戸田市(2)

平成13年 9月定例会

◆11番(中名生隆議員)

 それでは、通告順に従いまして、一般質問を行わせていただきます。
 まず初めに、EM液による河川浄化対策の進捗状況について質問いたします。6月定例議会の一般質問で、初めて、このEM──有用微生物群による河川浄化対策の質問をいたしました。三重県四日市市の中心部を流れる阿瀬知川を例に挙げて質問をいたしました。雨水排水、生活排水ともに、市民にとっては重要な都市施設であるが、近年、特に水質汚濁がひどく、最下流部の地域ではヘドロが厚く堆積し、夏場になると周辺一帯に悪臭が漂い、周辺住民からは、その早期対策が強く求められておりました。そうした状況の中、最下流にある自治会長から、阿瀬知川を守る会を発足させ、官民一体となって浄化していこうと提案され、米のとぎ汁を使ったEM液や、EMだんごの投入による阿瀬知川の河川浄化対策について現状を紹介して、戸田市におけるEMによる河川浄化対策の質問をいたしました。そのときの市の答弁では、都市整備部長からは、三重県四日市市を初めとして、全国各地で市民グループ等の活動があると聞いている。その先進事例など、実績・情報などを収集し、総合的な河川浄化対策を進め、調査・研究を進めたい。また、地元の市民団体等で、そのような取り組みの申し出があれば、市の排水路等を利用した取り組みについては、市としても全面的に協力したいと述べております。また、市民生活部長からは、本市としても、こうしたEM菌を使用した河川浄化を進めるというふうに仮定するならば、その効果とコストの検討はもちろん、EM菌とは何だというようなことを、専門講師を招いて、勉強会の実施や、先進的に取り組んだ事例結果の考察や、役所だけで河川浄化はできるものではなく、汚濁発生源対策の上からも、市民の理解と協力が大切で、広報活動も検討する必要があると言っておられます。こうした状況の中、本市では、三重県四日市市の阿瀬知川、いわき市四倉の境川などの現地を視察されたということですが、その状況と感想をお聞かせください。

◎吉田耕三 都市整備部長

  御質問1、EM液による河川浄化対策の進捗状況についてでございますが、6月議会で答弁しましたとおり、早速、三重県四日市市を現地視察いたしました。そこで、EMを利用した阿瀬知川の浄化対策の経緯などにつきまして、市職員やボランティア団体の代表の方から詳細な説明を受けるとともに、現地において、その効果を確認したところでございます。まずそこで感じましたのは、EM菌を利用した河川浄化については、継続して行う必要があるということから、地元のボランティア団体や自治会等の協力が非常に重要なものになるということを痛感した次第であります。また、四日市市は、やはり戸田市とは地勢、あるいは立地条件等が相違しておりまして、実績・効果など未確認の部分もございますので、さらに多くの先進事例の情報を収集し、総合的な浄化対策を進める中で、市内のどのような箇所に使用すれば効果があるかなどにつきまして、引き続き調査・研究を続けてまいりたいと考えております。今後は、また、地元のボランティア団体などに対して、どのような支援ができるかなどについても、あわせて検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

◎栗原俊雄 市民生活部長

 件名1の御質問の、EM液によります河川浄化対策の進捗状況と、視察の感想ということでございまして、御答弁申し上げます。
 まず、6月の市議会定例会におきまして、中名生議員より、EM菌によります河川浄化についての一般質問がなされたところでございますが、その後、EM菌を扱っております会社の方に市役所に来ていただきまして、都市整備部関係と市民生活部関係職員の出席のもと、EM菌につきましての詳細についての説明を受けたところでございます。また、前回の質問の中で、EM菌の「EM」につきまして申し上げたところでございますけれども、このEMというのは、開発者でございます琉球大学の農学部の比嘉照夫教授が名づけた造語でございまして、英語の「有効」──いわゆるイフェクティブのEと、それから「微生物群」──マイクロ・オーガニスムスの頭文字を合わせまして、EMというようなことで、略称になってございます。これは大変、人間や家畜、あるいは作物にとりまして有用でございます乳酸菌、並びに酵母菌、放線菌、光合成細菌等の微生物を複合培養いたしました液体のことでございます。有害微生物によりまして有機物は腐敗し、金属であるとか、あるいはコンクリート等を酸化・劣化していくものに対しまして、このEM菌につきましては、発酵系の微生物でございまして、酸化を防ぐことのできる抗酸化物質をつくり出すというようなことで、大変有効なものであるというふうにお聞きをしたところでございます。
 また、視察の関係につきましては、都市整備部長の方で報告申し上げましたとおり、早速、議員の質問の中での事例紹介がなされました三重県四日市市や、他の情報からの、福島県いわき市の四倉町、そして茨城県の取手市へ、環境クリーン課の職員を分散させまして、視察に行ってまいったところでございます。その状況につきましては、私の方からも、感想につきまして申し上げたいと思いますけれども、まず初めに、三重県四日市市の視察について申し上げますが、6月の一般質問の中で、三重県四日市市の河川浄化の取り組みについて、大変成果が上がっているということが紹介されたわけでございますけれども、本市におきましても、河川の浄化対策が最重要課題ということで認識をいたしておりまして、また、現在進めております環境基本計画の中でも、河川水質の改善を取り上げているところでございます。そのようなことで、潮の干満の影響、あるいは市街地にございます河川ということで、大変、本市と類似しているということが言われておりまして、早速、四日市市の阿瀬知川の浄化について、去る8月28日、火曜日ですけれども、視察に行ってまいりました。で、四日市市の人口につきましては、人口30万人ということで、特に伊勢湾岸有数の工業都市でございまして、石油化学を中心といたしました四日市コンビナートのある町ということで、大変有名でございます。また、市の職員から案内をされました、この阿瀬知川につきましては、市街地の中心部を流れる幅員5メーターから、下流部におきましては10メーター程度ございますけれども、延長が6キロの、比較的小さな川でございました。そして、平成12年9月から週に1回の、1トンほどのEM液を投入いたしまして、また、ヘドロのあるところにつきましては、EMだんご──だんごにした形のものを投入し続けたということでございます。そして、この投入し続けまして半年が経過した段階で、ヘドロの状態が変化を見せ始めまして、今までヘドロで埋まっておりました昔の橋げたの基礎部分が見えるようになったり、大変効果があらわれてきたということの報告を受けたところでございます。また、今まで、どぶ化しておりまして、ヘドロがたまって、実際、水際に行きますと、大変悪臭がきつく、近づけないような川であったということでございまして、我々が視察をした時点では、透き通るような水で、小魚も多数泳いでおりました。で、特ににおいもなく、1年間ぐらいでこんなに回復するのかなと、大変驚いた次第でございます。ただ、このEM液の培養液を定期的に継続して流さなきゃならないということがございまして、当市におきましては、ボランティア団体と周辺住民である自治会の全面的な協力態勢と、市の支援態勢の中で行ってきたということでございます。また、現在は最上流部で、1日60リットルのEM液を、自前の自動装置によりまして継続投入をいたしているという状況でございます。何といっても、自分たちの手で、身近な自然を回復できることの楽しさが、いわゆる住民意識等、行動を変えまして、市民参加型へと発展したことが、大変感動を受けたところでございます。今後については、他の河川や、あるいは排水路の浄化に発展をさせまして、また、NPOの立ち上げを行い、官民共同体制の中で、きづなを強化いたしまして、市全体の態勢の中で、この河川浄化に向けてまいりたいというお話でございました。以上が四日市市の状況でございますが、こちらについては私も視察に参加をさせていただいたところでございます。
 次に、福島県のいわき市の四倉町について申し上げます。人口が1万7,036人の町でございます。ここではNPOの中心者が技術指導をしっかり行っておりまして、市民団体の方々と行政との連携が非常にうまくいっております。特に四倉町の、境川というのがございまして、これの河川浄化につきましては、全国でも最も早く取り組んでおりまして、実績を挙げ、他県から、または、あるいは環境省からも視察に参ったというほどのところでございます。で、実例といたしましては、河川浄化によりまして、ウナギの稚魚が多数、この川に戻ってきたということでございます。
 続きまして、取手市についてでございますが、人口が8万2,396人という市でございますが、四倉町同様、NPOと行政が非常にうまくタイアップをいたしておりまして、ごみの堆肥化並びに河川浄化に多大な実績を挙げたというところでございます。
 以上が視察をした状況でございますけれども、現在、本市におきましても、笹目5丁目、6丁目、7丁目、そして美女木6丁目、7丁目の地域住民の有志16名によりまして、「戸田EMピープルネット」という組織を平成13年の8月に立ち上げたということでございまして、この8月から新大宮バイパス沿いの笹目3丁目側の排水路へ、このEM培養液をつくりまして、定期的に投入しているということでございます。そしてまた、お聞きしますと、ヘドロ等が浮き上がり始めまして、現在、ザリガニ、あるいは、ヒキガエルの姿が見られるようになったり、また、シオカラトンボが卵を産みつけているというような報告を受けたところでございます。今後のさらなる成果に期待をいたしたいというふうに考えております。
 大変長くなりましたが、今までの進捗状況と、それから、視察に行った報告でございます。

◆11番(中名生隆議員)

 それでは、再質問させていただきます。
 まず、今、EM液の件ですが、両部長さんからですね、三重県四日市の阿瀬知川、いわき市四倉の境川等ですね、現地視察の感想をお聞きしたわけです。このEM菌による河川浄化が、私も現場に行ったり、実際に携わってみて、非常に効果があるというふうに思うんですね。実際に私も、後なんですが、9月の1日に三重県四日市の阿瀬知川の現場に行ってまいりました。現地の人に案内してもらって、まず上流の方からですね、上流の方が非常にちょっと狭い川なんですが、水はきれいだし、本当に狭いところですけれども、そこにEMのポリタンク、約200リットル以上ぐらい入るようなポリタンクが2つ設置されておりました。これは神社の境内を貸してもらうということで、それでボランティアで、そこで立ち上げてやっているということです。で、ポリタンクが両方、何というんですか、排水のあれでつながってて、中央部分に自動弁がタイマーつきで設置されてんですね。で、時間によって、自動的にそこからEM液を流してもらっていると。で、その、さらに下流に行って、その途中にですね、おにぎり工場があるんですね。このおにぎり工場は一日に相当量、お米を炊きますので、米のとぎ汁が相当出るんですね。で、これが一時は、この米のとぎ汁にEM菌を混ぜてもらって、それで川に流していてもらったときは、よかったそうなんですが、行ったときには、米のとぎ汁の白い部分がいっぱい出ててですね、EM液が全然入っていないんですね。ですから、今はちょっと工場の方では、そこまで手が回らないのかどうかですね、そこまでちょっと尋ねることができなかったんですが、とにかくちょっと、その工場はEM液を使ってなかった。これは残念ながら。そのせいだとは思うんですけども、その直、下流には、白い、何というんですか、繊毛のような藻がいっぱい、長さ10センチぐらいで、両脇にこう、びっしりついているんですね。そんなようなことがありました。さらに、下流の方へ行って、例のヘドロがいっぱい、昨年の今ごろにはヘドロがあって、その悪臭で周辺住民の苦情がすごかったところに行ったんですが、そして、昌栄町のその町会長にも会いまして、現地の朝日橋ってあるんですが、その橋の下を見ましたら、非常に水がもう澄んでいて、底は浅いんですけれども、下の砂地が見える状態だったんですね。よく金魚の水槽なんかにあるような水藻がそこにはいっぱいありまして、20センチ前後の魚が、もう、ものすごい数で泳いでいたんですね。で、稚魚も本当に水面にいっぱいぐらいになるように泳いでいました。この川の回りをずうっとこう、自分で歩ってみたんですけれども、ヘドロ臭だとか、そういう河川の独特のどぶのにおいが全然ないんですね。ですから、そういった意味からすると、非常にこのEM液っていうのは、河川浄化に有効だなって、つくづく実感した次第です。帰りがけになったら、25センチぐらいの亀が4匹ぐらい、そこに住んでいるそうなんですけれども、それがちょうど上がってきて、そういう場面もあったんですけれども、とにかくそのような状況がつぶさに見てきた状況です。こういうような、非常にボランティアで、しかも安いあれで、ほとんど費用なんてかからない状況で、こういう河川浄化ができるならばですね、この戸田市の似たような条件の上戸田川とか菖蒲川とか笹目川に、これぜひ今後、EM投入を検討していきたいと、そういうふうに思っております。そういった点でですね、先ほど吉田部長さんの方からございましたように、ボランティアに対して協力態勢、で、栗原部長さんの方からもありましたけども、そういうような態勢が非常に必要かと思いますのでですね、今後ぜひ、その支援態勢を強力に進めていただきたいというふうに思います。
 で、もう1点はですね、県の施設である荒川左岸終末処理場が、笹目5丁目、6丁目、7丁目にまたがってあるわけですけれども、それとあと、この施設長と、あと、県の都市部下水道課の課長あてにですね、ぜひこの処理場所在地の戸田市として強く要望していただきたい件があるんですが、それはボランティアの方がですね、できるだけ早く荒川左岸排水路、そこの排水路にもEM液を流してみたいという要望があるんですけれども、ただ問題はですね、今の下水道システムですと、遠くから汚水が、上尾の方からどんどんどん流れてくるわけですけれども、さいたま市からも相当量流れて、しかも下流の川口からも逆にポンプアップして、こっちに流れてきているんですけれども、それが分水槽に集まって、そして各水処理施設に分配されてって、その曝気槽、まあ、汚物は除かれますけど、あと残った汚水を曝気槽でバクテリアによって汚物を食べさせて、そしてその上澄みを取っていって、浄化水としているわけなんですけれども、その浄化水に最終的には、そのバクテリアも含めて全部殺菌するようにして、塩素をこう、ぶち込んでいくわけですね。この塩素を多量に含んだ水が浄化水として荒川左岸排水路に放流水として流されておりますので、EM液をここへ流すとすると、逆にEM液が塩素によって駆逐されちゃうといいますかね、殺菌されちゃうような今、状況でありますので、すぐにそこに流せない今、環境にありますので、できたら早急に県の施設、終末処理場と都市部下水道課の担当者の方に早急に、このEM研究に取り組んでもらって、何というんですかね、塩素を入れないでも、河川の浄化にはなるような、そういうことをやっぱり早くシステム化していただきたいというふうに思っております。で、ちなみに三重県ではですね、下水道システムを、このEMで行っているというふうに私もお聞きしました。この、EMで行うことによって、その終末処理場から出る、燃やした灰だとか、あと、そういう汚泥なんかも、要するに飼料として使うことができる。今までですと、コンクリート会社にお金を出して、混ぜて、その残灰を処理したり、または遠くは福島とか、そういったところに、最終処分地に捨てている状態ですから。今、その最終処分地も非常に少なくなってきていると、こういう状況であります。それとあと、荒川左岸排水路の終末処理場から出ている、荒川に出ている水門周辺の今、汚物が非常に問題になっている。こうやって、台風とかですね、そういった大雨が降ると、どうしても合流式ですから、そのまま処理し切れないまま荒川に放水してしまう、汚水をですね。それで、その後、あの周辺の人たちが悪臭で非常に苦しんでいると。そういったことも、EMを使う効果があるんじゃないかなというふうに思います。そういったこともチャンスでありますので、ぜひ県の方に、そういったEM使用についてですね、市の方からもちょっとプッシュしていただきたいなというふうに思っております。これはよろしくお願いしたいんですけども、お答えください。

◎吉田耕三 都市整備部長

 中名生議員の再度の御質問にお答え申し上げます。
 荒川左岸排水路の浄化対策としまして、お話にありましたとおり、現在、荒川処理センターから、一日2,000立方メートルの処理水を浄化用水として導水しております。市といたしましては、さらなる浄化のために、その増量を県にお願いしているという経緯もございますので、お話のEM菌を利用した浄化との関係につきましては、市の考え方を整理しまして、資料などを整え、県と調整してまいりたいと存じます。

◆11番(中名生隆議員)

 それでは、最後の質問にさせていただきます。
 今、EM菌については、下水処理場の方に、都市整備部長の方で整理をして、一応要望を出していただけるということですんで、よろしくお願いいたします。先日ですね、テレビで環境ホルモンの番組が放映されたんですけども、我々、使用した下水道水だとかですね、生活雑排水によって、今や、こう、海がだんだん汚染されていると。で、合成洗剤から生成されるノニルフェノール等の環境ホルモンによる、目に見えない汚染物質がですね、我々の、こういう荒川等から海に流れ出して、深くは日本海溝の最も深い、あの8,412メートルの深海のみならず、北極海のアザラシまでが汚染されているという、今、状況だそうです。そのアザラシの肉を食べているイヌイット、まあエスキモーですけども、その新生児の中にも奇形児が生まれてきているというふうに今、言われております。そのような、地球規模の環境汚染を引き起こしている原因は、我々、文化的生活されている習慣から起因されてくるわけなんですけども、このEM菌の中にはですね、こういった有害物質を浄化して、抗酸化物質を生成する光合成細菌、有機物を発酵して有機酸を生成する、または病原菌の繁殖を抑制する乳酸菌、また、堆肥や肥えた山土などに多く含まれておりますけども、難分解性の有機物を分解するほか、病原菌の繁殖を制御する放線菌など、そういう、食品加工にもさまざまに利用されている、安全な有用微生物群、まあEM菌なんですけれども、これを活用した環境改善活動、このボランティアをすることは非常に大事なことじゃないかというふうに思います。知らず知らずとはいえ、私たちは文化的、科学的な生活によって、地球環境汚染の片棒を担いできてしまっているわけですので、我々の責任としてですね、このようなことから、こういうEMを流すようなボランティア活動を支援していくためにもですね、このEMの資材等の提供について、これ、ぜひ、市の方でも検討していただきたいというふうに、これ、要望いたしますので、よろしくお願いいたします。

平成14年 3月定例会

◎神保国男 市長 

 平成14年第1回市議会定例会の開催に当たり、議員各位におかれましては、新年度の予算案を初めとする重要な諸案件の御審議のため御参集をいただき、厚く御礼申し上げます。
 また、このたび議案審議に先立ちまして、正副議長選挙を初め、議会関係の各役職の選任等を滞りなく終了されましたことは、御同慶にたえない次第でございます。どうか今後とも、市民のため、また、市政進展のため御尽力くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、この機会に、私が今後の市政に臨む所信の一端、予算編成方針、さらには主要施策等について申し述べ、議員各位並びに市民の皆様の御理解と御協力をお願いする次第です。

(中略)

 次に、環境と市民生活について申し上げます。環境については、戸田市の環境問題と対策を体系化した環境基本計画に基づき、市民・事業者・行政が一体となった環境活動を推進してまいります。そこで、環境基本計画推進事業補助金等の創設を進め、環境活動等を行う団体を育成してまいります。
 また、河川の水質浄化については、EM拡大活性液を製造する装置を購入し、環境活動等を行う団体などと共同により、環境活動を実践してまいります。
 一方、本市が循環型社会を形成していく上で最大の課題は、ごみの減量化と廃棄物処理です。これまで、焼却処分されてきた包装紙等雑紙とプラスチック類については、きめ細やかな分別収集を進め、新たに稼働するリサイクルプラザにおいて資源化してまいります。また、生ごみを堆肥にかえる電気式ごみ処理機の本格導入などにより、ごみの減量化に努めてまいります。

平成14年 3月定例会

◆11番(中名生隆議員)

 おはようございます。
 それでは一般質問をさせていただきます。
 まず初めに、EMによる生ごみ減量化についてお伺いいたします。大量生産と大量消費は、使い捨てのライフスタイルを生み出しました。捨てられた大量のごみは焼却されてしまうのですが、ごみの焼却炉から猛毒ダイオキシンが発生していることが、厚生省の調査で明らかにされました。使い捨ての生活が猛毒を生んでおります。猛毒ダイオキシンから身を守るために、大量に捨てられるごみの問題を解決しないと、私たちの健康、子供たちの未来が危ないとさえ言われております。昨年、厚生省は、全国の公立ごみ焼却場から排出されるダイオキシンについての調査結果を公表いたしました。その報告によりますと、1,496の公的焼却場のうち、排出量が1立方メートル当たり80ナノグラム──ナノグラムは10億分の1の基準値、を超えて、緊急措置が必要とされる施設が、全国に105カ所もあるということでございます。さらに、この1立方メートル当たり80ナノグラムの数値は、言いかえると1億分の8グラムになり、かなり小さな数値に思えますが、実はドイツなどの規制に比べたら、800倍も高い数値であります。ちなみに、ドイツ、イギリス、オランダ、スウェーデンでは、0.1ナノグラム以上のダイオキシンが排出されると、焼却炉が閉鎖や罰則にされてしまいます。日本では、こうした焼却施設が全国で民間を合わせると1万2,000カ所もあります。今まで全国のごみ焼却場の煙突から排出されたダイオキシンは、過去10年間で、およそ15キログラムにもなるそうです。このダイオキシンは、12キログラムで日本国民全員が死亡すると試算する学者もおります。それは、空気中から地上におり、土壌を汚染し、雨などによって川や海へ流れ出しています。水に溶けにくく、半永久的に毒性を失わないで、魚介類や農作物、牛乳等に入り込んだ食物を最終的に食べるのは、私たち人間です。特に問題なのは、母乳にダイオキシンが多く含まれており、厚生省の調査結果では、1日の許容量を平均7.2倍も超えた数値が出ており、体重1キログラム当たり72ピコグラムであると言われております。このことから、母乳の子供に多いアトピー性疾患とダイオキシンの関係や、免疫性の悪影響が心配されております。1990年に日本全国の年間のごみ排出量が5000万トンを超えました。環境意識の薄い日本に対し、日本の環境政策の見直しを迫るため、本年1月9日にOECD──経済協力開発機構が日本に対して勧告案を求めてきました。勧告案は、環境税など経済的な手法を使い、経済社会活動に環境意識を織り込む重要性を強調、一般廃棄物の排出削減のため、家庭からの排出量に応じて処理料金を支払う、家庭ごみの有料化を求めてきております。やがて年間のごみ排出量2万トンを超える戸田市でも、有料化される時が来ると思います。さらに、戸田市のごみが焼却されたダイオキシンを多量に含まれた焼却灰は、現在、県の最終処分地と群馬県や奈良県の処分地に、戸田・蕨を含む年間6,500トン以上の灰が捨てられておりますが、これも、いつまで続くかわかりません。熊谷市にある太平洋セメントでは、ごみの焼却灰を無害化して、普通セメント減量化するシステムがありますが、戸田・蕨の焼却炉は流動床なので、ばいじん扱いとなり、塩素分が多く含まれておりますので、現状では受け入れられないということであります。このように、国においても、本市にとっても、多額の税金を使っても、だれも喜ばないのが、このごみ問題であります。神保市長の施政方針の環境と市民生活の中にも、本市が循環型社会を形成していく上で最大の課題は、ごみの減量化と廃棄物処理であることを訴えております。ごみを幾ら減量しても、必ず出てくるのが、食事に関連した生ごみであります。その量は、家庭ごみの40%前後を占める大きな量ですが、この処分方法は焼却なのです。もし生ごみを埋め立てに使うと、ネズミやハエが大量に発生して、病気などを媒介するおそれがあり、非衛生的だということから、焼却方法が従来からとられております。ところが、その生ごみが、意外にもダイオキシン発生に深くかかわりがあります。生ごみに含まれている水分が多いと、焼却のときにエネルギーが余分にかかり、不完全燃焼が起きる原因となっております。厚生省では、ダイオキシンを出さないための6つの条件を発表しております。その中に、850度C以上、できれば900度C以上での高温焼却することとし、そのためには、生ごみを分離し、堆肥化することの必要性を訴えております。そこで、生ごみを堆肥化する一つの方法として、生ごみを発酵させる働きのあるEM──有効微生物群を活用すると、従来のコンポストのように腐敗・分解する悪臭や、ウジがわくことなく、短時間で良質の有効堆肥化ができます。しかも、この発酵させる資材として、EMボカシと密閉容器さえあれば、だれでもすぐに実行できます。一番やっかいものと思われていた生ごみも、扱い方さえ心得れば、再資源としての活用も十分可能であります。名古屋市の隣にある岐阜市では、人口41万人で14万世帯もありますが、ここでごみ分別収集の最後の難関として、生ごみの分別収集と堆肥化に向けて、岐阜市と市民NPOが協力して取り組み、生ごみ専用の収集袋の開発や、より市民が継続的にできるシステムを考案いたしました。平成15年には岐阜市14万世帯、約41万人の生ごみ約3万トン推定量の堆肥化を目指しております。そのほか、茨城県取手市の生ごみ分別収集と堆肥化や、愛知県海部郡蟹江町などが、行政・議会・ボランティアが一体となり、生ごみ減量化を行っており、そのほか各地で、この事業が進められております。生ごみが各家庭で、だれにでもできる、その決め手となるのが生ごみを発酵させる資材であるEMボカシと生ごみ処理容器なのであります。新鮮な生ごみを、水をよく切り、容器の中に生ごみを入れて、ボカシを二、三十グラム振りかけます。あえるようにしてビニール等で中ぶたをして、上ぶたをする作業を繰り返して、容器が8分目になったら、2週間ぐらい日光に当たらない場所に置く。容器の下から発酵液が出るので、下水やふろ場、流しの排水口に流すと、嫌なにおいと、ぬめりがなくなる利点があります。花壇や鉢植えには、週に1回程度、1,000倍から2,000倍に薄めて散布すると、良質な肥料となります。2週間ぐらいたった生ごみ堆肥を土に交ぜて土に生めると、冬場は1カ月ぐらいで土に戻ります。また、プランターにも使えます。さらに、家庭で土に返すことができない家庭では、容器がいっぱいになった時点でごみ袋に入れて可燃物ごみとして出すことによって、今まで出していた回数より、生ごみを捨てる回数がかなり減ることとなります。少人数の家庭では、月一、二回で済みます。また、EM処理した生ごみは抗酸化物質に変わり、キノンやエステル系、ミネラルなどが含まれ、焼却効率を高め、完全燃焼を促進し、ダイオキシンなどの化学物質を抑制する働きがあると言われております。このように、さまざまな利点のあるEM生ごみ処理器に対しての助成制度を積極的に行うべきと思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
 次に、1の(2)の、ボランティア団体に対しての支援体制についてお伺いします。EMによる生ごみ減量化運動が自治体で行われている発端は、ボランティアから始まっております。こうした市民のボランティアの運営には、容器購入や、ボカシづくりに必要な資材の購入、講習会の開催など、さまざまなノウハウの習得や伝達等の運動が必要となります。こうしたボランティア団体に対して、楽しく継続できる支援体制を行政としても行ってほしいと思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
 次に、1の(3)、地域のモデル事業についてでありますが、本市でも生ごみの減量施策として、コンポストや電気式生ごみ処理機等の普及に努め、堆肥化を進めておりますが、家庭での堆肥化は自宅農園等に利用されるにとどまっており、課題も多くあり、利用拡大にやや鈍化の傾向があります。そこで、家庭での堆肥化の推進のみでなく、生ごみリサイクルの普及に対して、もっと積極的に市民ボランティアと行政との施策として取り組んでいただきたいと思います。例えば、モデル地区の市民の協力を得ながら、講習会の開催や、生ごみ処理器やEMボカシの購入制度を行う、堆肥化した生ごみを土に生めるモデル用地の選定、生ごみの回収方法、肥料実験と活用技術のレベルアップの研究、モデル地区ボランティア市民との情報交換等、さまざまに考えられますが、こうした地域のモデル事業を行うべきと思いますけれども、どのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。

◎栗原俊雄 市民生活部長 

 中名生議員さんの御質問の件名1、件名2につきまして、順次、御答弁申し上げます。
 まず初めに、本市の生ごみ処理機器への補助状況について申し上げたいと存じますが、現在、生ごみ肥料化容器──いわゆるコンポスターでございますけれども、1基につき3,000円の助成を、平成4年度から実施をいたしておりまして、補助件数にいたしましては、平成14年1月末現在でございますけれども、延べ件数といたしまして1,580件という状況になっているところでございます。また、本年度、新たに電気式生ごみ処理機につきましても、試行的に助成制度をスタートいたしまして、補助として1基につき2分の1以内、限度額として3万円ということで助成をいたしているところでございまして、現在、54人の方々に助成をいたしたところでございます。
 1点目の御質問の、EM生ごみ処理容器に対しての助成制度ということでございますけれども、コンポスターにつきましては、庭ですとか、あるいは畑が必要でございますが、EM生ごみ処理容器につきましては、台所等、室内に置くことができ、また、集合住宅でも使用ができる。さらには、生ごみの減量化が促進されるということで、新年度から、これらEM生ごみ処理容器につきましても、補助対象に含めることで検討をしていきたいというふうに考えております。
 次に、2点目の、ボランティア団体に対する支援体制ということでございますけれども、現在、策定を進めております環境基本計画の中でも、この計画を推進するために、市民や環境団体等の情報交換の場といたしまして、環境ネットワークの組織化を予定しているところでございます。このようなことから、各種環境団体におかれましても、こうしたネットワークに参加をしていただきまして、それぞれの得意分野で、よりよい戸田市の環境を目指していただくということを考えております。また、こうした活動に対しまして助成をしていきながら、より一層の環境意識の高揚を図ってまいりたいというふうに考えておりますので、どうぞ御理解を賜りたいと存じます。
 続きまして、3点目の、地域のモデル事業ということでございますが、環境への取り組みにつきましては、地球で考え、また地域で行動する、そしてまた、できるところから取り組もうというのが基本でございますので、ぜひ地域の活動を進めていただきたいというふうに存じます。また、EMで処理されました生ごみの肥料化と、そしてまた野菜栽培への応用など、地域でのごみ資源化の循環が行われることによりまして、循環型社会実現の一環ということになりますので、大いに進めていただきたく、お願い申し上げる次第でございます。御質問のモデル地区の指定や、あるいは地区内での人々との連携等につきましては、地区の方々や行政との協働ということが不可欠でございますので、十分協議をしてまいりたいというふうに考えておりますので、これにつきましても、よろしくお願いを申し上げるところでございます。

◆11番(中名生隆議員)

 それでは再質問させていただきますけれども、まず、EM生ごみ処理容器に対してですね、先ほど市民生活部長の方から答弁がございまして、早速、本年度から実施していただけるということで、これは各家庭にとってもですね、購入しやすくなると同時に、ごみの環境について、これをやり始めると、恐らく、すごく環境意識が高まりますので、非常に市の環境にとってもいい方向に向くんじゃないかというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 で、1の(2)の、ボランティア団体に対しての支援体制について、ちょっと若干、もう少しお聞きしたいんですが、環境ネットワークの参加によって、支援体制を行っていただくということですけれども、ボランティア活動っていうのは、楽しくですね、継続的に活動ができることが非常に大事な要件でありまして、戸田市のように人口が急増してきている。で、市では、ごみの増加によって、環境汚染問題や、先ほど言いましたけども、最終処分場の確保の問題というのは、非常に喫緊の課題になってきております。このごみの排出量と資源化を行うことが、これは非常に大事なものでありまして、1回目質問したときにですね、岐阜市の例を挙げて、岐阜市では来年度に約41万人の生ごみ──推定量ですけど、3万トンを堆肥化するっていうことなんですね。大変なことなんですけども、これを、ここまでこぎつけるには、約10年ぐらいかかっております。ですから、今すぐに戸田市でもっていうわけにはいきませんので、まずはボランティアから、できるところからということで、そのボランティア活動を、やっぱり楽しく継続的に、無理なく、で、無理のないということは一番大事なことではないかというふうに思っております。で、1年間を通して活動するためには、やっぱりお金もかかりますし、会費が必要なんですけれども、ボランティア、自分の体を奉仕して、会費まで出して、そこまではちょっとできにくいという声もあるんですよね。これは、そのとおりかなというふうに思っております。また、ある会では、もう非常に、会費を取っているけれども、会費を値上げするのがとても大変だというような、そういうところもあるそうです。そういう、活動するための、会場だとか光熱水費だとか用地費などですね、こういった状況というのは、一部の会員さんにお願いしちゃってですね、その会員さんに負担をかけることは、非常に多くなるというふうに思っています。そうしたさまざまな生ごみ減量化の事業を展開していくために、その負担は増大してまいりますけれども、1回目の答弁ではですね、環境ネットワークに参加していただく、そういうボランティア団体に対しての支援体制を行っていくということなんですけども、今後このような、ボランティア団体が楽しく、無理をしないで、なお継続的に、そういう啓発運動を推進していくためには、もう少し具体的に、さまざまな体制がないのかですね、そこら辺のところ、もう一回ちょっとお聞かせください。
 それと、地域のモデル事業についてでありますけれども、EM生ごみ処理容器を使用した人は、やっぱり環境にすごく意識が高まっていきますから、せっかく、この容器で堆肥にしてきた、まあ、1カ月近くかけてですね、ごみを捨てないで堆肥にしてきたんだから、それを土に返してみたいという人も結構いるんですね。で、この生ごみ処理は、一番理想的なのは、自己完結型というか、そういう方法が一番いいんじゃないかと。自分のごみですから、自分で出したものは自分で始末して、自分で作物を育てる、そういった楽しみがあれば、余計ですね、いいんではないかなと。で、岐阜市のボランティアの例を挙げますと、プランターなんですが、長さが40センチ、幅が28センチ、高さが50センチぐらいの、ちょっと大きめのプランターにですね、EMで熟成した生ごみを10リットル入れて、土と混ぜて、1カ月ぐらいビニールをかけて熟成させます。で、そこに園芸屋さんからプチトマトの苗を2本買ってきて、植えて、その途中から、そのプチトマトをまた2本に分けてですね、熟成したプランターの土に4本植えると。で、1個のプランターでほぼ年間収量は500個。プチトマトが都会のマンションやベランダでも、約半年間ミニトマトを食べられるという、そういうあれがあるんですね。で、もし、自分のところからの生ごみ堆肥でですね、そういう、つくった無農薬野菜で安全なものが食べられるんです。またさらに、この生ごみ堆肥の土でつくったプランターの花づくりですね、こんなことが楽しめる、マンションとか、そういったところでも楽しめるとしたら、これは非常に環境に対しての啓発もすごく優れたものになってくるんじゃないかなというふうに思います。こうしたボランティア活動に対して、モデル事業というのは、戸田市の環境基本計画の、「戸田の取組3原則」ってありますけれども、「環境にいいことが得になるような仕組みにしよう」という、そういうスローガンがあるんですね。これに非常にぴったりしているんじゃないかなっていうふうに思っております。ですから、地域のモデル事業として、こういったことを指定して、ボランティアと行政で力を入れていくべき事業かなというふうに思うんですが、ここら辺についてちょっと、もう一回お聞かせください。

平成14年 6月定例会

◎厚生常任委員長(中名生隆議員)
 厚生常任委員会の報告を申し上げます。
 当委員会は、去る5月8日から10日、社会福祉事業に関する調査の一環として、青森県弘前市、秋田県鷹巣町、また、民間施設ではありますが、青森県森田村にある知的障害者更生施設「つがるの里」を視察してまいりましたので、その概要を順次、御報告申し上げます。
 初めに、「つがるの里」について申し上げます。本施設は、知的障害者福祉法に基づき、東京都委託施設として平成7年10月1日に設置された知的障害者更生施設であり、18歳以上の知的障害者を入所により保護するとともに、生活指導や作業指導を行い、障害を乗り越えて社会参加を準備させることを目的として、社会福祉法人健誠会が運営しております。現在の入居者数は、東京都から72人、青森県から8人の、計80人であり、そのうち、重度の障害の方が50人、中軽度の障害の方が30人であります。
 施設面での特徴としては、バリアフリーに配慮したオールフラットのトイレ、洗面所、全室から直接屋外へ避難できる防災面の配慮、コンクリートを断熱材で包み込む高気密断熱材を取り入れているところであります。また、運営面での特徴としては、入居者を「ちゃんづけ」「君づけ」で呼ぶのではなく、「何々さん」と呼ぶことから始め、「入居者」を「ゲスト」、「指導員」は「スタッフ」と改め、世話をしてあげているという意識から、スタッフ一同「サービスをさせていただく」という意識に切りかえ、入居者支援を行っている点であります。また、入居者が行う日常作業の中で特徴的だったものは、施設内の給食から出る1日約50キログラムの残飯・生ごみをEM菌によるボカシ作業で発酵・粉砕・乾燥させ、肥料づくりをしているという作業活動でありました。施設担当者によりますと、この作業活動により、開設以来5年間、施設内の生ごみは全量EM乾燥肥料になるので、業者による生ごみ処理はゼロであり、「つがるの里」の運営目標の一つである「安心で安全な食生活と地球環境保全」を実施しているとの説明でありました。
 委員から、待機者数について質問があり、約1,000人いるとのことであります。また、東京都委託施設ということで、東京からの入居者は、遠距離ということもあり、慣れるまで大変ではないかとの質問に対しては、入居した当初は、ホームシックにかかり、無断外出したり、多少荒れたりしたが、慣れてくると次第に落ち着いてくるとの説明でありました。

◆11番(中名生隆議員)

 おはようございます。
 それでは通告順に従いまして一般質問を行わさせていただきます。
 まず初めに、総合的な学習の時間について質問いたします。平成14年度より、全国の小中学校で総合的な学習の時間が本格的に実施されることになりました。文部科学省では、子供たちに、みずから学び、みずから考える力や、学び方や物の考え方など身につけさせ、よりよく問題を解決する資質や能力などをはぐくむことをねらいとして、創意工夫をしながら、具体的な学習活動を定めていただきたいということですが、各府省庁・関係団体の支援体制や情報提供が多種多様でありますが、目的を絞り込むことが大きな課題となっております。例えば、国際理解・情報・環境・福祉・健康などについての、横断的な総合的な課題、2点目には、児童の興味、関心に基づく課題、3点目には、地域や学校の特色に応じた課題、以上のような、3点の学習活動が例として示されております。その中でも、環境教育の場として川の学習は、文部科学省が提示した横断的な、総合的な課題が示す4つの指針、すなわち、環境ばかりでなく、国際理解・情報・福祉・健康の学習の面でも、総合的な学習内容を含んでいる、国際理解としての川の学習については、川は日本だけに存在するものではなく、世界の4大文明をはぐくみ、人間と他の生命の源である。川は世界の国々においても流れ、川とともに暮らす人々に、日常がそこにあり、そうした世界の川と日本の川を広く比較することによって、国際理解の学習が可能であるとされております。戸田市は荒川の流域に沿った地域でありますし、市内には緑川、笹目川、菖蒲川、上戸田川、荒川左岸排水路などがあり、すべて荒川下流域に流入しております。このような地域の特色とした水をテーマにした環境教育に取り組む学校もふえてきているとお聞きいたしますが、教職員の環境に関する校内研修については、どのような状況なのか、お伺いいたします。また、思いやりの心、健康と体力などの、生きる力などの育成重視から、福祉や健康等の、その他のテーマについては、どのような状況であるのかも、あわせてお聞かせください。
 次に(2)の、家庭と学校をつなぐ環境学習についてであります。この件に関しては、各地方の情報と事例を通して参考にしていきたいと思います。まず、愛媛県の上浦町立小学校6年生、平成13年度の子供たちは、平成12年度の2学期から始まった6年生の環境学習で、子供たちは上浦の海洋調査隊を結成いたしました。上浦の海の状況を調査して、海を汚しているのは自分たちの家から出る生活廃水だということを知ったということです。実態はわかっても、解決する方法がわからない。生徒たちに教頭先生が、EMっていう、環境をきれいにするのがある、やってみようと提案。早速、EMによる河川浄化が始まる。13年度の6年生も先輩たちの活動を引き続き、川の浄化はもとより、川の河口部にあるヘドロがいっぱいにたまった潮だまりの浄化にも挑戦したということです。保護者や町役場の人たちも巻き込んでの大事業で、そのような中で、この前、EMを流しに行って、すごく驚きました。潮だまりの中を歩いても、足が余り埋まらないという実体験を生徒たちが語っている。最初、ひざのあたりまであったヘドロが、足が埋まらず、楽に歩けるほどに減ったということです。2年間の環境学習活動を通して、合計107回、約44トンのEM活性液を投入して、その結果として、何と約1,800トンのヘドロが減少したという、大変な成果を上げることができました。これはまさに環境を感じ取る学習であり、家庭と学校と地域とを結ぶ環境学習そのものであると思います。論より証拠、遠く離れた他地域での活動もさることながら、都会化が進む本市、戸田市においても、実際にEMを使用している河川浄化運動を行っている団体の紹介をさせていただきます。笹目、美女木、新曽地区の有志が集まり、EMを使用した環境ボランティアを立ち上げて、昨年の8月より、笹目3丁目側、大宮バイパス側の側道に沿ってある3メートル幅の鉄さく製の排水路に、EMによる河川浄化活動を開始いたしました。戸田市内在住のメンバーは21名。平均年齢は65歳以上でありますが、皆さん大変元気で、楽しく活動をしております。現場は生活廃水や雨水排水で流された大宮バイパス等の粉じん等が堆積し、ヘドロが約1メーター20以上も堆積しており、川の見えている部分は約80メートルぐらい、下流ではどぶ臭い悪臭が夏はしている状態でした。約11カ月の活動で29回のEM発酵液を、3,669リットル投入いたしました。まず初めに悪臭が軽減されました。厚く堆積していたヘドロは、少しずつ分解されたヘドロや油が水面に浮かんで、わずかの流れに乗って下流に流れております。もともと食用ガエルやザリガニ等の生物はおりましたが,EMを投入後は、カエルの姿はよく見られ、ザリガニの発生量がふえました。シラサギも見ることができました。さらに冬季に向かい、生物の姿は減少してまいりましたが、毎回の水質測定は安定してまいりました。水量の流れがごく微量なので、CODとpHテストと透視度についての測定を行ってきました。平成13年10月から14年の2月まで、CODは5ミリグラム・パー・リットルで、これは魚がすめる水質になりました。pHは弱酸性の6.7前後、透視度は25センチ以上であったのに対して、春先からの状況は一変してまいりました。水の流れが弱く、堆積したヘドロの川底がプール状態に仕切られており、目に見えたヘドロの減少は少ない状況であります。大きな壁にぶち当たった状況でした。そうした中で、EMの河川浄化効果としては、下流800メートルから1キロぐらいの地点に川の流れがありますので、EMがすみつきやすい条件があるということで、この6月6日に、約1キロ下流にある排水路河口付近、笹目南町28の14、サンウエーブ従業員駐車場付近の荒川左岸排水路との合流地点で、川幅8メートルぐらい、左右100メートルぐらいにわたり、川いっぱいに4センチから5センチぐらいの稚魚が水面に大量に発見されました。この稚魚の群れは、EM投入による効果なのか否か、まだはっきりいたしませんのですが、群れが上流や下流域に移動するのか、また、常時、この河口付近にいるのかどうか、今後、水質調査等を行って検証をしていきたいと、ボランティアのメンバーは申しております。このような河川浄化ボランティアの方々は、各地の河川浄化、先進地の視察や、さまざまな情報を持っております。このような地域の方々に、家庭と学校をつなぐ環境学習の講師として連携をとることは、非常に大切な財産になると思います。第3次総合振興計画の循環型社会づくりの推進、環境教育、環境学習の推進の中には、環境に関する講演会の開催や、情報提供の充実を図り、循環型社会づくりに向けた環境学習の推進に努めるというふうにされております。また、2点目にも、自然に親しみ、環境を守ることの大切さを理解する子供たちを育てるため、小中学校の環境教育の充実に努めるとうたっておりますので、戸田市の未来を担う小中学生が、家庭と学校をつなぐ楽しい環境学習が行えるように、強力に支援していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、プール清掃にEMを試験的に使用してはどうかということについてですが、茨城にある河内町立長竿小学校の実践事例では、観察池をEMできれいにしたり、EMボカシをつくり、給食残飯を発酵飼料にして野菜を育てている子供たちから、EMでプール清掃ができないかという提案で、実験に取り組んだそうです。実験方法は、各家庭から持ち寄ったペットボトルの水に砂糖とEMを入れて密閉し、4日から5日間かけて発酵を待ち、プールに投入し、記録を取るというものです。投入前の観察では、壁に緑色の藻がこびりついており、手では落ちませんでしたが、平成13年4月17日から5月10日まで、14回に分けて、約840リットルのEM発酵液を投入したところ、まずプールの底に茶色い塊ができ、濃い緑色に変わって、一時は底が見えなくなるほどになりました。これは、藻が分解していたからのようです。それが証拠に、壁の部分は手でこすると簡単に落ち、清掃のときは化学洗剤を使わなくてもきれいに洗い流すことができたということです。この研究により、郡内の小学校の研究発表会で銅賞をもらい、子供たちは大変喜んだということであります。このような実践例がありますので、本市でもプール清掃にEMを試験的に使用してはいかがでしょうか、お聞きいたします。

◎岡村政彦 教育長

 教育行政についての御質問にお答えをいたします。
 初めに、総合的な学習の時間について、教職員の研修の状況等について説明をいたします。4月より新学習指導要領が全面実施され、総合的な学習の時間の取り組みが各小中学校で本格的に実施されているところでございます。平成12年・13年度の移行期間において、市内17校全校が総合的な学習の時間の研究を校内研修のテーマに掲げ、環境教育を初め、国際理解、健康、福祉等に研究や実践をしてきました。中名生議員の御質問の、教職員の環境に関する校内研修の状況につきましては、各学校では総合的な学習の時間において、環境教育として、荒川や笹目川、ごみの問題や水・空気等の環境問題をテーマに掲げ、取り組み、教職員も研修を積んできているところでございます。また、昨年度、学校版ISOに取り組み、各学校で児童生徒・教職員が取り組んでいるところでございます。さらに、健康・福祉等のテーマについてでございますが、同様に、教職員が具体的に研修を積んできているところでございます。
 続いて、家庭と学校をつなぐ環境学習についての御質問でございますが、プール清掃にEMを試験的に使用してはどうかという御提案でございます。現在、プール清掃にEMを使用している学校は戸田市にはございませんが、中名生議員から、貴重な、実践を通しての情報をいただきました。プールの清掃にEMを使用し、清掃にかける時間を大幅に短縮している例を御紹介をいただきました。今年度は既に全

  • 最終更新:2015-06-15 09:16:46

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