府中市(2)

2006.06.14 : 平成18年第2回定例会

◯11番(遠田宗雄議員)

 野口市長には、水と緑のネットワークづくりを推進する中で、自然環境復活のシンボルとして、蛍が自然発生するよう市民とともに調査・研究を進め、蛍の生きるまちづくりに努めていくと、力強い御答弁をいただきました。さらに、市民参加の緑の活動推進委員会などを中心に、「ふちゅうホタルの里」づくりを目指して取り組んでいくことや、水辺空間の水質向上に関する調査・研究を進めていくこと、用水に関しては、国土交通省が環境用水の観点から、年間通水の調査・研究を始めたことなどを、御答弁としていただきました。
 東京の蛍は、資料によれば、既に昭和10年には山手線の内側は絶滅し、昭和30年には23区から姿を消し、昭和35年には、東久留米や立川、そしてこの府中に後退をしてしまい、ゲンジボタルの自然発生地は三多摩の一部に限られてしまったとあります。現在、日本の水辺に蛍の舞う自然環境を取り戻そう、こういう思いで、全国で700もの蛍の里づくりが推進されていると伺っております。
 そのような中で、立川市富士見町団地を流れる昭和用水や、福生市の多摩川中央公園内の幅約1.5メートルの小川では蛍が舞い、幻想的な風景が復活したと新聞報道されておりました。南町新田川の蛍養殖場では、ゲンジボタルが大切に育てられておりました。私も2匹のゲンジボタルを確認させていただきましたけれども、府中市で、この蛍の飛ぶ環境づくりに、私なりに幾つか考えてみたわけですが、その一つに、田んぼを以前のように生き物がたくさん住んでいた状態に戻す方法があると思います。不耕起栽培と言いますけれども、冬でも田んぼに水が張られているため、いつもドジョウやタニシなどが住んでおり、それをえさに鳥もやってきます。このような自然豊かなところに蛍は生きております。
 京都府の宮津市にあるNPO団体で、荒廃した里山に棚田を復活させたメンバーは、自然と共生する生活をデザインしようと活動しております。また、用水に関連し、暗渠の幅が狭ければ、大雨のときに流れが遮られ、大水の元凶になりやすいことや、用水が市民生活には欠かせないとの意識啓発、また、景観としての開渠への取り組み、浸透性舗装路の整備などによって、雨水を確保し、水量の増大による湧水の確保、さらには3面コンクリートの用水を、間伐材利用のそだによる護岸整備などに、力を注ぐことによって、生き物が住みやすい環境づくりが図られるよう要望いたします。
 一方、かんがい用水から環境用水としての幅広い活用へ、国は調査・研究を始めましたけれども、平成15年に施行された自然再生推進法や、平成16年に施行された景観法を、今後どのように活用していくのか、府中市の水と緑のネットワークづくりが、国の地域再生計画事業に認定されておりますし、農工大との共同研究や、用水組合や農業に携わっている方々から広く協力をいただきながら、自然環境の再生に努めていただくことを、強く要望いたします。
 今年3月2日に農林水産省が選定した疎水100選に府中用水が選ばれました。私もインターネットで1票を投じましたけれども、改めて全国の疎水のすばらしさと、大切な宝物であるということを実感いたしました。府中かんきょう市民の会大崎清見会長主催の用水路の生き物調査や、府中市用水組合鈴木一治組合長の魚・ザリガニ救出作戦などを通して、通年通水の用水と季節通水の用水では、生き物の数や種類も違い、蛍のえさになるカワニナの成長には、通年通水化は不可欠ですし、暗渠の下水に流さず、ため池をつくれば、通年通水化できないところであっても、生物が生きられる可能性が高まってくるものと、私は考えております。
 例えば、西府湧水のある府中用水は、市川緑道のところで暗渠になりますけれども、手前の天然岩のところに窪地がございますが、ここに用水をためれば、ビオトープとしてハナショウブでも植えることができれば、将来、蛍とショウブを鑑賞できる水辺へと変わっていくでしょうし、新田川蛍養殖場では、このそばの池がございますけれども、EMなどによってさらに浄化が進めば、カワニナも育つのではないかと思います。今、EMは全国的にも評価が高まっておりますし、最近では、東京の日本橋川や大阪の道頓堀川で、EMが投入されたことが大きくマスコミに取り上げられ、注目されております。EMは遠田宗雄の略ではないので、前にも一般質問させておりますので、御記憶かと思います。
 いろいろ要望を申し上げましたが、再質問の1)として、新田川緑地やいこいの森、西府崖線、日新町・四谷地域の用水など、蛍が復活できる環境整備の一環として、カワニナが育つ水辺づくりを検討できないか、お聞きします。
 1回目の方で、新海教育長には、総合的な学習の時間の活動として、自然環境の学習や、地域をうまく活用し環境学習に発展させるなど、学校の取り組みを丁寧に御答弁いただきました。ありがとうございます。
 さて、この水と緑のネットワーク拠点整備実施計画では、多摩川のフィールドを活用して水辺の楽校を開設し、施設整備を推進するとあります。今の子供たちは、屋外で遊ばない、集団で遊ばない、自然体験、生活体験の不足が言われておりますので、幅広く自然と触れ合いながら環境保全の必要性を学んでいくことが大切と考えます。大人の努力で子供たちがどんどん屋外に出ていける環境づくりがさらに必要なのではないかと、私は考えておりますが、この環境学習で大きな成果を上げている取り組みに、霞ヶ浦アサザプロジェクトがあります。少し紹介をさせていただくと、コンクリート護岸に打ち返された強い波によって、湖底がえぐられ、水が濁り、アオコが大量発生した、自然が失われた霞ヶ浦を復活させるために、水辺に生育するアサザをシンボルにした自然再生のプロジェクトでございます。アサザは、ハスを小さくしたイメージですが、黄色のかわいい花をこの夏に咲かせる水草です。現在、このプロジェクトに参加している流域の小学校は約170校を数え、幼稚園や中・高を入れると200校を超えております。この事業は、自然再生推進法のモデルと言われております。私は、アサザ基金代表理事の飯島 博さんの講演を府中市内でお聞きし、学校ビオトープや水辺の楽校の格好の材料になるのではないかと考えます。
 また、3年前になりますが、蛍を題材にした映画を見る機会がございました。実話をもとに、新米教師と子供たちが心を一つにして、蛍を飛ばすまでを描いた作品でございました。ストーリーは、東京から山口県の小学校に赴任をし、3年生の担任になったものの、子供たちと交流が図れずにいるとき、蛍が飛んだらきれいだろうなという、何気ないその教師の一言に子供たちの瞳が輝き、蛍の飼育が始まります。しかし、学校側の反対や上級生のいたずらなど、難問が押し寄せますが、この一つ一つを乗り越えていく教師と子供たちの姿に感動いたしました。蛍は、人里離れたところに生息はせず、また、人が密集するところにも生息をしない不思議な昆虫と言われています。蛍がたくさん飛ぶ地域は、人と自然が最もよいバランスで共存している場所です。いわば、蛍は理想的な環境を図るバロメーターと言えます。蛍の光を復活させるため、蛍の飼育に取り組んでいる小学校が、年々、全国ではふえているようです。
 再質問の2)として、学校ビオトープづくりの実施校は現在何校か、また、抱えている課題は何か。再質問の3)として、アサザプロジェクトなどに見る学校ビオトープづくりや環境学習の視点から、映画上映などを理科や総合学習の中で取り組めないか。2回目の質問は、以上3点です。要望等もございましたけれども、よろしくお願いいたします。

◯鈴木 昭水と緑事業本部長

 1点目の、カワニナが育つ水辺づくりを検討できないかとの御質問にお答えいたします。
 現在、新田川緑道の一部やいこいの森には、地下水を常時利用した水辺がございます。また、 西府町の崖線には、年間を通じて、少ない水流ではございますが、用水が流れており、これらの水辺は、カワニナの飼育には貴重な水辺空間であると認識しております。さらに、日新町四谷地域の用水路なども、通年で水を流すことができれば、カワニナを飼育することも可能かと考えております。
 御案内のようにカワニナは、蛍の幼虫が成虫に至るまでに、30から40匹程度を捕食するとされています巻き貝でございまして、昨年より、緑の活動推進委員会により、カワニナ飼育の協力者募集などを行っておりますが、今後は、これをより一層推進する必要があると考えております。これらのことから、カワニナが育つ水辺づくりについては、生育の良好な環境が得られる場所づくりを検討するとともに、緑の活動推進委員会を初めとする多くの市民の御理解と御協力を得ながら、総合的に推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。


◯松本三喜夫学校教育部長

 それでは、2点目、3点目についてお答えいたします。
 2点目の学校ビオトープづくりの実施校及び環境学習の取り組みにかかります課題についてお答えいたします。初めに、学校ビオトープを設置している学校ですが、矢崎小学校と南白糸台小学校の2校がございます。また、そのほかの学校でも、ビオトープとは整備しておりませんが、学校内にある池を利用しまして、フナやコイ、オタマジャクシ、金魚の飼育、微生物の観察、さらには浮き草やオオカナダモ等の植物を育てまして、教材として活用する取り組みをしている学校がございます。
 次に、環境学習の取り組みに対する課題でございますが、1つには、児童・生徒が、自分がよいと思うような環境のイメージが持てないこと、2つには、ごみの減量や分別など、身近な生活とのつながりに気がつかないこと、3つ目には、知識としてはわかっていても、実践につながらない等が考えられます。この課題解決には、家庭や地域の協力が重要なことと認識しております。
 続きまして、3点目の、学校ビオトープづくりや環境学習の視点から、映画の上映などを理科や総合学習の時間の教科で取り組めないかという御質問でございますが、このことにつきましては、従前からテレビやビデオを使用したり、学習の取り組みを実施してきております。また、現在、多くの学校では、学校のビオトープづくりや環境学習に関するアニメ、動画のコンテンツを、学校教育ネットワークを活用しまして、総合的な学習の時間や理科の授業に進めているところがございます。今後も、御指摘をいただきました映画を含めまして、よい作品、または教育効果のある作品につきましては、授業などに取り入れていくことができるよう、情報を学校に提供していきたいと考えております。
 以上です。


2006.12.06 : 平成18年第4回定例会

◯11番(遠田宗雄議員)[#h85e4d8b]

 2回目の質問で、この桜通りのお話をいたしましたが、市内にはほかにも多くの桜が街路樹として市民に親しまれておりますし、けやき並木にはケヤキの木の幹の腐ったところに根を張って話題を呼んでいる桜を御存じの方も多いと思っております。また、スポット的に咲いている桜も、毎年咲くのを楽しみにしている高齢者の方がおります。老木で枯れ始めてはおりますけれども、何としても残してほしいという、地域の方の声をいただいてもおります。
 同じ桜の名所であるお隣の国立市の大学通りでは、桜の生育環境の悪化から、先ほども御紹介いただきましたけれども、樹の勢いと書きますが、この樹勢が衰弱をし、行政と市民が二人三脚で行うボランティア組織がEMを活用し、樹勢回復を試みております。EMは、これまでも、私、一般質問等で御紹介をさせていただきましたが、何も遠田宗雄の略ではございませんけれども、私も活用していただければと思っております。

2012.06.06 : 平成24年第2回定例会

◯堀口純伸環境安全部長

 続きまして、生ごみ対策のこれからの、2回目の御質問について、順次お答えいたします。
 生ごみ処理機を継続して使用している割合と、使用をやめた理由についてでございますが、平成22年度に実施いたしましたアンケートによりますと、生ごみ処理機器の使用率については約60%の方が現在も継続的に使用している状況でございます。また、生ごみ処理機器を使用しなくなった理由といたしましては、思ったよりも手間がかかる、思ったように処理ができない、においや音が気になるなどでございました。また、生ごみ処理機器の利用拡大に向けた市の考えといたしましては、各御家庭においてごみを出さない、減らすことがごみ減量の第一歩であると考えておりますので、引き続き生ごみ処理機器の補助制度をPRするとともに、利用者への意向調査の実施や講習会の実施などを通して、機器の継続利用に向けた支援を進めてまいりたいと考えております。
 次に、HDM方式、これが小さい規模で実証実験ができないかということでございますが、埼玉県の久喜宮代衛生組合で生ごみ処理機システム、生ごみ減容化処理システムと申しますが、これを取り組んでいると聞いております。久喜市、宮代町の約7分の1の1万世帯をモデル地区として、約5,000世帯がシステムに協力していると伺っております。また、このシステムは株式会社EM研究所が開発した、微生物に生ごみをまぜ込むと、微生物の作用により発酵分解が進み、そのとき生じる熱によって炭酸ガスと水分が蒸発し、生ごみを90%減容することができると聞いております。
 昨年度の取り組みといたしましては、調布市との生ごみ共同研究で約50団体の公共施設や事業所への施設アンケートを依頼しているところでございますが、その中に久喜宮代衛生組合も調査対象として依頼しているところでございます。
 今後、調布市との共同研究の中で、生ごみ減容化処理システムも選択肢の一つとして検討してまいりたいと考えております。
 次に、3件目の、取り組み団体の把握と積極的な支援に向けた考えについてでございますが、市といたしましても、取り組み団体の把握に向けた情報収集に努めるとともに、取り組み団体への情報の提供、協力や積極的な支援に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。

  • 最終更新:2015-04-14 15:31:54

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