川崎市

平成 8年 予算審査特別委員会

◆伊藤弘 委員

 次に,二ヶ領用水の水質の浄化について,生活排水を混入させない,もとを断つという観点から,土木局長,下水道局長,生活環境局長にお伺いします。桜の開花も間近となり,子供たちが川辺で遊ぶ元気な声が聞こえてきました。二ヶ領用水は親水の川として位置づけられ,親しまれております。時たまですが,住民より,水が汚ない,臭いとの苦情がございます。そこで,まず土木局長に伺います。親水として水遊びのできる川,多様な水生生物に親しめる川として,本市では水環境保全目標をBOD3ミリグラム・パー・リットル以下としておりますが,平成6年度の水質検査では二ヶ領用水北村橋でBOD4.4ミリグラム・パー・リットルを記録し,目標値を上回っておりますが,3ミリグラム・パー・リットル以下に抑える方策があればお示しください。
 また,関連しまして,下水道局長にお伺いします。さきの9月議会で水質浄化の質問をしましたところ,土木局の回答は生活排水を河川に混入させない,もとを断つことが最善の方法であるので,下水道管につながれてない家庭の排水管の接続を関係局に働きかけると回答をいただきました。そこでお伺いしますが,本管接続の水洗化普及率をお示しください。また,まだ水洗化になってない家の理由と接続に対しての補助金をお示しください。
 関連しまして,生活環境局長にお伺いいたします。水質浄化にはもとを断つこと,すなわち生活排水を河川に流さないこととなりますが,水洗化率が90%にも達してない現状では無理なことでございます。そこで,生活排水をきれいにする方法がないかを探していたところ,偶然にもEMの存在を知りました。生命や物質の崩壊はすべて強烈な酸化作用と言われておりますが,崩壊を抑える抗酸化作用を持った蘇生力の強い微生物群がEMと言われております。今まで家庭から出る生ごみはリサイクルする上で最も厄介な存在でしたが,EMぼかしで処理すると,簡単に上質の有機肥料にかえることができるため,今,生ごみを有効に活用する運動が全国的に急速に広がっているそうでございます。特に千葉県我孫子市や岐阜県可児市等は積極的な運動を展開しているそうです。生ごみをEMぼかしで処理すると堆肥化し,その液体肥料もたまります。その液肥は汚ないものをきれいにする作用があり,家庭の排水口に入れることにより排水がきれいになるそうです。本市でも財団法人川崎リサイクル環境公社が設置したリサイクル推進協議会が中心となり,生ごみをEM処理するモニターを募集し,生ごみの堆肥化の効果を試す制度が昨年発足していると聞いておりますが,それにつきまして5点ばかりお伺いいたします。
 リサイクル推進協議会の現在までの取り組み状況,EM処理の効果,将来の展開,EM適用時のコンポスト化容器の開発とその助成,生ごみの量と期待する生ごみの減量,以上でございます。終わります。

◎中西 生活環境局長

 生ごみのEM処理についての幾つかのご質問でございますが,初めに現在までの取り組み状況についてでございますが,生ごみの減量化と再利用を推進する一環といたしましてEM菌の活用方法が検討され,昨年7月からモデル事業を実施して,現在,48名の方がモニターとして活躍をしていただいているところでございます。
 次に,EM処理の効果についてでございますが,ただいまお答え申しましたとおり,現在,モニターの方々が実践活動中でございまして,本年3月末までにご報告いただくこととしておりますので,効果等の把握につきましては,いましばらくお時間をいただきたいと存じます。
 次に,将来の展開についてでございますが,生ごみの堆肥化はごみの減量化,再資源化対策の一つとしての施策でございますので,現在,戸建て住宅を中心とした地上設置式と地中埋設式のコンポスト化容器に助成しているところでございますが,多くの市民の皆様に利用していただくために,アパート,マンション等の集合住宅のベランダなどでも設置することができるEM菌方式の容器にかかわる助成についても,現在取り組んでおります橘コミュニティセンターのモニター事業の結果を踏まえまして,今後,導入の可能性について検討してまいりたいと存じます。
 次に,EM適用のコンポスト化容器の開発についてでございますが,EM菌処理のコンポスト容器につきましては,数社の関連会社から販売されております。また,生ごみの量と期待する生ごみの減量についてでございますが,市民ごみ排出実態調査から,1日平均1人当たりのごみ排出量が約700グラムでございまして,このうち生ごみの占める割合が約30%となっておりますことから,200グラムぐらいが生ごみと考えております。実際にEM処理する場合には,既に腐敗したものやまたは水きり,さらには大きなものを小さくするなど,いろいろ制約されるところもございますけど,適切に処理した場合にはかなりの生ごみが減量できるんじゃないかと考えております。以上でございます。


◆伊藤弘 委員

 続きまして,河川の浄化につきまして,もとを断つという観点から要望いたします。まず,下水道局長でございますけども,河川の浄化はもとを断つことであります。もとを断つことは,水洗化への完全普及ですが,相当な時が必要と思われます。より以上の水洗化へのご努力をお願いしたいと思います。
 関連しまして,生活環境局長にですが,EMぼかしで生ごみを堆肥化する方法は,生ごみの減量が図られ,かつその液体肥料で川や環境の浄化ができると言われておりますが,本市では生ごみのEM処理による堆肥化は,検討しましてまだ日も浅く,テスト中のご答弁をいただきました。ぜひ今後とも環境浄化として,また生ごみの減量化としての展開のご検討を積極的にしていただくことをお願い申し上げます。
 関連しまして,土木局長にですが,河川浄化はいろいろな要素があり,方法もいろいろあると思いますが,一つの選択肢としてEM剤も試されたらどうかと思いますので,ご検討をいただきたいと思います。私もEMを知ってまだ間もないわけでございますけども,浄化だけでなく,食糧,環境,医療面に活用することも可能と言われておりますので,関心を持って今後もずうっと見守っていきたいなと思っております。以上で終わります。

平成 9年 第4回定例会

◆42番(雨笠裕治)

 それから,環境局長さんですが,焼却系のごみの減量化策でありますけれども,いろいろな施策の複合効果によってかなりの成果を上げてきているということはわかりました。しかし,ここから先が実はなかなか生ごみは減量することは難しい。ここからが問題だと思います。そこで,今,各自治体でも取り組みが大変ふえてきておりますEM菌による生ごみの堆肥化に取り組むべきと思いますけれども,これまでの本市の取り組み状況とEM容器等への補助制度について,さらには問題点について伺っておきたいと思います。

◎環境局長(武田善伸)

 今後の家庭ごみの減量化,また古紙問題についてのご質問でございますが,初めに家庭から排出される生ごみの減量化についてでございますが,家庭から排出されるごみの組成で,生ごみの割合は約30%を占めておりますことから,ごみの減量リサイクルの主要施策の1つと考えておりまして,平成3年9月から生ごみコンポスト化容器の購入に対しまして1基2,800円の助成を行っております。これまでの助成件数は4,053件で,平成3年度は1,802件,平成8年度は241件と年々減少してきておりまして,一定の普及が図られてきているものと考えております。ご指摘のEM菌方式の容器の購入助成でございますが,現在,橘リサイクルコミュニティセンターでモニター制度を設けまして取り組んでおりますけれども,利用者のアンケート調査結果を見ますと,EM菌方式は堆肥として活用ができるなど,ごみの減量化リサイクルに効果があるとの結果が出ております。したがいまして,今後,生ごみコンポスト化容器とあわせて助成制度の導入を検討してまいりたいと存じます。また,できた堆肥の活用につきましては,収集方法,ストックヤード,あるいは安定した利用ルートの確保など課題もございますので,今後,関係局と協議をし,その可能性について検討してまいりたいと存じます。

◆42番(雨笠裕治)

 それから,EM菌について,堆肥として活用ができ,減量化に有効と答えが出た,アンケートでですね。各家庭の生ごみ,私これも試算をしました。水気を切るやつですから,1日200グラムとすると1ヵ月で6キロ,1年で72キロ,これを1,000世帯がやっただけで72トンも減量に結びつきます。ただ,できた堆肥の活用について,いろんな意見があるということですけれども,一度取り入れた自治体で,広がることはあってもやめることがない,こういうことを考えたら効果は明らかだと思います。それでも実証という意味で研究をしたいというならば,農政課さんに私はぜひお願いしたいんですよ,経済局長。これは樹木とかそういうもの,いろいろ場所がありますから,ぜひこれは研究してもらえませんかね。環境局長さん,お隣で見えないといけないですけれども,今うなずいていただきましたので。それで,その上ででも結構です。大々的に各公園の樹木やゴルフ場の芝生の育成,それから市民農園や街路樹,こういった使い道はさまざまなものがあると思います。新年度,EM容器の助成を考えていただけるということでございますので,期待をしておきたいと思います。

平成12年 予算審査特別委員会

◆明石泰子 委員

 次に,川崎市では95年度,96年度にEM菌を使って生ごみを発酵させ,生ごみ乾燥機による堆肥化の試験栽培を行っていますが,報告書によると成分的にも肥料効果の期待できる堆肥とありました。土づくりには欠かせない堆肥は,川崎の中で利用できるものを使うことが基本であり,身近な活用が原則ではないでしょうか。また,堆肥と一口に言っても,その成分などかなり専門的分野でもあると思われます。平成12年度の予算で示されている営農指導対策事業費656万4,000円のうちの100万円と伺っておりますが,行われる内容について,方法,規模など具体的にお示しください。

◎蟹江徹也 健康福祉局長

 生ごみの処理状況についてのご質問でございますが,川崎病院では,患者さんへの給食の調理過程で発生する生ごみを処理する目的で,平成11年8月から厨芥ごみ処理装置を設置いたしまして,同年9月ごろから試運転を行っております。この装置は,1日約200キログラムの生ごみを5分の1に減量する能力がございます。多量に出る残飯などの生ごみにつきましては,異物などの混入の問題がありますので,現在は調理前の野菜くずを主体とした生ごみを処理しております。したがいまして,残りかすは少なく,1ヵ月で約20キログラム程度で,2月時点では病院内の廃棄物センターに90キログラム程度保管されております。この残りかすにつきましては,経済局緑化センターのご協力をいただきましてその活用を相談いたしましたところ,堆肥としては十分な発酵がされていないため,そのまま使用すると草花の育成が阻害されるおそれがあるとのことでございました。したがいまして,現在は堆肥としての効果は試験段階でございますが,今後その結果を踏まえ,大量に堆肥の供給が可能となった場合につきましては,経済局との連携のもと,有効活用を図ってまいりたいと存じます。以上でございます。

平成20年 第5回定例会

◆59番(志村勝)

 いろいろと取り組みをしていただいていることはよく理解しておりますが、なかなか難しいということでございます。ことしの夏、等々力の釣り池愛好会の皆さんが、池の中の10カ所に、ヤクルトのあいた容器に微生物を使っての水質浄化の取り組みをやっていただいているようでございますし、10月5日に中原区全域のライオンズクラブの皆さんも、等々力の緑地、釣り池付近の清掃美化運動を実施しながら、そして今回はEM菌を使っての浄化対策の取り組みについて御協力をいただいているようなことでございまして、この釣り池での釣りを楽しんでいただいている皆さんと意見交換、私もそこへ参加させていただきました。釣り人の皆さんからも、ぜひこのヘドロの堆積している――水面から半分以下はすべてヘドロということになっていまして、これに対していろんな要望を伺いながら、自然が相手ですから難しい問題があるわけでございますが、一つ一つのことをやってほしいなという思いを聞いてまいりました。
 そこで、環境局の環境対策課の皆さんで、多摩区の遊園地区の水路――夏場は大変良好で、11月がちょっと白くなってしまう、そのような水路を使っていろいろ取り組みをしていただいているようでございます。11月5日、EM活性液を1000分の1加えただんごをつくってやっていただいて、ちょうど民家園通りの商店街の裏側になるんでしょうか、この水路を使ってのヘラブナ、いろんなそういった調査結果等もいただきました。夏場はいいけれども、冬場は難しいといった実態数値を見まして、本当は堆積しているヘドロをしっかり計画的に除去すればいいのかなという気もするんですが、お金が大変かかるということでございますので、大変御苦労されると思いますが、環境の面でのことも踏まえながら、しっかりした粘り強い取り組みをしていただきたいことをお願いして、これは結構でございます。

平成21年 予算審査特別委員会

◆松原成文 委員

 水質の浄化を図るためにこれまでどのような取り組みが行われてきたのか、取り組み内容とその効果について伺います。また、今後計画されている水質浄化策について考えがあれば伺います。あわせて、本来あるべき池の姿とはどういうものであると考えるのか伺います。

◎鈴木純一 環境局長

 水質の浄化に向けた取り組みについての御質問でございますが、水質の改善を図ることを目的に、昭和46年の釣り池の開設以来、噴水型の曝気筒5基を設置しております。平成17年度には、さらに改善を図るために酸素発生装置5基及び高効率酸素溶解装置15基を設置し、水中の溶存酸素量の増加を図ってまいりました。また、等々力釣り池愛好会の方々の乳酸飲料容器による手づくりの簡易水質改善策や、釣り池を管理しております協会の水生植物による水質の浄化を図る取り組みも試行的に行っておりまして、平成17年度に起きましたヘラブナの大量死のようなことは、その後起きてはございませんので、一定の成果が図られているものと考えております。
 なお、今後におきましては、費用対効果等も考慮いたしまして、酵母などを使用した有用微生物群いわゆるEM菌などの活用も研究してまいりたいと考えております。さらに、昨年10月には等々力緑地再編整備検討委員会を設置し、緑地全体の再編整備を検討していただいておりますので、水質浄化の取り組みや釣り池のあるべき姿などにつきましても、この中で御意見をいただいてまいりたいと存じます。以上でございます。

◆松原成文 委員

 御答弁でEM菌の実験を新しくするということでございますので、期待をしたいと思いますけれども、昭和37年以降、等々力公園の敷地の造成が始まり、その後、陸上競技場前の広場の整備、プール周辺の整備、駐車場整備、催し物広場ほか、園路のダスト舗装など公園内の整備も進みました。また、公園周辺の市街地化が進み、地中に雨水が浸透しにくくなっているのではないかと思いますが、地下水位及び地下水の水質について調査は行われているのか伺います。また、公園周辺住宅や公園内の雨水浸透ますの設置状況について伺います。

平成21年  5月総務委員会

◆志村勝 委員

 かつての等々力の釣り堀なんかは今はひどいので、またもう何日か後に、EM菌でもってみんなできれいにしようという運動を一緒にやるんですけれども、もっと昔の等々力は自然でよかったよね、緑政部長は全然うなづかないんだけれども、私はそういうふうに思うんですよ。昔の等々力のよさが失われ、何だか人工的な等々力にどんどんなっちゃっているような、あらゆる施設をつくるスペースがないから、等々力にみんな持ってきちゃっているようなものだ。一体等々力はこれでいいのというような心配する声も、いいような面のまた厳しい指摘をされる向きもあるわけですが、これから等々力の自然を残すような、さらにこれを補強していくような、また復元していくような、そういった考え方というのは、局長はどんなふうに考えていらっしゃいますか。

◎岡 公園緑地まちづくり調整室主幹

 釣り堀につきましても、市民の方々からさまざまな意見が寄せられておりまして、それらの意見も踏まえまして、今後、検討委員会の中でより具体的に検討していくことになりますけれども、委員のおっしゃるように、いろんな可能性を今探っているところでございます。年度末の基本計画までには、そこら辺のところははっきりお示ししたいと思っております。あと、プールにつきましても同様でございます。

平成21年 第4回定例会

◆7番(太田公子)

 私は、通告によりまして一問一答方式で質問させていただきます。順番を入れかえまして、循環型社会の構築を1番目に、そして川崎の医療体制について2番目に質問させていただきます。
 循環型社会の構築としてのEM菌利用について伺います。先日、会派の有志で、沖縄での取り組みが進んでいる通称EM菌――有用微生物群の活用状況の視察をしてまいりました。EM菌は20年ほど前から知られていますが、この川崎におきましては、主に有機農業や家庭菜園、園芸に使われているようです。EM菌は、沖縄の琉球大学名誉教授比嘉照夫氏が発見し、現在、沖縄県内のうるま市や名護市などで幅広く利用されているほか、北海道から熊本までネットワークが広がっています。例えばうるま市では、市役所で1人に対してペットボトル2本分を無料で分けており、図書館などの公共施設では汚水処理に使われ、排水溝を汚すことなく循環した形での利用が見られました。また、名護市のゴルフ場では17年かけて使い続け、農薬にかけていた年間420万円が節約でき、雑草も生えず、元気な芝生が育っていました。養鶏場におきましても、普通は臭くて近寄れない小屋に入ってみました。ところが、さらっとしたふんになっており、鶏も卵を産み終わってから食用肉として利用できるなど大変元気に育つということです。また、卵はアトピーの方が食べられるものとのことで、EM卵として沖縄では売られていました。こうした有用なEM菌を川崎市内で使っている実績のある等々力緑地のハス池の状況が現在どういう状況なのか、また、今後、水質浄化のためEM菌を活用していくつもりはあるのかを環境局長に伺います。

◎環境局長(寺岡章二)

 EM菌についての御質問でございますが、等々力緑地の日本庭園ハス池におきましては、川崎北ライオンズクラブからEM菌80リットルほかを御寄附いただきましたことから、地域の親子と川崎北ライオンズクラブの方々でソフトボール大の水質浄化用だんご1,300個に加工し、本年6月に池に投入したところでございます。投入前の6月と投入後3カ月経過した9月の水質を比較いたしますと、COD、全窒素、全燐等の値がいずれも上昇しておりましたが、アオコの大量発生による影響と考えられるところでございます。今後におきましては、引き続き3カ月置きに調査を実施し、年間を通して効果を検証していくとともに、他都市の事例を踏まえながら検討してまいりたいと存じます。以上でございます。

◆7番(太田公子)

 ありがとうございます。今お答えいただきましたが、何かまだ効果が出ていないようでございます。沖縄では17年から20年かけてこのようにきれいになったということなので、すぐには効果が出ないようでございますが、実はきょうの午前中、私の住みます宮前区宮崎町内会におきましては、EM菌を使っての生ごみ処理の勉強会が開かれております。先ほどの山口議員のお話にぜひEMを使ったら、いい生ごみができるのではないかと思います。――違いますか、はい。
 それから、私は河川課の方にも聞いてみましたけれども、採用してみようというお話はございません。しかし、河川の浄化にもよいそうで、現在、日本橋川の社会実験を行っているということもありますので、ぜひこれからその話をしっかりと聞き取っていきたいなと思います。また、川崎市内の多摩区におきまして、今後、排水溝に流れ出る汚水のひどいにおいをとるために、EM菌を入れて実験をしようという試みが進んでいるようでございます。実際に実施してからいずれ質問してまいりますけれども、一般市民が環境をよくしようと身銭を切って頑張っていると申しますのに、行政は市民との協働をうたうばかりと言われても仕方がないのかなと思います。こうしたEM菌を使うことによって環境汚染を食いとめ、循環型の仕組みをつくっていけるのではないかと考えますが、生きている有用菌のため、使いこなすには時間がかかるようでございますので、関係者の皆さんのなお一層の御理解をいただければと思います。

平成22年 予算審査特別委員会

◆志村勝 委員

 大変御苦労が多いと思いますが、教育長、教育委員会一丸となって、また市長さんの応援もいただきながら、県と市と連携をとりながら、子どもたちにとっての薬物のこういっただめということに対する取り組みをさらに強固に進めていただきたいと思います。
 もう1点でございますが、等々力緑地の釣り池がいまだにきれいにならないということが私は大変気になっておりまして、私もある団体で等々力の釣り池の浄化の取り組みを皆さんと一緒にやらせていただいているわけでございます。最近市長さんに一生懸命頑張っていただいて、ミラカーボンに取り組みの企業、髪の毛の太さの約20分の1の炭素繊維、約1万2,000本を束にして有機物を吸着して分解するという水質浄化装置が今試験的にやっていただいているようでございますが、まきえさなどで水質汚濁が問題化し、2005年にはヘラブナが大量死してしまった等々力緑地の釣り池でございますが、私たちも多摩区の方々と御一緒に、またライオンズクラブのメンバーと一緒に、EM菌という菌を使っておだんごをつくって水質浄化の取り組みをずっとやってきております。このミラカーボンの実験について今大分いい方向で出ているような感じがするわけでございますが、平成21年7月から川崎市の環境技術情報センターがこの浄化実験を行っている、この辺の中身と見通しについて教えていただきたいと思います。

◎寺岡章二 環境局長

 等々力緑地釣り池についての御質問でございますが、現在、産学公民連携による公募型の共同研究事業として行っておりますのはNPO法人との共同事業でございまして、等々力緑地の釣り池をフィールドとして、炭素繊維による閉鎖性水域の水質浄化工法の研究でございます。炭素繊維は、その高い生物親和性により生物膜を形成し、その微生物の働きで汚濁物質を分解させる特性がございますので、共同研究では、今、委員おっしゃったとおり、極細の炭素繊維1万2,000本を1束とし、60束を1ユニットとして600ユニットから成る炭素繊維水質浄化装置を釣り池の北側約10メートル四方に昨年の7月に設置をいたしまして、以降、月1回水質の調査を行い、データの推移を見守っている状況でございます。以上でございます。

◆志村勝 委員

 このミラカーボンは、この間国際環境技術展に展示されていたわけでございますが、この水質の指数、定期的に透明度、pH、この水質変化を調べているという状況からいって、ある程度見通しはどんな感じですか。状況が今わかれば。

◎寺岡章二 環境局長

 水質の測定についての御質問でございますが、水質の測定項目といたしましては、水温、外観、透視度、pH、COD、濁度、全窒素、全燐の8項目を浄化装置内と浄化施設から離れた場所で観測をしてございます。これまでの観測結果では、透視度につきましては設置当初より浄化施設内の透視度が改善された効果があらわれております。これは、炭素繊維のすぐれた吸着性が発揮されたものと考えられます。ただし、この炭素繊維による水質浄化には微生物などによる有機物の分解が必要でありますが、現在ようやく炭素繊維上に微生物の生物膜が形成され始めたところでございますので、他の観測項目については現在データの推移を見守っているところでございます。以上でございます。

◆志村勝 委員

 登戸のほうで市民団体の方々がEM菌という環境にそういった取り組みをやってきていただいたところのせせらぎがあるわけでございますが、等々力の池でも我々もずっとこの間やらせていただいた。でも、あれだけヘドロがたまっていると、ある程度ヘドロはとらなければだめなんじゃないかなという気もして、何人かで、もうちょっときれいにするためにはそれなりに、全部そういったことできれいになるということを求めることは厳しいのかなというようなことを言う人もいるんですけれども、あれだけの釣り池のヘドロをそれなりに除去するということは、前にもやったことがあるようでございますが、そういう考えというのは、発想はないんですか。

◎寺岡章二 環境局長

 等々力緑地釣り池についての御質問でございますが、平成18年度に等々力緑地つり池のあり方に関する検討会議というものを設置いたしまして、学識経験者等から報告をいただいてございます。その中では1次浄化対策といたしまして、高効率酸素溶解装置の設置がございまして、これは既に実施済みでございます。2次浄化対策といたしまして、ヘドロのしゅんせつと浄化用水の導入というものを提言されてございます。そういった平成18年度にいただいた提言と現在進めております等々力緑地再編整備検討委員会での御議論を踏まえながら検討してまいりたいと存じます。

◆志村勝 委員

 たびたびで申しわけありません。市長さん、これは非常に大事な地域の課題でもあり、また環境の問題で一緒に取り組んでいる人たちからも、川崎市があれをきれいにすることが非常に大きな評価も得られるし、波及もするんだということでお声が出ていますので、最後に市長の見解を聞かせてもらいたい。

◎阿部孝夫 市長

 等々力緑地釣り池についてのお尋ねでございますけれども、これまでも専門家に検討していただいたりいろんな方策を検討して実施してきたわけでございます。この釣り池をきれいにするということは非常に大事なことでございますけれども、やり方等々についていろいろと制約がございまして、苦労しながらやってきているところでございます。今後ともいろんな工夫をしながら取り組んでまいりたいと思います。以上でございます。


平成25年 決算審査特別委員会

◆大庭裕子 委員

 初めに、私は江川せせらぎ水路維持管理事業について上下水道事業管理者に、2番目、相談支援事業について健康福祉局長に、3番目、適応指導教室運営事業について教育長に、4番目、若年者就業支援事業について経済労働局長と教育長に一問一答でお伺いいたします。
 それでは、江川せせらぎ水路の藻の対策について伺います。地域から、ことしも江川せせらぎ水路の藻の大量発生の抑制と悪臭対策での要望が出されています。藻の対策等のための水路清掃を毎年実施していますが、効果が得られていません。過去3年間の水路維持管理費について、そのうちの水路清掃費についてもお伺いいたします。

◎飛彈良一 上下水道事業管理者

 江川せせらぎ水路の維持管理費についての御質問でございますが、江川せせらぎ水路につきましては、町内会や愛護会を初め、近隣の皆様などの御協力を得ながら、上下水道局が水路部分の維持管理を行っているところでございます。維持管理の具体的な内容といたしましては、水路に発生した藻を除去するための清掃や、老朽化した木柵の補修、等々力水処理センターからせせらぎ水路に高度処理水を送水するための圧送管の維持補修等でございます。これらの維持管理に要した費用につきましては、平成22年度が約4,100万円、平成23年度が約2,800万円、平成24年度が約1,800万円となっております。また、平成22年度と平成23年度につきましては、圧送管の補修を実施しているため、平成24年度に比べ費用が多くなっております。なお、このうち過去3年間の水路清掃委託費は、各年度ともおおむね1,100万円でございます。以上でございます。

◆大庭裕子 委員

 毎年1,100万円、水路清掃委託費をかけていても、藻の抑制は解決をされておりません。藻の大量発生の原因となる窒素とリンの除去が必要ですが、昨年の6月議会で、2011年度に新たな高度処理方式について学識経験者等を含んだ第三者委員会から技術評価が得られ、今後、この処理方式による施設の改修を進めることで藻の繁茂に対して一定効果が期待できるとの答弁が上下水道事業管理者からありました。新たな高度処理方式について現状と取り組みを伺います。

◎飛彈良一 上下水道事業管理者

 新たな高度処理方式の進捗状況についての御質問でございますが、江川せせらぎ水路の水源となる等々力水処理センターは、等々力緑地の限られた地下空間を活用しており、全国でも珍しい酸素活性汚泥法という処理方式を採用したコンパクトな施設として整備を進めてまいりました。そうした中、本市下水道計画の上位計画である東京湾流域別下水道整備総合計画の基本方針が平成19年に示され、東京湾の赤潮被害などを引き起こす窒素やリンの除去が求められたところでございます。そのため、これまで技術開発を進め、平成23年度には学識者を含む第三者委員会から技術評価を受け、現在、施設改造に向けた基本設計を進めておりまして、今年度中には実施設計にかかりたいと考えております。その後、施設の改造と増設工事に取りかかり、東京湾流域別下水道整備総合計画の目標年次である平成36年度の施設完成を目指しているところでございます。以上でございます。

◆大庭裕子 委員

 等々力水処理センターの施設の完成は11年後ということでは、その間、藻の対策はどうなるのか。地域の皆さんはそれまで待つことはできません。藻の大量発生を抑制するために砂などを敷き詰めることや水路を一時的に乾燥させることなど、さまざまな方法を検討すると昨年の議会で答弁をされていましたが、2012年度の対策はどうであったのか、現状と今後の取り組みについて伺います。

◎飛彈良一 上下水道事業管理者

 江川せせらぎ水路の藻の発生抑制対策についての御質問でございますが、昨年度の取り組みといたしましては、具体的な対策の検討を進めてきたところでございまして、水路への藻の付着を抑制することを目的とした水路の底の材質の検討や、藻を死滅させるために一時的な乾燥やゴムマットを敷くことなどの実験による検証を実施したところでございます。また、水路清掃後の藻の付着跡について観察した結果、水路底のモルタルの間隙にも根が張っており、藻の繁茂の原因の一つであることも明らかとなったところでございます。こうした検証の結果、水路の一時的な乾燥による効果が最も期待できることから、今年度は藻を死滅させる乾燥対策を最上流部から巌川橋までの約700メートルの区間について実施する予定でございます。以上でございます。

◆大庭裕子 委員

 意見要望させていただきますが、具体的な対策検討を進め、藻の繁茂の原因の一つが明らかになり、今年度は死滅させる乾燥対策を実施するということで期待をするところではあります。しかし、中心になって活動している森とせせらぎネットワークの皆さんなど地域の皆さんは、独自に他の地域の水路調査やシンポジウムを企画して行政に働きかけ、改善のために活動を進め、新たな提案もされております。横須賀市や川崎市内の小中学校のプールなどにも使用されているというEM活性液が有効であるとし、実証実験をすべきではないかというものです。多くの人たちに親しまれている江川せせらぎの環境を守りたいという地域の皆さんが努力し活動して進めていることからも、さまざまな課題もあるかとは思いますけれども、地域の方々が今度、井田山で実験予定のEM活性液実証実験、これについては行政としてもぜひ立ち会うことなども含めて、一緒に改善に向け協力をしていただくよう要望させていただきます。

  • 最終更新:2015-03-09 09:28:17

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