埼玉県

平成 6年  6月 定例会

◆八番(吉田健議員)

 八番、自由民主党の吉田健であります。
(中略)
 地球環境財団と国連環境計画とが共同に行った世界環境意識調査の結果では、今、重大と見られる環境破壊の種類では、飲料水の汚染がトップで、国民の八〇パーセントの人が水質の汚濁、悪化を訴えています。世界的視野に立って、一人ひとりの生活水準を今のままで固定したと仮定しても、年々一億人に及ぶ人口増加が続く限り、水の使用料は世界全体で約七兆立方メートル、東京ドームの四百十万倍分となります。しかし、取水には限度があるので、やがて水は不足資源になってしまうことは明らかであり、このままの状態が続く限り、その日が、十年から二十年のうちには必ず到来することになるでしょう。
 その上、最も恐れなければならないことは、生活汚染が大気や土壌等あらゆるところに及んでいると、水それ自体が公害発生源となってしまいかねないことであります。厚生省調査によりますと、一九八九年度中に一日以上臭い水を飲まざるを得なかった人々は千七百五十四万人にも達しています。こうして嫌な生活体験をする人が毎年四百万人ぐらいずつ増えてきていると推定されています。また、当調査書には、東京や神奈川でもアナベナというプランクトンが発生したため、嫌な臭いがして耐えられないという問題が起き、関東地方で約五百万人の人が被害体験をしたと記されております。
 我が国では、一九七一年に水質汚濁防止法が制定され、排水規制や下水道の整備が進められてきました。しかし、全国的に見ても、家庭などからの生活雑排水の処理はいまだ不徹底であります。
 我が県でも、国内の一級河川において最も汚濁が著しいと指摘され続けている川に綾瀬川があります。その流域ぐるみで河川浄化に取り組んでいる自治体の皆様の御努力にもかかわらず、綾瀬川のBOD平均値は五・二ミリグラムから十六ミリグラムと改善されていない不名誉な代名詞が継続する現状です。また、隣を流れている伝右川に至っては、BOD年間平均値百二十ミリグラム、月別調査、最悪のBODが六百九十ミリグラムと、今までに例のない汚濁となっています。
 水道水として取水する荒川と利根川の場合を例にとりますと、まず荒川水域を見てみますと、BOD年間平均〇・五ミリグラムから四・八ミリグラムであり、適応割合も八三パーセントと、水質はやや良好と言えます。また、利根川水域では、BOD一・三ミリグラムから三・七ミリグラムと、適応割合は六八パーセントと、荒川に比べBOD適応割合が低下している現状となっており、さらに、それぞれの河川における下流の取水口では、もう少し深刻な水質汚染の心配があります。
 このため、水道水に対する薬品の注大量が増加し、特に、塩素の注入によるトリハロメタンなど発がん性物質の発生が懸念されています。また、水道管に用いられている鉛管や鉄パイプから、あるいは継ぎ目のハンダから、鉛が水道水に溶け出す恐れもあります。
 鉛は水に溶け出しやすい性質を持っており、日本の水は比較的軟水であることも事実であります。原水の汚れを除去するために、浄水場では、殺菌用の塩素をはじめ、アルミニウム等を注入しておりますが、その際、腐食抑制のため苛性ソーダを使用しているものの十分とは言えません。戦後一時使われたアスベスト管の後遺症も心配があります。
 以上、現状の水道水について心配される事項を申し上げましたが、それらを日々、よりクリーンにする努力をし、水道水を供給してくださっている担当の皆様方には、心から敬意を表するものであります。
 そのプロジェクトの中で、より安全で良質の水道水供給のため、新しい浄水処理方式である高度浄水処理について検討されていると聞き及んでおりますが、その方法と具体化について、公営企業管理者にお伺いいたします。
 さらに、水質改善のため、洗剤を使用しないで洗濯できる商品ができています。これが洗濯球です。これを洗濯機の中に入れていますと洗剤がいらないと、それで洗濯ができるという説明があります。この説明には、特殊電解セラミックが入っていまして、洗濯機の中で攪拌され、水との衝突を繰り返すことによって電気的エネルギーが発生し、従来の合成洗剤と同じような洗濯効果が表れるとあります。従来の洗剤とは全く発想を異にした商品ですが、洗剤を使わなくても洗えるならば、河川の三分の一は、この商品で浄化できるのではないかと考えます。私は、この商品を新聞で知り、さっそく自宅でテストをしておりますが、約一か月間、順調に我が家の洗濯はこの洗濯球で済んでおります。
 また、私の地元蓮田市の山の神沼を浄化する会の皆様と共に、この洗濯球と、後ほど説明いたしますEM菌を使って、山の神浄化の実験に取り組むつもりでおります。
 以上、これは水道水についてですが、一方、もう一つの飲み水である地下水はいかがでしょうか。
 地下水は、昔のように安全でおいしい水として飲用にできないものか、これもまた、極めて憂うべき状態にあります。今、全国で三千万人分の飲み水が地下水から供給されています。その貴重な水資源が、発がん性を問われているトリクロロエチレン等有害物質による汚染の拡大で危うい状態にあり、また、生活雑排水等の流入等による汚濁も憂慮される現状であります。調査したところによりますと、推定では、トリクロロエチレンやテトラクロロエチレンなどの有機塩素化合物による地下水汚染だけでも、全国では四千か所に上ります。不法投棄などによる汚染を含めれば、水質汚染がどこまで広がっているか解明できないとまで言われています。
 総務庁行政監察局によると、自治体が確認した地下水汚染のうち、半数は汚染源の調査をしていないとの報告があります。平成四年度の埼玉県公共用水水域及び地下水の水質測定結果では、トリクロロエチレンについては三か所、川口市、草加市、伊奈町、テトラクロロエチレンについては二か所、秩父市、杉戸町が許容限度を超えています。現状において、これらの汚染源の調査、その後の対策はどうなっているのか、お伺いいたします。
 さて、地下水の汚染のメカニズムを解析する技術や、汚染した土や水を浄化する技術は、既に、ほぼ完成の段階であると言われております。実例として、千葉県君津市の半導体製造工場における地下水汚染問題は、調査から改善に導いたという実績を、成功例が証明しております。
 しかし、汚染されてからの処理費用は膨大であり、君津市の場合、調査改善に十二億円かかったと言われています。小規模の汚染でも、土壌ガスの吸引と地下水のばっ気処理を実施している汚染地区の例を見ると、平成四年から五年の二か年間で、約二億円の経費を要しています。要するに、汚染が進んでしまうと、個人や小さな会社では負担できないくらいの調査改善の費用がかかってしまいます。
 これからの問題は、まず第一に、その汚染を未然に防ぐべきであります。有害物質を使用している工場、事業所は、小規模の経営が多いと思われます。使用物質の種類についても、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、シアン化合物、六価クロム化合物等、多岐にわたっています。まずは、その使用剤の使用、状況の把握が重要であると考えます。この対策についてもお伺いいたします。
 水質汚濁防止法第一条に、工場及び事業所から地下に浸透する水の浸透を規制することなどによって、地下水の水質の汚濁を防止を図ることとあります。地下水に関し、有害物質使用特定事業所から水を排水するものは、有害物質を含む特定地下水浸透水を浸透させてはならない。都道府県知事は、毎年、国の行政機関の長と協議して、地下水質測定計画を作成するものとする。工場又は事業所における事業活動に伴う有害物質の汚水又は廃液に含まれた状態での排出又は地下浸透により、人の生命又は身体を害したときには、当該排出者又は地下浸透に係る事業所は、これによって損害を賠償する責めに任ずるなど、汚染者負担責任の原則がうたわれておりますが、それよりも何よりも繰り返し訴えたいのは、汚染を未然に防止すべきことが、現在を生きる私たちの任務であるという点であります。
 汚染防止の方法を、私なりに考えました。河川からの取水につきましては、水質汚濁常時測定体制の整備により、河川の水質データをリアルタイムで取り込む常時監視体制ができております。地下水におきましても、リアルタイムとまではいかなくても、四平方キロに区分された該当地下水について、調査井戸の回数を増やすべきです。その結果、許容限度に近い数値の井戸が発見できれば、その周辺の特別調査をし、汚染源をできるだけ早く発見するよう努力すべきであります。
 また、汚染物質を使用する事業所は、洗浄業界が多いわけですが、一九九五年末には、フロン、エタンは製造が規制されますので、洗浄方法等につきましては、各種洗剤等を入れた水系洗剤を使う方式と、炭化水素系洗剤を使う方式に分かれつつあります。使用目的により、汚染の心配のない洗浄方法を取り入れるよう努力を払うべきであります。また、金属部品の脱脂洗浄は、洗剤を一切使わないで水だけで洗浄する方法で、高圧ジェット水による気泡のショットブラスト方式による方法とか、新機能を備えた機械、新技術が開発されておりますので、県商工部と協議の上、調査とこれからの技術普及に努力していただきたいと考えております。
 水が汚れていては、彩の国の文化ははぐくまれません。限りなく天然に近い水の必要性、それは今日を生きる我々が、私たちの子孫に残すべき責務であると考えますので、特に強調しすぎることはないと考えます。地下水の汚染防止には十二分の予算編成の上、実行するようお願いを申し上げます。
 以上、地下水汚染につきましては、環境部長にお伺い申し上げます。
 次に、EM菌を使った土づくりについてお伺いいたします。
 EMとは、御存じの方が多いと思いますが、琉球大学の比嘉昭夫教授が発見したというか開発したというか、有用微生物群のことであります。有用な微生物がたくさん集まって、共存共栄的な軍団をつくっているのがEMであります。まだ新しい、微生物を使った方法で、一九八二年に実用化され、一九八六年、アメリカで開かれた世界有機農業会議で世界の人々の注目を集め、アメリカ、ブラジル、タイ等各国の有機農業関係者にまたたく間に普及していっていると聞いております。
 EMは、臭いもそれほどひどくなく、虫もわかず、さらに、堆肥化の過程で出た発酵液をトイレや台所の排水口等に流すと悪臭が消えます。今ある環境汚染を前例のない早さと低コストで解決できそうです。
 良いことづくめで半信半疑で私も使用していますが、悪臭を取る、また、処理した堆肥が作物に極めて有効であることは事実のようです。
 岐阜県可児市においては、一年間で一五パーセントのごみの減量に成功、また、できた堆肥により、有機農業も活発になったと聞いております。埼玉県でも、和光市でもEM活用事業を始めたと聞きます。蓮田市においても、蓮田白岡衛生組合でもテストを始めております。
 生ごみの畑への還元ということは、地質の循環という見地からも理想的な方法であります。是非とも、ごみの減量から活用でき、農業に有効なこの方法を活用して豊かな土づくりを行い、無農薬栽培を推進してみてはいかがでしょうか。
 また、有用な菌群の研究につきましては、すべて地球上に存在する菌の有効組み合わせと比嘉教授は説明しておられますが、肥料、農薬、バイオ関係とともに、力を入れて調査研究すべきと考えますが、農林部長の御所見を併せてお伺いいたします。
 次に、もったいない運動についてお伺いいたします。
 最近の日本人は、「もったいない」という言葉を忘れたのではないでしょうか。環境を浄化するのに、個人一人ひとりの意識の改革が重要であります。地球にあるすべてのものを愛し、大切にし、生かし、生かしきっていく運動を、日本青年会議所ふるさと地球グループの方たちが進めております。
 もったいない運動を、豊かな彩の国をすべての人々と力を合わせて築くため、全面的にバックアップすべきと考えますが、土屋知事さんの御所見をお伺い申し上げます。

◎谷田部宏一農林部長

 御質問二、環境問題についてのうち、(三) EM菌を使った土づくりについてお答えを申し上げます。
 環境保全型の農業の実現を図ってまいります上で、作物残さなどのリサイクルなどによります土づくりに取り組むことは非常に重要であると考えております。お話にございましたEM菌を活用した土づくりにつきましては、大変効果があるとする事例でございますとか、自治体における取組の例が見られるところでございます。
 こうした中で、国におきましても、微生物資材の評価の方法等につきまして調査を行っているところであると聞いておりますので、今後、国の動向などを十分踏まえまして対応してまいりたいというふうに考えております。
 また、有用な菌群に関する研究につきましては、県といたしましても、御提案の御趣旨を踏まえまして、今後、調査・研究をしてまいりたいと存じます。

平成20年 12月 定例会

◆三番(小森谷昭議員)

 皆さん、こんにちは。
 三番、東第十三区、幸手市選出の小森谷昭でございます。
(中略)
 二点目、倉松川の整備についてお伺いします。
 一級河川倉松川の整備については、河川砂防課をはじめ総合治水事務所などの県の皆さんの御努力により、下流から国道四号までは拡幅工事がおおむね完了しております。今後、しばらくは工事の予定はないと伺っております。しかし、土地区画整理事業の事業認可を平成二十二年とした場合、県としての区画整理地内の倉松川整備をどのように考えておられるのか。
 また、昨年十二月に倉松川のしゅんせつを地元の倉松川のEM菌による浄化運動を行っているボランティア団体の倉松探検隊の代表から、県に要望書が出されていると思いますが、その状況について県土整備部長にお伺いいたします。

◎永田喜雄県土整備部長

 次に、イ、倉松川の整備についてでございます。
 倉松川の整備につきましては、延長約十三・八キロメートルのうち、中川合流点から国道四号幸手橋までの約十二・九キロメートル区間がおおむね完成しております。残りの約〇・九キロメートル区間のうち、上流部の約三百メートル区間につきましては、幸手駅西口土地区画整理事業の計画区域に含まれております。このため、現在、河川用地の確保について区画整理事業者と調整を進めているところでございます。
 また、下流部の約六百メートル区間につきましては、国道四号や東武鉄道の橋りょう改修など、大規模な工事が必要となってまいります。このことから、着手時期につきましては、流域全体の治水安全度を勘案しながら検討してまいります。倉松川のしゅんせつにつきましては、一級河川の区間での土砂たい積量が少なく、また橋りょうや護岸への影響など、技術的な課題もございますので、たい積状況を見ながら対応してまいります。

平成21年  6月 定例会

◆六番(石井平夫議員)

 六番、自由民主党、蓮田市選出の石井平夫です。
(中略)
 次に、生活排水処理施設整備構想の見直しについてお伺いします。
 県では、知事が提唱する「みどりと川の再生」に取り組んでいます。都市と豊かな自然が共存する田園都市埼玉の構築に向けた不可欠の施策であると思います。川の再生については、最近では新聞紙上でも連日、地域の住民による河川や沼などの自主的な浄化の取組が紹介されています。私の地元蓮田市でも、山ノ神沼の浄化活動や黒浜沼の保全活動などが行われ、水質保全への住民意識の高まりを見せています。
 こうした水質改善を根本的に進め、地域の川を再生するためには、やはり公共下水道、農業集落排水施設、合併浄化槽などの生活排水処理施設の整備を更に進めることが重要です。川に排水が流入する前に、今以上浄化された水が入り込むようになればと思います。
 議長のお許しを得ましたので、皆さん、こういうものを御存じでしょうか。これは何でしょうか。これは鉄よりも強くアルミより軽い、今話題の炭素繊維。これは髪の毛よりも一本が細い。しかし、一本の中に一万二千本入っているということです。このものに多くの微生物が固着して膜をつくり、その膜が水を浄化します。今日は、蓮田のこれを使用している山ノ神沼を守る会のメンバーも来ています。沼の浄化のために、EM菌やいろいろなものを試みましたが効果がなく、昨年から、この炭素繊維のおかげで効果が出てきているということであります。
 さて、先ごろの新聞報道によりますと、県下の下水道普及率は二十年度に七五・二パーセントに達したものの、現行の県の生活排水処理施設整備構想における二十二年度の目標値七九・一パーセントの達成は困難になっているとのことであります。市街化区域などの人口集中地域では、公共下水道は効率的であり普及も進んでいますが、人口の少ない地域では、その有利さを発揮できなくなってきているのだと考えます。市町村の財政問題もひっ迫している現状において、効率的で計画的な施設整備が喫緊の課題となっております。私の地元蓮田市でも下水道普及率は七〇パーセントですが、市の北部地域では普及が進んでおりません。県では、本年度から公共下水道などの生活排水処理施設整備構想の見直しに着手すると伺っておりますが、こうした状況を十分踏まえ、市町村と連携して、より良い、効率的で現実的な構想を策定していくことが重要であると考えます。
 そこで、環境部長にお伺いします。生活排水処理施設構想をどのように見直し、整備を進めていくのか、お伺いします。

平成22年  2月 定例会

◆九番(小森谷昭議員)

 皆さん、こんにちは。九番、東第十三区、自由民主党、幸手市選出の小森谷昭でございます。

(中略)

 最後に、一級河川倉松川志手橋付近のしゅんせつについてお伺いいたします。
 一昨年の一般質問で、倉松川の整備についての中で、倉松川のしゅんせつを要望いたしましたが、答弁では一級河川の区間での土砂たい積量が少なく、また橋りょうや護岸への影響など、技術的な課題もあるので、たい積状況を見ながら対応をしていくとのことでありました。
 一方、平成十九年十二月に知事あてに、倉松探検隊の会員二十六名でEM菌による河川浄化運動を行っているボランティア団体から、倉松川ヘドロしゅんせつのお願いの要望が出されております。倉松探検隊では、毎月一回土曜日にEM培養液、EM米とぎ汁約三百から五百リットル及びEM泥団子約三百から四百個を倉松川上流に投入し、今年二月には四年間に四十八回投入してまいりました。また、その都度、川の透視度計により調査し、継続しております。
 しかし、運動には限界があるとのことで、しゅんせつを要望したとのことであります。地元からも、季節に関係なく、気温が上昇するときなどにヘドロの臭いが出るという話を聞きます。
 そこでお伺いいたします。倉松川には、下水道が完備されていない市街地の生活雑排水が流れ込む状況がまだまだ続くこと、そして倉松川は国道四号より幸手駅付近は未改修であり、改修予定は今のところないとのことであり、川の再生のために早期のしゅんせつを要望いたします。
 なお、本日は倉松探検隊の大勢の皆様が傍聴に来ていただいております。県土整備部長にお考えをお伺いいたします。

◎永田喜雄県土整備部長

 御質問五、地元問題についてお答えを申し上げます。

(中略)

 次に、(三)一級河川倉松川志手橋付近のしゅんせつについてでございます。
 倉松川は、幸手駅付近を起点とし、幸手市の市街地を流れる河川でございます。この流域の下水道整備率は低いため、生活排水が一部流れ込んでおり、河川の汚れが目立っている状況です。河川の水質改善を図るためには、下水道の整備や合併浄化槽の設置などを進めることが最も効果的です。
 しかしながら、これらの整備には時間もかかることから、当分の間は汚れた排水を極力川に流さない取組や、ごみのないきれいな川を目指すことが重要であると思います。
 そこで、県といたしましては、早急に河川内のごみや部分的にたい積した土砂の撤去を実施してまいります。倉松川では、周辺地域に川に関心を持っていただいている多くの方々がおいでになり、大変心強く感じております。県といたしましても、今後とも地域の御協力をいただきながら、川の再生に努めてまいります。


平成23年  9月 定例会

◆八番(枝久保喜八郎議員)

 おはようございます。
 さきの六月議会では議席番号が七番でしたけれども、今議会より名前にちなんだ議席番号をいただき、小さな喜びを感じております。八番、自由民主党の枝久保喜八郎でございます。本年四月の県議選におきまして、東十三区、幸手市から当選の栄にあずかり、今回初めて一般質問の機会をいただきました。

(中略)
 さて最後に、一級河川倉松川の改修についてお伺いをいたします。
 幸手市の中心地区を流れる倉松川では、数年前から、汚れた川をとにかくきれいにしたいとの思いいちずで活動をされている方々がいらっしゃいます。名付けて倉松川探検隊と称するボランティア会員の活動は、EM菌による川の浄化を主体に自然回帰を目指しており、初夏に行った定置網や投網などによる調査の結果、タイリクバラタナゴ、ボラ、テナガエビ、ナマズ、さらにはウナギ、アユの個体までが確認されたのであります。正に、上田知事が提唱する水辺再生、自立自尊、自助、共助を地でいく市民活動の実態がここにもあるのです。今後、徐々にではあるでしょうが、倉松川の再生が進むことを期待しているところであります。
 しかしながら、この川にはまた別の顔もあるのです。倉松川は、これまで度重なる浸水被害が発生しており、特に平成三年九月の台風十八号では、床上、床下浸水合わせ八百六十八棟の大きな被害が発生いたしました。倉松川は、国道四号西側の約九百メートルを最上流部とする川ですが、そのうち約三百メートルは、幸手駅西口土地区画整理事業が本年三月に事業認可をいただくことにより、その事業計画に組み込まれることになりました。幸手市民三十有余年にも及ぶ悲願であった同事業の認可は、現幸手市政のもたらした成果として多くの幸手市民が喜んでおり、幸手市民を代表して、上田知事はじめ関係者の皆様に深く感謝申し上げる次第であります。
 さて、国道四号から区画整理事業区域まで未改修区間として残る約六百メートルについてでありますが、中川綾瀬川流域整備計画が平成十二年に見直されて以来、この区間は河道改修計画に含まれないまま現在に至っているということであります。そこで、倉松川における未改修区間の今後の整備の見通しについて、県土整備部長に詳細をお伺いいたします。

◎成田武志県土整備部長

 次に、(三)倉松川の改修についてでございます。
 倉松川は、東武日光線幸手駅の北西から幸手市、杉戸町を流れ、中川に合流する一級河川でございます。倉松川の改修は、国、都県、流域の市や区、町により策定された中川・綾瀬川流域整備計画に基づき進めております。この計画の中で、倉松川は中川合流点から国道四号までの約十二・九キロメートルが改修区間として位置付けられ、既におおむね改修が完了しております。その上流の未改修区間に事業を延伸するためには、流域整備計画を見直して、改修区間として位置付けることが課題でございます。この見直しには、中川、綾瀬川流域全体の改修状況や治水安全度などを十分に踏まえる必要がございます。また、国道四号から区画整理事業区域までの六百メートル区間には、東武日光線や国道四号の幸手橋などの橋りょう架換えや多数の建物移転などの課題もございます。今後の整備の見通しでございますが、これら課題に対応するため、まずは流域整備計画の見直しについて国などと協議を進めてまいります。さらに、東武鉄道や地元市など関係機関とも調整を図りながら、整備の進め方について検討してまいります。

  • 最終更新:2015-03-12 08:43:53

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