愛知県

愛知県議会とEM


2003.12.08 : 平成15年企画環境委員会 本文

【倉知俊彦委員】
 三河湾が汚れており、公共下水道の整備も低く、金を投じるのもよいが、琉球大学の比嘉教授が発見したEM菌での浄化はどうか。
 三重県の英虞湾ではEM菌での浄化を実施した。その結果、海水の科学的な質には、あまり変化がないものの、魚が増え、海草も茂るなど良い結果が出ており、漁業関係者から喜ばれていると聞いている。また、瀬戸内海でも実験して良い結果が得られている。
 本県では受け入れられていないようだが、三河湖、油ケ淵の水質浄化もEM菌でやればそう難しくないと思う。一度、実験的に研究してみることも良いのではないか。環境対策は、理屈で議論するよりも実践と結果である。他で実際にやっており、良い結果が出ているのなら勇気を持って試みることが必要だ。トップがそのようなつもりにならないとだめである。環境部の考えはどうか。


【環境部長】
 伊勢湾、三河湾の浄化については、従来からいろいろやってきたが、なかなか、水質浄化につながっていない状況である。EM菌については、一度、その成果を具体的に目で確かめるなど研究していきたい。

【倉知俊彦委員】
 環境は、後追い行政ではだめである。県が施策を実施する前に、環境部が環境面について物が言えるようにならないと、お金がいくらあっても足りない。
 EM菌は家庭において廃棄物に混ぜるか、処理水に混ぜるかだけである。県としてEM菌についての検討をお願いする。


2004.03.04 : 平成16年2月定例会(第4号)

◯二十四番(中根義一君) おはようございます。二日目の朝の第一番に一般質問をさせていただきます。通告に従いまして質問させていただきます。
 最初に、「愛・地球博」についてお伺いします。
 愛知万博開幕まで、残すところ一年余りとなりました。昭和六十三年の万博誘致構想の公表以来十六年に及び、いよいよ総仕上げの年となりました。愛知万博は「自然の叡智」をメインテーマに、「循環型社会」をサブテーマの一つとしています。循環型社会には、温暖化と地球環境の将来の予測等の環境への取り組みがなされ、会場も、整備中、開催時、そして会期終了後の各段階においても自然環境に配慮され、自然を素材に参加者がみずから学べる体験型環境教育プログラムが組まれています。
 そこで、長久手会場のこいの池、かめの池等の幾つかの池の浄化にEM菌を活用して水質改善をするお考えはないか、お伺いします。
 EM菌は、琉球大学農学部の比嘉照夫教授により開発された有用微生物群であり、近代農業の欠点の農薬や化学肥料による環境汚染等に対し、微生物の応用から環境保全の水質浄化に効果があり、近年、多くの市民団体が河川や池の水質改善に取り組んでいます。
 私の地元、岡崎市の緑丘小学校では学校の西を流れる六斗目川の浄化に取り組み、夏には悪臭を発し汚くて魚のすめない川から、魚のすめる川への運動を続け、「六斗目川を守れ!緑っ子レスキュー隊」が児童、総代会、PTAで組織され、一週間ごとにEM菌を流し、水質検査を行う活動を続け、悪臭のない魚のすめる川が認められ、全国学校環境緑化大会で最優秀賞を受賞しました。また、岡崎北部を流れる北斗川では岩津中学校の生徒によるEM菌浄化活動が、また、「伊賀川を美しくする会」が、活性液では流れてしまうと、EMだんごを中学生とともに川底に足で埋めて浄化を図っています。また、家康公の菩提寺である大樹寺の池の浄化を図るなどの活動が女性団体等で幅広く進められています。
 万博会場の池の浄化はその場限りの一過性のものであってはならないが、幸い、EM菌で浄化を進めている団体と地元市民とが協力し合って末永く取り組んでいきたいとのことですが、こうした運動についてのお考えをお伺いします。

◯国際博推進局長(山中恒之君) 愛知万博に関する御質問にお答え申し上げます。
 EM菌を用いた博覧会会場の池の水質を改善する運動についてのお尋ねでございますが、博覧会の会場内の池は、ハッチョウトンボだとかイヌタヌキモといった注目すべき動植物が生息、生育しております、自然な環境が保たれた池でございます。こうしたことから、せっかくの御意見ではございますが、生態系保護の観点から、水質をなるべく変えないことが望ましいと存じます。
 ただ一方、瀬戸会場の県パビリオンでは、県民の皆様が実践されておられます環境に優しい生活の知恵だとかあるいはアイデアを御紹介する「エコの知恵袋」、あるいは自然環境保全などのエココミュニティー活動に取り組んでおられる方々にその活動内容を発表していただきます「愛知エコ・コミュニティー活動紹介」、こういった県民参加の展示や催事を展開することによりまして、「自然の叡智」をテーマとしまして、県民参加を大きな柱といたします愛知万博の成果の一つとして、博覧会会期後といいますか、博覧会後の地域づくりに役立てていこうと、そういうことを考えているところでございます。
 現在、これらの展示や催事への参加者を募集しておるところでございますので、先ほどお話のありました活動につきましても、ぜひ応募していただけたらというふうに考えているところでございます。


◯二十四番(中根義一君) それぞれお答えをいただきまして、ありがとうございました。
 初めに、EM菌の件につきまして、私ども二一会一期生の会で沖縄へ行き、比嘉先生ともお会いしていろいろな話を進める中で、やはり万博という一つの世紀に対する、そういった考え方の自然というものをどう構築していくかというのは、自然をいかに壊さないかということと同時に、いかに自然をよくしていくかという、そういった作業をしていかなきゃいけないんじゃないかということを感ずるわけでございます。
 そうした意味で、環境アセスの時点で、既にもう池へはいろいろなものは入れないということ、コイ一匹も入れないという、そういったことだそうでございますので、そういうことで理解はしますけれども、今後の取り組みとしては、やはり万博というのは、次なる世紀への第一歩だというふうに考えるならば、やはりありとあらゆる機会を通じて環境というものを考える、そういった機会にしていくべきであるというふうに思うわけです。
 私も、万博の入場券三百枚買わさせていただきました。そういったことで大いに期待はしておりますので、こういった部分について今後とも大きな取り組みをしていただきたいというふうに思います。



2004.03.11 : 平成16年2月定例会(第8号)

◯三十四番(富田昭雄君) それでは通告に従いまして、私は、歳出第九款建設費第三項河川海岸費第二目河川改良費の堀川についてお伺いをいたします。
 最近、堀川がいろいろ話題になっておりまして、堀川の浄化について市民活動が活発になってまいりました。先日も「堀川一〇〇〇人調査隊」が、堀川ライオンズクラブや市民団体が中心になりまして、小学校や地域住民を巻き込んで発足されたところであります。これは、試験的に庄内川から堀川へ導水増量の実施が予定され、堀川にどんな変化が生じたかをたくさんの市民の目で調査するものでありまして、通常でも、庄内川から堀川へ毎秒〇・三トンの導水がありますが、今回の調査は、期間限定で、最大毎秒一トン導水が増量されるようであります。「堀川一〇〇〇人調査隊」の発足は、環境がテーマの愛知万博が引き金になっているようであります。万博を愛知県で開催する以上、その中心である名古屋市の堀川から環境に取り組みたい、そんな思いが市民運動になったようであります。
 現在、国土交通省が第二期水環境改善緊急行動計画として「清流ルネッサンスII」という計画を提唱しています。庄内川水系堀川もこの計画の対象に選定され、河川における人と水生生物等が共生できる望ましい河川環境の創出を図るために、二〇一〇年における目標を定めて、これを達成するための対策が検討されています。
 その堀川でありますが、現状はどうであるかといいますと、もともと堀川は、名古屋城や名古屋の城下町と同じころにつくられた歴史ある人工河川でありまして、名古屋市の中心部を貫くように南北に流れる名古屋のシンボル的な河川であります。しかし、堀川は、自己の流れとしての水源がなく、庄内川からの導水や下水処理場からの処理水が主な水源となっています。また、延長の大部分が感潮区間であり、名古屋港の潮汐によって河川の水が滞留しているような状況であります。
 時代をずっとさかのぼれば、昭和初期から高度成長にかけて、堀川は事業所排水や生活雑排水の増大によって極めて水質が悪化し、その結果、ヘドロの堆積や悪臭の発生、ごみの累積、水生生物の減少など水環境の悪化によって、市民が背を向けるような川となってしまったのであります。
 近年は、下水道の整備や排水規制等で相当改善はされているようでありますが、しかし、まだまだ市民が憩いの場として望む水質にはなっていないようであります。魚などの生物の生息状況としても、猿投橋より上流の区間では、過去の地下鉄工事などがありまして、それに伴う湧水を放流していた期間はいろいろと姿が見られたようでありますが、現在は地下水の放流も停止し、代替として庄内川からの導水が実施されているものの、若干の自然環境の悪化が見られているようであります。中・下流部の感潮区間では、多様な生物の生息については不十分な状況が続いているように思えるのであります。
 二〇一〇年には堀川開削四百年を迎えることもあり、名古屋の母なる川として、市民の憩いの場として再生を図る必要があると考えられています。そのために、現在検討されていますこの「堀川水環境改善緊急行動計画」では、その目標とする水環境として、魚の泳ぐ姿が見える川、上流部の水辺で遊べる川、中・下流部の沿岸でくつろげる川、船遊びができるような川というような設定がされておりますが、この目標を達成するために、ゾーンごとに数値化した具体的な目標数値を定め、水質改善計画に取り組むことが検討されております。
 そこでお伺いをいたします。今まで堀川で取り組まれた改善方法と具体的な水質の改善状況をお示しいただきたいと思います。
 次に、いろいろ調べましたが、ほかの河川でもいろいろ浄化については取り組みをしているようであります。その中でも、有用微生物群を使ったような浄化方法や、木炭や、またアロエミネラルなど、いろいろな方法が試みられております。
 聞きますと、堀川でも、今までに河川水へ酸素を送り込むエアレーションの実験とか水質浄化装置による河川水の直接浄化実験など、いろいろと試みがあるというふうに聞いております。これらの実験ではどのような効果が確認されたのか、また、これからの実験結果も踏まえて、現在どのような改善計画を検討されるのか、お伺いをいたします。
 次に、堀川をきれいにしたいという市民の皆様の代表や学識者、それに国、愛知県、名古屋市の関係機関の職員が集まって「堀川水環境改善協議会」というのが行われておりますが、それに一般市民の方も傍聴しているようであります。堀川を昔の清流にという願いは強く、市民団体の方がいろいろ活動されておりますし、署名も、二十万を超える署名を集めたというふうに聞いております。このことからも、大変に堀川の水質環境には関心が高いと思われます。
 そこでお伺いをいたします。二〇一〇年の開削四百年を目標に、堀川の環境問題を行政と市民がともにどう取り組んでいくか、お考えをお聞きします。
 以上です。


◯建設部長(安田勝一君) 堀川の水質浄化についてお答えいたします。
 まず、堀川で今までに取り組んできた水質改善の方法とその改善状況についてでありますが、堀川の水質につきましては、戦後の高度成長期に年々悪化いたしまして、昭和四十一年のピーク時には、河川の有機物汚濁の状況を示しますBODの値が、堀川中流部の小塩橋で一リットル当たり五十ミリグラムを超えておりました。
 このような堀川の汚濁に対する流入負荷対策として、名古屋市は合流式下水道の整備を行い、昭和四十年までに名城処理場や千年処理場を完成しております。
 また、河川の対策としましては、県市において昭和四十年から昨年度までに約四十万立方メートルの底泥、いわゆるヘドロのしゅんせつを行っております。一方、昭和四十六年からは、水質汚濁防止法による工場、事業所に係る排水規制も実施されております。
 こうした改善策が相まって、平成十四年度現在、小塩橋におけるBODは一リットル当たり四・八ミリグラムまで改善されておりますが、名古屋のシンボルとしてさらなる水質改善の期待が高まっているものと考えております。
 次に、浄化実験の効果と現在検討中の改善対策についてでございます。
 堀川の浄化への試みとしましては、まず、エアレーション実験では、堀川の一定区間の溶存酸素量の増加が見られ、また、水質浄化装置による実験では、浮遊物質が減少するなど、効果を確認しております。
 現在、「堀川水環境改善協議会」では、いわゆる「清流ルネッサンス計画」を策定中でありまして、さまざまな水質改善対策が検討されております。
 その中で、まず河川の対策としましては、従来から行っております河川のしゅんせつを進めるとともに、さきに述べました実験結果を生かしまして、エアレーション施設や直接浄化施設などを設置することが重要な対策となります。
 次に、下水道における対策としましては、堀川沿川で整備済みの合流式下水道では、降雨時に汚水が直接河川に流入する仕組みとなっておりますので、この対策として、初期の汚濁水を貯留する滞水池を設置することが重要となっております。
 堀川の水質浄化のためには、河川と下水道が連携して適切な対策を実施する必要がありますので、早期に計画を策定し、その着実な実施に努めてまいります。
 次に、堀川の水質浄化対策を、行政と市民がともにどう取り組んでいくかについてでございます。
 堀川では、以前から多くの市民団体による河川美化活動などが活発に行われてきております。近年では、市民学習会や大学主催の市民公開講座などを通じまして、広範囲な連携が深められております。「堀川水環境改善協議会」では、市民の皆様から環境改善に関するさまざまな意見をお聞きしながら計画の策定を進めております。
 今後とも計画のフォローアップなど、行政と市民の連携を強めてまいります。
 以上でございます。


2005.12.07 : 平成17年企画環境委員会

【中村友美委員】
 EM菌を使った水質浄化が、稲沢市、岡崎市、旧足助町、南知多町などで取り組まれており、私自身もEM菌を使って生ゴミを処理している。水質浄化だけでなく、農業、畜産など様々な分野で利用されている。ところで、ここにいる環境部の方の中で、実際にEM菌を使ったことがある方は挙手してほしい。

【廃棄物対策監】
 過去に廃棄物を担当していた時に、半年間ほど生ゴミの中にEM菌を入れたことがある。しかし、臭いが出たり汁が出るなどうまくできなかったと記憶している。


【中村友美委員】
 以前、本会議で万博の池にEM団子を入れてみてはという提言があったり、実際に油ケ淵流域でEM菌を使っているという事も聞いている。そこで、県としてEM菌を使った水質浄化に対する見解を伺う。

【水環境課主幹(調査・生活排水)】
 EM菌による水質浄化効果については、他県の事例を含め情報の収集を行っているところであるが、臭いがなくなった、ヘドロが減ったなどの声はあるものの、科学的データとしては顕著な効果があったデータはない。また、県も平成6年度に岡崎市の六斗目川、平成16年度からは稲沢市の伊勢木川で調査を行なっているが、顕著な効果を示すデータは得られていない。しかし、EM菌の浄化効果については長期的な評価も必要であることから、本県としても引き続き調査を実施し、データを蓄積するとともに他府県における情報も収集したいと考えている。


【中村友美委員】
 行政は、データがないと駄目というかもしれないが、試行錯誤をしながら専門家の指導でやれば効果は出ると思う。三重県の英虞湾は専門家が指導しているようで、魚が集まるようになったとかアコヤ貝が強くなったとの報告もある。土壌の微生物が大気汚染の防止に役立つという話もあり、やっている市町村もある。水産とか農林で環境部と一緒になって取り組む考えはどうか。


【水環境課主幹(調査・生活排水)】
 EM菌には水質浄化以外、例えば底質や臭気にも効果があるとの話もあるが、有効なデータはない状況である。

【中村友美委員】
 小学校のトイレ掃除に使っているという話も聞いたことがあり、環境部だけではなくいろいろなところで使える。自分で使ってみて体験してEM菌の普及を行うことを要望する。


2007.10.02 : 平成19年農林水産委員会
【森下利久委員】
 有機農業の推進について、昨年12月に有機農業推進法が施行され、4月に農林水産省は基本方針を作成公表しており、これから有機農業が推進されると聞くが、県としてはどのように推進するのか。また、地方公共団体は推進計画の策定に当たって、有機農業生産者や消費者の意見を聞いて進めるとのことだが、南知多町では農業法人を立ち上げ、大根・ニンジン・タマネギなどを中心に30ヘクタールという大きな規模で有機農業を実践している。県はこうした有機農業を実践している農業者の意見をどのように把握しているのか。EM菌、ゼット菌、ワンダー菌などを有用微生物というが、土に合ったいいものを組成させ、悪いものは撤退させて野菜を作ろうとしている。最近は中国から農薬の多いものが入ってきており、食の安全のため有機栽培に取り組む必要がある。指導者を交えて会合をやるとも聞いているので、有機栽培の取組について伺う。

【農業経営課主幹(環境・植防)】
 南知多町でEM菌を使った栽培をしている業者は承知しており、先日話も聞いた。県としては環境保全型農業の一つに位置付け推進している。国の基本方針では、県は推進計画を立てて進めることとなっており、その中で農業者や消費者の意見を聞くことが必要となっている。今年度に入り現場に出かけて、農業者6名と流通関係者を含め8名から意見を聞いている。近々、南知多へも出かける予定である。更に、意見を聞きながらどのようにやっていくかについての意見交換会を3回予定している。第1回を近々開催するが、多数の方に集まってもらい実態把握をしたい。その中で、幅広い意見や施策に対する意見も聞きたい。


  • 最終更新:2013-11-18 19:44:55

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