愛媛県


愛媛県議会とEM

平成11年 第266回定例会(第3号12月 9日)
No.9 大前尚道君
 今、「地球を救う大変革」という本の著者、沖縄琉球大学の比嘉照夫教授の開発されたEM菌やそれらの中に含まれる抗酸化物質を抽出してつくったEMセラミックス等による環境浄化を初め、農業、水産業、畜産業から医療や建設部門に至るまでの幅広い応用が、日本各地はもとより今や全世界的に広まっており、大きな成果が得られるとうかがうのであります。
 そもそもEMとは何かでありますが、既にお聞き及びの方も多いかとは思いますが、「有用微生物群」ということで、英語のイフェクティブ・マイクロオーガニズムスの頭文字を組み合わせた造語であります。人間や作物、家畜にとって有用な乳酸菌、酵母菌、放射菌、光合成細菌等80種類以上の微生物を複合培養したもので、これを応用した技術がEM技術だそうであります。
 私は、それらの成果の実態をまずみずからの目と耳で確かめたいとの思いから、去る11月5日から8日まで沖縄で開催されました「EMフェスタ’99」、すなわち有用微生物応用研究会第16回発表大会に参加し、EM技術導入で成果を上げている牧場や養鶏場等の現地視察を含めつぶさに見て聞いてまいりました。
 参加してみてまず驚いたのは、既に16回目という積み重ねもあってか、大会の規模の大きさであり、こんなにも全国から関心持って集ってくるのかとの思いで、これまでの認識の甘さを改めさせられたのであります。
 EM技術応用の事例発表では、2日間にわたりアメリカや韓国からのものを含め、全国各地での農業、水産業、生ごみ処理やダイオキシン対策、水質浄化、さらには医療等各分野にわたって大変熱心な発表がなされたのでありますが、これらの中で特に私が興味を抱いたのは、1つには、ごみ焼却施設でのEMによるダイオキシン抑制効果の事例であり、2つには、広島県でのノリ養殖におけるEM活用による化学薬品不使用の有機ノリ栽培とともにヘドロ、悪臭の除去の事例であり、これは宇和海の魚類やアコヤ貝等の養殖にも応用できるのではないかと思うのであります。
 さらにもう1つは、具志川市における「EMによるいやしのまちづくり事例」であります。さすがにEM技術導入の先進地だけあって、環境にやさいしいEMによるまちづくりをコンセプトに、産業、環境、健康福祉、建設、教育といった総合的な分野での活用を展開しようという取り組みであります。
 そこでお尋ねいたしたいのでありますが、私は、こうしたEM技術が本当に有効であるならば、県として積極的な導入を図り、具志川市のようなトータルな取り組みにより、環境立県としての名乗りを上げたらいかがかと考えるのであります。
 確かに現段階で懐疑的な見方をする人も一部にあることも承知しておりますが、世界的にも、国策としてEM導入している国は20カ国以上になっており、あの食料難の北朝鮮では、昨日、村上議員からの訪朝報告があったところでありますが、11月12日付の朝鮮時報に報じられているように、改善された農業構造によって穀物増産に展望が開かれたとのことで、EM技術を指導した比嘉教授によると、来年は食料輸出国になるのではないかという本気とも冗談ともつかない話まで聞かれるのであります。
 EM以外の例えば、先日発表のあった土壌中のダイオキシンを分解するという木材腐朽菌のようなものを含めたあらゆる有用微生物によって、有害化学物質が分解され、農薬や化学薬品、抗生物質等に頼らない農業や水産業が行われ、海や川や土壌が浄化され、本来の自然を取り戻すために、県として、壮大な実験になるかもしれませんが、具志川市のようなトータルな取り組みを期待するものであり、今後どのように対応されるのか、御所見をお聞かせ願いたいのであります。

No.14 知事(加戸守行君)
 次に、県として、EM菌を初めといたします有用微生物を活用した環境浄化に積極的に取り組んではどうかとの御提言がございました。
 微生物を用いました環境浄化技術は、気候やあるいは周辺環境に大きく影響されるところでもございますが、現段階では、確実性や即効性の面で解決すべき点が多々あるとは思っております。しかし、新たな廃棄物や有害な副生成物が少ないなど環境にやさしい特徴を備えていることから考えまして、今後の環境浄化の有力な技術として期待が高まっているところでもございます。
 このため、愛媛県といたしましては、本年7月に、EM菌などの微生物を活用いたしました環境浄化の方策を検討いたしますため、環境局の中に検討グループを設置いたしまして、1つは、国の環境研究所や生命工学工業技術研究所等の研究機関におきます浄化技術の開発状況。2つ目には、岡山県や沖縄県等の先進地におきます環境浄化実証実験や具体的施策の取り組み状況。3つ目には、河川での水質浄化試験や水産試験場におきますプランクトンの増殖実験等々の調査、検討を進めてきているところでもございます。
 検討グループの方では、近々、愛媛県として取り組むべき方策を報告書にまとめまして、私の方に報告をちょうだいする予定にいたしておりますので、その調査結果を踏まえまして、来年度当初予算の中に具体的なこれからの取り組みの方策につきまして反映させることができればいいと、そんな方向で考えているところでもございます。貴重な提言を生かしまして、県としてもできる限りの努力をしてみたいと思っている段階でございます。

平成14年 第275回定例会(第2号 3月 4日)
No.51 大前尚道議員
 ひところ騒がれていたEM菌よりもすぐれた効力のある環境浄化微生物が県工業技術センターで開発され、既に幾つかの事業所で実証実験も試みられ、一定の成果を得ていることが既に発表されております。

平成14年 第275回定例会(第4号 3月 6日)
No.26 藤田光男議員
 本県においても、西条市の産廃業者がYM菌を使って剪定くずや建築現場の木切れなどに食品会社の廃棄物を混ぜて発酵させ、有機肥料として農家の野菜づくりに生かされ好評を得ております。内海村の真珠母貝養殖業ではEM菌を使って一回り大きい貝を育成するとともに、使った菌を宇和海に流して海を浄化させる効果も上げております。


平成23年 第321回定例会(第5号 3月 3日)
No.5 阿部悦子議員
 まず、県下でも最も汚濁が進んでいると知られている、松山市堀江に流れる県の2級河川、明神川についてです。
 この川は全長10キロにも満たない水量の少ない川です。川の汚濁が目に見えて進んだのは約20年前からといわれ、最近でも川の水は白濁し、灰色や緑色、黒などの色を呈して、まるで七変化を繰り返しています。特に河口付近の汚染は激しく、悪臭はもちろん、川の付近にいると頭が痛くなり、夏場には家の窓を開けることができない日もあります。また、毎年のように魚の大量死が繰り返され、平成15年に記録を始めてからだけでも12回に及びます。
 平成10年以降さらに汚染が進んだことから、行政が川底を掘削して川幅を広げたり、コンクリート張りに改修しましたが、対策が功を奏することはなく、平成15年には、地元住民が市民団体を設立され、翌年から毎年のように、ヘドロの分解に効果が期待できるとしてEM団子をつくり、川に投入して来られました。その数は5,000個、累計で500tにも及びます。
 また、愛媛県愛リバー・サポーターに登録されて、草刈りやごみ拾いなどを行い、家庭で使う合成洗剤を石けんに変えようと呼びかけてもこられました。しかし、住民の御努力もむなしく、今も明神川は県内一汚い川という汚名が着せられたままです。
 平成15年10月、地域住民約30名と、国交省、愛媛県、松山市、防潮水門管理者らで、川の悪臭対策について会合を持ちましたが、具体的な解決策が示されることはありませんでした。しかし、1つの対策として、堀江水利組合から、月1回河口の防潮水門をあけて川の水を海に流すことは可能と言われましたが、その後漁協が、汚い川の水を海に流すのは反対との姿勢を取り、実行されていません。この汚さでは漁協の主張も十分理解できます。
 平成16年8月20日、住民が白濁した水が流れる現実を示して、地方局に詳しい水質調査を依頼したところ、当時の担当者から、検査をすると何が出てくるかわからないからできないと言われたエピソードを住民が記録しています。その後、松山市がPH、大腸菌群などの検査をしてきましたが、これらだけでは不十分であり、検体の採取場所にも問題があります。
 このような県や松山市に対する住民の不信にどのように答えますか。県はこれまでどんな調査をして、どんな見解を持っているのか、お答えください。

No.12 上甲俊史県民環境部長
 次に、河川環境問題についてのうち、県や松山市の河川環境問題にかかる住民の不信にどのように答えるのか、また、明神川の汚染原因についてどのような調査を行い、どのような見解を持っているのかとのお尋ねでした。
 河川等の公共用水域や地下水の水質汚濁を防止するために、水質汚濁防止法による水質の常時監視や、事業場に対する排水規制、あるいは廃棄物処理法による廃棄物の不法投棄の禁止の規制等がございます。
 これらは、県におきましては県民環境部及び地方局保健所の環境保全課の所管でございますが、中核市につきましては法律で当該中核市が行うこととされております。したがって、松山市内の明神川に係る住民の不信や汚染の調査等については、松山市が対応することとなっております。



  • 最終更新:2013-11-24 13:51:25

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