弘前市

平成18年 第1回定例会

No.3 本間忠彰議員

 次に、特徴のあるりんご生産地を目指すための一環として、減農薬、生産費の低コスト、労働力の省力化となる交信攪乱剤の使用――強い殺虫剤を使わなくても安心なフェロモンによる殺虫をして農薬回数をできるだけ少なくする方法、また弘前の一部、岩木地区等でEM農法を行っていますが、これは化学肥料を使わない有効バクテリア菌を使い、ボカシ(発酵資材)、堆肥等とともに将来無肥料を目指す方法を行っていますが、安心安全なわけありりんごづくりを積極的に働きかけ、事業の展開を図るべきではないか見解をお伺いいたします。

(中略)

 農業問題の最後になりますが、EM技術で環境保全型農業と農村の活性化を検討してほしいと思います。
 今、青森県でも大分取り組むところができてきました。
 我々も旧岩木町で生ごみの活用による堆肥事業、5年で157世帯活用してきました。
 また、水田に活用したら蛍が多くなった、りんごに使ったらサワガニが多くなった、土がやわらかくなった、連作障害が少なくなった、ミミズが多くなった等があります。
 これらを考える農政をすべきではないでしょうか。よろしくお答えをお願いいたしたいと思います。

No.7 農林部長(斎藤則明)

 次に、(5)EMの農業活用についての御質問にお答えいたします。
 EMは、自然界に生息分布している微生物の中から、有用な80種類余りの微生物を人間の手によって培養させた複合微生物集団であります。
 現在は、土壌改良資材のほか、生ごみ処理や悪臭対策、河川の浄化など、さまざまな分野で使われておりますが、当初は農業分野向けの土壌改良資材として開発されたものであります。
 本市においても、りんご栽培にEMを利用している農家がありますが、従来の化学肥料を一切使用せず、EM処理された肥料を主体に栽培を行う農家が年々ふえている状況にあり、農薬の散布回数も慣行栽培より減じられることから、生産コストの低減につながっていると聞いております。
 また、EMで栽培されたりんごの特徴として、抗酸化力が高まり、りんごを切った際の変色や油上がりの速度も遅く、化学肥料を使用しないことからくるあくが強く、のどをいらいらと刺激するえぐみがなくなり、コクとうまみが出、実の締まりがよく棚もちがし、農薬の残留が低く安全性が高いなどの効果があると伺っております。
 いずれにいたしましても、農地の環境保全やコスト低減等々を考えますと、その効果に関する科学的根拠が明らかでないものの、りんご農家がEM栽培を行うかどうかについては、個々の農業経営における選択肢の一つとしてその活用を見守ってまいりたいと思っております。

No.13 本間忠彰議員

 EMについては、とかくデータに頼りがちな行政ですが、全国の事例がいっぱいありますので、今後、農林部と話し合って環境の活性化ということに対して進んでいってほしいと考えております。
 花いっぱい運動については、市長の腹一つだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 道路建設については、いろいろな方法、法律があるでしょうが、景観を損ねない、また、岩木山がすっきり見える経費のかからない方法を行ってほしいと思います。

平成18年 第2回定例会

No.103 齊藤爾議員

 議長に登壇を許されました岩木会の齊藤爾です。
 市勢のさらなる発展を願い、一般質問をさせていただきます。
 質問の1項目めは、新岡地区・高森地区最終処分場についてです。
 両最終処分場における現行の管理体制及び旧中津軽郡不燃物等ごみ処理事務組合からの引き継ぎが十分になされたのか御答弁ください。
 前述の最終処分場内においては、その保有水中にダイオキシンが確認されており、岩木EMアグリクラブによるEM菌散布がなされました。
 2カ年の散布により、ダイオキシン濃度が劇的に低下しましたが、その有効性についての市の見解をお尋ねいたしますとともに、その継続的散布の必要性につきましても御答弁ください。
 2項目めは、本年8月18日の降水による岩木地区被害についてです。
 岩木地区における冠水被害箇所の今後の具体的対応策について御答弁ください。

No.107 市民環境部長(福真幸悦)

 (2)ダイオキシンに対するEM菌の有効性について。
 EM菌については、平成16年7月、旧岩木町の民間団体から新岡地区最終処分場にEM菌を散布したいという要望があり、試行的に無償で草刈りとあわせて3回散布してもらいました。
 散布後の11月の新岡地区最終処分場の保有水におけるダイオキシン類の濃度は、1リットル当たり0.24ピコグラムで、これは、前年7月の4.3ピコグラムから大幅に下がっております。
 この結果を評価し、平成17年度は業務委託として3回の散布を実施したところ、前年の10分の1の0.024ピコグラムと、さらに下がっております。
 ただし、もう一つの高森地区最終処分場では、散布による効果が見られなかったことから、さまざまな要因が水質に影響を与えていることも予想されます。
 そこで、平成18年度は、EM菌の効果を周辺河川の水質もあわせて検査し、より正確に把握したいと考えております。
 (3)継続的EM菌散布の必要性について。
 今後、継続して散布していくことについては、現在検査中の水質検査の結果に他の散布事例の効果も検討した上で判断してまいりたいと考えております。

No.109 齊藤爾議員

 それでは、順次、再質問をさせていただきます。
 新岡・高森地区の最終処分場についてですが、近年、ダイオキシンの有害性につきましては広く認識されております。
 先ほど申し上げたとおり、旧中津軽郡不燃物等ごみ処理事務組合においては、ダイオキシン対策としまして、平成16年、17年の2カ年にわたりまして、岩木EM――団体がダイオキシンに対してEM菌を散布しております。
 部長さんがおっしゃったとおり、新岡地区においては、15年対比でダイオキシン濃度が94.42%減。さらに、17年度は、15年対比99.4%減という結果が出ました。
 先ほど、高森地区については結果が見られないというような御答弁でありましたが、実際、新岡地区は全地域に、地帯に、すべて散布したということでありますが、高森地区は、部長さん御存じありませんでしょうか、非常に起伏の激しい場所でもあり、全地区にということではありませんでした。
 そういうことを考えますと、新岡地区が全地帯に散布し、99.4%減という結果、この結果が妥当な結果だと思われます。
 そこで、この結果を受けまして、事務組合の18年2月臨時会におきまして、当時の管理者が「散布の結果が上がっていると理解している。1年、2年とかではなく、中長期にわたって行った方がよい。新市に対して要望してまいりたい」と答弁しております。
 このことは、合併したとはいえ、管理者が、前任者がEM菌散布の効果を認めて、新市に引き継ぐということなわけです。
 しかるに、きょう現在、EM菌散布は行われておりません。
 ある議員さんがEM菌散布について、6月議会中ですか、市側に打診したところ、予算も含めて前向きに検討するという回答を得たそうです。
 ところが、その後、効果についての調査が必要であり、今年度は実施できないというふうな回答を受けたそうです。
 まず、この、前向きに検討し、予算も含めた具体的な金額提示もあった上で実施、前向きにしたいと。その後、変更したということは事実であるかどうか御答弁ください。
 そして、2年間にわたる旧中津軽郡不燃物等ごみ処理事務組合の調査、結果等が出ているわけです。
 そしてまた、このEM菌に関しては、牽引者の研究結果、または先進自治体の結果、十分出ているわけです。
 それにもかかわらず、市側は、あえてまた調査して、そのために散布をしないということの理由をお教えいただきたいと思います。
 そしてまた、いかなる理由があろうとも、その処分場にダイオキシンがあるということは事実なわけです。
 この事実があるにもかかわらず、何ら手を打たずに調査、調査と。実際、効果のあるものを使わず調査だけで終わり放置しておくという、この納得できる理由です、お答えください。

No.111 市民環境部長(福真幸悦)

 中郡のごみ処理組合から引き継いだ新岡・高森の埋め立て処分場のことについて、再度、お答え申し上げます。
 中郡のごみ処理組合が解散する際の臨時議会において、そのような管理者からの御答弁があったということは、記録を見て、聞いております。
 施設につきましては、先ほども申し上げたとおり、法の手続に従って、旧岩木町を経由して、現在、新弘前市が管理してございます。
 ただ、その事務処理に当たりましては、当時の事務を担当していた方から、直接、そういう個々具体に、こういう事務をこうしてやってほしいという引き継ぎの中に、具体的にはEM菌の散布を継続的にということは、実際、事実上なかったようでございまして、そのことを私どもは、そのことから当初予算には計上できなかったという経緯がございます。
 合併等の関係で時間的なずれも多少あったかもしれませんけれども、そのことが、結果的には予算措置、当初予算に措置されなかったということはありました。
 ただ、水質検査をきちっとやろうということは、法律上、定められておりますので、そのことにつきましては、水質検査の委託料等も計上して定期的に検査を行っているところであります。
 それから、6月に前向きな返事があったのではないかというようなことでございますが、齊藤議員がおっしゃるとおり、18年度につきましては、きちっと、まず水質を検査してみましょうと。その上で必要な措置があれば予算措置した上でやっていこうではないかということで、EM菌散布に関しましては、当初予算の計上にはございませんでしたので、ゼロの予算に、さらに何らかの形で流用してということはできませんでしたので、今年度は、散布については、結果的にはお願いできなかったというようなことでございます。
 放置しておくのかということでございますが、これは、一定の基準がございます。保有水の中、1リットル中に10ピコグラムを下回るような水質基準がございます。
 そのために、毎月、定期的に水質検査を行ってございますので、その水質が一定の基準内であれば、特に大きな措置はしなくても済むのかなと。
 ただ、全くゼロではございませんので、それらの数値が高くなっていくようであれば、それはやっぱり相当の予算措置をした上で対応していくべきものだというふうに考えております。
 以上であります。

No.121 齊藤爾議員

 そして、EM菌、ダイオキシンに関してですけれども。
 今、部長さんから非常に興味深い御答弁がありましたが、旧中郡の事務組合の議会において、引き継ぎしてくださいと、管理者も引き継ぎしますということで、議事録にもありますけれども、その引き継ぎが一切なかったと。EM菌散布に関してのその引き継ぎが一切なかったということでよろしいのでしょうか。
 それと、市長さんにもお伺いしたいと思いますけれども、市長さん、県議時代、平成11年第218回定例会、農産物とダイオキシン。平成13年第226回定例会、ごみ処分場とダイオキシンということで、県議として一般質問の中にこの問題が出てきております。
 ということは、非常に早い段階から、このダイオキシンの問題というものに対して、関心があったというか――「造詣」という言葉はおかしいですが、造詣が深かったということだと思います。
 その辺を踏まえて、やはり新岡地区も高森地区も、下流には農地もございます。万が一、そのダイオキシンが流出した場合は、農作物に対する被害というものも非常に大きいと思われます。
 このことを踏まえて、今年度中は調査するということではありましたが、早急に対応をすると、すべきだというふうにはお考えになりませんでしょうか。

No.123 市民環境部長(福真幸悦)

 引き継ぎがあったのかということでございまして、先ほども申し上げましたが、法律的には、財産そのものは新弘前市に引き継がれております。
 ただ、事務を具体的に、この事務を継続してやってほしいというような、具体的な名称を挙げての事務の引き継ぎにつきましては、担当の課長並びに職員に確認しましたところ、具体名を挙げての引き継ぎはなかったということでございます。
 それと、継続的に散布ということでの御質問でございますけれども、先ほども申し上げましたEM菌の効果、ダイオキシンに対するEM菌の効果というものにつきまして、それが科学的にどの程度実証されているのか、その辺のこともよく調査させてみたいと思います。
 また、弘前市だけでなく、もっと暖かい地方、あるいは、もっと寒い地方でどういう効果が出ているのかというような他都市の散布事例も比較した上で、今後の継続等につきましては検討してまいるということでございますのでよろしくお願いしたいと思います。

No.125 齊藤爾議員

 おっしゃるとおりでもあるかなと思いますが。
 ここで、ひとつ、EM菌が効果あるか、ないか、これも大事なことですけれども、このEM散布をしている団体に対して、市側と言っていいのでしょうか、最終的に、答弁は草刈りだけやってくれと。
 彼らはダイオキシンに対してEMが有効であると。よって、真摯な態度で研究を重ねながら、ダイオキシン濃度の低下ということに対して取り組んできたわけです。
 その団体に対して、EMは散布しなくてもいいけれども、草だけ刈ってくれというふうな回答があったそうです。
 これは、非常に悲しいといいますか、本来、EMの効果はともかく、ダイオキシンに対して対応しましょうという団体に対して、それは要らないから草だけ刈っておきなさいと。刈ってくれというようなことがあったそうです。
 その団体の方々たちは非常に憤慨しておられました。自分たちが2年間やってきた活動は何であったのだと。最終的には、EMは要らないが草だけ刈ってくれと。こういう市の対応にこそ問題があるのではないかなと思います。
 私、ここに通ってくる途中、岩木橋を越えて新坂を上がってきますと、緑色の、相馬市長さんの非常に笑顔のいい看板が見えます。そのわきに「新しい街に新しい風を」と書いております。
 市民の皆さんは、そういう相馬市長に期待して1票を投じたはずでありますけれども、どうやらまだ新しい風は吹いていないようでございます。
 早目に風が吹かないと、市民が先に風邪を引くということにもなりかねませんので、早急に対応をお願いしたいと思います。

No.23 本間忠彰議員

 次に、2、公共下水道事業及び農業集落排水事業の問題点についてお伺いいたしますが、(1)の、悪臭の発生についてですが。
 岩木地区では、5カ所に浄化センターがあるわけですが、平成11年に八幡処理場で悪臭の苦情がありまして、EM菌投入により苦情がなくなりました。
 旧弘前市の悪臭処理はどうしているのか。
 相馬地区でも汚泥に対してEM対処しているデータを私は持っていますが、平成8年ころからの建物の悪臭対応についてお知らせください。
 次に、(2)産業廃棄物の増加については、産業廃棄物の汚泥発生も年々増加し、自然環境や人体に悪影響を及ぼすと思われますので、その対策についてお知らせください。
 (3)の、処理費用の増加については、産業廃棄物が増加することで処理経費の増加も伴うことから、その経費と財源についてお願いいたします。
 (4)の、処理施設の老朽化、新規施設の大型化、維持管理の高額化については、下水道施設は、今後ますます資金が増大する中で、建物、機械の老朽化の対処方法はどうなのか。
 今後の新規施設の大型化、維持管理の高額化についてはどう対処していくのかお伺いいたします。
 また、(5)として、安定した処理水維持の困難さについては、各家庭の徹底を図ることが大切だと思いますので、その対策についてお願いいたします。
 (6)の、汚泥処理方法の課題については、いろいろな方法が考えられますが、農業利用コンポスト化について大いに考える必要があると思います。
 岩手県の例ですが、60%の汚泥を山に上げ、コカ・コーラのかす等と混合コンポスト化して2年間熟成し、肥料にしてインターネット販売しており、我々も4,000袋くらい買っていますが、何か考える必要があると思います。
 ただ、脱水燃焼しようとしていることも金のむだ遣いがあると思いますのでお考えいただきたいと思います。
 また、福井県宮崎村の公共緑地への使用、広島県安芸町の官民一体の河川や海の水質浄化、奥入瀬ろまんパークの中水循環利用、北海道恵山町の汚泥の減少成果などいろいろありますが、それらについて弘前市でも真剣に考える必要はないのでしょうか。
 岩木でも新法師地区にEMを使った新施設をつくりましたが、新市においても、この成果を踏まえ考えてみる必要はあると思いますが、その考えをお聞かせください。
 また、私の調査によると、旧岩木町八幡地区の汚泥は、平成13年度からのEM使用により約半分に減り、約200万円くらいの経費節減となっております。
 当然、取りかえなければならない機械の長もち、ランニングコストの経費軽減等が、よいことばかりでございますので考えてもらいたいと思います。
 岩木山山頂のトイレ消臭にも一役買っている事実もあります。
 将来、家庭の台所やトイレから流せば下水道管の経費軽減が図られると思うが、その考えはないのかお伺いいたします。

No.29 都市整備部長(須藤正光)

 (6)汚泥処理方法の課題について。
 現在、公共下水道の汚泥は、産業廃棄物となるため脱水処理を行い、産業廃棄物処理業者に処分を委託しております。
 農業集落排水処理施設から発生する汚泥のうち、船沢地区と新和鬼楢地区はコンポスト肥料化しております。
 その他の地区の汚泥は、主に弘前地区環境整備事務組合に処分を委託しております。
 コンポスト肥料については、普通肥料として登録し、市民に配布するなど、緑地・農地還元を図っております。
 なお、市では、資源循環型社会構築に向けて、農業集落排水処理施設汚泥も含めた生物由来廃棄物――いわゆるバイオマスの処理方法を全庁的に検討しております。
 この中で、今後、生物由来廃棄物(バイオマス)のさらなる有効活用の方向性が見えてくるものと思っております。

No.33 本間忠彰議員

 一般質問も最後になりますと、皆さん飽きてきますので、簡単にやります。
 再質問ですが、生ごみ、プラスチックごみ、不燃ごみ、一部事務組合に対する負担金、下水道汚泥関連経費、これらを合わせた私の試算では、岩木地区では約3億円、相馬地区では約1億円、弘前地区ではそれ以上の、大体10億円と私は推定しておりますけれども、多額の経費が支出されているはずです。
 今まではこうしてきたからではなく、できるだけ少ない経費で取り組む姿勢が大事と考えるが、もし、今後の方針等がありましたらお伺いいたします。
 それから、都市整備部長にお願いしますけれども、余りEMを嫌わないで、データはいっぱい私、持っておりますから、科学的根拠がないからどうのこうのと言わないで、ぜひ一緒に勉強していきたいものだと、かように考えております。
 もし、お答えできるのであればお願いします。


No.35 都市整備部長(須藤正光)

 まず、下水道並びに農集排の汚泥につきましては、先ほども御答弁申し上げましたけれども、今、バイオマスの研究でいろいろ有効活用を図ろうということで、研究――庁内で検討しておりますので、その結果を見守りたいと思います。
 それから、EM菌につきましては、別に私も毛嫌いはしてございません。
 実際、新岡と、それから、今現在、新法師で投入しているわけですけれども、はっきり言って、科学的な、きちっとしたデータはまだないのですけれども、一部には、においが軽減されたということも聞いておりますので、そこら辺は今後も継続的には使っていきたいなと思っております。
 ただ、きちっとしたデータをとるためには、やっぱり、一たん停止して、EM菌を導入しない場合はどうなのか、導入したらどうなったのか、そこら辺は今後データ収集に努めてまいりたいと思っております。

  • 最終更新:2015-03-13 11:57:44

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