四日市市(3)

四日市市議会とEM(その3)

2006.02.27:平成18年3月定例会
◯前田 満議員 新生会の前田 満でございます。通告に従いまして一般質問をさせていただきますが、冒頭、その前に先ほどNHKのニュースを見ておりましたら、ショッキングなニュースが放映されておりました。同じ県内の伊勢市長の加藤さんが、まだ死因はわかりませんけれども、お亡くなりになられたというニュースでございます。この段でございますけれども、心よりご冥福をお祈りしたいと思います。
 それでは、大きく2件、通告してございます。一つは、「EM、有用微生物群の活用で環境都市を」というテーマと、「楠地区新市建設計画の進捗状況について」と、大きくこの二つのテーマを通告してございます。
 実は、EM関連で質問しようという心構えでいろいろあれこれ考えておりましたときに、ちょうど先々週の土曜日、日曜日、2日にわたってNHKのテレビ放送で、地球温暖化をテーマとして、50年後、100年後どういう状況になるのかという放映がありました。興味津々で見ておりましたところ、極めて日本人だけではなくて、地球上に存在する全人類が将来どういう過酷で大変な時代を迎えるかという事実がシミュレーションではありますけれども、放映されておりまして、それを見ておりまして、私は慄然としたわけでございます。これは当然、地球上にあります各国の政府のリーダー、要人だけでなくて、全人類がその事実を着実に認識しまして、今からその対応策を考えていくことが大切なんじゃないだろうかというふうな感を強くしたわけでございます。
 最初のEM、有用微生物群の活用で環境都市をのテーマに入らせていただきます。
 この有用微生物群、つまりEMと呼んでおりますものは、この本会議場内にいらっしゃる皆様はよくご存じのことだと思いますが、少しばかり説明いたしますと、このEMは、人間にとって極めて良好で心強い働きをしてくれる微生物たちなのであります。例を挙げますと、麹菌、乳酸菌、酵母菌など、昔からなじみのある微生物を含む約80種類の微生物群であります。また、EMの活用方法は、台所の生ごみを肥料にしたり、下水やトイレの悪臭を防いだり、花壇や家庭菜園の肥料にも使える、その他各種の活用方法がございますが、我々人間にとって極めてすぐれたものであります。このEMについては、これまで本会議において、私たちの会派の小林大先輩議員を筆頭に、公明党の藤原議員、そのほか多くの先輩議員が一般質問で取り上げておられますが、今回改めて質問させていただきます。
 先ほども冒頭申し上げましたけれども、直接このテーマを取り上げようといたしましたのは、昨年10月28日に当四日市市において、第5回のEMサミットが「EMサミットin四日市」として開催されました。その中でEM活用の大御所でもあります琉球大学の比嘉照夫教授が「EMで四日市を環境都市に」というテーマで講演がありました。私もそれを聞く機会に恵まれましたからであります。
 そのサミットの内容は、少々長くなりますけれども、第1部として、大谷台小学校、海蔵小学校、山手中学校、この三つの学校のそれぞれ校長先生、教頭先生、担任の先生のお三方によるパネルディスカッションがありました。それぞれの学校においてEM活用による学習がどのように行われたか、またその効果がどうであったかについて実態の報告がなされました。それぞれの学校に即した活動が活発に行われ、すばらしい学習効果を上げていることがよくわかりました。
 次に、第2部として事例発表が2例ございました。一つ目の事例は、藤原議員が深く関与されております阿瀬知川を美しくする会の活動報告が、その会の堀木会長、石垣副会長のご両名によって行われました。この会の活動成果は、これまで藤原議員がたびたび触れておられますように、すばらしい結果となってあらわれていますことは、皆様よくご存じのことと思います。この活動に携わっておられます堀木会長を始め関係者の方々に対して深く敬意を表するものであります。二つ目の事例は、市役所の農水振興課の課員2人で「有機野菜づくりの講習会」についてと「豊かな海づくり事業」として磯津漁港の海水浄化活動の二つの事業についてそれぞれの効果を交えて報告がなされました。
 その後、井上市長と比嘉教授の対談が行われたのであります。その対談の中で比嘉教授は井上市長に対して、30万都市でこのような先進的なサミットが開かれるのは、市長のリーダーシップのたまものであると、こういう言葉がありました。これは私の聞き間違いではないと思います。したがって、市長は十二分にEM効果についてご理解をいただいているものと確信した次第であります。
 参考までに、ちょっと記事がありましたんですが、平成9年の12月8日に隣の総合会館で文化や環境の活動をしている市民グループが主催したEMの説明会が開かれたことが記載されております。これがその記事のコピーですが、この記事の中に、写真入りで、井上市長も熱心に勉強との見出しで写真が紹介されております。これはEMがどういうものであるか、どういう効果があるかという基礎的な勉強会が開かれたということが報告されております。
 以上で前置きを終わりまして、いよいよ質問に入らせていただきます。
 それでは最初に、教育長にお伺いいたします。
 教育委員会として、先ほど申し上げました三つの小中学校がこのような実績の発表会を行うことをまず承知しておられたのでしょうかどうでしょうか。また、承知されていたのであれば、指導課なりあるいは関係の職員を聴講に出席させられたのかどうか、まずお伺いいたしたいと思います。
 学校経営は、それぞれの学校長の裁量にゆだねておられるとか、またそれぞれの地域特性が異なるなど、一概に割り切れないものがあるかもしれませんが、一般の事業会社ですと事業所ごとの好事例があれば、積極的に情報提供して会社全体の業績向上に努めるということは極めて当たり前のことであります。学校という教育界において、そのようなことは行われないのでありましょうか。大谷台小学校など3校の環境学習は、EMを核として、PTA、地域の住民を巻き込んだ学校と地域が良好な関係を構築している、そういう点も見逃せません。ご所見をお伺いいたします。

◯教育長(川北欣哉君) EM活用で環境都市をというご質問ですが、教育委員会に関します部分につきましてお答えを申し上げます。
 委員がご指摘の「EMサミットin四日市」が昨年10月28日に開催されると、このことは学校からの情報により我々は存じておりましたが、参加といたしましては、教育委員会事務局はできませんでした。
 しかしながら、山手中学校、海蔵小学校、大谷台小学校の3校が以前から環境教育の一環として、地域の活動に参画しながら、EMを活用した堀川の浄化活動を行っていることは各学校からの報告によってその内容は承知していたところでございます。こうした事例を、環境デーを中心とした取り組み例、このようなことで取りまとめまして、各校園に紹介をしてきたところでございます。また、この取り組みがこのサミットで発表されましたことにつきましても、教育委員会としては非常に意義深いものがあると考えております。
 こうした環境をテーマにいたしました学習は、EMの活用に限らず、市内の多くの学校におきまして、それぞれの地域の特性に応じたテーマで、地域と協力した体験的な活動を中心に行われておりまして、このことは、地域づくりに参画しながら学習するという点からも、また子供たちの身近な地域の自然や生活事象への働きかけを基盤として、よりよい環境の創造のために積極的に行動していく態度を育てようとする、こういう点からも大きな意義があると、このように考えております。
 教育委員会といたしましては、このような取り組みが行われていることを先ほど述べましたように、環境デーを中心とした取り組み例として取りまとめ、各校園に紹介し、それぞれの取り組みが推進され、広がるよう図っているところでありますが、ご指摘のとおり、すぐれた実践を積極的に紹介し広げていく意味から、各校のホームページに掲載したり、教育委員会広報あるいは事務局だより等の紙面を活用するなどしながら、一層の発信に今後も努めてまいりたいと考えております。
 また、地域の環境や特色に応じて各校園が環境都市づくり・まちづくりに参画するということにつきましては、地域の中で育つ子供たちが自分たちの生活環境に目を向け、自分たちが地域の一員として大人とともに活動を行い、自分たちのまちづくりに直接かかわっているという観点から見て、学校教育と地域とのつながりを一層深めることができるものと考えております。
 こうした観点からも、EMを活用した環境づくりが行われる地域において、地域の取り組みのツールであるEMを各小学校が教育活動に取り入れながら取り組んでいくことは大変意義深いものと考えます。
 今後も家庭や地域との連携を図り、さらに関係各機関と協働のもと、環境保全やよりよい環境の創造のために積極的に行動するような子供を育てていきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

◯前田 満議員 どうもありがとうございました。ぜひ情報発信並びにそういう子供たちの前向きな姿勢を自発的に養うような活動の教育をお願いしたいと思います。
 参考までに、全国的に見ましても、学校でEMを使ってプールの清掃や近くの小河川の浄化、学校菜園など、いろんな活動をしている例は3,000校以上現在あるというふうに聞いております。地域活動へのインパクトも少なくないと思います。
 それから、これは通告してございませんが、たまたま私が入手しておりますビデオに、これは2003年9月27日のEM研究機構が制作しましたビデオで、今ご紹介しました3校が堀川にEMを流し込んでいるという様子が紹介されているビデオでございます。教育委員長は、そういう現場の生の姿をごらんになられたことがあるのか、あるいはこれからもそういう生の状況をごらんになられるお持ちがあるのかどうか。といいますのは、やはり何事においても、現場が一番大切だと私は考えているからであります。デスクで座った形で考えているのではなくて、現場がどういう状況になっているか、どういうような活動、どういう効果があるのかという形をぜひおつかみいただきたいというふうに思うからであります。ご回答は求めませんが、ひとつぜひそういう形でお取り組みいただければと思います。
 参考までに申し上げますと、井上市長は、この活動に参加されておられます。ご参考までに。
 次に、商工農水部長にお伺いいたします。
 まず最初、農業の関係あるいは漁業の関係において、EMはどのような効果をもたらすものとお考えになっておられるのでしょうか。また、現在商工農水部長の関係で若干予算をつけて事業がとり行われておりますけれども、その事業を今後どういうふうに推進なさるのか、場合によっては打ち切りになるのかわかりませんけれども、まずそのご認識をお伺いいたしたいというふうに思います。
 参考として申し上げますと、瀬戸内海や有明海、この海苔の業界で先進的に取り組んでおられる事業会社がございます。その関係で見ますと、EMを活用した海苔の収穫は数量、品質両面において極めて良好な成果を上げている。海苔という商品がよくなるだけではなくて、付随的にそのEMで処理した工場排水を流すことによって、その近くの河川なり海面が非常に浄化されると。それまで貝類がどんどん少なくなっていったところが、そういうことを始めたことによって、アサリだとかシジミだとか、そういう貝類の収穫がまた戻ってきたというような報告もございます。そういうことも聞いておりますので、商工農水部長、ひとつ認識をお伺いします。

◯商工農水部長(井上敏博君) 午前中、中川議員がお話しされました農水振興課の農水政策係、いろんな農業とか水産業の施策をどんどん私のところへ持ち込んでくるわけです。実は、先ほどご紹介いただきました有機野菜づくり講習会とか豊かな海づくり事業というのもその一つでございまして、現在それを採用させていただいております。そんなことをお話ししながら、ご質問にお答えをしたいと思います。
 今農業におきましては、ご存じのように、昨今のBSE問題に関連しまて、米国産牛肉の輸入が再停止になりました。まさに消費者の安全・安心な農産物への関心は非常に今高いものがございます。同時に、生産者、農家にとりましても、農業収入の向上を図るという観点からも、消費者の求める安全・安心な農産物を生産することは、出荷側としても大変重要な要素になってきております。その一つとして、農業から見たときに、農薬や化学肥料をできるだけ使わない農作物生産、こういう課題がございます。本市といたしましても、これを100%実行していくにはいろんな難しい課題はあるとは申しましても、できるだけの範囲で消費者ニーズに沿った方向の生産を現在推奨しているところでございます。
 その取り組み事例でございますが、消費者であります市民が自分の手で農薬や化学肥料を使わない野菜づくりを実践してもらって、食品の安全・安心に関する意識を高めていただくと、そういった意味で、先ほどの講習会を開催してきたところでございます。そこでは、市民が比較的容易に取り組める手法の一つとして、EMを活用した無農薬・無化学肥料によるところの野菜栽培の方法を取り入れておりまして、この講習会は実はまだ平成16年度から開催しているものですが、それでも既に多くの方が受講されておりまして、現在各家庭で実践もされておみえでございます。
 一方、畜産の方を考えるとき、同じく平成16年度に研修会を開きました。それはどういう意味なのかと申しますと、悪臭対策の手法として、EMを飼料に混入して、それによって何とか畜産公害、においの抑制に役立たないかということの趣旨でやってみて、まだはっきりわかりませんが、ぜひその効果は期待したいなというふうに思っているところでございます。
 一方、水産業です。今年々漁獲量が減少しておりまして、私どもとしまても、ヨシエビ、ヒラメなどの種苗放流あるいはガザミの再放流などを行ってきております。しかし、なかなか漁獲量の安定化には至っていないというのが現状でございます。これは、一つの考え方として、生活排水などが流入して、それが環境悪化をさせる原因ではないかと一般的に言われておりまして、これが魚介類の生息に適していない状況が生まれているのかなと。したがって、そのために今年度より水産環境の浄化に向けた豊かな海づくり事業を始めたわけでございます。この事業は、水産振興の観点より、河川及び漁港の水環境浄化を目的としまして、実験的に実施してみようというものでございます。具体的には、磯津漁港におきまして、EMを活用した水環境浄化のための実証の試験を四日市市漁業協同組合に委託して行っております。これまで四日市市漁業協同組合の方々と私ども職員も、実は大阪市の漁港をお訪ねしまして、大阪湾の環境浄化の取り組みを伺ってきております。そのほかにも、全国各地でEMを活用した浄化の事例や漁獲量の増加が先ほどご紹介ございましたように報告されておりまして、本市におきましても、漁業者の伊勢湾の環境悪化に対する危機意識が現在高い中で、種苗放流事業とあわせまして、漁獲量の安定への可能性、これを探るために、現在期待感を持ちながら実証をしておるところでございます。
 今後、EMを活用した本市の取り組みにつきましては、全国のさまざまな事例も参考にしながら、その有効性を一つ一つ確認していく中で、本市の農林水産業の振興を図るための一つの手法として考えてまいりたいと、かように思っております。
 以上でございます。

◯前田 満議員 どうもありがとうございました。
 今盛んに消費者の方の最大関心事となっております食の安全・安心という面から見ましても、EMを活用した農業、漁業、畜産業というものは大いに我々人類にとってプラスになるものだと考えておりますので、ぜひ今まで以上に前向きに取り組んでいただきたいというふうに思います。
 また、新聞記事を参考にしますけれども、これは四日市のある酒造会社ですが、EM栽培米、無農薬の酒米原料で吟醸酒づくりに挑戦しようということで、「慕蔵の酒を造る会」という会を募集して、これは3年ほど前から取り組んでおられるということで、やはり一般の事業会社においても、こういう新しいニーズを発掘して業容拡大にも努めているということもございますので、参考までに披露しておきたいというふうに思います。
 それから、実は三重県が英虞湾で、EMでどうなるかというデータを集めるために研究した報告書を私も手にしておりますけれども、基本的に微生物でございますので、EMというのは微生物の集まりでありまして、化学方程式のような形でH2Oという形で水素と酸素で水ができるというような化学反応を起こす働きではございません。したがいまして、EMを実際に活用するその環境、どういう環境にあるかによって、EMを投下する、あるいはどういう種類のEMを入れるか、水に溶かした液を入れるのか、あるいはEMだんご、それを入れるのか、やはりまだ試行段階のところは確かにございますが、間違いなく環境改善、それから事業の方もプラスになるという効果があることは私は間違いないという確信を持っている次第であります。
 それから、先ほど部長がちょっとお触れになられましたが、昨年の8月、大阪の漁業協同組合へバスを仕立てて見学にお出かけになられたということですが、実はその関係のビデオも私手元に持っております。これは2004年2月3日に、NHKが朝の番組で、「お元気ですか 日本列島」という番組があったようです。私は見ることができなかったんですが、後からこのビデオを入手しまして見ました。中身は、プロ野球の阪神タイガースが優勝したときに、ファンがどっと飛び込む道頓堀川が、とてもじゃないが川と言える状況ではありませんね。昨年なんかは、飛び込みを防止するために高いさくを設けて防止をしたけれども、若干名飛び込んだという状況ですが、あの悪名高い道頓堀川を大阪の漁業協同組合が何とかきれいにしようということで、EMだんごをつくって、そして川へだんごを投げ入れると。EMだんごというのは、さすがNHKだと思うんですが、「元気玉」という名前をつけて、それで道頓堀川をきれいにしようと。ということは、幾ら川下の海岸べりだけを浄化しても、やはり川上から浄化しないことには環境浄化という面から見ますと効果が薄れてしまうということで、海辺の漁業者が道頓堀、あれは大阪の一種のシンボルになっておりますけれども、それを浄化しようということで、何千個単位でだんごをつくりまして、そのだんごをつくるのも、ボランティアを募集して、ボランティアがつくって投下しているという活動をしております。
 熊野灘の漁業者も、やはり漁業を発展させるためには、山に木がなくなったのでは、海の水の状況が悪化していく一方だということで、山に木を植える運動というのを始めているとも聞いております。やはりそういう点で、ひとつ商工農水部長、積極的にこれからも取り組んでいっていただきたいというふうにお願いして、次に移ります。
 環境部長にお伺いします。
 産業廃棄物の処理問題で部長は精力的に取り組んでいただいておりますけれども、ぜひ後世に悔いの残らないような形の処理をお願いしたい。これはお願いしておきます。
 私の質問でございますけれども、先ほどの学校におけるEM活用による環境学習や、それから、阿瀬知川を美しくする会の河川浄化活動、こういうような活動に対して、環境部長として、まずどのように評価されているのかということをお伺いいたしたいと思います。
 また、阿瀬知川以外の小さな河川、これは中には下水道を兼務しているところがあるかもしれませんけれども、こういう汚れた小さな河川の浄化活動を環境部が主体的に取り組むようなお考えをお持ちかどうか、あわせてお伺いいたしたいと思います。
 聞くところによりますと、環境部じゃなくて上下水道局の所管であるかとも聞きましたが、それはともかくとして、環境部長、回答をお願いします。

◯環境部長(山口喜美男君) 議員からご指摘をいただきましたように、阿瀬知川におきまして、自治会の皆さんを中心といたしまして、水質環境改善のための啓発及び実践的な活動に取り組んでおられるということはよく存じ上げております。その中でEM菌の活用をされておるということもあわせて承知をいたしておるところでございます。こうした市民の皆さん自身による継続的で積極的な取り組みを環境問題に対してやっていただいておるということに対しましては、深く敬意を表しているところであります。
 ただ、私どもが日ごろ行っております阿瀬知川での水質の環境監視結果、このデータ等から見てみますと、現段階では必ずしもEM菌による水質改善効果が得られたというところまでは言いがたいものもあるわけでございます。EM菌の有用性につきましては、現在県におきましても試験が実施をされておるところでございまして、これまでのところでは、まだ結論を出す段階には至っていないという報告を受けておるところでございます。EM菌の有用性の科学的根拠、これが現状明確でないという状況におきましては、私どもといたしましては、今後も引き続きその科学的知見や国、県等の情報の収集に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 以上です。

◯前田 満議員 済みません、それ以上は追及しません。
 世界的にどの程度普及しているかといいますと、現在、EMそのものの微生物をつくっているのが55カ国ありまして、それをもとにいろいろこういう活動をしているのが130カ国もあるんです。だから、科学的根拠がないからどうだというんじゃなくて、実際生き物にとって効果があるから、これだけふえていっているというふうに私は考えるわけでございます。県内においても、いろんな都県あるいは市町村で取り組んでおります。時間の関係でそれ以上申し上げませんが、ひとつそういう点の認識も改めていただければというふうに要望しておきます。
 さて、本題に入ります。
 本市内の今まで申し上げましたように、学校関係だとかNPO、住民の団体等でEMを活用した環境浄化活動の取り組みがなされておりますが、これに関係して、四日市の行政としてどういう取り組み姿勢であるのかというのが、残念ながら私の勉強不足かもしれませんが、いまいち明確ではないというふうに思えてしょうがありません。
 そこで、市長にお伺いいたします。冒頭いろいろと申し上げましたように、市長はEMの活用方法、その効果、これは投資効果を含めてでありますけれども、それらのことについて十分ご理解いただいていると、私以上にご理解いただいているんじゃないかというふうに考えますが、いかがでしょうか、その点だけまずお答えいただきたいと思います。

◯市長(井上哲夫君) もう既に議員のご質問の中に出ておりますが、私どもは、例えば阿瀬知川の汚泥処理をやってきて、なお住民から大変な苦情があるときに、EMで何とかうまく対応できないかということで、自発的な申し出を受け入れて対応して、少なからぬ効果を見ておると。しかし一方では、まだ有用微生物群の効果が明確に出ていないところでは、やはりそのことを冷静に受けとめて対応をしていると。それから、三つ目は、教育効果という面でいえば、子供たちが学校の近くの河川の浄化に自発的に取り組んで、しかも効果がないとは言えないという状況であれば、これはまた環境教育という面でも有効であると、そういう観点から、取り入れていただけるものと、そのように理解をして進めていると、そういうことでございます。

◯前田 満議員 どうもありがとうございました。それを踏まえて、一つ提案をいたしたいと思います。
 今まで質問してきましたとおり、学校関係だとか商工農水部などのそれぞれの個々に行政として縦割りのままで活動がなされてきております。環境部、上下水道局、市民文化部など、環境関係に深い関係部局を網羅してプロジェクトチームを立ち上げる、そしてEMで環境都市を建設するのだという新鮮な、また注目されるようなメッセージを市の内外に発信してみてはいかがでしょうかという提案でございます。これはいろいろ計算しましても、投資金額も極めて少なくて済むわけです。産業廃棄物問題でまたまた四日市はイメージダウンをしてしまいました。環境都市を売り出そうとしているところで、この汚名返上に最適の事業じゃないのかなというふうに考える一人であります。
 具体的に申し上げますと、環境部かどこかの部が中心となって、今申しました教育委員会、商工農水部、上下水道局、市民文化部などがそれぞれチームをつくって、それぞれが連携を図ってEM活用施策を環境政策の一つの柱として市は実施するんだと、こういう形のものをぜひ打ち上げていだけないかなと思うわけです。なぜかといいますと、政策プラン、今発表されていますが、基本目的の第1に、「市民が快適に暮らせるまちになる」と挙げておられます。それからまた、平成7年、これは四日市公害を克服された後だと思うんですが、4月1日に施行の本市の環境基本条例の基本理念として、良好な環境の保全及び創造は市の責務と、はっきりとうたっているわけです。また同じ年の9月26日制定の「快適環境都市宣言」の文中にも、地球的視野に立ち良好な環境の保全と創造を図るため、私たちはここに四日市市を快適環境都市とすることを宣言いたしますと、はっきりとうたっているわけです。これらを実現するのに、極めて安価というと語弊があるかもしれませんが、経済的にも有効な施策になるんじゃないかと考えるわけでございます。
 具体策として、すぐ隣の鈴鹿市がEMの施策をやっております。これは以前、藤原議員も紹介されておりましたから、市長以下関係部局の方はよくご理解いただいているかと思いますが、市が鈴鹿のシルバー人材センターに委託事業として発注していると。受託したシルバーがそれぞれEM活性液をつくり、一般家庭あるいはボランティア、自治会、女性の会、そういう希望される市と団体にただで、無償で配布して、それをまた米のとぎ汁でもって100倍に使えるわけです。それでできた発酵液を家庭の中ではお勝手だとかトイレ、ふろ場、それから家庭の外では、自分ところの庭の花壇、あるいは排水路を兼ねている小河川あるいは公園、そういうところに散布して、この活動そのものが全市的な形の広がりを持ってくる。配布対象としては、鈴鹿市全域を対象としているということでございまして、一部の人がやるのではなくて、住民を巻き込んだ形の環境施策の柱になってきているというふうに私は考えるわけでございます。その点から見ますと、残念ながら、四日市の取り組みは受け身でやむを得ず取り組んでいるというふうな姿勢に思える点が多々あるということでございます。
 それと、蛇足になりますが、ひとつ市長にお願いしておきます。先進地視察でいろいろ新しい事業に取り組んでいる市町を視察させていただきますと、新しい施策のそもそもの発端はどういうことですかと聞いてみますと、まず間違いなく市長なり町長なりのリーダーシップを発揮されたたまものだということを聞きますので、ひとつその点も市長よろしくご理解いただいて、取り組んでいただきたいというふうに思います。
 最後に、市民文化部長にお願いしておきます。
 現在は申すまでもなく、官から民へとお題目のように唱えられている今日でございますけれども、それゆえ、今後は市民活動が住民自治の基本になってくるだろうというふうに私も考えています。EMの関係の活動とか、あるいはそれ以外のいろんな住民活動が活発になってまいりますけれども、心ある人が素直にその活動に主体的に参加できるように、いろんな支援策が四日市にございます。ひとつそこのところを整備していただいて、こういう活動をするにはこういう形で市もバックアップしてくれているんだなということが理解できるように、ぜひ整備していただきたいというふうに考えていますので、よろしくお願いします。

2007.02.23:平成19年3月定例会
◯楠総合支所長(川北悟司君)
 2点目の漁業関係者の今後の対応でございますが、漁業振興につきましては、ご発言のとおり、漁業従事者の高齢化、減少の傾向にございます。また、漁場環境の変化等により漁獲量も減少傾向の状況にございます。
 こうした厳しい状況の中で、本市といたしましては、これまでの獲る漁業から、限られた水産資源の確保、管理が重要であるとの観点から、これまで漁業協同組合との共同により種苗放流や再放流などに取り組んできておりますが、平成19年度からは三重県が鈴鹿市に建設を進めておりました中間育成施設が完成し、ヨシエビ、ガザミの種苗の中間育成が行われる計画となっておりますので、これを活用した種苗放流について漁業関係者とも協議し、引き続き水産資源の確保を図ってまいりたいと考えております。
 また、有用微生物群、EM菌による魚介類の生息環境浄化のための実証実験も行い、漁場環境の改善に取り組んでおりますほか、市内で唯一のノリの養殖についても、多くの皆様の参加を得て「親子海苔すき体験」を開催したところでございます。
 こうした取り組みを通しても、漁業者の支援、水産振興に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解いただきたいと思います。

2007.06.14:平成19年6月定例会
◯藤原まゆみ議員
 最後に、環境部長にお願いしておきます。阿瀬知川の河川浄化運動に環境保全課はあんまり関心を示してくださらないんですけれども、EM菌を使うことによる効果に対して、化学方程式がないとか、阿瀬知川の河川浄化は、きれいになったのはEM菌の効果かどうかわからないと言われます。私たち、8年間、阿瀬知川の浄化に汗を流している側からすると、非常に不自然さを感じます。他の自治体もその効果を認めて使用するところはふえておりまして、主にやっぱり環境部が主体に動いているところがたくさんあります。ですから、今後そういうところをご理解いただきまして、よろしくご協力のほどお願いしたいなと思います。

2007.06.15:平成19年6月定例会
◯経営企画部長(武内彦司君) ご質問をいただきました伊勢湾の水質改善につきまして、まず、海水浄化の具体的な取り組みにつきましてお答えをさせていただきます。
 水産資源の確保、育成という観点からでございますが、水産振興の立場という面で、平成18年度におきまして、本市を初めまして県内伊勢湾沿岸で、547tのアサリの種苗放流、これが三重県水産振興事業団により実施されております。また、魚介類の育成に適した環境づくりという面では、漁業関係者を中心といたしまして、EM菌、これを活用いたしました水質、漁場の環境改善対策、これを磯津漁港周辺で取り組んでおりまして、これらの活動につきましては、引き続き豊かな海づくり事業を漁業関係者の方々と協力しながら進めてまいりたいというふうに考えております。


  • 最終更新:2013-11-20 16:36:10

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