福井県(2)

福井県議会とEM(その2)

平成18年予算特別委員会
◯田中委員 
 次であるが、ブラジルでサトウキビをエタノールにしている。我々はEMというバクテリアをつくっているが、それがサトウキビのかすでやる。それさえも入らないのではないかという話がある。以前中国の人に話を聞いた。「食料を輸入しているのに、どうして中国の農家は悪いんだ」と聞いたら、「もうほとんどトウモロコシをエタノールに使っているんだ。だから、足らないんだ」ということである。世界の穀物が2億5,000万トン大体とあると言われている。一昨年の中国の穀物の輸入量は、大豆が5,000万トン、それから3,000万トンのその他の穀物類で、8,000万トン輸入したということである。
 エネルギーの後は、今言ったような話の中で、本当は食料の問題につながってきて、これは戦略になってくるわけである。であるから、我が国でもそうであるが、福井県としても食料自給率を高めていかなければならないと思うが、その辺の施策というのは、何か考えているか。

平成18年第349回定例会
◯13番(吉田伊三郎君)
 さて、先般、三方五湖がラムサール条約に登録されました。水質問題や漁業の問題等、今後の課題は多いわけでありますが、もともとこの三方五湖は昭和40年代の前半までは、湖の周囲は耕地を守るための石積み護岸がずうっとあったわけでございますが、台風が来るたびにこの石積み護岸が破壊されます。したがいまして、何とかコンクリート護岸にしていただきたいという住民が非常な運動を展開いたし、当時、折しもちょうど二級河川に三方五湖が編入されまして、早瀬川水系の中で、国の予算をもって護岸工事ができ上がったわけでございまして、当時は、やはりコンクリート護岸というのは一番すばらしい湖を守る方法だということで、我々も、あるいはまた住民も認識を重ねてまいりました。しかし、年を重ねるごとに生活水準が高度化し、特にふろや洗濯、流しなどで多くの洗剤を使用するようになり、だんだんと水質も悪くなってきました。しかし、県当局も、EM菌を使った実験やあるいは人工浮き礁、あるいはヨシの栽培、三方湖のしゅんせつなど大きな努力を払われてまいりましたが、現在までの取り組みの中でどのような効果があったのか、また今後どのような取り組みをしていかれるのかお伺いをいたします。

◯安全環境部長(筑後康雄君)
 それから、最後でございますけれども、水質浄化の話でございまして、現在までどういう取り組みで効果があったのかということでございます。
 三方五湖の水質浄化につきましては、これまで下水道の整備、湖内堆積物のしゅんせつ、またなぎさ護岸の整備などの対策を実施しております。その結果、三方五湖におきましては、平成14年度以降、アオコの発生が見られていないということで、これは成分的には窒素とか燐が改善されているのではないかと、こういうことで一定の効果があったものの、全国の湖沼と同様、根本的な水質改善にはまだ至っていない状況にあるのが現状でございます。このため、先ほども申しました11月に設置いたしました三方五湖の保全・活用検討委員会においても水質浄化についてもいろいろな取り組みを検討しております。
 また、10月6日に開催されました福井県・石川県知事懇談会の合意を踏まえまして、先月22日に両県の湖沼水質浄化対策研究会を開催しております。研究会における今後の成果を三方五湖の水質改善に役立てていきたいと考えております。
 県といたしましては、こういういろいろな委員会の結果も踏まえまして、水質浄化に向けた行動指針を作成したいと。行動指針と、難しい言葉になっておりますが、例えば生ごみは川なんかに捨てずに堆肥化するとか、地元ですと梅の漬け汁などを河川、湖につながっている雨水や排水路には流さないとか、そういう行動指針を作成するなど、美浜、若狭両町、地元の方々と一体となりまして、水質改善に向けた取り組みを引き続き進めていきたいと考えております。以上でございます。


平成18年厚生警察常任委員会
◯田中委員  私が申し上げたいのは、基本的には化学物質を入れるようなやり方で水質浄化をするのはやめてほしいということである。その結果というのは、なかなか見えなくて、新聞にも硝酸カルシウムのことなどがいろいろ書いてあったが、ああいうものは、要は体に入ると基本的には毒性がある。無害と書いてあるが大量に入れれば毒性があるというようなことが書いてあり、ああいうものは基本的にはこれからの形としては取らないでほしい。
 そして、もう一つ申し上げたいのは、昔、EM菌について実験した。あのときの結果でまとまったことは、結局、透明度は上がり、浮遊物質量も少なくなり生物もふえるが、CODだけは高い。だからだめだと、こういう話である。
 それで、これからの使用をどういうふうに見るかということである。CODというのは、要するに有機物であるから、飯である、はっきり言って我々の飯と同じ。それがふえると生物がふえるのは当たり前である。
 ただ、今までの考え方で判断してやるのか、生物使用を取り入れて、こういうものをするのかという、そこのやり方である。こうやって実験して透明度が上がり、浮遊物質量が少なくなり、窒素、リンは記憶にないがたぶん少なくはなっているという、そういう点がでていたものを、あのときに時期尚早ということで北陸公衆衛生研究所が出したが、僕は非常に恣意的な感覚をもって、ずっとその問題は封鎖してきた。
 ただ、今までのやり方というのは科学的にいろいろなことをやってきて、今、自然保護法もあるが、いろいろなやり方で生物使用を取り入れないとやっていけない。それがせっかくデータが出ていながら、ただCODが高いからだめだと、時期尚早だという話である。
 福井県は、その辺の技術の評価というものを、もっと生物的な展開の中で再評価をしてほしい。ただ、CODがふえた、県内ではまだ早いという、この一言でとまる。はっきり言えばとめたのである。

◯環境政策課長  まず1点目であるが、底泥からのリンの発生を抑える物質の研究ということで、いろいろ科学的にできないかということで研究しているが、当然、委員が懸念されているとおり、来年度に向けて湖の生態系に影響は出ないかという研究というか実験をして、何らかの物質を入れる際に生態系を壊してしまっては、もともこもないので、その辺は慎重に検証していきたいと思っている。
 それから、EMを含めた微生物による取り組みであるが、結果については委員が承知のとおりであり、いわゆるリンとかSS、浮遊物質については減少効果が認められるが、CODを初めとして、ほかの項目で効果が見られなかったというのが、前回の実験の結果である。これについても先ほどの化学物質と同様、大量に投与した場合に生態系そのものに影響が及ぶかもしれないし、及ばないかもしれない、わからないが、その部分はやはり慎重に検討していかなければいけないということである。
 いずれにしても石川県との研究会において、このEM菌についても、その効果と活用方策を含めて、特に石川県もいろいろな角度で研究をしているということを聞いているので、情報交換をして議題にしていきたいと考えている。

◯安全環境部長  今、委員の言われているEM菌については、前にも答弁したと思うが、美浜町が久々子湖でやった調査ではいい結果が出ているという話を聞いているし、県外の例もいろいろ調べているが、そういう非常に改善されたという結果と、余り変化がないというところといろいろあるので、本県も全面的にいいとか悪いという答えはできない。今、課長も申し上げたとおり、せっかくの隣の県である石川県との研究の場を立ち上げたので、そこでもEM菌の話題というのは本県からも出していかなければいけないと思うし、委員も御存じのように三方五湖の地元の方で対策協議会を開いて、地元の関係者で対策をやっているし、そういう中でもいろいろと話し合っていただき、こちらにも事例等をいただいて、県もまたそれを見ていろいろやっていくというような感じで対応していきたい。

平成18年第349回定例会
◯6番(畑 孝幸君) 厚生警察常任委員会の委員長報告をさせていただきます。
(中略)
 このほか、「振り込め詐欺や悪質商法の被害防止のための出前講座とその普及広報」「有用微生物群(EM菌)を利用した湖沼の水質浄化対策」「敦賀市民間最終処分場の抜本対策と整理回収機構による事業者への破産手続」などについて、理事者の見解と対応をただしたのであります。

平成20年厚生常任委員会
◯中川委員  EM菌による水質浄化については、500万円ほど予算をつけたと聞いたが、環境政策課としてはもうやっていないのか。
◯環境管理審査室長  EM菌の浄化に対する補助というのは、直接的なものではない。住民の方々の中でそういうEM菌を使う活動をしていることに対して、県側がEM菌に直接ではなくて、そういう地域活動の一環として補助金を出して支援していく。つまり、EM菌自身に補助金を出すのではなくて、活動自体に対して出していくという考え方であるので、そこが少し違っている。
 それから、田中委員は専門になると思うが、シジミなどいろいろな資源の回復に効果があると言われている一方、いろいろな汚濁に対する効果というのが、調査をしても目に見えてこないということもある。そういうことを踏まえると、専門家の意見をいろいろ伺いながら、慎重に対応していかなければいけないと考えている。
◯中川委員  EM菌ではなくて、ヨシの群落によって湖を浄化するという研究については、今のところ効果は出ているのか。中間報告はあるか。

◯環境管理審査室長  ヨシについてである。今、県では水質浄化の総合対策事業として、しゅんせつや護岸の整備をやっているが、護岸を整備したときにヨシも植えていくという形で、対策を講じているところである。
 ただ、言われるように、では効果があるかということになると、ずっと長い目で見ている中で、現状より悪化しない形には当然なっているが、水質浄化の効果が見られているかというと、現状ではなかなか難しいというのが実際のところである。だから、護岸整備を進めていくことも、汚濁を進めない対策としては有効であるが、積極的な水質汚濁対策を考えた場合には、ヨシをどう植生していけば有効かという研究を、石川県と福井県が共同して行っているところである。

◯中川委員  効果のあることにお金を使ってほしい。
◯環境政策課長  調査研究に時間がかかるのは、これはもう一般的にしようがない。ただ、この間もフォーラムがあったときに話が出たが、琵琶湖、それから、こちらでいうと木場潟など石川県の湖沼などでも、やはり同じような悩みを持っていて、そこらでみんなが独自の取り組みをしている。それで、各自の取り組みを持ち寄ろうということになった。そういうことで、委員が言われたように、私たちのヨシについての研究はまだスタートしたところであるが、何かもっと簡単なもの、もしくはもっと複雑なものでも、学術論文でなしに、既に実践して効果が出たものの情報を広く交換していこうという方向で進めている。
 ただ、研究自体はやらせていただきたいと思っている。即効性のある薬を見つけることと、実際にそういうものを開発していくことの両方面でやらせていただけたらと考えている。
◯田中委員  教育委員会ではEM菌による効果を表彰する。その一方で、環境サイドではだめだと言う。本当の話、そうなのである。学校の授業などでは、効果が出て環境がよくなったと言って表彰しておいて、それで片方ではだめだと言う。例えば三方五湖にしても、学者は基本的にだめだと言って、それで片方で効果があるということを否定はしていない。ここらはどうにもならないので、別に今どうのこうのと言わないが、これは例えば土木部などでも、河川関係などで非常に困っているところがある。私は、本当に使えるのか使えないのかということについては、安全環境部も一緒に確かめたらいいと思う。今、課長はいろいろなことをやると言ったが、もう少し体系的なやり方をしたほうが具体的なものが出てくると思う。現実的には、教育委員会の段階では環境にはいいと言って表彰しておいて、片方ではだめだという話は、通らない気がしたので、そこらの統合性をもう少し出してほしい。それ以上のことは言わないが、EM菌の話がたまたま出たので言っておく。
◯環境政策課長  今ほどの話もよくわかるので、私たちもプロセスの段階からきちんとかかわって、検証もしながらやっていきたいと思っている。学校で実際にやっていることもわかっているし、同じ県の組織がやることであるので、これから農林水産部、土木部、教育委員会などとの整合性も十分とっていきたい。結果だけを私たちが追うのではなくて、プロセスからかかわっていきたいと思っているので、よろしくお願いする。

平成20年第358回定例会
◯26番(小泉剛康君
 また、今回、新たな環境基本計画でも、市町で処理されますところの家庭発生の生ごみについては、ほとんどが焼却処理されていると現状認識をされた上で、市町に先進的な事例を紹介するなどしながら、実情に応じた取り組みを支援すると記されておるわけであります。平成21年度当初予算も含めて、現時点で県は具体的にどのような支援を考えているおられるのか、その御所見をお伺いいたします。
 先日、私はある生ごみ処理機械メーカーを視察に行ってまいりました。そこでは、最近の一般家庭用、コンビニなど、また業務用、いずれにいたしましても生ごみの処理には本当にいろいろすぐれた機械が開発されていると認識を新たにいたしました。処理機械には、一つには熱処理するところの簡素型、二つにはバイオ処理、そして三つ目にはEM菌等の微生物で処理をするハイブリッド型、大きく3タイプがあろうかと思われます。そして、そのいずれの機種におきましても、当初よりは格段の進歩をいたして、改善がなされていることに非常に感心をいたしました。
 こうした状況を拝見いたしまして、私はぜひ福井県においても家庭や企業から出た生ごみは、自分の家、あるいは会社で処理することが、これからの環境社会にとって極めて常識的な考え方ではないかということで御提案をいたしたいと思います。
 以前に、本県におきましても生ごみ処理機の普及を促す補助制度、これは購入費の3分の1補助、補助限度額を2万円として、平成11年から平成15年までの5年間にわたって実施をした経緯があります。その結果、その5年間に、県内の世帯数ではわずか1割にも満たない段階でこの制度を終了してしまいました。機械の台数にいたしまして、恐らく1戸当たり1台といたしますと、2万4,000世帯に該当するかと思いますが、自分の出した生ごみは自分で処理する運動を広げれば環境美化にもつながる、ごみ袋に入れて週に2度ほど出すような現在の仕組みは、衛生環境上も極めて後進的な処理であるという認識に立ちますと、極めて残念な結果に終わったと思うのであります。
 先般訪れました機械メーカーからもお聞きいたしましたが、福井県は全国で一番おくれておりますねという指摘をされました。そして、いろいろな統計を見てまいりますと、全国では生ごみを処理する機械を購入する場合に、補助・助成制度を全都道府県が実施をいたしております。そして、その中で市町に補助制度があり、それを活用しておりますのが、100%が富山県ほか3県、90%台が5県、70%から80%が15県、50%から60%が16県、ほとんどの都道府県におきましては導入をいたしておりますし、50%以下というのはわずか6県でございました。我が福井県はどうかと申しますと、福井県は残念ながらこの中でも最下位でございまして、11.8%の達成率であります。私は、この制度の取り組みをされたときのことを一度思い起こしていただきたいと思います。
 このような状況で打ち切られた理由は、県民の意識にどの程度浸透したという認識をとられたのか。または、途中であきらめられた原因はどこにあったのか、そういうようなことを分析・実証した経過があるのかをお伺いいたしたいと思います。
 現在、福井県におきましては、敦賀市と永平寺町が実施をいたしております。その敦賀市にありましては、今もって年間に大体80台分を予算化いたしまして3分の1を補助いたしております。そして、上限は2万円と決めて、前回同様でございます。永平寺町におきましては、年間大体二十数件の利用者があり、3分の2の補助制度を活用しております。これまでも、永平寺町におきましては何百件と補助をしている。10年を超えて古くなった機械も出てきたので、これから更新についてどういう体制をとろうかということが議題になっているとお聞きいたしております。
 福井県が取り組みましたこの5年間で予算化されましたのは、約1億円でございました。この福井県の実態からいたしまして、全国平均は大体63%台でございます。私は、一たん打ち切りはいたしましたけれども、県民の十分な後の追跡調査をされて、そして再度これを復活するような方策も必要ではないかと思いますが、その件について御所見を承りたいと思います。
 もう一つここで、神奈川県の秦野市というところがあるんですが、そこのデータを探ってみました。神奈川県は97%の執行率でございまして、一般家庭の場合には、この補助制度は全国平均的なものでございまして、機械そのものに対する購入補助、プラス維持管理費もその対象といたしております。維持管理費というのは、簡素型につきましては電気代1ヵ月600円から1,000円、バイオ型につきましては、600円の電気代プラスバイオ材の購入費、大体年間で1,000円から2,500円と聞いておりますが、この程度のものを補助対象といたしまして、さらに徹底を図っていると聞いております。
 そのほかに、この自治体にありましては共同購入の助成もいたしております。これは自治会、それからマンションの管理組合、さらには20世帯を一つの単位といたしまして構成する住民団体、そのほか公共施設等を指すものでありますが、これらにつきましても3分の1の補助制度を活用いたしております。そしてここでは、学校であるとか病院であるとか、官公庁に至りましては、これらのごみ処理につきましては、機械購入につきましては設置工事を含めまして5分の3補助をいたしまして、限度額を200万円といたしております。
 また、新しい基本計画を推進するに当たりましては、市町との関係だけではなしに、今も申し上げました、学校、病院、官公庁といった県関連の公共施設においても、率先して生ごみ処理機を導入するように強力に啓発すべきものと考えておりますが、いかがでございましょうか。
 この達成率11.8%というのは、非常に低い。低いからこの制度を打ちどめにされたのかもしれません。しかし、全国で六十数%の普及率を持っておりますのに、福井県だけがなぜ低いのかという原因調査、さらにはこれらの追跡調査をした結果、再度、これはこういうところに普及制度の欠陥があったというのがあるのであるならば御披露いただくと同時に、改善すべきところがあるならば改善をいたしながら継続すべきであるというように考えておりますが、この考え方に対しての御意見をお伺いいたしたいと思います。

◯安全環境部長(品谷義雄君) 環境行政につきまして、5点ほど御質問をいただきました。5点お答えいたします。
 まず、県民1人当たりのごみ排出量の推移の現状、また今後の見込みについてのお尋ねでございますけれども、平成18年度の一般廃棄物でございますけれども、県全体で29万4,000トン出ております。これは1人1日に直しますと981グラムでございまして、これは少ない方から全国13位ということになっております。また、平成19年度は前年と比べまして1万トン減少しておりまして、1人1日当たり32グラム減少しておりまして949グラムとなっております。これは各市町等のごみ減量化に関します協議、また消費者団体等に広く3R(リデュース、リユース、リサイクル)の推進を働きかけた結果もございますし、もう1点は、福井市におけます分別の徹底、それから鯖江市におきまして可燃ごみ用に新たに指定袋が導入されたこと、こういったことが原因かと考えておりますけど、そういった面でごみの減量が図られたものと考えております。また、平成20年度上半期につきましても、前年度に比べますと約1,900トン減少しておりまして、今後とも県民に対しまして、より一層のごみの減量化を働きかけてまいりたいと考えております。
 それから、市町で処理される家庭生ごみが非常に大きなウエートを占めるというお尋ねでございまして、実情に応じた取り組みを支援するとしているけれども、市町に対してどういった具体的な支援を考えているのかというお尋ねでございます。
 家庭の生ごみにつきましては、御質問にありましたように大部分が各市町によりまして焼却されているという状況でございまして、堆肥化している地域も一部ございます。また、農村部では直接田畑に埋めているところもあるやに伺っております。
 先進的事例では、池田町での堆肥化などが上げられますけれども、こうした活動を進めるためには、まず実際に分別を担う住民の方々の理解が重要でございます。このため、現在、各市町と市町のごみ分別収集等に関する検討会、こういった会議を開催いたしまして、池田町とか、一部嶺南の美浜・三方とか、ああいった取り組みもございますので、そういったことを紹介しながら、生ごみの減量化が進められるように努力をしております。それに、他県の事例を取り入れました、それぞれ地域ごとの実情に応じました具体的な生ごみの処理方法は、都市部と農村部で若干違いますし、そういうことも組み合わせていろいろと検討を進めております。
 また、今池田町の例を申し上げましたけれども、国の補助制度を活用しているものも多うございますので、そういった国の助成制度の積極的な活用なども働きかけていきたいと考えております。
 3点目で、県において生ごみ処理機の導入が他県に比べておくれているんではないかと、県はどのように考えているのかと。また、かつてそういった補助制度があったけれども、こういった補助制度を復活させて、家庭や企業向けに生ごみ処理機の導入を強力に推進していくべきと考えるが、どうかという御質問でございますけれども、県では、家庭におけます生ごみの減量化、またリサイクルを推進するため、平成11年度から生ごみ処理機の購入に対しまして、5年間助成をしてまいりました。制度の概要を申し上げますと、大体標準価格を6万円と設定いたしまして、その3分の1を県、2万円ですね。それから市町が2万円、それから御家庭が2万円という3分の1の制度を設けたわけでございます。ちなみに毎年5,000台の普及を目指しまして、年間1億円の予算を組んでおります。5年間で5億円ちょっと切れましたけれども、5億円の予算を使っております。これにつきましては、当初から5年間で県内世帯の大体1割を目標にやっていこうということで、当時発足した制度でございます。その結果、県内世帯の約10%に相当いたします2万5,000台が普及いたしまして、我々としましては所期の目的と申しますか、先導的な役割は果たしたと思っております。
 県といたしましては、こうしたごみの発生抑制がまた一方では大変重要な課題でございますので、減量化を進めるために広域圏ごとのブロックでごみ減量化の協議会等を開催しております。また、さらに県民に対しましては、先ほど申し上げました3R(リデュース、リユース、リサイクル)、こういった推進大会の開催、またことしは、先般、ベルの方で啓発のための絵手紙展等の募集、また現在500店舗で実施しております「おいしいふくい食べきり運動」への協力、こういった形でごみの減量化に取り組んでまいりたいと考えております。
 こういった環境基本計画の推進に当たっては、市町だけでなしに学校とか病院、また官公庁といった県関係の公共施設においても、率先して生ごみ処理機を導入するようにしてはどうかというお話でございますけれども、生ごみの処理につきましては、今も紹介がございましたけれども、生ごみ処理機のほかにコンポストなどさまざまな方法がございますけれども、施設、地域の実情に応じまして生ごみ減量化を実施することが重要であると考えております。
 現在、県立高校、また養護学校の一部の施設では、民間事業者に生ごみ処理を委託しているところもございますし、また生ごみ処理機を導入している例も少のうございますけれども、十分とは言えず、生ごみ処理機の導入などを強力に進める必要があると考えております。
 県といたしましては、今回、環境基本計画を策定いたしまして、ごみの減量化が極めて重要なことと位置づけておりまして、施設管理者、また受託事業者に対しまして、食品の循環資源の再生利用という視点からも強く働きかけていきたいと考えております。
 それから、今の補助制度につきまして、十分追跡調査をしたのかと。また、今の1割の普及でございますけど、所期の目的を達成したと考えているかということでございますけど、今申し上げましたように、今回、生ごみ処理機の導入も5年たっておりますので、一度十分に調べてまいりたいと思いますし、ただ我々といたしましては、当初5年間で約5億円余りの県費を投入いたしまして、一応1割の家庭へは普及したと。それが先導的な役割で今やってもらっているということでございますので、またそういうことにつきましても十分検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

◯26番(小泉剛康君) 今ほどの基本的な知事の考え方は理解をいたしました。
 部長、今ほどの生ごみ処理の実態ですけれども、5年間で10%を目標に設定して5億円の投資をしたから、これで役割は終わったという判断をされたように私は受け取りました。私は、この判断はいささか納得できないんですね。先ほども申し上げましたように、全国では平均63%の自治体が、それぞれの立場でそれぞれの方法をもって体制を整えております。中では、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、もう5年、10年たったもので古くなってきたものの買いかえにまでその制度を導入しようとするようなあれさえ見受けられるわけです。私は、10%でやめるにふさわしい評価をしたというのは納得できませんが、どうでしょうか、せめて全国平均の60%ぐらいまではずうっとやるべきじゃないでしょうか。
 これは私はごみだけじゃないと思うんですよ。行政全般にわたって、何でもそうですよ。これだけやったんだから、県の目標では10%なり20%やったんだからこれで終わりますというんじゃなしに、それは経緯を見て、進捗状況を見て、また内容を精査して、そしてこれでいいのか悪いのか、そして、こういうところにもう少し工夫を加えてはどうかというようなことも十分検討し、納得の上でこういうような結果を出すのであればいたし方ないと思いますが、行政サイドで一方的に、もう10%に達成したからやめたというようなのは、私は正解とは受け取れませんが、その辺の認識と。そしてまた、一たんやめたものを復活するというのは大変勇気の要る話です。メンツもございましょうし。しかし、私はそうではないと思うんですよ。これは県民を主体として考えるべきであって、これは足りないなと思ったら、また追加してやるということも決してやぶさかではないというように思いますが、その所見について再度御意見をお伺いいたします。

◯安全環境部長(品谷義雄君) 今、ちょっと言葉足らずのところがあったかもしれませんけど、別にそれがよかったかというんじゃなしに、我々の当初の目的は県内世帯のおおむね1割ということで、2万5,000台を目標に毎年1億円ずつ5年間実施したものでございます。
 先生は全国平均が六十何%とおっしゃいましたけれども、福井県でも今敦賀市と永平寺町はそういった制度がございます。敦賀市はちなみに4万円まで補助しておりますし、永平寺町は2万円ということで、昔の福井県の制度をそのまま踏襲しております。
 我々、これでもうよしとするわけではございませんけれども、またそのやり方に対しまして、今申し上げましたように、例えば池田町とか美浜・三方の、どちらかというと農村地帯につきましては、国のいろんな補助制度を活用した割と大きな規模でやっておりますし、また今個々の家庭にそういった機械を配置するのがいいのか、また集落ごとにやっていくのがいいのか、そういったいろんな見きわめもございますので、そういったことを十分踏まえながら、また検討していきたいと思っております。

平成22年予算特別委員会
◯田中委員  分別収集の枠組を一遍決めてしまうと、なかなかそれから後退することはできない。そうすると、最終的に何を使うかというのはみんなわかってながら、おかしな分別をしなければならない。それは行政もそうであるが、きちんと明らかにして、これはここらでいいというふうな形をやらないと、石油などはきちんと分ければ分かれるわけである。今は洗剤で洗わなければならないようにしてやっているけれども、そうではない。だから、そこらもきちんと考えてもらう。紙だってそうである。出してから分ければいいのであるから、業者がやればいい。そこにいろんな産業が生まれてくるわけである。こういう分別と産業というのはつきまとうものだと思っていて、ぜひそういう意味では、生ごみのことは最後に残るわけだから、それはまた考えてもらえばいいと思っている。今はいろんな法律の動きもどうなるかわからない。しかしそういうものに対応していかなければならないということもまた事実であるし、今の地球環境の問題についても取り組みは非常に必要ではないかと思っているので、きちんとやってもらいたい。
 私は有用微生物をいろいろとやっていて、そのことに触れてみたいと思う。東京の日本橋川ではEMによる浄化が行われていて、今ボラの大群が見られていたし、またアユが生まれてくるというような状況である。そして、海まで流れて、海がきれいになっている。それから、東大寺も池の浄化や松の活性化に成果を上げているという。福井県においては以前、実証実験を一番初めにさせてもらった。生物もふえて透明度も上がったのであるが、CODだけ高く、これは有機物が中へ出てくると透明度が上がってもこういうことになるのである。だから透明度が上がるのである。それで、なかなか使えないということであった。私はこれから河川等の浄化に広く取り入れてもいいのではないかと前々から思っているのであるが、実験結果が一つ障害になっておりなかなか進まない。今いろんな状況が見られるので、それについて答弁をもらいたい。

◯安全環境部長  今の日本橋川の件であるけれど、日本橋川に清流をよみがえらせる会というのが平成17年からやっていて、日本橋川にEM菌の入っただんごを8,000個ほど川に入れたと聞いているが、千代田区役所に聞くと余り効果はなかったと聞いている。
 それから、福井県では平成13年から平成14年にかけて、三方湖において実験をやっている。そのときの結果ではCOD的には余り改善効果が出ていない。また、そういった面で今、県としては、こういったEM菌はもちろんある面で効果もあるのであろうが、他県で行われているEM有用微生物を利用した水質浄化の情報収集、実験も幾つかやっているので、そういったものを情報収集しながら、また一方では現在三方五湖においてシジミの増殖を図るための浅瀬の造成、魚類のすみかや水生植物の生育を目的とした護岸の整備を今行っているので、あらゆる方策を駆使して、湖沼の水質浄化を図っていきたいと考えている。

平成23年予算特別委員会
◯農林水産部長  有機農業については、先月26日に全国から多くの方が参加された「全国EM技術交流会」が越前町で開催された。また、今月12日には越前市において「全国有機農業の集い」が開催されるということで、農家の有機農業に対する関心は非常に高まってきている状況かと思っている。
 県では、有機栽培による米づくりの技術確立を図るために、冬期湛水、冬水田んぼと米ぬか散布などを組み合わせた除草技術の研究を平成21年度からやっており、これらの技術を取りまとめ、マニュアルとして水稲農家へ情報提供していきたいと考えている。
 具体的なマニュアルの内容であるが、これらの除草技術のほか、機械除草の方法、有機物の施用による土づくり技術、有機質肥料の施用技術、農薬を使用しない種子消毒などの既存技術、さらには、県内の有機農家において実践されているEM技術などの実践事例についても盛り込み、平成24年の作付けに間に合うよう本年11月を目途に作成を進めていきたいと考えている。

◯田中(敏)委員  マニュアルは、できるだけきちんとしたものをつくってもらいたいと思う。うまい米をどうやってつくるかという話になると、もちろんふゆみず田んぼもあるが、あれも本当は微生物をいかにやったり、雑草を抑えるとか、昔からの伝統がある。やはりうまい米というのは、基本的に土づくりである。土づくりというのは、今EMの話もあったが、その微生物を地に戻すことだと私は思っている。いろんなそういうものを出してもらって、できるだけ高い食味が得られる、あるいは、もっと高く売れるようなモデルをつくってもらって普及をお願いしたいと思う。
 EMの全国大会があったという話が出たが、知事にも開会式に来てもらった。私も実行委員長をさせてもらい、1,000名の方に集まってもらった。大変感謝を申し上げる。それだけ、みんな熱心なのだと思っている。
 生物多様性について今いろいろ言われているが、その原点というのは微生物である。微生物がいれば、土づくり、それから自然再生にしても、そこから自然体系がよみがえるということであり、以前から私はそういうことを申し上げ、事例も示してやってきた。
 いろいろ事例があるが、三重県の阿瀬知川では本当にヘドロが消えて、小さい川だが魚があちこち泳いでいる。それから、日本橋川も少し改善されてきた。しかし、行政というのはなかなか認めないという話である。三河湾も、昔は青潮などが発生して大変汚かったが、今はスナメリが泳ぐような状況になっている。我々市民サイドでは認識しているわけである。それが行政になると壁ができると思っている。きょうまで、三方五湖で実験を一部だがやってもらって、生物がふえるということもあった。そういうことも実験材料として出したことがある。
 そういう意味では、三方五湖や北潟湖、お堀もそうだが、いろいろ問題になっているところがあるが、そういうところでEM等々について試してみる必要があると思うが、その点について所見を伺う。

◯安全環境部長  委員からは、EM菌のことに関して何回か質問をもらっている。EM菌を使った水質の浄化については、今ほど話があったが、平成13年度から14年度にかけて、三方湖において実験を行ったところである。
 そのときには、代表的な水質汚濁の指標であるCOD、いわゆる化学的酸素要求量については効果がなかったという結果が出ている。
 ただ、委員から紹介があったように、ほかの県でも多くの例があるようで、県としては、こういう他県の例について、これまで県庁等を通じて間接的に情報収集をしてきたが、特に効果が認められたと言われている事例について、今後、直接現地の情報も把握したいと思う。
 さらに、県内にEM菌を活用した活動を行っている団体等もあるようなので、化学的な指標だけでなく、県庁も現場へ行って、生物多様性の確保や自然再生といった効果を一遍調査して、利用方法等を検討していきたいと思う。

  • 最終更新:2013-11-22 08:35:49

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