幸手市
幸手市議会とEM
平成16年 第1回 定例会
○議長(吉羽武夫議員) 次に、4点目の環境問題とEM(有用微生物群)導入の可能性について、なお、登壇して発言願います。
◆1番(大橋秀樹議員) それでは、環境問題とEM(有用微生物群)導入の可能性についてのご質問をいたします。
環境問題に関しては、先ほどの柴田教育長の環境教育のお考えとも一致する部分もあるのですが、まず初めにEMについてのご説明を申し上げます。本来、自然界では雨が山に降り、土の中を通ったきれいな水が川に流れ、落ちた木の実や生物の死体が分解され、また木々の栄養になるという、ごみの出ない循環ができています。
しかし、現代社会ではよい菌も悪い菌も殺してしまう農薬や大量の薬剤を使用したり、水がきれいにならなければ消毒薬を投入するということが繰り返し行われてきました。そこで、本来の自然の姿に立ち返るべく、琉球大学のヒガテルオ教授が環境の分解発酵に必要なよい菌を集め研究開発したものがEMです。このEMは、普及段階に入って20年以上が経過しており、これまでにEMを導入した国は世界中で 120余り、国内の自治体では 600余り、環境教育の一環として取り入れている学校は 2,000校を超えると言われます。
私も、1997年度に青年会議所の委員長として市民の方々とEMを利用した生ごみリサイクル事業に1年間携わりました。EMの使用法では、身近なところでは米ぬかを使ってボカシをつくり、家庭での生ごみリサイクルがありますが、実際には農業への応用で土壌改良と低農薬の自然農法により収穫が倍増すること、畜産ではふん尿の堆肥化、畜舎の消臭、また塩素消毒不用の下水処理、河川の浄化、ダイオキシンの減少と焼却炉への応用など、その成果は多くの自治体で実証されております。
宇和島市のように、市会議員の有志が宇和島城のお堀浄化に取り組んでいるところもあるようです。また、私が中学、高校と通学した国立市では、駅前に立派な桜並木があるのですが、そこの桜並木の樹勢回復に応用しています。また、小学校の授業にEMを導入することで、実際に給食の残飯の堆肥化などから河川の浄化、さらにまちぐるみの環境浄化運動へと発展した例もあるようです。
幸手市では、米を中心とした農業、畜産業、ごみ分別やリサイクルの問題、桜堤、焼却炉、市内を流れる河川、農業集落排水や下水道普及率の問題などから、EM利用に適したすべての要素があり、EMを導入しそのシステムとサイクルを構築できれば、理想的なEMによる循環型環境浄化のモデル地区と成り得ると思いますが、過去に幸手市においてEMの導入を検討したことがあるか、そして今後EMを普及させることを検討する余地があるかどうか、市の考えをお伺いします。
また、子供のときから環境問題を考えるにはよい教材であり、子供たちが真剣に取り組むことで家庭に広がり、市全体に広がる可能性があると思いますが、学校教育へ取り入れることについてのお考えをお伺いします。
あわせて、EMとは関係なく今まで市内、特に市街地を流れる河川の浄化に対して市として取り組んだ事例があれば教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
◎民生部長(小島一成) それでは、4点目の環境問題とEM導入の可能性についてお答えをさせていただきたいと思います。
まず、EMを幸手市の環境浄化に利用できるかどうかの検討をしたことがあるかとのご質問ですが、環境浄化という部分での検討を行ったことはございません。また、小学校等の授業においても取り入れている事例は残念ながらございません。
現在、幸手市といたしましては、生ごみの堆肥化に関して補助制度を実施しております。この中で、通常のコンポストに加えましてEM容器に対しても同様の補助制度を実施しているところです。
次に、EMに対する市の考え方ですが、ごみの減量化に対する家庭等での生ごみ処理や、家庭排水に対する脱臭作用等について、有効であるということは聞いてございます。それで、EM容器を活用した減量化については通常のコンポストと違い、直接その中へごみを投入して土にということではありませんので、大橋秀樹議員ご承知かと思うんですが、通常のポリバケツが二重底になったようなEM容器なんですが、その中に家庭での生ごみを入れて、先ほどお話に出ましたEMボカシを加えて発酵させていくと、1、2週間たった後、液が出てきますので、その二重底の下になった蛇口から取り出してそれを希釈して液肥として家庭菜園とか、またおふろの排水、下水等に流して有効だという部分について聞いてございます。
市といたしましても、そういったEMの使い方、まだまだこういった容器の補助制度もあるんですが、実際申請に来る方というのはほんの数例しかないわけですから、まずはそういったEMの活用、大橋秀樹議員、青年会議所のときに市民を巻き込んでそういった活動もしたというお話があったわけですが、まだまだその辺の理解、活動が低いようですので、まずはそういったEMの活用方法について広報紙等を通じてPRをしていきたいと考えているところです。
また、市内のEMを使った河川浄化というものについては、現在のところ事例はございません。
◆1番(大橋秀樹議員) まず、答弁漏れといいますか、EMと関係なく河川の浄化について、後でまとめてで結構です河川の浄化のことがありましたらお答えいただきたいと思います。
確かに、EMというのは一部の人にしか知られていない部分もあるんですが、私自身多くの自治体で取り入れているということもあるので、十分その研究をする余地はあるのかなと。それと、この間テレビでやっていたんですが、江戸時代というのはゼロエミッションというんですか、日本の江戸時代までは全くごみの出ない循環型の社会ができていたと。要するに、使うものも布とか紙とか木とか、燃やせば灰になってそれは田畑の肥料として使える、そしてし尿も畑の肥料としてかなり高く売買されていたという話もあります。要するにごみが出ない社会というのがあったわけです。今の文明社会になってから急にごみというものが、要するに文明社会の副産物という表現をしていましたが、そういうごみというものが発生するようになったと。
幸手市の歴史と文化、宿場町として栄えた幸手市の文化という部分で誇れるまちということであれば、ぜひ市全体を挙げてのゼロエミッションというか、循環型の環境問題に対する、要するに全国的にもそういう部分で誇れるまちにぜひしていただきたいなという思いがあります。そのためには、こういったEMというのがかなり有効に利用できるのではないか、そういう部分においてさらなる検討をお願いしたいと思います。
また、例えばこの間の予算書で水道事業の方で上水費の中で薬品代として次亜塩素酸ソーダ代が 1,600万円とか 1,800万円とか、結局水道水がきれいにならないので、次亜塩素酸ソーダというのは塩素です。消毒薬の塩素を 1,800万円分購入して水道水に投入して、それが私たちの口から入っていくと、そういった部分に関してももしそのEMを使うことでその予算が削れる部分があったり、それが人間の体にとっていいことであればどんどん積極的に利用していただきたいと思うわけです。
それと、昨日権現堂の桜堤へ行きまして、北公民館からちょっと坂を上がりますと川じゃないですよね、ほとんどどぶの状態でものすごい悪臭がするんです。1カ月後に桜祭りを控える中、もう本当ににおいと悪臭、ヘドロの塊のようになっているあの部分を、例えば浄化する、きれいにする方法の一つとして、このEMを大量にそういう部分に投入することで、本当に1カ月くらいでかなりにおいが消えたり水が澄んできたりという報告もたくさんありますので、今すぐ予算を組んでというのは難しいのかもしれないが、市としてせっかく何十万という観光客を迎える中、何かできることはもうすぐにでも始めた方がいいんじゃないかという思いもあります。
そういう部分に関して、もしできることであればお願いしたいということと、あとEMに対しての普及を広報していくという部分で、やはり行政側からの押しつけでただそういうものを紹介するだけでは、市民は多分着いて来ないと思うんです。今までの事例を見ていても、やはり子供からやらせるのが一番広まりやすい、要するに小学生というのは本当に純真ですから、そういうおもしろいものがあると実験に使ったり、実際に自分たちで使ってみる、そして家に持ち帰って家でEMというものを生ごみに使ったりEMを増やしたりとか、そういう実験とか研究に使わせることで、当然親も一緒になってやらざるを得ないと言うと失礼ですが、そういう状況から市全体に広がっていくという形が一番やりやすいかなと思いますので、またその点について教育長のお考えも少しお伺いしたいと思います。
◎民生部長(小島一成) それでは、河川浄化の例ということでお話しを申し上げたいと思います。
先ほど、EMを使ったのはないというお話だったんですが、竹炭を使った浄化というのをやってございます。それは、高須賀池に流入する水路の浄化と、一般家庭からの雑排水も入ってきますので、それを竹炭を使ったということで1カ所そういった事例はございます。
それと、ごみを出さないということが一番よろしいということで、家庭から生ごみをできるだけ出していただかないということで、EM容器を使った例を申し上げたんですが、やはりこのEMを使った方のお話を聞きますと、どうしてもそのEM容器を使って液を使うのはよろしいんですが、その上の生ごみを堆肥化して使うというのは、やはり1、2週間だと本当に堆肥にならない、原形をとどめているような形で堆肥にしなければならないと、そうすると一般家庭ですとどうしても家庭菜園だとか狭い地域での場所になってしまうので、毎日出る生ごみですからどうしても場所がなくなってしまうと、そういうことで結局はまた生ごみとして出さなくちゃならないと、そういう問題点も当然あるわけです。
それと、EMと申しますのはごみを入れて、それにまたEM菌を入れて、ごみを出すときにはまたEM菌を入れると、その経費的な部分も一般家庭にとりましては大変だというお話もございます。また、できた肥料を菜園で使う分にはいいんですが、他人にあげたりした場合には窒素率、酸化率ですかそういった配合の問題もございまして、家庭菜園に向かない場合もあると。いろいろな問題も当然あると思います。それらを使う方にご理解いただきながら、EMという部分について拡大していければと思っておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
◎教育長(柴田幸雄) 私の体験を申し上げますと、EMを使って電気、尿石が取れやすくなります。それから悪臭が大体1週間くらいでなくなっちゃいます。そんな体験も持っているわけですが、小学校、中学校への授業等学校への導入ということについて、やはりいいことはやった方がいいと思います。やってみてどうなるのかと、活用事例もあるようですので、そういったものを取り寄せて研究していきたいと、いいことはやっていきたいという考えです。
◎建設経済部長(藤倉正) 私自体がまだEMそのものを理解していない部分がございますが、いろいろ民生部の方でも調べてございますので、その辺の話を聞きながら、使えるようであれば確かにあそこはこれから桜祭りを迎えまして、議会においてもいろいろ指摘をいただいておりますので、効果的であれば使っていきたいと思いますので、ちょっと研究をさせていただきたいと思います。
平成16年 第2回 定例会
◆5番(中村孝子議員) ありがとうございました。
その廃プラスチックの分別収集なんですが、久喜市では今現在、その15分別の中で廃プラスチックは分別収集がなされているわけですよね。最近というか、この4月から杉戸町でも廃プラスチックが分別収集されるようになりました。幸手市の場合は、杉戸町に焼却ごみを委託している関係もありますし、来年度合併になって、ごみの収集方法が一元化されるとしましても、10月に予定がされていたのであれば、その廃プラスチックの分別収集だけでも予定どおり10月から取り組めないものかどうかをお聞きしたいと思います。
それと、先般、学校給食の残について総量を計算していただきましたんですが、燃えるごみとしての学校給食を減らすという意味合いからも、それから子供の環境教育という意味合いからも、学校給食の残を生ごみ堆肥として再利用をするという方向が有益なことではないかなと思うんですが、例えば江戸川区のある中学校で、EMぼかしを使いまして給食の残を堆肥化して学校内の花壇などに使っているという実態もございますし、そういうことが幸手市の中で取り組めないものかどうかをお伺いしたいと思います。お願いいたします。
平成18年 第3回 定例会
◎市長(町田英夫) それでは、2番と7番について私の方から答弁させていただきます。
まず、2番ですが、第4次総合振興計画においては将来像を「ひと 街 みどり きらりと光る 幸せ創造都市」として、幸手市に住むすべての市民、人々が生活するまち、それらを支える自然が調和し、より豊かで快適な個性ある地域社会と環境の創造を目指すとしております。従前の国指導の行政システムにおいては画一的な街づくりが行われてまいりましたが、地方分権が進み、今後は地域の努力と意思で街づくりを進めることが必要となってきております。市民の皆様の参画のもとに、身の丈に合った創意工夫を生かした街づくりを行い、国に頼らず自立した都市として、安心・安全を基本とした豊かな環境や地域社会を次の世代に引き継ぐまちにしなければならないと基本的に考えております。
そういう状況下の中で、良好な環境の保持と、そして後世へのバトンタッチと、後世への継承ということは一番大事なことであると思っておりまして、大橋秀樹議員を中心とする市民団体のEM菌による水質改善なんかに取り組んでいることも私も承知しております。そういう中で、私が特別指示をしなくても自発的に職員も参加しているということを聞いておりますので、これからは市民団体と行政が一体となった環境整備については取り組まなければならないと。また、まちのこれから将来のあるべき姿についても、そのような形で進まなければ、行政が行政だけでがむしゃらにやっていく時代じゃないと思っておりますので、ご理解をいただきたいと思っています。
平成21年 第4回 定例会
◆ 3番(枝久保喜八郎議員)
一般的に見ても、生活環境とは別の景観的な部分でも、住宅地を流れるこういった水流について、今先ほど申し上げたような街路樹も立派なものがあって、春先は水面に桜の花びらが散って流れていくとか、夏は新緑がその水面に映えて、ゆらゆら揺れる風景を見せてくれるとか、さしてきれいな水質じゃないんですが、そういった思いを考えれば、確かに景観も重要な部分なんだろうと思います。まして、今、埼玉県では川の汚染を浄化しようという動きもしているわけで、この大中落に限って言えば、倉松川の源流だということで、幸手市の地元のまちの中でもEM菌のだんごや何かを香日向の西公園の前の信号の橋のところで落とす活動などもしていただいているわけなんですね。そういったことも考えますと、たとえ水がきれいになったとしても、それでですね。このネットの劣化も、汚れも激しいネットが張られたままの状態はいかようなことかなと。
平成22年 第2回 定例会
◆15番(大久保忠三議員) ゆっくり読ませていただきます。
2つお聞きしたいと思っていますが、先ほど、河川の調査について、年3回、お金30万円とありますが、私はもうちょっと増やすべきじゃないかということ。それと同時に、もしお金が厳しいというならば、逆に私は2回でもいいんじゃないかと。2回にして、場所を増やすということも大事ではないかと思っています。
実は幸手市内でもEM菌によって倉松川の水質浄化のことをやっておられますね。しかし、あれは水質浄化と言っても、相当の、だんごとかいっぱいやればその付近よくなるんでしょうが、どちらかというと杉戸町のほうにいい水が、向こうになってよくなるような感じを受けるような気もしないところでもありません。
よって、年3回というのを増やす、あるいは2回にして箇所を多くすると。すなわち、自分たちが河川浄化のためにボランティアでやったならば、その下流でどれだけの値がよくなったかというのがあって初めてボランティアの人たちは勢いづくと思うんです。確かにEM菌でヘドロが消えたというところの写真を私たちも見ていますが、では本当に水質がよくなったのかというのは、やった後に何か見返りがありませんと最終的に長く続かないという心配もありますので、そのようなときに前とその後で水質検査をするような、そういう手だてを市としても考えるべきじゃないかと私は思っております。
2点目です。5月24日に県のほうでこちらに参ったということなので、大変ありがたいと思っているんですが、今の話を聞きますと、木炭による浄化なんですが、この木炭は、たまたま来たんですから、いつごろからやるとかそういうものが、具体的なちょっとした話があったのか。それから、もう1つには、木炭といえども、やっぱりこれは入れたら将来にわたってずっとそのまま働くというものではありませんので、この辺のところをお聞きしたいと思いますので、ご答弁をお願いします。
◎市民生活部長(藤沼誠一) 2点ほどご質問いただきました。
年3回、これを回数を増やすか、または回数を減らして場所を増やすかということですが、市のそういう環境面ということと、あと財政的な面も考慮いたしまして、今後検討していきたいと考えております。
それから、2点目の県の里川再生の関係で巡礼のところに木炭のチップを活用してという話ですが、場所は、まず県でとらえておりますのは、権現堂堤の中に公衆トイレが、堤の中のほうにございますね。あの北側のところにコンクリートの橋がありますが、橋の先から中川に落ちる手前まで、この区域にその木炭チップを入れて水質浄化をしたいという意向があるようです。実施時期については、確認いたしましたが、まだ未定ということですので、実施時期について分かりましたら、早い時期に市民の皆様にお知らせをしたいと考えてございますので、ご理解賜りたいと存じます。
- 最終更新:2013-11-20 13:21:50