岡山県

岡山県議会とEM

平成6年2月定例会

40番(鮫島 逸郎君)

 公明党を代表して,当面する県政の課題について知事並びに関係当局に質問いたします。先ほどまでの質問と重複する点もあろうかと思いますが,何分よろしくお願いをいたします。

 次は,清流の保全についてであります。現在の環境問題は,家庭から出される廃棄物,水道水源の汚染などに見られるように,生活型公害の比重が高まっております。公害問題では,被害者とされてきた生活者も環境汚染の加害者ともなるわけで,国民のライフスタイルも問われております。
 ところで,県下河川についての環境基準の達成率は数年前に比べて15ポイント低下し,汚濁は確実に進行しているのであります。県としては,旭川ダム湖での水質調査や泡の発生で水を循環させる水質浄化に取り組んでいるところであります。また,最近,旭川流域の15町村による旭川上中流域水質浄化対策推進協議会や,旭川を日本一きれいな川に育てる会などが結成され,官民一体での保全活動が進められております。このような活動の支援は当然として,県下主要河川についてこのような取り組みが期待されますが,清流の保全をどう進めるのか,お伺いいたします。
 また,先月25日に成立した水源保全2法の中では,水質保全計画の策定や水質保全事業の実施などが盛り込まれておりますが,これらに十分に配慮されることと思いますが,今後の取り組みについて伺います。
 次に,水質浄化への取り組みについてであります。環境問題のうち,空気と水の浄化を重視する機運が高まっております。水については,ホテイアオイを初めとする水生植物の利用や木炭を初めその吸着性を利用するもの,最近ではEMと略称される有用微生物が,食糧,医療,環境の幅広い部面に利用され,特に生ごみや汚水の処理が進められております。また,国と自治体の協力で,下水処理場の汚泥,雲仙普賢岳の火山灰など,環境を破壊する邪魔者を活用して水質浄化を進める研究を始めるとのことでありました。このほか,水質浄化にはさまざまの手法がありますが,効率的経済的に有用な手法であれば,積極的活用を図るべきと考えます。具体的な取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。

知事(長野 士郎君)

 県下の主要河川の清流の保全は,これを将来にわたって保全していくための方策につきまして,本年度,清流保全対策研究会を設けまして,さまざまな観点から検討をしてまいりました。引き続き平成6年度は,この学識経験者による懇談会を設けまして,より専門的な立場から御意見をいただき,水道水源保全2法の趣旨も踏まえながら,具体的な方策を取りまとめまして,総合的な清流保全対策を推進してまいりたいと考えております。
 水質浄化の取り組みについては,水質汚濁の約50%が生活排水によるものでありますことから,家庭でできる浄化対策の普及啓発に加えまして,カキ殻,木炭,れんがなどの手軽な素材を利用して,排水路などを直接浄化する施設の設置促進を図っておるところでありますが,今後とも,地域の御協力をいただきながら,より効果的な水質浄化施設の普及に努めてまいりたいのであります。

平成7年12月定例会

13番(小田 春人君)

 次に,シルバー人材センターについて知事にお尋ねいたします。
 シルバー人材センターの定義を県政用語便覧で調べてみますと,次のように解説してあります。シルバー人材センターとは,「定年退職後等において・・原則としては60歳以上の健康な方が対象であります・・雇用契約でない何らかの就業を通じて自己の労働能力を活用する」,そして「高年齢者の就業機会の増大と福祉の増進を図るとともに,高年齢者の能力を生かした活力ある地域社会づくりに寄与することを目的とした高年齢者労働能力活用事業である」と,高齢化社会を迎える中で,直接的には高齢者の労働能力を活用することを目指していますが,福祉政策の一環ともされているわけであります。さらにつけ加えれば,ボランティア的な側面もありましょう。
 シルバー人材センターの設置基準は,会員数150人以上,事業量6,000人日以上となっており,県下の事業実施状況は7市3町の10団体であります。会員数は4,577人,年間事業量は28万7,131延べ人日,配分金は10億9,000万円余に及んでおります。また,国庫補助の対象とはなりませんが,会員数30人以上,事業量1,000人日以上が設置基準のミニシルバー人材センターが28市町村で実施されております。両方合わせて38市町村で,県下78市町村のうち半数が取り組んでいる勘定になります。
 私の地元,井原市では平成4年にシルバー人材センターが,芳井町では平成3年にいち早くミニシルバー人材センターが設立され,それぞれ活発な事業活動を展開しております。特に,井原市シルバー人材センターは現在会員数258人と順調に増加しております。事業内容も,生ごみのリサイクル材として脚光を浴びているEM菌を主体としたいわゆるぼかしの生産販売に取り組む等,地域活性化の一翼を担う存在となってまいりました。このようにミニを含め,シルバー人材センターの使命と役割は今後ますます大きくなるものと予測されます。ところが,国の国庫補助金全体の見直しの中で,少額の補助金については整理していくという零細補助の解消や,民間団体に対する補助は一定期間に限って行うべきであるという自立の促進の観点から,現行制度に手を加えない限り補助金の消滅は避けられない厳しい状況に追い込まれております。
 そこで,全国シルバー人材センター協会の強い要請により,労働省も,21世紀初頭には100万人会員の獲得を目標に制度の改正をもくろんでおります。既存のシルバー人材センターやミニシルバー人材センターをも構成員とする公益法人を都道府県単位に設置します。これがいわゆる新機構と呼ばれているものであります。県下全域で広域的な取り組みをし,強力な組織をつくり,国庫補助の存続はもちろんのこと,都道府県や市町村の援助や指導もより強めようとするものであります。私も,全体的な補助金の見直しには賛成でありますが,しかしながら,このシルバー人材センターの制度が,見直し論議の中で有用性を否定されるようなことになっては,こういったことは断じて避けなければならないと考えます。この新機構は,平成8年度から10年度までの3カ年で全国一円に設立する計画のようであります。福祉先進県をもって任じる岡山県であります。積極的な政策が望まれます。今後の取り組み方針について,知事の御所見をお伺いいたします。


  • 最終更新:2013-11-24 15:15:01

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