白石市


白石市議会とEM

2008.06.19:平成20年第373回定例会(第3号)
◯7番(山田裕一議員)
 3点目として、EM(有用微生物群)を使ったまちづくりや学校教育について伺います。
 EMとは、自然界から採取し、抽出、培養した微生物で、数10種類の働きの異なる微生物が入っています。主な微生物として、食品に使われる同じ仲間の乳酸菌、酵母を初め光合成細菌、放線菌、糸状菌などがあります。このEMを土に入れると、土の持つ力を十分に発揮させ、植物が健康に育つ環境をつくります。当初は土壌改良資材として開発されたEMですが、現在では農畜水産だけでなく水質浄化を初めとする環境浄化や、医療、建築、教育などさまざまな分野で取り上げられております。平成20年5月末現在、全国1,788の市町村のうち、約470、約26%の市町村で導入し、EMによるまちづくりを行っております。
 何点か例を挙げますと、河川浄化に取り組む東京・日本橋川の浄化活動を、千代田区、中央区の行政サイド、NPO、企業が連携して定期的にEM活性液を投入するプラントを設置し、川周辺の企業や自治会、学校とも協力しながらEM団子を投入する取り組みを継続させております。約1年の取り組みで日本橋川にイトミミズやゴカイなど増加してきており、水鳥も増加し、各所で魚が見られるようになったそうです。11月下旬にはEM団子投入とともに釣り大会が行われるなど、徐々に河川浄化の成果があらわれていることが報告されております。
 また、新潟県長岡市のNPO法人、地域循環ネットワークが、平成13年にNPOとして全国初の指定一般廃棄物処理業者の指定を受け、市から学校給食残渣リサイクル事業を委託され、市内全小中学校、保育園の生ごみ回収・飼料化に取り組んでいるようです。調理くずや給食残渣を回収し、EMボカシを加え1週間から10日間熟成発酵させる。完成した飼料はすべて畜産飼料に再利用。「生ごみは家畜飼料の原点。配合飼料や輸入飼料に頼らない畜産で、安全な食肉を確保するのがねらい。循環ネットは地域の中で人と食をつなぐ調整役」と話しています。学校給食以外にも、家庭の生ごみを回収・飼料化、生産した食肉を学校給食の食材として還元するエコグリーンクラブも展開しているようです。
 また、兵庫県川西市では、「トイレのにおいがひどいからトイレに行くことを我慢しています。毎日頑張って掃除しているのににおいが取れません。何とかしてください」という意見が、子供の意見を市政の参考にすることを目的に毎年開催している「子ども議会」で飛び出したそうです。早速、川西市教育委員会では、この切実な子供の訴えを解消しようとトイレの実態調査を行い、それと同時に、環境に優しくトイレの消臭に有効であると言われているEMに注目。その実効性の調査や試験も実施しました。その結果、従来の薬品による清掃よりも効果があることが認められ、現在では、市内全小中養護学校、全24校でEMを活用したトイレ清掃が行われております
 また、隣の角田市では、市内全9小学校と1中学校でEMを活用したプール清掃を行っています。この取り組みは、EMを活用して環境浄化活動を行っている婦人会と市教育委員会生涯学習課の協力で始まったそうです。EMで生ごみ堆肥化や米のとぎ汁EM発酵液を使っていた地元婦人会の方が、EMを活用しての環境浄化について市内小学校の校長先生に伝えたことから、米のとぎ汁EM発酵液を学校プールに投入するようになったそうで、投入してから2週間後、高学年がブラシでプール清掃したところ、驚くほど簡単に汚れが落ち、EM効果を確認。「塩素のような刺激臭や皮膚への悪影響もなく、安全に取り扱える」と先生にも好評。ある校長先生が校長会で成果を報告したことで他校関係者にもEMのことが広がったということです。
 プール清掃が子供たちの楽しみのイベントになった。そして、今ではプール清掃にとどまらず、市土地改良区や市土木建築課などが取り組む学校周辺の用水排水路のごみ減量化啓発活動に参加。5年生は用水路美化ポスターを作成し、6年生は用水路が汚染されている実態を観察。生活雑排水で汚れ、生き物が少ないという現状を改善しようと、6年生を中心に米のとぎ汁EM発酵液とEM団子を用水路に投入。EM使用当初、子供たちは米のとぎ汁EM発酵液のにおいを「臭い」などと騒いでいたようですが、なれてくると作業そのものを楽しむようになり、水の悪臭がなくなったり用水路に魚が出現したりする成果を体験したそうです。
 この活動を積極的にサポートしている婦人会は、さらに各地区でインストラクター養成講座を行ったり、地元ボランティア団体と協力して市内小田川の水質浄化にも取り組んでいます。小田川流域1キロメートルのごみを拾い、EM団子を子供たちと投入し、ホタルが飛ぶ環境づくりをしようと意気込んでいます。子供たちが地域の大人たちと一緒に環境浄化活動を行うことによって、将来のまちづくりを担う人材づくりにつながっていくことが期待されます。
 6月11日の新聞報道で市内婦人団体が小十郎EM石けんを来月発売との記事が載り、私も大変期待しております。本市においても、市内小中学校等でのプール清掃やトイレ清掃、また環境問題に対する児童生徒の意識を啓発することにもつながることから、まちづくりや学校教育に関しても適しているものと考えますが、市長、教育長の所見をお伺いいたします。
◯風間康静市長
3点目のEMについては教育長より答弁をしていただきます。以上です。
◯高橋昌教育長 私の方からはEM菌の方を答弁申し上げたいと思います。
 白石でも、山田議員おっしゃったように白石市の地域婦人連絡協議会が主催となりまして、ことし、大鷹沢小、福岡小、深谷小の3校でEM菌を活用したプールの清掃を行いました。やはり塩素を利用したときと大分違うという子供たちの感想が届いております。においがない、ヘドロがない、清掃時間も短縮されたというふうに好評を得ております。よって、この身近な水環境を守るという実践例から、子供たちにも親にも環境問題に対する関心が高まったのではないかと思います。
 今回、米のとぎ汁を各学校で児童生徒の保護者に呼びかけてつくっていただきました。その提供をいただきました。よって、身近な自然環境を守るというこの取り組みを、今後とも、地域、そしてPTAの方々に呼びかけをしながらさらに考えてみたいと思っております。以上でございます。

  • 最終更新:2013-11-23 10:57:13

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