行田市

行田市議会とEM

平成15年 12月 定例会

◆ 15番(三宅盾子議員)  

 5点目として、生ごみ処理機への補助についての質問です。
 増え続けるごみの問題は深刻なものとなっています。全国的にも家庭から出る生ごみを減らそうとする取り組みが行われています。近隣市においても、羽生、加須、熊谷、川里、吹上などで補助が行われており、本市においても取り組むべき課題ではないかと考えます。
 熊谷市では、世帯単位ではなく個人単位であるため、補助で2つごみ処理機を購入することもできます。電気処理機、コンポスター、EM菌バケツと3種類の補助を行っています。大抵のところでは、電気処理機だけではなくコンポスターの補助も行っています。市民の中では、電気処理機はどうもという人もいますが、コンポスターやEMバケツの補助は欲しいという人もいます。やり方次第でうまく生ごみの処理ができるようです。
 先日、朝のテレビで船橋市が紹介されていました。じっくりと見ることができなかったのですが、市民が野菜づくりのために市から借りた土地で生ごみを堆肥にして作物をつくっている様子であったと思います。本市としてもぜひ近隣市のように、生ごみ処理機に対する補助を行ってほしいと考えます。市の答弁を求めます。

◎長谷川好宏市民経済部長

 三宅議員さんの5番目のご質問、生ごみ処理機の補助についてお答えいたします。
 現在、市ではごみの減量並びに資源の節約の徹底を目的として、行田市衛生協力会連合会のスローガンでもある手のひら一杯のごみ減量や生ごみの水切り運動などを推進しており、この効果は徐々に実を結んできております。
 ところで、議員さんご質問の生ごみ処理機の購入補助金制度の導入につきましては、幾つもの問題が考えられ、慎重に検討を重ねてまいりましたが、一般的に言われている塩分や油分の問題ばかりでなく、通気性のある場所で1~2カ月間2次発酵させなければならないこと、あるいはつくられた肥料は土地1平米当たり 300~ 500グラム程度しか利用できないことから、つくった堆肥が各家庭で全量消費できるというものではないことなどであります。
 また、小針クリーンセンターで年6回実施しているごみの組成分析における事業系一般廃棄物も含めた生ごみの割合から世帯当たりの生ごみの排出量を算出すると、年間で約 100キログラムとなり、つくられた堆肥の全量が有効活用されたとしても、生ごみ処理機 100台の普及に対し、年間約10トン、ごみ収集車で約 2.5台分の減量効果しか期待できません。既に購入補助金制度を導入している市町村の例から、仮に補助金の額を1台につき2万円とした場合、 200万円の経費をかけて年間約10トンの減量効果、さらに 2,000万円の経費をかけて1,000 台の普及があったとしても、その減量効果は市内全家庭から排出される可燃ごみ1日分程度の量であり、費用対効果の点から考えても、効果的な制度であるとは認められないと思います。
 したがいまして、ごみの減量を目的として各市町村で生ごみ処理機の購入補助制度を導入しておりますが、冒頭に申し上げました市民団体である衛生協力会連合会がスローガンにして掲げているように、経費をかけなくても十分にごみの減量効果が見込める市民ぐるみの運動に力を注ぐことが先決であると考えております。
 では、手のひら一杯のごみの減量や生ごみの水切り運動の効果はどの程度期待できるのかについて説明させていただきますと、手のひら一杯のごみを 100グラムと仮定した場合、日量8トン、年間で 3,000トン強の減量効果があり、60%の水切りを実践した場合には、日量で 4.7トン、年間で 1,700トンの減量効果が見込まれる計算になります。もちろん、ただいま申し上げました数字につきましては、全市民のご協力を得られることが前提でありますが、最小限に見積もり、仮に1割の市民のご理解を得られたとしても、年間 470トン、一切経費をかけずに 2,000万円の経費をかけた場合の 4.7倍の減量効果が見込まれる次第でございます。
 また、これらの運動以外にも、料理のつくり過ぎによる残飯や賞味期限切れなどにより、手つかずのまま捨てられる食品をなくすことに心がけることが重要であり、これらはごみの減量のみならず、資源の節約にも環境の保護にも貢献できると考え、多くの機会を通し、説明させていただいているものであります。ちなみに、厚生労働省の統計調査によると、これらむだに捨てられた食品並びに食料残渣は、廃棄される生ごみの約40%とのことであります。
 以上の理由により、生ごみ処理機購入補助金制度の導入につきましては、現時点では予定しておりませんが、今後とも生ごみ処理機を含め、ごみの減量や資源の節約、環境保全に係る制度や技術を常に注視していく所存であることを申し上げ、答弁とさせていただきます。

◆ 15番(三宅盾子議員)

 それから、5番目の生ごみ処理機にかかわってですが、ごみを減らしたいという市としては、かなり消極的であるというふうに思いました。手のひら運動、水切り運動、大いに結構だと思います。大変重要なことですね。一人一人が自分のところからごみを減らす努力、これは重要なことであり、大事なことで、評価すべきことと思うんですけれども、ただ、生ごみ処理機に補助をするということは、さらにその効果を高めることにならないでしょうか。それで、市のほうは生ごみ処理機といいますと、即電気処理機を思い浮かべるらしいんですね。ですけれども、他自治体は電気処理機だけじゃないんです、ちゃんと。私もヒアリングのときも申し上げました。EM菌バケツですとかコンポスター、それを申し上げたわけです。非常に消極的だなということを感じました。実際、市民がEM菌バケツを使ってごみ減量に努力されているんです。その市民からも、もうバケツが古くなったので買いたいという話もありますし、きちんとしたやり方を行政みずから示したりとかすれば、それは本当に効率的にごみ処理ができるんではないかなというふうに思います。
 先週、議会の日だったので私は出席できなかったんですが、行田市のほうで大変いい学習会といいますか、講演会といいますか、を組んでいただいたようです。「みらい」のほうでごみ問題で行われたんですけれども、早野久子さんという方、そしてこの本も会場で販売されたようで、買った市民が私のほうに、こんな本がありましたということで紹介をされました。
 それによると、一番この方がいいというふうにおっしゃっているのが、コンポスターということです。電気処理機のほうは電気代もかかるし、なかなかうまくいかない場合が多いということなんですね。においとか、そういうことを問題視する、まちのほうもちょっとおっしゃっていたことがあったでしょうか。ちゃんと書いてあるんですね、やり方が。このようにすると大変よい、塩分があるということもありますが、それは例えば水分をよく切った生ごみ、上から入れて塩分の多いものを蛇口の下に置いて、食器、野菜、それらを洗い流すときに塩出しができると、自然に。そういうことで問題ないということなんですね。においをどうしたらよいか。茶殻とかコーヒーのかすを入れるとか、そういうことが書いてありますので、行政は積極的にもっとごみ減量についてどのような処理機がよいか、そしてそれらを市民に徹底させるにはどのような使い方をしたらよいか、みずから率先してやってほしい立場であると思うんですが、その辺はないのでしょうか。
 ただ、「みらい」での先日の講演会、それから内容は大変よかったということですので、行政もこれらのことを参考にして、ぜひごみ処理の補助、近隣でもみんなやっていることですから、行田市でもやれると思います。ぜひよろしくお願いしたいと思います。答弁を求めます。

◎長谷川好宏市民経済部長

 三宅議員さんの再質問にお答えいたします。
 議員さんがおっしゃるとおり、市民レベルの生ごみ減量のためには、生ごみ処理機と比べ、コンポストの使用が効果的であると考えております。しかしながら、実際にコンポストを上手に使用している家庭も見受けられるところでございますが、使用に当たりましては、かなりの手間と根気を必要といたしますので、今後ともコンポストの使用の推奨とあわせ、使用の際、ポイントなどについても指導してまいりたいと存じます。
 ただし、市の購入補助につきましては、生ごみ処理機と比べかなり低い価格でありますので、現在のところ補助等は考えておりません。ご理解を賜りたいと存じます。

◆ 15番(三宅盾子議員)

 それから、生ごみ処理機ですが、少しは前進したかなという答弁をいただきました。しかし、補助については価格が安いからしないということだったんですね。価格が安くても、生ごみを少なくしたい、EM菌を使ってぜひ手のひら、それからさっきありました運動と同じように広げていくという気持ちがあれば、姿勢があればこれはすると思います。よそでちゃんとしているんですね。熊谷市などでもしていまして、EM菌バケツと、それからコンポスターをしています。農協に行ってするということなんですね。安ければよけいできると思うんですね。電気のほうが高いからできないということではなかったですか、一番最初の答弁で。ですから、安くて皆さんがごみ処理をどんどん進めることであれば、安くてできるわけですから、ぜひ他自治体を見習ってやってほしいと思います。


  • 最終更新:2013-12-06 05:19:43

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