岐阜市(2)

平成17年第4回定例会

◯22番(高橋 寛君)

 それでは、順次質問をさせていただきます。きょう最後の質問でありますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず最初に、EM発酵液による学校プールの浄化について教育長にお伺いをいたしたいというふうに思います。
 まあEM菌といいますと、ボカシなどで広く知られておりますし、市民にも多く利用されているところで、よく皆さん御存じだというふうに思います。で、EM菌といいますのは、人間にとってもよき働きをするものでありまして、乳酸菌、酵母、光合成細菌、こういう自然界に存在する微生物を複合培養したものでありまして、有用微生物群というふうに言われておりまして、略称EMというふうに言われるわけであります。選挙で大変まあ忙しかったんですけれども、8月の25日の日に美濃市の大矢田小学校の方に行きまして、福田校長先生にお会いをしていろいろな話を伺ってまいりました。大変親切に対応していただきまして、既に学校でつくられたこういうパンフレットもいただいて、実験の内容を説明をしていただきました。
 で、取り組みに当たってですね、この大矢田小学校では4月の12日に保護者の方に提案の手紙を出しまして、20日には米のとぎ汁の協力要請を出しております。それから、22日には御協力の御礼の手紙も出しております。そして、6月の21日には大成功のお知らせと御礼と、こういう形で学校から何度も保護者への協力の要請がされてるというものであります。
 校長先生のいろいろお話を聞いてまいりました。まず、言われたのはですね、掃除の労力が大幅半減をして、掃除のときに足が滑らない。そして、掃除に洗剤が要らなくなった。予想外の効果に驚きを感じてる。最初は半信半疑だったけれども、想像以上の効果であったということを言っておられました。前はハイクロンを使っていたわけですけれども、これで水着の色が落ちたこともあったそうですけれども、現在は腰洗い槽といいますか、消毒槽ですね、これも廃止したそうであります。で、EMを使う前には除藻剤を使っていたそうですけれども、これをですね、川へ流していたものですから、漁協の方から抗議がありまして、中和剤を使用して、それから、まあ放水をすると、こともやっていたそうであります。
 このEM菌を使いまして、EM発酵液なんですけれども、これを使いまして、5月の終わりごろにプールを確かめてみましたら、オタマジャクシやアメンボあるいはミズカマキリなど、おびただしい数の生物が確認できたそうであります。で、夏場のトイレのにおいですけれども、これも、このEM発酵液をかけたところ、においが消えたということであります。
 まあ、いずれにしても、生徒全員が家庭で米のとぎ汁をペットボトルに入れて、それを持ち寄ってつくるということでありますから、全生徒がかかわるという学習になりますし、総合的学習で環境教育の材料にもしている。さらに、余ったものについては、家庭用ということで、台所やトイレや汚れた壁なんかに使ってほしいということで、希望者に配布しているということであります。
 校長先生につくり方も教えていただきました。発酵液は米のとぎ汁1,500ccに、EM-1、15cc、これは1本原液は2,000円ぐらいです。これを2本使ったそうです。糖みつ入りの砂糖を大さじ1.5杯、そして、ミネラル入りの甘塩一つまみをまぜて、毎日ガスを抜きながら1週間ぐらいで完成するそうであります。それを200リットルプールに投入したそうであります。大体プールの容量1万分の1ぐらいの量を入れれば十分だということであります。これがつくられた、もう既に完成をしたEM発酵液であります。多少まだガスがしゅっと出るんですけれども、甘い、僕はいい香りだと思いますけれども、飲んでも体に悪くはないと思うんですが、下痢はするかもしれませんけど。甘い香りがします。とても環境や子供の健康に悪い影響を与えるものとは言えないというふうに思います。これは一たんつくってしまうと、別に冷蔵庫へ入れなくても常温で保存することも可能だそうであります。

 それでですね、ほかの地域の学校でもいろんな例が出ております。三重県の伊勢市では最初2校から始まったんですが、現在は28校、小中学校に広がっているそうであります。西尾市も7校、吉良町も2校、一色町も2校、会津本郷小学校、それから、高知県ではですねえ、高知新聞の「夕刊ヘッドライン」というのに紹介がされております。
「コケが生え、汚泥がたまり、児童生徒を動員してブラシでごしごしする1日がかりの大仕事が全く簡単になった。」と。それから、「水のにおいが消え、落ち葉なども分解、壁面にこびりついたコケやアオコが浮いてぬめりも解消し、手入れが極めて簡単になった。」と。「1日の仕事、暑いし臭いし汚いし、それが水を流すだけで洗剤も要らなくなった。」、以前はクレンザーを50本も使ったという例があるそうですけれども、それも使う必要がなくなったと。「当初は半信半疑だったが、余りの効果に感動した。」と。ここも「夏場のトイレに流したらにおいがしなくなった。」
 一方、後免野田小学校というのがあるんですが、メダカをプールに入れたら物すごく繁殖したと。手軽なビオトープとしてシーズンオフには利用していると。それから、佐賀町でも保育園のプールに使っていると。そのほかにもあちこちで使われている例がインターネットなどでは拾えるわけですけれども、まあ、こういう非常に、値段もそんなにかからないし、効果もあって、プールもぴかぴかになるということで、これは大矢田の小学校でやった後に、きれいになりました、気持ちいいですということで新聞に報道された内容であります。
 まあ、そこで提案をしたいのでありますけれども、今まで御説明したような前例を参考にしていただきまして、小中学校等、あるいは環境実験校などでもいいんですけれども、まず、実験をしてみてはどうかというふうに思います。そして、水質や水の生き物などの調査をやった上で、結果がよければ費用負担も少ないわけですし、ハイクロンの使用も抑制できるわけですから、全校に拡大していってはどうかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
 また、環境教育に利用してはどうかというふうに思いますが、いかがでしょうか。


◯教育長(安藤征治君)

 EM発酵液による学校プールの浄化についての御質問にお答えをいたします。
 最近、教科ですとか、「総合的な学習の時間」等で環境教育に熱心に取り組む学校が多くなってきております。議員御紹介のEM発酵液による学校プールの浄化については、自然に優しい環境浄化法として、御紹介のように全国各地の学校で実践をされ始めていると聞いております。しかし、岐阜市内の学校においては実践されたことはございません。これは環境教育の一環としての環境保護活動であり、大変興味深い内容であるというふうに思います。
 正直私は、議員から情報をいただく前には、このことについては勉強不足で知りませんでした。早速担当者に県内の実践校ですとかに尋ねたり、インターネットで調べたりしてもらいまして、取り組みの方法やその有効性などについて理解を深めたところでございます。今後は先進校の情報を各学校に紹介し、環境教育の側面を生かした活動として実践をしていただけるように働きかけていきたいと、そんなふうに思っております。

◯22番(高橋 寛君)

 それぞれ御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 教育長にお願いをしてきます。
 やっぱり子供にとってよいことは、ぜひ、どんどん進めていただきたいと思いますので、早い時期に実験が実施されますように要望しておきたいというふうに思います。

平成18年第4回定例会

◯23番(高橋 寛君)

 最後に、EM発酵液による学校プールの掃除について教育長にお伺いをしたいと思います。
 昨年の9月議会で美濃市の学校の例を挙げまして、岐阜市の学校でもこれをやってはどうかという提案をさせていただきました。早速、春に実験をしていただきました。非常に前向きの姿勢について評価をしたいというふうに思います。
 で、どこでやったかということでありますが、小学校で3校、白山、三輪北、芥見東、この3つの小学校と、三輪中学校、長森南中学校のこの2つの中学校、合わせて5校で実験が行われたということであります。
 使った材料といいますか、これはEM-1EM菌ですね、これの原液が2本、1本2,100円ですから4,200円、それから、糖蜜1本、これを購入して、840円を1本、合わせて約5,000円です。これを各学校に配布をしまして、各生徒の家庭に御協力をいただいて、児童生徒が米のとぎ汁を持ち寄って、1週間の培養後、4月上旬にプールに投入をしました。そして、6月に、プール開きの前に清掃をしたそうであります。結果的には、プール掃除が大変楽で、オタマジャクシやミズカマキリなどが生息をしていた。トイレ掃除にも活用したい等の評価があったそうでありますけれども、そこで、教育長にお伺いをいたします。
 小中学校での実験の実施の結果、反応はどうでしたか。お聞かせをいただきたいというふうに思います。
 今後の取り組みの計画ですけれども、掃除が簡単になった、環境に負荷を与えない、子供たちの学習効果などがある、1校の費用負担が5,000円で済む、こういう状況でありますので、これをぜひ全校に拡大していってはどうかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
 最後に、児童生徒の環境教育にどのように生かすことができたかどうか、この点についても感想をお述べいただければありがたいと思います。

◯教育長(安藤征治君)

 EM発酵液による学校プールの掃除についての御質問にお答えをいたします。
 EM発酵液によるプール清掃につきましては、昨年9月、議員に御紹介をいただきまして、本年度、御案内のとおり、小中学校5校で取り組んでいただきました。各学校では家庭の協力もいただきながら、児童生徒が約1週間かけてEM菌を培養し、それをプールに流し入れ、その後約1カ月たってからプール掃除を実施したと伺っております。
 実施した学校からは、準備も手軽で子供たちが楽しんで取り組める、軽くこするだけで汚れが落ちた、以前は1日がかりで、しかも、手が荒れることなどを心配しながら行っていたプール掃除が2時間ほどで済んだ、プールの中に生き物が繁殖しており、安全に掃除ができるなど、掃除が簡単にできることや安全度が高いといった成果を聞いております。今後もぜひ活用したいという報告もございますし、既にトイレ掃除にも活用している学校もあるようでございます。
 2点目の、今後の取り組み計画でございますけれども、今年度の実施の中で、安価で掃除が簡単にできた、安全性も高いなど、EM菌活用のメリットは大いに認められますので、実施校の成果を各学校に紹介し、それぞれの学校において積極的な導入の判断をしていただくよう働きかけてまいりたいと思います。
 3点目の、環境教育とのかかわりについてでございます。
 本年度、EM菌を活用した学校から、児童生徒が自分たちの育てた菌がプール掃除に役立ったことをとても喜んだという声や、繁殖した水生生物に興味を持って観察したという話も聞いております。今回の取り組みを通じて、微生物の働きや自然環境とのかかわりについて興味を持ったり、関心を持ったり、その不思議さやすばらしさを感じたりすることもでき、環境学習に大いに生かすことができたというふうに思っております。
 これまでも環境学習の一環として「総合的な学習の時間」で家庭排水と河川とのかかわりについて扱っている学校が多くございますので、EM菌の活用をそうした従来の実践に組み入れたり、新たな活動として環境教育に生かすように紹介をしていきたいというふうに思います。
 以上でございます。

平成20年第5回定例会

◯16番(國井忠男君) 文教委員長報告を行います。

 このほか、EM菌を使用したプール清掃の実施状況、留守家庭児童会の時間延長を実施した場合の問題点等を問われたのであります。

  • 最終更新:2014-11-05 14:28:31

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