東京都
東京都議会とEM
1994.09.07 : 平成6年世界都市博覧会等に関する特別委員会
◯中山東京フロンティア推進本部事業推進部長
自動販売機の設置につきましては、営業参加による導入を検討しているところでございます。
この自販機から発生いたします空き容器等につきましては、資源化、再利用を行いまして、ごみ量の抑制を図ることとしてまいりたいというふうに考えております。
紙コップにつきましても、紙コップのリサイクルができるというような方向で検討を進めてまいりたいと考えております。
◯長尾委員
ああいう飲み物の紙コップ等のリサイクルというのは、大変難しいと思いますので、あれはまた溶かして、ほかのとまぜてパルプにする形になると思うんです。
全体的なリサイクルの方法及びこれからのリサイクルのあり方について、例えばPETボトルを溶かして油に戻す装置とか、また、ごみを発酵させて、EM菌をやって新しい肥料をつくるとか、いろんなリサイクルの方法があるわけですけれども、二十一世紀の都市型のリサイクルのあり方というのを、各企業に参加してもらって、やはり新しい形を提案していただくのが、私は、同じごみを出すにしても大事だと思うんですが、そこらのお考えを……。
◯中山東京フロンティア推進本部事業推進部長
都市博におきましては、資源の有効活用の観点から、リサイクルにつきましても、積極的に推進していきたいと考えております。
会場内から発生するごみにつきましては、来場者及び各施設から出されるごみの分別を徹底いたしまして、既存の資源化ルートに乗せていきたいと考えております。
また、施設参加による企業協力を積極的に進めまして、例えば、会場で出る生ごみの一部を発酵させてコンポスト化し、会場内で肥料として再利用するなどのリサイクルを展開する考えでございます。
1994.09.21 : 平成6年_第3回定例会(第13号)
◯八番(中山義活君)
私は、大きく分けて二つの質問をいたします。
続いて、ごみの減量化と再利用についてお尋ねいたします。
都は、かねてよりごみの減量化、または資源循環型のごみ処理体制を理想として取り組んできたはずです。今定例会の知事発言でも、七月の清掃審議会の中間答申について報告がありました。ごみ減量化の具体策について、生産者、流通、販売業者による取り組みの促進、技術開発など、貴重な提言があったとし、また、年内にも最終答申をいただき、ごみの減量化を推進する施策にも、一層強化していくとの報告がありました。
しかし、知事発言の中に、消費者並びに住民という言葉が出てきていないのはなぜでしょうか。一層の減量化は、発生源でごみを減らす方式が重要であり、これまでの住民のライフスタイルの変更や意識の変革こそが絶対に必要であります。にもかかわらず、ごみ問題に関して東京都は、今まで清掃事業の移管に伴う法的な問題や、都と自治体との、また労働組合との話し合い、つまりお互いの立場上の主張に終始し、議論の中心も、最終処分場や清掃工場、清掃車の駐車場など、ハード中心に終始してきました。車内中づりのごみ移管に関する広告などを見ても、住民不在で、一般区民などにはとても理解のできるものにはほど遠いものであります。
私たち新生・友愛クラブは、本来、二十三区への事務移管は、区の自治権拡充だけでなく、より身近な自治体で、より地元住民との深いかかわりの中で、意識改革を持って知恵を出し合い、資源循環型、環境保護的なごみの減量に努めるためのものとして支持をしてきたのであります。
発生源でのごみ減量化を進めるためには、より地域に密着した取り組みが必要であり、東京都においても、将来の清掃事業の区移管もにらんで、減量、リサイクルにかかわる新しい技術について、猛烈な意欲を持って調査、研究、評価し、その成果を区に引き継いでいくこと、つまりハードの移管からソフトの移管が重要な課題と思います。この際、少しでも可能性があれば、意欲的に研究する姿勢が欲しいのであります。
我が会派でも、現在、ごみ減量、リサイクルに関して多くの技術を調査し、研究をいたしております。一例を挙げれば、生ごみの資源化に関し、いわゆるEM菌などの微生物を用いた方法があり、岐阜の可児市、香川の高松市などが大変大きな成果を上げています。
清掃審議会中間答申にもあるように、東京都においては、生ごみについてはほとんど資源化がされていないとの報告があり、大規模施設内の食堂や飲食店などの生ごみの減量化、資源化は、事業系ごみの減量化のかぎであるともいっています。
以上のことからも、我々は、特にEMなどの微生物を利用した生ごみ処理に注目し、調査を続けてきました。この場では、時間の関係もあるので、その調査結果の詳細な報告は別の機会としても、要点だけを申し上げると、EMとは、約八十種類の微生物から成る溶液で、実際の生ごみ処理には、ぼかしといわれるEMをもとにつくられた粉末状のものが用いられます。このぼかしを生ごみに振りかけることにより、中の微生物が、アンモニア、メタンガス等の汚染物質をアミノ酸や有機酸など動植物の栄養素に分解し、生ごみを良質な肥料へと変えるのであります。
EMがすぐれている理由は、一つに、生ごみであったものが肥料として再利用され、後に、有機農産物として消費者の口に戻るという循環、つまりリサイクルが住民生活の中で行われること。二つ目に、コンポストによってつくられた良質の肥料を農村部へ提供することにより、安価な有機野菜を都市部に供給できること。もちろん、このシステムを実現するには、採算性などいまだクリアすべき問題がたくさんありますが、都市と地方間とのリサイクルの有効性を考えると、実験、研究に値するものであります。
このような方法は一例であり、ほかにも各家電メーカーで開発が進んでいる事業用のコンポスターや生ごみ処理器など、いまだ減量、資源化には多くの研究の余地が残されています。
今日、ごみ問題及び環境問題は、さまざまな社会問題と複雑に絡み合っているだけに、大都市問題の中でも最も困難なものであり、また根幹をなす問題であります。それだけに、東京都が今まで同様に清掃工場、最終処分場を初め、ハードばかりの論議に終始するならば、ごみ問題の根本的な解決は望めないのであります。
清掃事業区移管についても、清掃工場などの施設の引き継ぎ同様に、調査研究の成果や管理運営などのノウハウ、つまりソフトの引き継ぎ、真に住民と向き合い、知恵を出し合った施策こそが、移管に当たっては最重要課題と考えますが、知事のご所見を伺います。
◯知事(鈴木俊一君)
中山議員の一般質問にお答えいたします。
まず、都知事選挙と私の進退についてのお尋ねであります。
私は、かねがね自分の進退につきましては、現在編成作業中の平成七年度予算や長期展望の策定など、都政の重要案件について見通しを立てた上、まず第一に、都議会の場で私の意見を申し上げるつもりでおりました。
ただいまは、都知事選挙のあり方などにつきまして、るるご高見を承りましたが、私としては、大きな関心を持って拝聴させていただきました。
次に、清掃事業の区移管についてのお尋ねであります。
ごみの減量、資源化を推進するためには、ご指摘のように、技術開発の動向やその活用方法を探るとともに、都民の意識を変革することが重要であります。区移管後、特別区が清掃事業を円滑に実施するためには、都が移管の前の段階から、地域の実情に応じたごみ減量、資源化のソフトの施策を充実するとともに、厳しいごみ問題の現状を踏まえ、レジ袋の使用抑制など、東京独自のルールや手法を積極的に展開し、その成果を引き継いでいく必要があると考えております。
- 最終更新:2013-11-18 12:41:12