新宿区

平成 6年  6月 定例会

◆ 十番(笹本弘子)

 質問の第四は、障害者福祉についてです。
 千葉県の我孫子市の福祉作業所では、台所の生ごみを有機肥料にするぼかしをつくっています。砂遊びの感覚で楽しみながら作業し、もみ殻の刺激やEM菌の影響で健康にもよいということです。台所のごみのリサイクルと作業所の訓練がうまくいき、一石二鳥の成果を上げています。このように実績の上がっている全国の作業所などの情報は交換されているのでしょうか。行政間の情報交換があれば、区内の関連施設にもニュースとして流してあげるべきだと考えます。そして区の作業所でも取り組める事業は積極的に支援するべきです。区内にはたくさんの障害を持った人が暮らしています。その人たちが親亡き後も地域で安心して自立生活できるような福祉の充実が必要ではないでしょうか。新宿区福祉計画では、老人と障害者の必要に応じた一体的なサービス体制の確立が打ち出されておりますが、障害者福祉の推進について実現に向けたものは具体的に出てきておりません。デイサービスや入浴サービス等、高齢者在宅サービスセンターに準ずる障害者の施設が早期に建設できるよう取り計らうべきであります。また、障害を持った人が訓練を兼ねて作業できるようなスペースや自立生活ホームなど、障害者団体からの要望に沿うよう積極的な姿勢が必要だと考えます。区長の御見解をお聞かせください。


平成 8年 11月 決算特別委員会

◆(小沢委員)

 では、ひとつ努力方をよろしくお願いいたします。
 次に、教育費関係に移ります。
 初めに、学校給食で発生しました生ごみですね。これを処理するためにコンポスト機器の利用状況をお聞かせいただきたいと思うわけです。
 そもそも生ごみの処理については、平成五年ごろより家庭のごみを処理するために、EM菌というのを使って酵母菌をつくって肥料にするという方法が考えられたわけでございます。それで、その後、本格的な対応のできるコンポスト機器が開発されて、一時は区役所の裏玄関のところにも展示をされたことがあると思うわけでございますけれども、これを受けまして、私は、平成五年の第四回の定例会の代表質問で、このコンポスト設置について質問をいたしました。その結果だと思うんですが、平成六年では、このコンポストの購入に予算が千四百十五万四千円が計上されて、二つの学校に配置をされたというふうに記憶をしているんですけれども、どこの学校に配置されたか。そして、その経費はどのくらいか。そしてまた、年間の運用費用はどのくらいかということをまずお聞かせいただきたいと思います。

◎(学務課長)

 ただいまお尋ねのコンポストの設置でございますが、委員御指摘のとおり、平成六年度に小学校に一校、西戸山小学校に設置をいたしております。このときの設置の経費でございますが、機器の備品購入費、それから設置に要します工事請負費、合わせまして四百五十万円程度執行いたしております。それから、中学校でございますが、中学校につきましては四谷第一中学校に設置をいたしておりまして、備品購入費と工事請負費、金額的には五百八十万円程度執行いたしております。
 なお、メンテナンスといいますか、ランニングコストの関係でございますが、西戸山小学校と四谷第一中学校には設置した機器が若干違いますものですから、保守経費がそれぞれございますが、金額的には少し相違をいたしております。まず小学校の方でございますが、保守関係の経費につきましては年間十万円程度でございます。それから、四谷第一中学校につきましては、保守関係の経費につきましては年間三十八万円程度というような状況になっております。

◆(小沢委員)

 約一千万円ぐらいの機械を入れて、なおかつ民間に委託をして、この機械を動かしているということであります。これが稼働に当たってはどのようになっているかということは、一番大もとでありますリサイクル課には御連絡があって報告をされているというふうに聞いているんです。それで、例えば西戸山の小学校では、これは給食の担当の方がこの機械を担当しておやりになっている。それから、四谷一中では業務委託をされているというようなことなんですけれども、それでは、一体全体、これでできました肥料といいますか、そういうものはどのように処理をされているのかお聞きいたします。

◎(学務課長)

 実際の対応でございますが、委員御指摘のように、若干対応が違っている部分がございます。これは機械の機器がそれぞれ違う関係から出てくるものでございます。西戸山小学校におきましては、週一回程度でき上がった肥料を取り出す、こういうことでございますので職員が対応しているわけでございますけれども、四谷一中の方につきましては年三回、要するに四カ月ごとに一回取り出すというようなことでございますので、これにつきましては業者の方の委託というようなことで、それぞれ取り出す手間といいますか、そういった部分が違いますものですから、そういう対応をいたしております。
 できました肥料の処理でございますが、西戸山小学校につきましても、四谷第一中学校につきましても、基本的に学校の花壇等で使用している部分がございます。ただ、これだけで使い切るものではございませんものですから、それぞれPTAですとか、西戸山小学校ですと、学校の校門等に置いて近隣の方にお持ちいただくと、こういうような対応をしているというのが現状でございます。

◆(小沢委員)

 そういうようなお話が、平成五年に代表質問をして提案しました私には何らの御連絡もないから、どのようになっているのかなと思っていたわけでございますけれども、聞くところによりますとリサイクル課の方には報告があったということでございますので、あえてそのことは申し上げません。
 ただ、今おっしゃったように、このコンポストによってどんどん肥料ができてくるわけでございます。私も多分代表質問の中で、これ、でき過ぎたらどうしようかなというようなことも言ったと思うんですけれども、やはりたとえわずかであっても、公金を使ってこの機械を設置したわけでございますので、できたものに対しては、やはり消費者センター等に持ち込んで、これを販売するというようなことも一つの方法ではないかなというふうに思うわけでございます。大変わずかなものだと思いますけれども、それもやはり、先ほど私が言いますように収入の面をきめ細かく努力するという、その監査意見書に従っておやりになってはどうかなというふうに思うわけでございます。
 ただ、問題は、こういう機械を使って非常に結果がよかったとするならば、全校的に拡大されるようなお考えがあるのか。また、この肥料が余りでき過ぎてしまって、もうしょうがないやということで、思慮をしようなんてことでいくんではないかなと思うんですけれども、その点はいかがでございますか。

◎(学務課長)

 まず、できた肥料の処理でございます。現在のところは二校でございますので、そういうような対応をさせていただいて、言うならば学校の方で花壇等で使うというようなことでございますので、そういう意味では、教育的な見地からも児童・生徒のそういった部分に役立っているのかなという気がいたします。ただ、これを実際に販売するとなりますと、でき上がった肥料の品質が問題になるわけでございます。こういった品質につきましては、やはりそれぞれ専門的に購入して使うということになると、それなりの肥料としての質が問われてくるだろうというふうに思いますので、そのあたりが少し不安かなという気はしないでもないです。
 それから、全校的な設置の対応でございます。これにつきましては、ほかの区においては全校的な設置の対応もして行っているところもございますけれども、ただ、言うならば、今モデル的にといいますか、実施をしているわけでございます。実際にでき上がりました肥料につきまして、今は業者の方で引き取るからというようなこともあるわけでございますけれども、では、設置をしてできたものは業者に引き取ってもらうということで、引き取ったものの代金はいただくにしても、それぞれ設置経費がかかる、メンテナンスがかかるということであれば、やはり教育的な見地から考えると、そういうやり方がどうなのかなという気もしないでもないです。そうしますと、全校的に設置をしていくということになりますと、十二月からごみの有料化の問題もあって、相当な予算もかかってくるわけでございますので、その辺の経費と、どういうふうに見きわめるかということは少し研究をさせていただかなければいけませんけれども、いずれにいたしましても、少し様子を見させていただいて、今後の検討課題とさせていただきたいというふうに思います。

◆(小沢委員)

 先ほどは冗談を言いまして済みませんでした。そういうようなことで、やはりある程度花壇の人たちは期待しているところもあるんです。多分公園課だと思いますけれども、老人クラブの花壇というのが各公園に設けられておりますので、そういうような利用する方法だとか、そういうことをもう少し御研究をいただければありがたいなと、こう思っております。

(中略)

◆(斉藤委員)

 おはようございます。
 各公園で伐採した木を今細かく砕いて、EM菌をまぜて、中央公園の方の木の下にまたまいているというお話聞きまして、大変すばらしいことをしていると思いまして、このEM菌というのはやはりもとの土化に戻すということで、大変すばらしい菌なんですけれども、また土木の方では、カブトムシの幼虫をかえして、各保育園、幼稚園に配るというお話も聞きました。これも大変すばらしいことだと思います。
 一つお聞きしたいんですけれども、各公園で出ました落ち葉、先ほど小野委員も質問されましたけれども、落ち葉なんかは一応すべて中央公園の方に多分集まってくると思うんですけれども、きのうやはりアメリカのニュースを聞きましたら、自分の家の前の落ち葉はすべて家の人が管理すると。その管理を怠った場合、その家の前で落ち葉で滑って、けがしたら、その持ち主が何か訴えられるというようなことにアメリカではなっているそうです。
 新宿区の場合はそういうことはなくて、道路に落ちた落ち葉なんかは各自家の前の方も掃除すると思いますし、土木の方も掃除してくれると思います。その落ち葉なんですけれども、かなりの量がこの秋にかけて、冬にかけてですか、中央公園の方に集まってくると思いますけれども、その落ち葉対策、かなりの量がこれから集まってくると思うんですけれども、今までは東京都の清掃車が来て、回収していたと思うんですけれども、毎年毎年こんなことを繰り返していますと、落ち葉の量って多いですから、何か対策というのを考えていらっしゃるんじゃないかと思うんですけれども、その辺もしあったらお聞かせいただきたいと思います。

◎(公園管理事務所長)

 ただいま斉藤委員からの御指摘でございますけれども、ごみにつきましてはさまざまな形で収集をさせていただいております。特に公園の関係でございますが、委託によるごみ、それから公園愛護会の奉仕活動によって出るごみ、それから直営作業で集めてくるごみ、それから高齢者の任意就労で集まるごみ、大きくはその四つがあろうかと思います。さらには、区民の皆様方が自主的にボランティアでやっていただけるごみもあろうかと思います。
 そのごみの中で今ちょうど時期でございますが、落ち葉、それから剪定枝というのが結構出るわけでございます。ごみの落ち葉や剪定枝の処理につきましては、リサイクルということで、地球にやさしくするために土に帰すというのが一番有効な手段ではございます。ただ、新宿区内の公園につきましては、残念ながらストックヤードなり、作業ヤードというのが非常に限られているということから、私どもは新宿中央公園、区立公園では一番大きな新宿中央公園の方に収集、集めまして、そちらの方で処理をさせていただいております。ただ、残念ながら、多くは清掃工場の方に行かざるを得ないという状況でございます。
 そういう中で先ほど御指摘のEM菌でございますけれども、平成七年度から中央公園の方でEM菌を使いまして、落ち葉を堆肥化させて、園内の肥料として使っているという状況でございます。今後、カブトムシの飼育もやらせていただいておりまして、そちらの方で使っていったりとか、さまざまな考案の中で活用を図っていきたいというふうに考えてございます。

◆(斉藤委員)

 剪定枝、要するに枝を細かく砕いて、EM菌まぜて、なさっているということは大変すばらしいことなんですけれども、その後、落ち葉がかなり多いんで、土木の方いろんなことを考えるのが得意な方々が多いみたいなので、ちょっと聞きたいんですが、落ち葉対策多分何か考えているのがあるんじゃないでしょうか。ありませんか、全然。

◎(公園管理事務所長)

 再度の質問で恐縮です。落ち葉につきましては、EM菌をまぜまして、堆肥にしまして、それを園内の樹木のために肥料として活用してございます。

◆(斉藤委員)

 例えば土になったものを中央公園だけにまくというのもあれですから、学校の方に持っていってまくとか、あと近所の方にお配りすると。近所の方もなかなかとりに行くの大変ですから、置いておいて、とりに来た人にはどうぞ勝手にお持ちくださいというようなこともやってもよろしいと思いますけれども、その辺のお考えはどうでしょうか。

◎(みどり公園課長)

 落ち葉のいわゆるリサイクルにつきましては、ただ公園のみではなく、民間の樹木の方もそういった観点からございますもので、私の方から述べさせていただきます。
 落ち葉のリサイクルにつきましては、落葉を作業といたしまして、それを収集する作業がどうしても出てくると。なおかつ、その落ち葉の中にほかのごみが入っていないか、例えば瓶だとか、缶だとか、プラスチックであるとか、そういったものを分けなくちゃならないという仕事がございます。また、その集積したものを、先ほども申しましたように一定の場所に置きまして、いわゆる堆肥化するために、一定の期間EM菌等をまぜて置かなくちゃいけないわけなんですね。そうすると、その堆肥化する期間等が必要でございますし、また堆肥化する促進剤等も必要になってまいります。場所の問題がございます。
 それから、またそれを今度はどうやって分配するかという方法もございまして、私どもこれは全く今検討の段階でございますけれども、新宿区内で発生する落ち葉を何とか一カ所等に集積して、例えば量を把握しまして、そういったような落ち葉を堆肥化するような業者さんにお願いできないかどうかというようなこともちょっと考えておりまして、それは区内で全域で発生する落ち葉を全量対象にすれば、何とか事業的に成り立つんですが、例えば車に乗せるためには十トン、いわゆる三十立米近くの落ち葉が必要じゃないと、一回にとりに来ないよとか、そういったようなお話もございまして、要は集積をして、業者さんの方に持っていくのがまた大変なことでございます。
 また、その堆肥化したものを今度は分配する方法として、堆肥化する費用として、また一立米当たり一万五千円ぐらいかかるというようなお話も聞いておりますので、例えばこれを新宿区でやった場合、直営等でやった場合、やはりそれだけの人手とまた場所が必要になるということで、今、検討の段階ではございますけれども、何とかそういったような落ち葉のリサイクルをいわゆる公園だけではなく、民間の樹木も含めまして、できないかどうか、検討中でございます。

◆(斉藤委員)

 ありがとうございます。今、リサイクル、環境にやさしいリサイクルというのも本当かどうかわからない。人にやさしいリサイクルなのかわかりませんけれども、今ごみ問題も訴えられていますし、ぜひその辺新宿区の大きい土木の方からそういう話が出てくれば、そういうことをアピールしていけば、だんだんと新宿区民一人一人が生ごみの問題とか、ごみの問題が解決されていくと思いますから、ぜひ頑張ってやっていただきたいと思います。

◆(斉藤委員

) 先ほど無所属と言いましたけれども、新宿区民クラブに訂正させていただきたいと思います。
 それでは、とりあえずEM菌を使ってのコンポストを二校でやっているということで、一応学校教育としてリサイクルに関しての教育は、その二校は行われているんでしょうか。

◎(指導室長)

 リサイクルについてのお尋ねでございますけれども、学校教育の中では環境の教育の中でそうした分野も取り扱ってございます。現在、環境教育の推進につきましては、本年度中に小学校及び中学校の児童・生徒に配布すべき環境教育の副読本を作成をしている段階でございます。

◆(斉藤委員)

 それで、その教育をしているということなので、生ごみ処理機を使って、要するにこれは北区の小学校の校長先生が言われたことなんですけれども、生ごみ処理機を設置したことによって食べ残しを含め給食から出される残滓や果物の皮や卵の殻まですべて機械で処理していますと。処理されたごみは花壇やプランターで肥料入りの土として活用できるのです。それより何より、子供たちが給食をしっかり食べるようになったということらしいんですね。要するに、子供たちがごみを出さないように、すべてなるべく食べようと、好き嫌いをなくそうという意識をコンポストの導入によって持ったらしいです。ですから各家庭でも生ごみを含めてごみを減らす努力を今続けていると思いますけれども、反対に子供たちが家庭にこの問題を持って帰って、各家庭がごみを減らすというようなことが起きないかなと、その辺はどのようにお考えでしょうか。

◎(学務課長)

 委員お尋ねのとおり、学校給食におきます残食率なども大変高いものになっております。例えば少し過去のデータになりますけれども、小学校におきましては残食率五%か六%、中学校においては一五%近い率になるというようなことでございますので、私ども給食を実施する部署といたしましても残食が少なくなってほしい。そのためには学校給食に工夫も必要だろうというふうには思っております。そういった意味においては委員御指摘のとおり、コンポストの導入によってそういう残食率が少なくなるというような効果的な部分が北区の方では出てくるというお話でございますので、私もそれは傾聴に値するお話かなというふうに今承っておるところでございます。いずれにいたしましても、このコンポストの導入はごみの堆肥化を単純にするということだけでなくて、学校で導入をするということにつきましては、やはり教育的な見地から、そういったリサイクルといった精神が根づくためのものでもあるというふうに認識をいたしておりますので、委員御指摘のような形でのコンポストの活用、導入、今進めて二校で実施しておりますけれども、そういった委員御指摘の部分についても意を用いて実施をしてまいりたいというふうに考えております。

◆(斉藤委員)

 ありがとうございます。今、土木課では伐採した枝をEM菌をまぜて中央公園にまいているということをこの間、お話聞きました。また江東区の庁舎内にごみ処理機を導入しまして、これは港区に続いて二番目なんですけれども、江東区は一日約七百食分の残飯が出ます。年間約一万七千キロ、新宿区の庁舎の食堂では一日三百食、年間、ざっと計算して約七千三百キロ、それが約十分の一になった七百三十キロということなんですけれども、食堂への導入というのはお考えないでしょうか。

◎(総務課長)

 この庁舎、今お尋ねのような状況でございます。したがって現在は設置してございませんが、来年度に向けて設置する方向で現在検討をしているところでございます。

◆(斉藤委員)

 ありがとうございます。庁舎に設置されるとなると、新宿区はやはり区民の手本にならなくちゃいけないということで、やはり区民の意識高揚のためにもぜひ頑張っていただきたいと思います。
 大変すばらしいことはぽんぽんかかって……、時間がまだまだありますので、次の質問へ移らせていただきたいと思います。



  • 最終更新:2014-11-07 07:01:38

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