神奈川県

神奈川県議会

平成19年  9月 定例会-09月28日

〇塩坂源一郎議員

次に、これも海岸に関する質問になりますが、今度は、海の家の排水処理についてお尋ねします。
  藤沢市だけでも400万人以上の海水浴客が訪れるほどですが、神奈川県内の多くの海の家で、シャワーや料理などに使われた雑排水が海岸の砂や海に垂れ流されていると聞いています。400万人すべての方々がシャワーを使うわけではないと思いますが、サンオイルを塗った体をボディーソープやシャンプーで洗い、また、海の家の定番料理ラーメンのスープもカレーのお皿を洗った雑排水も、すべて浸透式と称す、海岸を掘っただけの穴に垂れ流す方法が長年繰り返されています。「神奈川県生活環境の保全等に関する条例」には、「何人も、海岸等において、公共用水域に油、洗剤等を含む排水を排出することによる水質の汚濁の防止に努めなければならない」とされております。また、「神奈川県水浴場等に関する条例」にも、水浴場内に汚水を流入させないこととなっております。
  このような条例があるにもかかわらず、海岸に汚水を垂れ流していたのでは、海の水質にも影響されてしまうことは明白であります。海の水質改善については、下水道に関して、汚水と雨水を一緒に海に流してしまう合流式から、汚水と雨水に切り分ける分流式への改善を、下水道の普及と同時並行的に各自治体が進める必要がありますが、これには膨大な時間とコストがかかります。このため、一部の地域では、砂の流出にとどまらず、海岸の異臭が問題になったため、異臭対策と水質改善のために、EM菌を使用するなど、改善に努めたと聞いています。
  そこで、お尋ねしますが、海の家の雑排水処理にEM菌を活用するなど、排水処理対策が必要であると思います。この海の家の雑排水の処理について、県では現況をどのように認識し、どのような指導を行っているのか、知事の見解をお尋ねします。

〇知事(松沢成文)
次に、海の家に対する指導でございますが、海の家の設置時には、保健所の衛生監視員が、条例に基づき排水処理について衛生的に処理できる構造であることを確認しております。また、営業開始後には定期的に海の家の立入検査を行い、必要に応じ、固形物を除去することや、浸透ますにふたを設けることなどについて指導を行っているところであります。
  こうした雑排水について、一部の市町では、海の家の浸透ますに有用微生物群、いわゆるEM菌を散布して異臭が少なくなった事例もあり、現在、その市町で効果を検証していると伺っております。今後は海の家の雑排水がより効果的な処理がなされるよう、この効果の検証結果やEM菌以外の方法などについても情報収集を行うとともに、海水浴場を設置している市町との情報交換等に努めてまいります。

平成25年  厚生常任委員会-10月10日

食品衛生課長

 基本的には、海水浴場には下水道や浄化槽が設置できないために、排水は砂浜に浸透させて、砂浜が持つ自然の力を借りて処理しているところでございます。海の家の設置時に飲食店などにつきまして、排水処理について衛生的に処理できる構造であるということを確認しております。また、営業開始後には、定期的な監視指導の中で、衛生的かつ環境に配慮した排水処理について、必要に応じて個別に指導をしているところでございます。
 また、大半の飲食店の施設でフライヤーなどを使用しておりますが、廃油は一斗缶に入れて廃棄物として適切に処理しておりまして、この浸透ますに流すようなことをしてないということで、その確認、またその徹底について指導しているところでございます。

早稲田委員

 浄化槽、下水道が設置できないということなんですが、かなり油っぽいのばかりという形態になってきています。昔のように、ビールを出して、焼きそば出してというようなところが逆に少なくなっていますので、もちろんフライの油は一斗缶に落とさなければならないでしょうけれども、それにしても、お皿を洗うだけでもすごい話だと思っているんです。なので、今までのようなことで果たして良いのか、この今までのような排水処理で、そのまま浸透させているんですけれども、それからEM菌なんかも使ってやってらっしゃるのも知っていますが、果たしてその効果のほどを検証されているのかどうかも分かりませんし、今の海の家の形態に合う雑排水の処理ということも、そろそろきちんと考えていかなければならないのではないかと思います。
 これはこれからの課題なのですが、海の家のガイドラインをせっかくつくっていただいたんだけれども、ごみの問題、音の問題、雑排水もそうなんですけれども、とにかく海の家の形態が変わって多様化していることに伴ういろいろな問題が顕在化しているので、是非そういうところにもアンテナを張っていただいて、排水処理ができていると思いますということだけではなく、もう少しきめの細かい対応をしていただくように、ここでは要望にとどめさせていただきます。
 それから、庁内検討会議で、県警ももちろん御出席の中でいろいろ検討されているので、御存じであれば教えていただきたいと思いますが、海水浴場における迷惑行為の今年の通報件数の速報値が出ていると承知をしておりますけれども、海の家に関する通報等はどのようであったのか、減ったのか、増えたのか、その辺について分かっている範囲で教えていただきたいと思います。


  • 最終更新:2015-03-12 08:56:51

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