狛江市

狛江市議会とEM


平成16年第3回定例会

◯ 23番(田岡 恭子議員)

 私今までもこのごみ減量を進める立場から,家庭から出る生ごみ処理に特別な関心を持ってまいりまして,調査・研究も進めてまいりました。毎年開かれます生ごみリサイクル交流会に参加をしてきたりしておりますが,ことしの交流会で感じたことは,家庭の生ごみの堆肥化についてはほぼ道筋がついたのではないかなという感じをつかむことができたと思います。一般家庭での自家処理の仕方,狛江でも行っておりますEMぼかしによるもの,家庭での機会処理によるもの,また,滋賀県水口町などでは種堆肥を使って堆肥化するやり方,桑名市などでは法人のリサイクル思考というところで衣装ケースと床材を使ってそして堆肥化をする。こうした堆肥のつくり方の講習を受けた人がこの桑名市では堆肥化を進めていると。また,ベランダでもオーケーということで,腐葉土と米ぬかを使っての段ボール箱での堆肥づくりをしているという報告もありました。ミミズに食べさせる方法,そのほかいろいろな方法があります。
 今プチトマトの会という会に狛江市でも大変協力をしていただいておりますが,この協力を得たり,市民の皆さんに呼びかけをいたしまして,そしてごみ半減新聞や広報などに投稿してもらいまして,市民一人一人に楽しく生ごみの減量を進めてもらうことを促していくことが必要だと思うのですけれども,この減量の努力を励ましていく取り組みについてお伺いをいたします。

◯ 環境部長(岡崎 幸君)

 御質問の趣旨は同感でございまして,ごみ減量は市民が主人公であり,楽しみながら取り組みを進めませんと長続きができないものだと思います。市といたしましては,市民の方々の努力されている記事などを集めてごみ半減新聞に掲載することなどを考えてまいりたいと思います。

◯ 23番(田岡 恭子議員)

 いろいろな啓発のやり方というのがあると思いますので,ぜひそれぞれが頑張れるような取り組みを進めていただきたいと思います。
 全国的には生ごみ堆肥化を全世帯拡大への取り組みも大きく進んでおりまして,この中で取手市ではモデル事業を始めて4年目となっておりますけれども,120世帯から始まった事業が現在では860世帯の生ごみを回収して,昨年度は総量で9万4,747キロ取り組んだということです。でき上がった堆肥は16トン。この取り組みは協力世帯に密閉容器1個と排出用の生分解性のプラスチック袋週1枚,ぼかし1カ月1キロ,これは知的障害者の施設で製造をさせているものです。1トントラック2台でシルバー人材センターの人に委託して週1回の回収をする。特殊な機械などを使わないでシンプルなプラントで経済的だということで,今各地から注目をされているところです。
 堆肥化の方法といたしましては,60坪のビニールハウス,そして生ごみ粉砕機,メッシュパレット,自動噴霧装置,フォークリフトなど回収したぼかしあえを袋ごと粉砕してEM散布をして水分調整等いたしまして,戻し堆肥とか粉砕もみがらと混ぜてメッシュパレットに保管をして5週間から7週間発酵,乾燥させてEM活性液散布をいたしまして,3カ月後に製品となるというものです。でき上がった製品は,モニター家庭だとか試験農場,会員に配布をされ,性能をテストしたり効果を確認しているということでございます。
 この特徴といたしましては,EMを利用してにおいとハエの発生を抑える。そして水分調整用の副資材として戻し堆肥を使用することで堆肥の在庫調整をすることができる。そして,メッシュパレット内で上下左右6面から空気が自由に入り適度に発酵するために,置いておくだけで切り返しをせずに発酵乾燥することができ,ランニングコストも低く抑えることができて画期的な方法だと言われております。
 このような取手市のような取り組みについてどのように考えられますか,伺います。

◯ 環境部長(岡崎 幸君)

 取手市の取り組みを御紹介いただきました。大変興味深い内容であると思います。審議会の中でもしばしば生ごみの資源化については,議論されているところでございます。循環型社会形成にはこの生ごみの循環が無理なく回ることを研究されなくては,ごみ問題は解決できないと認識しているところでございます。今後情報収集に努め,研究してまいりたいと思います。

平成21年第4回定例会

◯ 9 番(宮坂 良子議員)

 堆肥化したものを市民農園に入れて土づくりをしていくという方法も有効であるというようなお答えでございました。
 ここで長岡京市のエコ農園の取り組みを紹介したいと思います。生ごみの減量化・再資源化に向けた実践の場を市が具体的に提供し,生ごみの堆肥化とともに堆肥の有効な利用の実体験をしてもらい,環境に対する優しさを深め,啓発することを目的として,特に生ごみ減量のための手段として意義づけ,スタートしたとのことです。市が農園を借用し,3カ所82区画を確保したと。そして利用条件といたしましては,ぼかし堆肥及びコンポスト容器で生ごみを堆肥化し,農園で使用することです。利用料は2年間で2,000円。啓発が目的なので,2年で多くの人に参加してもらうこととしているそうです。
 担当課の方にお伺いいたしましたが,これはごみの減量を図りながら,作物の栽培・収穫の喜びを楽しんでもらいたいというふうにおっしゃっておりました。ここでは14年間続け,既にエコ農園を活用された方が1,000人参加されております。家庭からのごみの1人1日当たりの減量は12%も減となっているとのことです。そしてまた担当課の方は,応募が多く農地が足りないのが悩みとも語っておられました。このようなすばらしい取り組みが既に他市で行われております。
 また狛江市でも,既にある消費者団体が2006年4月から,生ごみを減量するためいわどみなみ市民農園の一部を活用して,EM菌ぼかしで堆肥化したものを畑に入れ,野菜をつくる実験を行っております。生ごみの堆肥で野菜づくりは一石三鳥です。
 まず1つ,何よりも土がふかふかで,その土でつくった野菜がおいしいこと。土の検査も市の責任で行っていただいており,決算特別委員会の答弁でも問題なしとのお答えでした。2つ目は,生ごみ減量が確実に行われております。そして3番目は,個人的には有料ごみ袋が少なくなり,また市としても処理費用の節約になります。1人1カ月,ここでは約20キログラム投入して年間240キログラムの減量だそうです。そして処理経費に換算してみますと,240キログラムで約1万6,800円の節約となり,ここの実験では現在3世帯で行っているそうですので,約700キログラム,4万9,000円の節約となるのではないでしょうか。
 この点につきましては決算特別委員会でも要望いたしましたが,改めて市民農園でのぼかし専用区画の設定をお願いしたいと思いますけれども,いかがでしょうか。

◯ 市民生活部長(小川 浩志君)

 来年度,たなかばし,しらはた,いわどみなみなどの5つの市民農園が改選時期になります。そこで,これにあわせまして改選する各農園の1区画を生ごみの堆肥利用区画に割り当てをしたいと考えております。
 募集につきましては,堆肥の確保のため個人利用ではなく,堆肥を利用して野菜づくりを行う既存の団体あるいは何人かで団体をつくっていただき,申し込んでいただくことを考えております。団体には生ごみの堆肥化の講習指導を受けていただいて利用していただきたいと思っております。こういった活動がさらに広がってくれば,区画数の拡充も検討していきたいと考えております。


平成24年第1回定例会

◯ 10番(宮坂 良子議員)

 それでは最後ですけれども,新たなごみ減量の手だてをぜひということでございます。市民農園の区画は総数で452区画でございますけれども,この452区画すべての区画でもし堆肥化づくりが行われたとしたら,1区画平均生ごみ約250キログラムといたしまして,ごみの減量は11万3,000キログラムにもなります。そして処理費用は約818万円の節約となります。すべての区画で2世帯ということでしたら,その倍の22万6,000キログラムごみ減量で,1,636万円も経費が削減されるということになるので,すごいなと思いますけれども,実はこうしたことを実践している市があります。
 3年前の一般質問でも少し紹介いたしましたけれども,京都府の長岡京市です。まさに名前が「エコ農園」。先日担当課の方に伺いました。現在も続けているということです。エコ農園の開園の目的は,生ごみの減量の意識啓発を図っていくということです。だから担当部署も環境業務課循環型社会推進担当と名づけられております。16年前の1996年,家庭内から出る生ごみを堆肥化容器とEMぼかしを使って堆肥をつくり,農地で花や野菜栽培に取り組み,生ごみの減量化を実践しているということで,ごみの減量化という観点だけでなく,無農薬な自然農法という立場からも環境に優しい暮らしを実践していこうとする意識啓発を図っているということです。スタートに当たっては,40名のごみ減量リサイクル推進モニター委嘱による堆肥化実験も行った。内容は3つの農園で82区画,使用料は2年間で2,400円,利用期間は2年間で啓発が主な目的なので,広くより多くの市民の方に利用してもらうために利用後1年は休んでもらい再応募するという仕組み。毎回2倍から3倍の応募があるということです。
 狛江の堆肥化区画は先ほど御報告いただいたように残念ながら応募ゼロの区画が3区画もありました。生ごみを減量していこうとする機運がまだ弱いのか,あるいはそういう仕組みがまだ知られていないのかと思いますけれども,減量には思い切った施策が必要だと思います。長岡京市ではエコ農園ということを打ち出したことで,全市民にアピールが広がり,生ごみ減量につながっているということで,この16年間で1,300人を超え,一度エコ農園で堆肥化を経験した人は農地活用でなくても減量に心がけていると担当課の方は話されておりました。狛江市におきましても,このような思い切った減量政策を打ち出していただきたいと思うのですが,いかがでしょうか。

◯ 建設環境部長(松本 培夫君)

 狛江市のごみ減量対策といたしましては,一般廃棄物の処理基本計画におきまして「4Rの優先順位の市民への意識付け」「生ごみ処理機の普及によるごみの減量」「集団回収の拡大による資源化の推進」ということで,こちらを中心に実施していくこととしておりまして,この点を重点事業としてごみの減量に取り組んでいるところでございます。
 現在行っている第8期のごみ半減推進審議会におきまして,一般廃棄物の処理実施計画の策定に関する事項といたしまして,生ごみの堆肥化がさらに広がるような支援策を検討していきたいと考えております。

◯ 10番(宮坂 良子議員)

 狛江市におきましても市民の皆さんや半減新聞などで本当に努力がされて,この間年々少しずつではありますが減少しているということも承知しております。
 今回の質問は市民農園での生ごみの堆肥化に取り組んでいる人たちを紹介しながら,堆肥化でごみ減量をいかに広げていけるのか。そのためには仕組みづくりが必要という絞った形で質問いたしました。市も今後生ごみの堆肥化がさらに広がるよう支援策を検討していくというお答えでございましたので,ぜひ早急に進めていただくことを要望いたしまして,この質問は終わります。

  • 最終更新:2014-05-09 08:21:45

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード