまして、こういったプロジェクト組織をつくっての取り組みというふうなことについては、今後、私どもといたしましても十分検討をしてまいりたいというふうに考えておりますので、どうかよろしくご理解を賜りたいと思います。
◯藤原まゆみ議員
次が、阿瀬知川の件に関連するまちづくりでございます。
ご答弁には具体的な方向性が全然感じられませんので、何のために助役にご答弁していただいたか本当にわからないなと思っております。きょうの議会の模様は、ビデオにとってボランティア団体の方も見てくださると聞いております。こんなやる気のない答弁では、あしたから阿瀬知川の浄化対策に熱心に取り組んでくださった方々は、もうやめたいと言われるかもしれません。10カ月に及ぶ活動に対して、ヘドロが減ったとの結果が出ても、次に何の手も打たない、何もしないのでは、やる気が起きないではありませんか。市民の意識の高揚といいますが、本市の職員の意識が全くないんです。下水道部でさえも、部長、次長以下3~4人ぐらいですよ。最も関心を持ってほしい環境部なんか、化学に強い人ばっかりでも意識がないんです。そして、その次が市民意識の向上じゃないんですか。順番が逆さまだと思います。全庁体制をとってくださるというお話も聞いてますけど、じゃあどのように具体的にという話も全然ございません。市民の方がEMに対する理解はあると思います。現に阿瀬知川の上流にあったおにぎり工場は、もう既にEMの100倍機を購入し、浄化対策を行っております。市長、尼崎の市長は、公害のまちのイメージをこのEMのまちづくりで払拭しました。市長もこのような点をもっと勉強していただきまして、まちづくりに向かっていただきたいと思います。この点についてはもう一度ご答弁をいただきたいと思います。
◯助役(山下正文君) まず、EM技術の活用の点につきまして、具体性がないとか、やる気がないんじゃないかと、非常に厳しいご意見をいただきました。決してそういうことではございませんで、まず、藤原議員にご質問いただいたその趣旨といいますのは、要は、行政が音頭をとってまずやっていけということであろうというふうに思っておりますが、私も先ほどのご答弁で申し上げましたように、まちづくりといいますのは、行政が主導権をとっていくケース、あるいは市民の方が主導権をとっていくケース、これはさまざまあろうかと思いますが、今回の、特に阿瀬知川の浄化につきましては、行政がリーダーシップをとったということではなしに、市民の方からのいわゆる働きかけによって、行政もお手伝いをさせていただいたというふうな形でそもそも始まったものであろうというふうに私は理解をいたしております。したがいまして、こういった形でのまちづくり、特に、これまでにないEMという新しい技術を応用した形でのまちづくりというふうなことになりますと、そもそもEMとは何なのか、どういったところに効き目があるのか、効果があるのか、そういったことも踏まえて、市民の方に十分その中身を理解をしていただく必要があるだろうというふうに思っております。したがいまして、そういったことを踏まえて、市民の啓発、あるいはEMに対する意識の高揚を図っていった上で、市民の方々が中心になってまちづくりの中に生かしていただく。そういった形で、先ほど答弁の中でも申し上げましたように、いろんな形で、こういったEMを活用したいろんなやり方というのが出てきておるわけでございます。ただ、だからといって行政は全くノータッチだよというふうなつもりはございません。阿瀬知川の件につきましても、行政としてかかわるべきところはかかわってきておるわけでございますから、私どもといたしましては、いわゆる市民の方々の動き、そういったことをサポートしていくという立場が必要なんではなかろうかなと。先ほど藤原議員の再質問の中では、順序が逆だというふうなことでございますけれども、私どもといたしましてはそういうふうな考え方を持っているというふうなことでございます。
それから、職員の意識が低いというふうなご指摘もいただきました。これらにつきましては、私どもといたしましても反省すべき点はあろうかと思いますけれども、先ほど言いましたように、EMの応用技術の範囲というのは非常に多岐にわたりますので、そこらも踏まえた上で、プロジェクトチームの編成、そういったことについては、藤原議員のご意見も踏まえた上で十分検討をしてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
◯藤原まゆみ議員 ご答弁ありがとうございました。
阿瀬知川の件からさせていただきますけど、後ろから紙が回ってきました。平成9年度に阿瀬知川のヘドロ対策を3,000万円かけてしていただいたんですね。今回60、先ほど言いましたけど、ヘドロが減ったわけですね。それに対して市は、金銭的な部分で言いますと、電気代を払っておる。しかも5月からですので、1万円ぐらいかなと私は思っております。金額的な面は別といたしまして、私たちは私たちで一生懸命やっているからええやないかというような感覚のお答えなものですから、それは自治会長も憤慨しながら、地元自治会長も今ここに来ていただいておりますけど、憤慨しながら聞いてみえるんではないかというふうに思っております。
ボランティアの方は浄化対策についてどう思っているか紹介させていただきますと、川がきれいになっていくのを見るのが非常に楽しい。ヘドロと悪臭がEMで解決できると知った市民が立ち上がった。まず阿瀬知川をきれいにして、EMの効果を知ってもらうことが目的や。予想以上のスピードで浄化が進み、行政や流域の住民の協力の輪が広がってきています。先ほども言いましたように、庁内でもいろんなところで使ってはいるんですよね。市民の方もいろんなところで使ってはいるんです。だから、相乗効果を出そうと思ったら、やはり市の職員の方の研修が一番大事なんですよね。市民の人は「まちづくりやるぞう」と言って、もう構えているんですけど、市長、本当にこれ、皆さんの統一的なものがないんですよね。だから、本当にばらばらであるというところから、やっぱりこれは、市長に音頭取りしていただいて、市全体のEMに対する教育という部分が欠けているんではないかと思って私は提案させていただいたんですね。ですから、市民参加型まちづくりだよというて、市民の人がしてくれるからというのではやっぱりいけないと思うんですね。そういう点が今回は欠けているんではないかというふうにして指摘させていただきました。
◯市長(井上哲夫君) 今、藤原議員のご指摘の問題は、私の方も重く受けとめて、これから対応していかなきゃならんと考えております。といいますのは、いわゆる行革で職員の意識改革、実際、意識改革というのは机の上でやっても何も改革できないんですね。議員がご指摘のように、具体的な行動、具体的な実施、そういう中で職員自身も意識改革を促されていくというか、やっていく。そういう意味では、ご指摘の点を十分かみしめて今後生かしていきたいと思っております。
なお、具志川市とか尼崎市とかでEMをまちづくりに非常にうまく活用しているというふうなことがございますので、我々もそういう先例都市の実情ももっと勉強しなければならないと思っております。
◯藤原まゆみ議員
最後に、阿瀬知川の環境保全についてお尋ねします。
阿瀬知川は、四日市市久保田二丁目から昌栄町の四日市港までを結ぶ全長約3kmの河川です。上流部の一部地域で下水道が未整備のため、生活排水が川に流れ込み、下流の昌栄町や朝日町でヘドロが堆積しております。今まで、地元の阿瀬知川を美しくする会とNPOとが協力して、毎月EM発酵液とEMだんごを使い、地元の町内を流れる大切な川として河川浄化に取り組んでまいりました。この河川浄化につきましては、議会で何度も取り上げてまいりましたので、よくご存じだと思います。
ことしこの阿瀬知川の下に雨水1号幹線工事が決定し、このための説明会も自治会単位で開催していただきました。この工事により地元の阿瀬知川にポンプ場がまた一つふえます。このポンプの増設により川幅18mが半分の9mになり、さらにヘドロが堆積するのではないかと思われます。このヘドロが堆積することが地元では大問題なのですが、本市下水道部は少しも理解しておりません。早急なるヘドロ対策が望まれております。また、都市化によりつくられた三面張り舗装も、その床にヘドロがこびりつき、自然破壊の大きな原因となっております。雨水対策も大事ですが、まずヘドロ対策、また、三面張り舗装の自然復元に取り組まれるべきではないでしょうか。お考えをお聞かせください。
汚水浄化については、河川が本来持つ自浄作用により浄化が行われています。しかし、自然の浄化能力を超える外的汚染原因により有機物が腐敗発酵、酸化分解し、汚泥の堆積や悪臭の原因になっております。この発生原因をもとから断つ対策を本腰を入れて講じてこそ、初めて環境保全につながるのではないでしょうか。上流の常磐地区を含めた地域ぐるみでできる河川浄化体制づくりが大切ですが、行政は汗をかく努力をされようとはしておりません。自治会任せでなく、次の世代にもつなげていける対策が必要です。お考えをお聞かせください。
◯下水道部長(小坂 治君) 阿瀬知川の環境保全につきましてご質問をいただいております。
1点目でございますが、阿瀬知雨水1号幹線水路築造工事で計画をいたしております新朝日橋下流のポンプピットがヘドロの堆積原因になるのではないかとご質問をいただいております。
この工事で築造いたします管渠は、大雨時の貯留管として地域の浸水を防ぐ計画で進めているものでございまして、貯留管にたまった雨水を雨がおさまった後にくみ出すためのポンプピット、これをJR線の上流の川幅の広くなった部分に建設をすることといたしております。あわせまして、地域住民の意向も踏まえまして、ポンプピット横には上流部と同じ幅を持った水路をつくることといたしており、今より水の流れがよくなり、ヘドロがたまりにくくなるものと考えております。さらに、ポンプピット築造時には、周辺に堆積をいたしておりますヘドロを工事にあわせまして撤去したいと考えておるところでございます。
2点目の、阿瀬知川にヘドロが堆積したのはコンクリートで底張りをしたのが原因であり、自然体系を守るためにも底張りを撤去すべきとのご意見についてでございますが、阿瀬知川の水路改修につきましては、沿線の皆様から悪臭解消の強い要望がありましたので、平成9年から11年度にかけて、新朝日橋から国道1号までコンクリートで底張りを行ったところでございます。そのうち三滝通りから上流部につきましては、生態系に配慮した水生生物にやさしい池もつくっておりまして、市としても一定の成果があったものではないかと考えております。今後、上流部の整備に当たりましては、より自然環境に配慮した工夫をしてまいりたいと考えております。
また、阿瀬知川にたまるヘドロにつきましては、年2回、定期的に水路清掃を行うとともに、必要に応じてスクリーンの清掃や土砂の撤去を行っているところであります。
3点目の、阿瀬知川の環境を保つための上流域の抜本対策についてでございますが、阿瀬知川は上流部の常磐地区を集水区域といたしておりまして、この地区は、現在、公共下水道で鋭意整備を進めております。人口割合にいたしまして約6割に普及し、平成15年度、単年度では約6ポイント伸びておりますが、今後さらに汚水整備を進めまして、ヘドロの原因となる生活雑排水の流入を減少させてまいりたいと考えております。
また、地域のまちづくり事業の一つとして、平成14年には阿瀬知川浄化活動を官民一体の協働事業として採択されまして、NPO法人に、EM技術による浄化技術と材料の提供によって住民啓発を行う業務を委託したところでございます。さらに、このような浄化活動が広域的に展開していくことが肝要であると考えておりまして、今年度も引き続きNPO法人に啓発業務を委託しており、上流域の常磐地区でも官民による協働事業を進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
◯藤原まゆみ議員 ご答弁ありがとうございました。時間がありませんので、まず阿瀬知川、それから農業委員会の建議書というところから入らせていただきます。
阿瀬知川の環境保全ということで、環境保全という観点で今回は質問させていただきました。きょうも地元の自治会長さん始め皆様が聞いていただいて、先ほどの下水道部長のご答弁を聞きながら、何か不機嫌な顔をしてみえたというのが、私には深く印象的でございましたけれども、環境という部分からは、下水道部長、お考えが全然ないんですね。どうやって整備をしていくかという観点でしかないんですよ。やっぱり環境というのは、たとえ阿瀬知川に流れてこなくてもほかのところに流れてったらあかんのですよ。そういう観点で私は質問させていただきました。
まず、ポンプ場でございますが、ポンプ場は、今決められた場所につくっていただくと、ヘドロが堆積するのではないかというのは地元の住民の変わらぬ思いです。ですから、四日市港側に移してほしいと。できればそんなふうな形にしてもらえないかという要望が一つあります。
それから、三面張りの自然復元でございますが、先ほど地元要望を大事にして三面張りをしたというんだったら、地元要望は三面張りをしてほしくない。自然還元をしてほしいという要望が出たら、自然還元していただけるのかなというような感じでお聞きさせていただきました。本当に都合のいいときに地元要望という言葉は使われない方がいいんじゃないかなって思っております。
もう一つが、官民協働という美名が非常に飛び交いますけれども、確かに、平成14年度から浄化作戦の委託はしていただいてますよ。ですけれども、それに基づいて下水道部の方は一切手を出していただいてないというのが現実でございます。私たち阿瀬知川を守る会は毎月、本当に毎日、EMの液をつくるために毎日つくっとるんですね。EMだんごもつくっとるんですわ。それに対して、浄化しとるんですけど、そういうことについての下水道部の方のかかわりは一切ございません。勝手にしておりますという感じですね。あとは、常磐地区の呼びかけ、上流である常磐地区ヘの呼びかけというのもほとんどされてないと思います。ですから、官民協働、官民一体という言葉が先に飛んではおりますけど、全然進んでいないというのが私たちの認識なんですね。そういう点でもう一度お答えいただきたいと思います。
2005.02.24:平成17年3月定例会
◯教育長(川北欣哉君) 私の方からは、1点目のご質問の愛知万博につきましてお答えをさせていただきます。
この愛知万博ですが、これはご質問の中にもございましたが、21世紀の人類が直面しております地球規模の課題の方向性と人類の生き方を発信するために、多数の国また国際機関の参加のもとに開催されるものでございます。メーンテーマに「自然の叡智」を、またサブテーマに「宇宙、命と情報」、「循環型社会」、こういうものが掲げられております。ここにおきましては、自然の持つすばらしい仕組みと命の力に感動し、世界各地での自然とのさまざまなつき合い方、また、知恵に学びながら多彩な文化・文明の共存する地球社会について学ぶことができると、こういうふうなものでございます。
そして、環境に配慮いたしました会場づくりを始め、環境負担の少ない交通手段、また新エネルギーの活用、自然の叡智を楽しみながら学ぶ場などが子供、大人を問わず体験ができると、このような工夫がされているということでございます。
本市の多くの学校におきましても、環境教育につきましては、体験的な学習を重視した取り組みをしております。例えば水質浄化のためにEM菌を散布したり、自分たちにできる活動としての清掃やリサイクル活動、こういうものにも取り組んでおるところです。こういうことを通じまして、子供たちは自然の大切さについて確認したり、環境の現状と今後の環境のあり方について追究しているところですけれども、このことは、愛知万博が重要視しております体験を通して環境を考える、学ぶ場と共通したものがございまして、この愛知万博の見学は、子供の学習にとって非常に価値あるものと、このように思っておるところでございます。
2005.09.09:平成17年9月定例会
◯商工農水部長(井上敏博君)
地球温暖化の影響につきましては、既に太平洋など外洋ではあらわれているようでありますけれども、伊勢湾などの閉鎖性の海域におきましては、温暖化の影響とは別の要因の環境影響がより問題になっているところでございます。
伊勢湾におきましては、酸素の少ない海水の塊、あるいは赤潮などに影響されまして、年々漁獲量の減少傾向が大きくなってきていると聞いております。聞いておりますとは申しわけございません。事実そうなっております。
そのため、本市におきましては、漁業振興という観点から、これまでヨシエビやアサリ、ヒラメ、クロダイの種苗放流や産卵時期の卵を抱きましたガザミの再放流に取り組んできておりまして、本年度からは、魚介類の生息環境の改善を目指して、有用微生物群によります漁場環境浄化のための実証試験を始めたところでございます。
また、ノリの養殖につきましては、気象や海水の状況など環境の影響を受けまして、赤腐れ病などの病気が発生し、被害を及ぼすことも多くありまして、問題になっているところであります。
県におきましては、病気の原因となります海水中の病原菌の検出によりまして早期予防の可能性や病害抑制方法、色落ち抑制方法についての研究が進められております。また、伊勢湾に適した細胞レベルでの選抜によります優良品種の基礎的な研究にも着手をしたと、これはこのように聞いております。このように、養殖作業の効率化を図り、病気や障害に強い品種を開発することによりまして、品質と生産性の向上を図る取り組みを進めているところでございます。
2005.09.14:平成17年9月定例会
◯教育長(川北欣哉君) まず、第1点目の環境教育につきましてお答えを申し上げます。
本市におけます環境教育、これは昭和47年からの全国に先駆けて行いました「みどりの学校」、これを始めといたしまして、公害を克服してきました歴史や取り組み、これを位置づけまして、四日市の環境教育を進めてきておるところでございます。
また、平成9年の市制100周年、この事業におきましても、地球市民環境フォーラム・学校環境分科会におきまして、小学生や保護者等の参加も得て、海外の環境問題を学んだり、生徒会を中心としたこれまでの活動を発表したりして、多くの参観者から高い評価をいただいていたところでございます。このように、四日市市といたしましては、常に先進的な実践に取り組み、すべての学校におきまして環境教育の充実に努めてきておるところでございます。
本年度の学校教育指導方針におきましては、子供たちに環境意識を身につけさせるように、幼稚園におきましては、身近な環境とのかかわりを重視した保育を、小中学校におきましては、身近な素材から出発し、社会参加につながる環境教育、これを教科の時間だけではなくて、総合的な学習の時間などで学校教育のさまざまな場面で進めておるというのが現状でございます。
もう少し具体的な学習内容について触れさせていただきますと、幼稚園、小学校低学年におきましては、「まほうのじゅうたんはリサイクル」「空とぶあきかんくん」といった紙芝居、また「ゴミをポイポイ」「やまからにげてきた」といった絵本の読み聞かせ、親子での自然観察、また小学校におきましては、環境学習資料「くらしとゴミ」、それから「くらしと水」、こういうものを特別につくっております。また、社会科副読本におきましては、「のびゆく四日市」を用いた指導を行っておりまして、小学校、中学校ともに総合的な学習の時間におきまして、地域の特色に応じたテーマを設定し、体験的な活動を中心にした取り組みがされております。
これの代表的なものといたしましては、学校ビオトープを利用いたしました活動、水質汚染調査などの環境調査、EM菌を使っての川の浄化、空き缶回収を通しての資源の再利用、鈴鹿川などの河川、また吉崎海岸へ出向いて自然観察と環境調査、地域の人をゲストティーチャーとして招き、地域の農業や環境に関する学習などがございます。これらの学習は、子供たちの身近な環境の自然や生活事象への働きかけを基盤といたしまして、よりよい環境の創造のために積極的に行動していく態度を育てようとするものでございます。
2005.12.09:平成17年12月定例会
◯上下水道事業管理者(西川周久君) まず、図面でご説明をいただきました9mの幅の整理の件でございますが、その9mは、現在の到達立て杭を30m上流に行ったところの接点が、ちょうど阿瀬知川の右岸との距離でございます。それで、9mの幅でという案をお示ししたわけですが、先ほども申し上げましたように、その区域は新朝日橋から朝日橋の間ですが、この部分は朝日町ポンプ場の遊水池機能を有してますのと、それから排水の幹線水路の最下流でございます。それで、いわゆるその二つの機能を満たす検証をしないまま絵を書いていたきらいがございましたので、この辺は改めて、先ほど申し上げましたように3月、年明けに、もう一つ問題は、下流部分の計画がないままかかっておるということで、申しわけございませんけれども、変わってきた部分があったんだろうというふうに思っております。私も、過去の説明会の記録は見ております。
それから、第2点目の、到達立て杭の左岸部分ですね。今の状態は、先ほど申し上げましたように、当初の絵は30m上流部に到達立て杭があるときの絵ですが、この部分につきましても、先ほど申し上げましたように、9mをとったときの残りの面積と、今後検討した段階で整備できる面積、この辺は1月にはお示しを、相談をさせていただきながら決めていきたいというふうに思っておりますし、ヘドロの撤去につきましては過去に少しずつやっておるんですが、やはり大々的にやらない限りという話と、それから有用微生物群で水質浄化をしてもらっていることもありますので、その辺での調整で十分な効果を上げられなかったわけですが、根本的には考えていきたいというふうに思ってます。
それから、3点目ですが、ビオトープの話でございますけれども、これは先ほども申し上げましたように、ここの地域の環境整備をする大きな視点は、過去6年間、阿瀬知川を美しくする会の皆さんが有用微生物群を使って水質浄化に取り組んでいただいておりますので、自然環境を損なわない整備の一つとして、この時点にどのようなことができるかというのを十分研究していかなければならないと、このように考えております。
◯商工農水部長(井上敏博君)
ところで、海の富栄養化の件でございますが、本市沿岸部ではノリ養殖を始め船引き、底引き漁業が行われておりますが、ここに来て、生活排水等による環境の悪化が原因かと思われます漁獲量の変動が生じてまいりました。市といたしましても、安定した水揚げを得ていただくためには環境改善が必要との観点から、有用微生物群を活用した水質改善の取り組みを、漁業者の皆様と協力して始めたところでございます。
- 最終更新:2013-11-20 16:35:21