調布市(1)

平成5年 第2回 定例会

◆11番(広瀬美知子 君)

 日本社会党の広瀬美知子でございます。
 本日は環境保全とごみ減量についてというテーマで、1つに、有機性廃棄物の減量とリサイクルについて、2つに、環境関係基金についてということに絞って考えてみましたので、これより順次質問を行ってまいりたいと思います。
 日本を初めとする先進国における資源多消費型の社会経済体制は、世界各地で深刻な自然破壊、環境汚染、公害被害をもたらしてきました。今日その影響は、地球的規模での環境問題に発展し、今や人類の生存そのものに大きな脅威を与えています。
 さて、私はこの間、3回続けて環境保全資源循環型自治体を目指してということを大きなテーマとして一般質問を行ってまいりました。この中で取り上げた廃棄物に関する問題といたしましては、自然の水サイクルを破壊する合成界面活性剤の排出問題、リサイクル型町づくりを目指した一つの基本方針を示すものとして、リサイクル条例の制定問題がありました。これらにつきましては、その後行政の早い対応をいただきまして、これには心から感謝の意を表するものであります。
 また先般は、市内最大の古紙排出事業所とも言える市立図書館での図書のリサイクルについての御検討をお願いいたしました。貴重な図書を再生紙原料としてしかリサイクルしない。回収業者によるリサイクルルートにだけ頼るという方法は、その後深刻化の度合いを増す古紙市場の低迷の中でどうなっているのだろう。行き詰まってはいないのか。今、私はこのことを大変心配しております。市民のリサイクルへの関心、協力が高まってきている中にあって、行政の側が年間数万冊にも及ぶ図書を焼却しなければならないような事態が間違っても起こることのないよう、図書のリサイクルの早い実現をお願いしておきたいと思います。
 さて、調布市のごみの8割は可燃物であります。そして、その可燃ごみの半分以上は紙と布です。こうしたことから、調布市がごみ減量のために、紙と布についての分別回収に踏み切り、大きな成果を上げてきていることは周知の事実であります。では、可燃ごみの残りの半分への対策はどのようにされているのでしょうか。私は、今回この点について目を向けてみたいと思います。
 二枚橋衛生組合で焼却された可燃物の組成分析結果を見てみますと、紙、布類を除いた可燃物の40%以上が残飯、動植物性じんかい類でありまして、15%が木、竹、わらであることがわかります。それ以外は、燃却不適物及び不燃物への類でありますから、今回は論外といたします。
 つまり、可燃物の減量のためには、紙、布に対する分別リサイクルの推進とともに、当然のこととして、紙、布を除く残りの半分、つまり残飯、動植物性じんかい類、次いで木、竹、わら類への対策が立てられなけらればならないと思うのであります。そこで私はこうした観点に立って、これら有機性廃棄物に対する減量リサイクルに関して、幾つかの所見を述べさせていただき、これより質問を行ってまいりたいと思います。市長並びに関係部長の御答弁をよろしくお願い申し上げます。
 まず初めに、一般家庭から排出される生ごみについてです。現在調布市においては、生ごみの減量対策として、生ごみ保管容器などの購入費に対する補助金交付や、生ごみ自家処理堆肥化容器などの貸与などを行っております。さて、この自家処理堆肥化容器、つまりコンポスト貸与の制度は、スタートしてことしで6年目に入っております。生ごみを手軽に毎日処理でき、ごみの減量化と堆肥ヘのリサイクルに役立つということで、生ごみ資源化機器の中では、これまでコンポスト装置、容器が主流を占めてまいりました。しかし調布市では、貸与要綱をつくって普及を図ってきたはずでありますが、コンポスト貸与数が市内全域を対象にしているにもかかわらず、5年間で724基しか貸与されておりません。
 平成4年度版の調布市統計書によれば、市内の住宅総数は7万2,050戸で、そのうち一戸建て住宅数は2万3,936戸となっております。一戸建て住宅すべてにコンポストの設置が可能だとは言い切れませんが、仮に可能だとすると、これまでのようなコンポストの普及速度では、これら全世帯が使用に至るのに、あと165年もの歳月が必要になる計算になるわけであります。
 そこで、私は早急に生ごみの減量リサイクル対策として、自家処理の一つの方法であるこのコンポストの普及、拡大を強力に図る必要があると考えます。いかがお考えでしょうか、御答弁をいただきたいと思います。
 次に、コンポスト貸与に当たって、その趣旨の明確化、使用方法についての徹底、助成内容の拡充についてお尋ねをいたします。
 平成4年2月に実施をされたコンポスト・モニター・アンケートの回答を見てみますと、各家庭から排出される可燃ごみの30%~50%が生ごみであること。コンポスト設置によって、全くステーションに生ごみを出さなくなった人が30%、相当減ったと回答した人が50%という、ごみ減量への効果を裏づけるような結果が出ておりました。しかし、その使用に当たって発生する問題については、多くの場合個別対応がされております。この点が大変気になるところであります。コンポスト設置に伴う悪臭の問題については、45%の人がふたをしていれば余りにおわないと答えていますが、害虫の発生率は実に76%にも達しています。この害虫発生に対する処置はどうしたのかとの問いに、実に60%の人が農薬、防虫剤、殺虫剤を使用したと答え、そのほかたばこの吸い殻の水溶液をまくと効果があったとの御意見もありました。ここで私は、本来のコンポスト使用の目的とは何であったのであろうと考えさせられてしまったわけであります。
 生ごみを運搬、焼却するむだを省き、自然の浄化作用を生かし堆肥化することを通して、豊かな土壌を再現するはずの趣旨が、農薬や殺虫剤をまきながらのコンポスト利用では、良好な堆肥ができるどころか、土壌汚染を促進することにもつながる危険があるのではないでしょうか。土壌中に持ち込まれ、長期間残留する種類の農薬が蓄積されると、地下水のみならず大気の汚染、農作物の汚染までが引き起こされるといわれております。私は、自然と人間が共生できるリサイクル社会に向かう基本的視点が明確化されず、ごみの減量のみの追求にとどまる限りは、真の資源循環型環境保全への道は開かれてこないと考えます。
 さて、コンポストをめぐってるる申し上げてまいりましたが、最後に助成内容の充実についてお願いをし、この問題についての質問を終えていきたいと思います。
 コンポスト容器の改良も随分進んできたようです。先般私も、東京の晴海で開催された全国廃棄物処理展に行ってまいりました。新型で通気性にすぐれたものや水分除去型の機構を備えたもの、省スペース型のもの、色も大変きれいなものなど、設置促進に対する工夫が随分されているなと感じました。
 また、現在市でコンポストを貸与する際に、利用者に渡されている発酵促進剤については、その後の購入が利用者の自己負担となっております。1本1,000円するこの発酵促進剤の入手先も市内では3ヵ所ほどに限られ、かつその場所も貸与時に利用者に周知徹底されてはいません。コンポスト貸与制度が単にコンポストの貸与のみにとどまらず、その意義や使用方法の周知、防臭や発酵促進剤等の助成及び入手先の拡大、機種の検討など、市民の利用拡大がもっと促進されるきめ細やかな対応をすべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。お尋ねをいたします。
 次に、生ごみの微生物利用による処理と減量についてお尋ねをしてまいります。
 資源ごみに対する回収や再利用がいろいろ取り組まれてきている中にあっても、悪臭を放ち、病害虫の発生源という問題を抱える生ごみに対しては旧態依然として自治体が回収、焼却、埋め立てをしているのが実情であります。
 二枚橋衛生組合のごみ質試験によっても、可燃ごみの含水率は55%前後で、水分を多く含んだ生ごみを焼却するには、多大な費用と設備が必要です。
 そこで、この生ごみに対する有効処理、減量対策がいろいろと考えられてきたわけでありますが、最近は焼却によらず微生物を利用して生ごみを堆肥化させ土に返す。自然に返すことによって環境を守り、ひいてはごみの減量にも役立てようとする取り組みが注目されてきています。生ごみの減量対策はコンポストが主流であるということを先ほど述べましたが、これは容器を置く一定のスペースがどうしても必要で、少なくとも庭などの空間、土地を持つ家庭でしか利用することができません。しかも、堆肥になるまでかなりの期間がかかります。そのため、土のないマンションなど非木造住宅では活用できないという難点があるわけです。
 そこで私は、一戸建ての住宅数よりもマンションなどの数の多い調布市での生ごみ減量対策には、コンポストの設置のほか、微生物利用による生ごみ減量の方法を検討してみる必要があるのではないかと考えます。もちろん、コンポストでの堆肥化に活躍するのも微生物であります。これから御紹介するのは、自然の微生物の活動だけに任せず、有効な微生物群を培養した液を使って、これを生ごみにまぜ、生ごみを短期間に分解、堆肥にするという方法です。私は、先般この方法を取り入れてごみ減量に大変大きな成果を上げた岐阜県の可児市というところに行ってまいりました。ふえ続けるごみの量に対応できず、処理能力を大幅に上回りながら24時間連続運転を続ける老朽化した焼却施設、パンク寸前に追い込まれたごみとの闘いの中で可児市が取り組んだのは、一般家庭からの生ごみの排出抑制でした。具体的にはEMと書くんですが、このEMという有効微生物群を利用した通称「ボカシ」、このボカシは農業用語ですが、このボカシという米ぬか状の発酵堆肥剤を一般家庭に配りまして、それを各家庭で生ごみにふりかけてもらいます。生ごみを良質の発酵合成型有機肥料にかえて、土に還元してもらう。この協力の訴えを市民に対して可児市は強力に推し進めたわけであります。
 さて、可児市では実施に踏み切った昨年の4月から7月までの4ヵ月間で一般家庭からの排出ごみが500トン減量される結果を生み出しました。平成3年までは毎年10%前後の伸び率を示していた可燃ごみが、実施以降毎月前年比8%から14%の減量を記録しているそうです。「昨年4月から12月までは前年度比マイナス800トンであったために、ごみ処理経費が1,600万円浮いた」と環境部長が胸を張って言っておられました。これは、テレビやラジオ、雑誌でも取り上げられまして、全国で大きな反響を呼びました。可児市ではそれ以降、年間80件も視察が殺到いたしまして、私が伺ったときも2市の行政の方と一緒に説明を受けるということになってしまいました。
 また、その可児市の近くにある岐阜市も、今年度700から800トンの減量を目標にこのボカシに対する助成制度に踏み切ったということです。
 さて、このボカシとは何なのか。どのようにしてつくられるのでしょうか。まずこの生ごみを発酵堆肥化する核心であるEMについてですが、これは琉球大学の比嘉照夫教授が農業用の土壌改良を目的に開発したものです。これは自然界に存在する光合成菌や乳酸菌、酵母菌など、10属80種以上の有効微生物群を選び出して共生させた人工的な複合培養液のことです。これを500倍に薄めた液ともみ殻、米ぬか、わら、魚粉、黒蜜をまぜて水分が50%ぐらいになるよう調整しますと発酵が始まりまして、もみ殻の山の中は40℃以上に温度が上がります。私も手を入れてみましたが、とても温かくなっておりました。こうして4日間ぐらいすると、乾燥したボカシと言われる発酵堆肥剤ができ上がるわけであります。
 このボカシを家庭ではどのように使用するのか。これは私もやってみましたが、毎日台所から出る生ごみをよく水切りして密閉性のある容器に入れ、その上からこのボカシを振りかけてふたをする。これを毎日繰り返していくわけです。そして、容器がいっぱいになったら、ふたをしたまま直射日光を避けて10日間ぐらい置いておきます。すると、腐敗臭の全くしない、良質の発酵堆肥ができ上がるわけでございます。生ごみのにおいは漬けもののようなにおいで全く気になりませんし、病害虫も発生いたしません。また、この際下にたまった液は500倍に薄めてトイレや台所に流しますと悪臭が消え、配水管の汚れもきれいになるそうです。また、1,000に薄めた作物にかけると成長がよくなり、川や水に流すと水質浄化にも役立ち、澄んだ水になると言われて、それらの効果が大いに期待されているところであります。
 このボカシは可児市の市民グループがつくっておりまして、標準家庭の1ヵ月使用料である300グラムが1袋100円で売られています。年間でも1,200円の費用で済む安価な家庭菜園の肥料代とも言えます。市内の6万世帯強がマンションなどの集合住宅に居住しておられるわけですから、こうした方々がこれを利用することによって得られるごみの減量効果は申し上げるまでもないように思われます。さきに述べましたように、調布市ではポリバケツなどの購入費の助成も行っていることでもありますし、これとあわせてこのEM菌の使用の助成に取り組まれるならば、政策目標が倍加されて達成されるということになるのではないでしょうか。全市的な展開が当面困難であるとしたら、モニター制やモデル地区制などによっても早急に取り組むべきであると考えますが、これに関してどのようにお考えになりますか、御所見をお尋ねいたします。
 また、これは有機農業を推進しておられる市内の農業者にも活用していただくことによって、農業や産業の育成にも通じることだと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 さて、これまで生ごみについて、庭を持っていらっしゃる御家庭、マンション住まいの御家庭への対策について述べてまいりましたが、生ごみの微生物処理についての最後に、市の施設への対策についてお尋ねいたします。
 市の施設で生ごみを大量に排出する小学校や保育園などでの生ごみ対策の検討はどうされているのでしょうか。最近は生ごみの堆肥化処理機器のほかに生ごみ消滅機というものも出回り始めました。土壌中に存在するバクテリア菌を配合し、粉末状にした媒体剤を使うもので、発酵作用や分解作業を促進し、生ごみを80%~90%消滅させることができるというものです。また残土や残水も有機性肥料として活用できるというものです。このほか、おがくず状にした木質細片に化学的処理を行った炭素質有機ろ過材を使用して、悪臭の元凶であるアンモニアや硫化水素を発生させずに投入した生ごみを水と炭酸ガスに分解してしまうものもあります。これらは、生ごみを毎日投入しても容器内の量がほとんどふえないということで、三多摩でも導入の検討をする自治体がふえてきているようです。学校内でできた堆肥は、校内の草花の育てる土壌づくりにも使え、子供たちのリサイクル教育、環境教育にも役立つものと思います。市施設でのなるべく早い生ごみ処理の対策をお願いするものであります。
 次に、木質廃棄物についてお尋ねをいたします。二枚橋衛生組合に持ち込まれる事業系ごみの中には植木などの剪定枝が随分多いと聞きます。この量は昨年350トンで、その半分が市内の公園や街路樹から排出されているのではないかと言われています。木質資源は再利用が比較的しやすい材料の一つだと言われております。我が国の木質系ごみは海外輸入木材量に匹敵する3,780万トンと推測されております。しかし、その再利用率はわずか13%で、大部分は焼却、埋め立て処分をされています。一方、その再資源化技術は、燃料、活性炭、製糸用チップ、家畜飼料、キノコ栽培培地、そして堆肥など、各方面にわたっております。
 木質資源の再利用のあり方の一つとしてチップ化、堆肥化が最近注目を集めていますが、私はこれを市内の公園樹木、街路樹のように手入れを必要とする樹木に対して行ってはどうかと思います。いかがお考えでしょうか。
 建設省の近畿地方建設局は、一昨年から昨年にかけて街路樹から発生する大量の剪定くずのリサイクルに関する調査を行いました。これによりますと、剪定クズの発生は4月から多くなり、8月をピークに11月までの5ヵ月間でその70%を占めるそうです。また、京阪神全体の剪定くず発生量は100万立法メートル、何とトラック23万台分に及ぶ膨大な量であることが判明いたしました。その処理金額は19億円ですが、これを緑化資材とした経済効果についてはほぼ処分費用の中でチップ化作業が可能であるとのことです。これから剪定を要する樹木は、緑化事業の拡大とともにふえ続けていくことが予想されます。今の街路樹植栽や公園整備のペースを考えれば減ることは考えられず、今後、剪定くずの処理が大きなテーマになってくるものと思います。剪定くずも粉砕して堆肥化させれば立派な有機肥料になるとのことですので、そのための施策も行われるべきではないでしょうか。お考えをお聞きいたします。
 また、でき上がったチップをマルチング材や園路、遊具下のクッションなどに利用し、残りを堆肥化、土壌改良材として利用する。こうした施策も行われるべきと考えます。チップ材はクッション効果のほか、水たまりができず、土砂の流出防止や雑草が生えないなどの利点を生かして、昨年の秋、神奈川県大和市では市内の散策路に約10センチの厚さで敷きました。雨の日でも市民に枝葉の弾力性を楽しみながら散策してもらおうというしゃれた対応です。既に東京都でも、チップを公園のブランコの下に敷くクッション材に利用しております。市内の造園業者や有機農業者の会などで実験プロジェクトチームを編成してもらい、器材の貸与や活動の助成などに取り組むべきではないかと思います。つくられた有機肥料の利用については、もちろん公共の施設や公園、農業などに利用されるよう、そのシステムづくりも行われるべきであります。これらについてもお考えをお聞かせ願いたいと思います。

◎市長(吉尾勝征 君)

 また、生ごみの件につきましては、バクテリアやEM菌、いろいろ難しくて、専門の方からお答え申し上げますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

◎清掃事務所長(清水豊彦 君)

 私からは生ごみの減量リサイクルと助成制度の拡充について、特に岐阜県の可児市で現在市民団体等で積極的に行って、市も大変市民団体と協力してその有効微生物群、これはEM菌というふうに言われているそうですけれども、それを利用しての生ごみの減量化の問題、それから学校に設置予定のコンポストの件、それから公園や街路樹の樹木の剪定枝の利用等についてお答え申し上げたいと思います。
 まず第1に、生ごみの減量リサイクルと助成についてお答え申し上げます。本市におきましては、古紙、布、瓶、缶等の資源物の分別収集を行い、一定の成果を得つつあるところでございますが、より一層の促進をしてまいりますためには、御家庭や飲食店等から出される生ごみのリサイクルが大きな課題の一つでありますことは御指摘のとおりでございます。この対策といたしまして、現在、簡易コンポストの貸与制度によりまして希望者に貸し出しを行っております。これは、生ごみを堆肥化して土に返すことによってごみの減量を促進し、あわせて土壌改良剤として活用することによって環境保全にも役立てようというものであります。期待しております効果は大きいものがございますが、ただいま御指摘がございましたように、現在までの利用状況が700余ということで数量的には大変不十分な状況であることも事実でございます。これは、私ども丸型のコンポストで直径が85センチぐらいございます。ですから、広い庭がある方に対しては非常に使いやすいんですけれども、庭が狭いとちょっと置く場所に困るというような不便さもあるわけでございまして、これからはいま少し小型のコンポストの利用について市民の方々に呼びかけてまいりたいというふうに考えております。
 また、発酵促進剤や利用方のPR、資料等、この利用者の利便を増進するための方策につきましても、今後充実させていきたいと考えております。特に夏場の虫の発生等があるわけでございますけれども、殺虫剤はほとんど害がないというふうに言われておりますが、その中に農薬をまくということがまたいろいろな公害のもとにもなるわけでございまして、そのような正しい利用の仕方等についてもよく指導してまいりたいというふうに考えております。
 2番目に、学校等に設置を予定しておりますコンポストについてでございますが、現在のところ小学校に2校程度計画しております。給食に伴って出される生ごみの量は児童1人当たり、1日当たり80グラム程度と想定いたしておりますので、これを堆肥化いたしまして学校の花壇や菜園等で活用していただきたいということを考えております。効果が確認され次第、順次各学校にその設置を広めてまいりたいというふうに考えております。さらに、学校や公園、街路等の樹木の剪定後の処理についてでございますけれども、現在のところは大部分が受託業者自身が一部チップ化を行っている場合もございますけれども、ほとんどが自家焼却ですね、御自分の畑で焼却等を行っておりますが、残りは二枚橋衛生組合の焼却場で焼却処分しているのが現実であります。今後、これらの剪定枝のリサイクルにつきましては、御指摘の趣旨を参考にさせていただき、今後の検討課題として取り組んでまいりたいと存じます。御理解いただきたいと思います。
 また、そのチップの利用ということも御指摘がございました。市内にはまだかなりの農家の方々がいらっしゃるわけでございまして、後継者にも恵まれて意欲的な減農薬であるとか、あるいは有機農業を試みておられる農家の方もいらっしゃるわけでございまして、そういう農家の団体の方々とも、私ども今までも何回か会合を持ったこともございますけれども、これからいろいろお互いに勉強し合っていきたいというふうに考えております。
 それから、最後に微生物の利用による生ごみのリサイクルについてでありますが、これまで申し述べてまいりましたコンポストの利用については、庭や畑等の所有者以外には利用ができないという弱点がございます。いろいろ御調査いただいて、今お話しいただきましたが、マンション等の集合住宅での利用に適したリサイクルシステムが急がれている現状でございますので、御指摘の有効微生物群の利用による方式は、私どもといたしましても大きな期待を寄せて注目しているところでございまして、清掃事務所でも小規模でございますけれども、このEM菌を使った生ごみの堆肥化について実験も行っております。今後、そういうようなものも見ながら、市民の有志の方とも、そういう市民団体の方とも話し合いをしながら、有効な方策について考えてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしく御理解いただきたいと思います。
 以上でございます。

◆11番(広瀬美知子 君)

 大変明快なる御答弁をいただきまして、ありがとうございました。私としては、要望を申し上げていきたいと思います。
 まずコンポストの助成の拡大についての御答弁でございましたけれども、私の申し上げた内容をほとんど充実させていただけるということでございますので、再質問の必要はないわけでありますが、コンポストの設置自体は生ごみ対策ということもございますけれども、行政側の努力のみならず、一人一人の市民が環境保全のために果たすべき役割というものが激しく問われてきている現状から見て、少なくともコンポストの設置は、コンポストが設置できるぐらいの広さを持った庭つき家屋の所有者の義務であるというぐらいの方針を持って、この制度の市民への広報活動の強化やモデル地区の設定など、具体的な対策の検討を早急にお願いしておきたいと思います。
 それから、生ごみの微生物利用に関してでございまして、市長さんからの御見解や所見をお聞きしたかったんですけれども、今回もいただけませんでしたが、部長の方から明確なる御答弁をいただきました。可児市での取り組みが成功した理由というのは、いろいろあると思うんですけれども、まず手軽に、そして楽しみながらごみ減量に参加できる、リサイクル運動に参加できるということがやはりポイントになっているのではないかというふうに思います。環境をよくするための行動に市民が参加をしているという充実感が、成功した一つのポイントじゃないかというふうに思っております。このボカシ普及運動というのは、生ごみを減量するということだけ、あるいは堆肥化するということだけではなくて、その堆肥化したものを土に返すことによって土壌が改良されて、ボカシを使った土壌からは大変色のきれいな花が出るということでありまして、また安全な農作物がとれる、野菜がとれるということで、私としては花いっぱい運動や農薬を使わない作物づくりということで、今日の環境問題の幾つかの重要な視点をこの運動の中で訴えているというふうに理解をしております。こういうことが市民の協力を拡大している大きな要因になってきているのではないかと思っております。
 いずれにしても、家庭菜園や農地に生ごみを返していくということ。ごみの資源化、減量化を進める私たち一人一人が日常生活の中でほんの身近なところから行動が起こせるということで市民のリサイクル意識が高められるとすれば、こういう取り組みを今後ぜひ進めていっていただきたいものだなというふうに思います。
 それから、剪定枝の処理についてでございますけれども、大変いろいろな、ユニークな取り組みがされておりまして、近くの日野市では年間6,000平方メートルぐらい雑木林を伐採しておりますが、これまで、これもすべて焼却をしていた。これをやめまして、太い幹はシイタケ栽培の原木にする。枝葉はチップにして堆肥や土壌改良剤にするということにしまして、さらに原木にならない枝はまきにして炭を焼き、用水路に敷いて生活雑排水の水質浄化に役立てているという非常に多様なリサイクルを行っております。
 あるいは、北区などにつきましては、剪定枝や落ち葉を公園の地下室に積み込んで腐葉土に変えるという緑のリサイクルを行っております。貯蔵場所不足の解消ということと、風の入らない室というものの持つ断熱効果で堆肥化のスピードが通常の2倍以上になるというもので、これは一つの伝統工法の見直しといえるものです。室は地下室や二重壁構造の部屋をつくって外気を遮断し、一定の室内温度を保つ伝統工法でありまして、氷を夏まで保存することができるという氷室などにその知恵が生かされてきたものであります。我が市での木質廃棄物のリサイクルも、こうした自然のサイクルに沿った資源循環型、環境保全型施策として展開されていくべきであると考えております。剪定くずの年間発生状況などの実態も把握されるとともに、年間発生量や処理費用などについて検討され、経済効果を導き出すようなさまざまな方法についてぜひ研究を深めて、堆肥の効用についての生育試験なども通じて、ぜひよりよい緑のリサイクルシステムを確立していただきたいと思います。
 市施設での生ごみの減量問題ですが、機器が消滅型か堆肥型かということにつきましては、設置場所や管理の問題などで選択するべき問題も出てくるでしょうし、またどんどん新しい機種も開発されてきておりますので、耐久性や使いやすさなど設置目的別に十分検討されて、効率のよい処理機を設置していただきたいと思います。
 一般家庭での生ごみ対策について追加をしておきますが、本日私が申し上げたこの有効微生物群というものによる堆肥化はあくまでも一つの例でございまして、これから効果も十分検討された上で、さまざまな形でつくり出された堆肥ができるだけ市内で活用されるよう需要先の確保などのリサイクルルートの確立もあわせてお願いをしておきたいと思います。
 今回は事業系ごみについて取り上げませんけれども、事業系ごみについては増加傾向が強まってきております。事業所内の食堂や外食産業など、生ごみが大量に出るところへの対策の検討も急ぐ必要があると考えております。事業のために出たごみに市民の税金を使わないという考えをきちんと持って、これらについても取り組んでいただきたいと思います。
 いずれにしても、有機性廃棄物は自然界に戻すこと。これが最も自然の理にかなったことであると考えます。あわせて、東京都三多摩地域26市1町350万人のごみの最終処分地のことを考えるとき、減量できるものはあらゆる手を尽くして減量していくという、そういった努力をしていかなければならないと思います。ごみ分別収集の徹底化と再資源化によるごみの減量化を今後さらに強力に推進されるよう、お願いを申し上げます。

平成6年 第1回 定例会

◆14番(山口茂 君)

 続いて、第3はごみ問題でありますが、簡潔に申し上げますと、深刻化するごみ戦争に対してEM(有効微生物群)を活用した生ごみ・リサイクル運動を試みる自治体や団体がふえております。例えば、先駆的には岐阜県可児市があり、市民運動団体等を結成して4,000人もの人たちが実践し、相当な効果を上げていると伺っておりますし、ほかの自治体もたくさんあるようでございます。要約して言えば、このEM処理は市民のリサイクル意識を高め、生ごみを良質な発酵堆肥に変え、家庭菜園や農地に還元してごみの資源化と減量化を進めようとするものであります。
 そこでお尋ねしますが、我が市としてもこれらEM活用につきまして前向きに検討されるお考えはないか。試行でもいいから実施してみる意義は大きいと思われますが、御見解を賜るところでございます。

◎市長(吉尾勝征 君)

 次にごみ問題、特にEM(有機微生物群)の活用についての御質問でございますが、限りある資源を大切にという発想から生まれましたリサイクルが、今日ではごみの減量という効果の方に力が注がれ始めております。本市におきましても、瓶、缶、古紙、布等の資源物収集を積極的に行ってまいりまして、ごみ減量、リサイクルを大きく推進してまいりました。
 ごみの減量化と資源化を進める一つの方法といたしまして、EM菌が使用されているわけでございますが、現在、清掃事務所におきまして試験的に導入いたしており、環境という面からも重要な課題でございますので、今後も引き続き導入の方向を検討してまいる所存でございます。

平成8年 第4回 定例会

◆13番(杉山典子 君)

 まず1点目は、ごみゼロを目指してということです。先日の11月20日にクリーンセンターが発行している「ザ・リサイクル」の17号、各家庭に新聞折り込みで配付されました。サンタもクロースると、タイトルも職員の方が苦労してつけられたなというふうに見たんですけれども、このような見出しで生ごみの水切りのお願い、あるいは資源リサイクルの情報、ごみの出し方など、とてもわかりやすく書かれていまして、職員の方のごみ減量に対する意気込みがあらわれているようで、とても頼もしく感じました。
 この「ザ・リサイクル」の2面にも最終処分場のことが書かれていますが、そこはあと14年しか使えない、14年後の三多摩のごみの受け入れ先は全く希望がない、だから、これからはごみゼロの社会を目指さなければならない、ごみゼロの社会づくりの準備にあと14年しか時間が残されていないと切実な状況を訴えています。
 私たち生活者ネットワークも、今まさにこの14年先を考えたごみ処理を今から、行政と市民がともに考えていかなければならないと考えます。調布市の資源化倍増アクションプランなどの取り組みによって、資源化率は平成6年度で22.3%にも達していると聞きますし、その数値が年々上がってきていることは行政の熱意を持った取り組みと、それに相まった市民のごみに対する意識の高まりととらえられ、大いに評価するところです。
 しかしながら、ごみ総量は横ばい状態が続いています。資源化率は高まっても、ごみとして出される量が減らないのでは、ごみゼロの達成はなかなか難しいのではないでしょうか。ごみ総量を減らす取り組みが急がれるわけですが、まず第1の質問として、今年度作成中のごみ処理基本計画の内容はどんなものか、お尋ねいたします。
 環境保全行動計画の中では、ごみ減量とリサイクルの推進の項目で、ごみの総量が減少し、再資源化が進み、資源、エネルギーがむだなく繰り返し利用される循環型社会の実現を目指しますとして、平成14年にはごみ総量を20%削減し、平成21年には30%削減させるとの目標が掲げられています。ごみ処理基本計画は、この削減目標に対する具体的計画なのでしょうか。具体的にこのように目標数値を出しているわけですから、当然年度ごとの到達目標と具体的取り組み計画が必要と考えますが、これらはどのように計画に盛り込まれるのでしょうか、お伺いいたします。
 また、来年4月から施行される通称、容器包装リサイクル法、正式名称は、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律ですけれども、これに伴う分別収集計画との関係はどうなっているのでしょうか。そして、この計画づくりに当たって、現在ある調布市廃棄物減量及び再利用促進審議会の中で議論はなされているのでしょうか。
 ごみ問題は、行政だけがどう頑張っても解決できることでないということは既に十分承知していることだと思います。市の基本計画の中の廃棄物処理の項目の事業計画では、ごみ処理総合施設の見直しの事業として、このごみ処理基本計画の策定が位置づけられています。それならばやはり、しっかりと市民参加で策定することが必要です。ごみ処理基本計画は今年度策定ということですので、現在既にある市民参加の減量及び再利用促進審議会での議論が必要と私たちは考えますが、この点についてお考えをお聞かせください。
 次に、先ほど申し上げました市の基本計画の廃棄物の処理の中では、もう一つ、ごみ処理総合施設計画の策定が書かれています。このごみ処理総合施設計画について、お尋ねいたします。
 調布市のごみ処理は二枚橋焼却場で可燃ごみが燃やされ、富士見リサイクルセンターでは不燃物の分別とリサイクル、減量化がされていますが、特に二枚橋はその焼却能力の低下が問題となっており、ごみ焼却施設建設は検討課題とされています。そこで、このごみ処理総合施設計画の中で、将来にわたってのごみ処理について、根本から討議することを提案したいと思います。根本からというのは、これからもずっと焼却という処分方法をとっていくのか、その方法しかないのか、そこのところから議論をしていかなければならないということです。
 実は今年の3月に、東村山市で秋水園再生計画書というものが出されました。これがそうなんですけれども、これをまとめたのは、秋水園再生計画策定市民協議会というもので、行政と市民が一体となって取り組み、一緒に悩み、学習を重ね、お互いに納得し合意できる計画をつくろうと努力を重ねた結晶といえるものです。これがつくられるに至った経過を簡単に紹介したいと思います。
 秋水園は、ごみとし尿の処理施設で、可燃ごみの焼却処理のほか、不燃ごみ、粗大ごみの破砕、瓶、缶の選別、ペットボトルの圧縮まですべてを減量・減容化する中間処理施設です。この焼却炉は昭和56年に建設され、また破砕施設も老朽化してきて、し尿処理施設の見直しとあわせ再整備が必要となり、平成3年に施設整備計画を策定しました。
 ところが、東京都から広域処理を示唆され、東村山市一般廃棄物処理施設広域化基本計画を作成し、その後、秋水園周辺住民から広域化反対署名が提出され、市長が廃棄物処理の広域化については、懇談会を設置し、市民の意見を聞いて判断したいとし、市民参加の広域化問題に対する懇談会を発足させました。
 その年の9月、市長が広域化は見直し、懇談会は継続すると表明、改めて市民参加の秋水園再生計画策定市民協議会が平成7年4月に発足しました。メンバーは20名、学識2名、行政3名、市職労2名、それ以外は市民代表で、自治会や消費者団体連絡会の方もいらっしゃいますが、地域でごみの問題に取り組んでいる方や、資源回収事業協同組合の方など多彩な顔ぶれとなっています。このメンバーで、一年間で全体会は15回、専門部会は13回から15回、4つのワーキンググループで合計31回のワーキング、視察29回、市民フォーラム3回をこなし、平成8年に最終提言を市長に提出しました。
 その後8月には、この計画実現のための具体的な方策を練る場として、新たに計画推進市民協議会が発足しています。これから調布市がごみ処理総合施設計画をつくるに当たってとても参考になると思いますので、ここでこの再生計画書の内容も紹介したいと思います。
 基本理念は、「どこの地域へも、地球へも迷惑をかけない東村山市をめざす」とし、3つの柱を立てています。1つは、脱焼却、脱埋め立てによる資源循環型のまちを目指す。2つ目は、秋水園を生まれ変わらせる。そして3つ目は、計画から実施まで市民参加を貫くというものです。これから10年がかりで秋水園を生まれ変わらせるシナリオとしては、第1に、既存の老朽化した各処理施設と資源化施設を新しい資源化施設につくりかえること。第2に、秋水園及び周辺環境を整え、全体を快適環境に変えること。第3に、秋水園への負荷をできるだけ軽減する方策を講ずることとなっており、これはそのまま調布市にも当てはめることができることではないでしょうか。
 しかし、脱焼却、脱埋め立てが本当に可能なのか、疑問を感じる方もいるかもしれません。この点について、この計画書の前書きの最後の部分は次のように書いています。「それがどんなに困難な道であっても、大気を汚し、自然の土壌を汚染し、その結果、地下水までも有害化するおそれのあるごみの焼却処理方式を、秋水園再生の機を逸することなく転換し、まずは地元住民の不安を解消し、さらには、ごみ問題をてこにして東村山市民が他に誇れる生活文化を築く第一歩にすべきであるということが、今回の協議会委員が最後まで現実と妥協しなかった基本的合意でありました。そして、そのことがこの提言書の本旨です」と書かれています。
 また、この後に続けて、「この一年間の市民と行政とが対等の立場でぶつかり合い、話し合いしたプロセスは、それ自体もまた、大変異例で貴重な体験といえるものでした。ごみ問題に限らず、これからの自治体施策の推進には、いずれも市民と行政が対等のパートナーシップを築いて力を合わせることが極めて重要な要件であります」とも書かれています。
 私たち生活者ネットワークも、常に計画づくりの最初からの市民参加を言ってきました。今、分野は違いますが、都市計画マスタープランづくりでの、最初の段階からの市民参加が図られていることを評価しているところですが、このごみ処理総合施設計画づくりも、計画の最初から市民参加で進めていくべきと私たちは思っています。市の考えはいかがでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
 秋水園の再生計画の内容を紹介しましたが、決して結論を出したつもりはないのです。市民と行政が対等な立場でけんけんがくがく議論を闘わせたとき、市民にとってごみ問題は人任せにはできないことであり、自分自身の問題として見えてくるはずです。奥多摩の自然を壊し、そこに住む人たちに迷惑をかけて成り立っている最終処理のあり方を見詰め直したとき、自分たちがしなければならないことが見えてくると思いますし、そこに至る過程がとても大切だと私たちは考えます。そして、調布市のごみ処理総合施設計画は、単にごみの処理方法にとどまらず、生活のあり方、市民の生活文化のあり方とあわせて考えたものでなければならないと思います。
 これからつくる施設であれば、何でも燃やせる施設がよいといった考え方で施設計画がなされるとすれば、大き目の規模が設定されることも考えられます。施設を大きくすることではなく、市民の意識をリサイクル型に変え、市民一人一人の心がけによってごみをなくしていくということが必要ですし、そのためには、企画の段階からの市民参加が不可欠です。ごみ問題を市民が自分たちの問題として受けとめ、行動する市民として成長するためには、十分な時間をかけた決定が大切です。14年後を考え、早い時期にこの計画づくりに取り組むことを希望しますが、いつごろどんな形で計画をつくっていこうとしているのか、考えをお聞かせください。また、このごみ処理総合施設計画の中には、リサイクル品の展示即売場や修理室、市民のためのリサイクル工房などの資源活用センターも含まれるのでしょうか、あわせてお尋ねいたします。
 次に、資源循環型まちづくりを進め、ごみゼロにするためには、再利用や資源化を徹底させるしかないわけで、その一つとして、生ごみの堆肥化の取り組みを考えるべきと思いますが、取り組みの意思はあるんでしょうか、質問いたします。
 家庭の生ごみは水分も多く中身もいろいろで、難しい面があるのは承知しておりますが、既に取り組んでいる自治体もあり、ぜひ調査・研究を進めてほしいと思います。
 昨年、私はヨーロッパの環境問題をテーマに海外視察に行ってまいりました。5ヵ国7都市を視察してきましたが、その中で、ウィーン市のごみ処理施設では、生ごみの堆肥化をしていました。ウィーンでは、堆肥にするのは野菜や果物の皮や芯、切れ端、それから家庭から出る雑草や落ち葉、木の枝など木材だけで、肉や魚、食べ残しは入れていません。そのため、分別のリサイクルセンターに積んでおいても、においもないし、ハエも来なくて、時々まぜ合わせ、半年もするとすばらしい堆肥ができ上がり、これを近くの農家に販売していて、農家は、この堆肥を使ってつくった野菜は味がよく、高価で売れるため利用が多いということでした。小袋に詰められたものもつくり、市民に分別のPRに出かけるときなど無料配布をして喜ばれているとの説明もありました。実際に、収集したばかりのものと堆肥化されたものが山積みされていましたが、できた堆肥は黒々として土のようになっており、これなら利用が多いだろうと思って見てまいりました。
 この生ごみの堆肥化は、単にごみを減量するということだけで取り組むとうまくいかないようです。生ごみを原料にしてよい堆肥をつくり、それを土に戻すことでおいしい作物ができ上がる。資源循環をきっちりとさせるという意識を持つことが成功のかぎとなるようです。国内でも、資源循環型の農業と一体化させた取り組みが始められています。たまたま次の質問の都市農業育成ということでお話を伺った和光市でも、この生ごみの堆肥化が進められていました。学校給食の残菜とEM菌で家庭の生ごみを堆肥化しているモニター家庭の堆肥になったものを市が集め、市のプラントで有機肥料につくり、成分分析をし、安全性を確認し農家に渡しています。担当職員は、ただごみの量を減らすと考えたら採算は合わないでしょう。私たちは、よりよい肥料をつくるという視点でやっていますと話してくれました。
 調布市でも、公園の落ち葉や伐採した枝などの堆肥化は取り組みが始まると聞いていますが、しっかりと分別された生ごみであれば、一緒に堆肥化することも可能ではないかと思います。先ほども申し上げましたように、既にあちこちで取り組まれていることですし、成功事例も多いのですから、調布市でもごみゼロを目指し、資源循環が市民にもよくわかるものとして、ぜひこの生ごみの堆肥化に取り組んでいただきたいと思います。市のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

◎市長(吉尾勝征 君)

 ただいま杉山議員から、ごみゼロを目指して、また、これからも都市農業を守り続けるためにと、大きくは2点に分けまして御質問をいただきました。それぞれごもっともな御意見でございますし、また御指摘でもございました。特に都市農業に関しましては、向こう10ヵ年間の考え方が示されてきたわけでございますから、今後行政内部で、ただいまの御質問の御趣旨等を含めながら、対策を講じていきたいと考えているところでございます。
 さて、冒頭のごみゼロを目指してという御質問でございますが、私からは、ごみ処理基本計画とごみ処理総合施設計画の考え方につきましてお答え申し上げます。
 ふえ続けるごみに対しまして、調布市は平成2年に、ごみ処理基本計画を策定いたしました。平成4年には、国の廃棄物の処理と清掃に関する法律の改正とともに、容器包装リサイクル法の施行等、情勢が大きく変化したことによりまして、この基本計画を改定するものでございます。
 調布市減量及び再利用促進審議会は、平成6年11月に条例に基づき設置されたものでございます。諮問事項といたしましては、清掃行政の今後のあり方として、ごみ減量化及び再利用を促進するための全般的方策につきまして御審議いただいているところでございます。この調布市減量及び再利用促進審議会で御審議いただいている内容や御意見を参考にさせていただきながら、現在シンクタンクも活用させていただいて、ごみ処理基本計画を策定中であると御理解を願いたいと存じます。
 さて、調布市といたしましては、平成2年のこの基本計画に基づきながら、今日まで大幅な収集方法の変更等を実施してまいりました。その結果、私たちはいわゆる調布方式ということのできる、高いリサイクル率を達成するという結果を残してまいりましたことは既に御案内のとおりでございます。
 御質問にございましたごみ処理総合計画につきましては、このごみ処理基本計画をもとに策定されていくものでございまして、今日、最終処分地の状況を考えますときに、広域処分組合の強い指導で大幅にそれぞれの構成市はリサイクルが進み、第一処分場の埋め立ても予定年月を全うすることができております。また、現在建設中の第二処分場の埋め立て期間も、当初予定の10年が、今のままリサイクルを進めてまいりますと14年間埋め立てられるのではないかと言われているところでございます。
 したがいまして、私たちは、埋め立てに依存できる期間は14年の間しかないという認識で、今後ごみ処理をとらえていきたいと考えたいと思っております。
 現在の状況では、即、脱焼却ということは大変難しい情勢でありますが、考え方といたしましては、灰の資源化を含め、可能な限り資源化の方途を求めてまいりたいと存じます。その中で、議員のおっしゃられましたいわゆるごみゼロにつきましては、持続可能な地球環境を保全し子孫に伝える意味で、私どもに与えられた課題として認識をいたしております。
 また、ごみ行政は、何といいましても主役は市民の方お一人お一人でございまして、市民の皆様の手と頭で主体的に行っていただくものでございますから、一人でも多くの方々に御理解をいただけるように努力をしてまいります。

◎クリーンセンター所長(磯田武雄 君)

 私の方からは、環境行動計画の指数と生ごみの堆肥化についてお答えを申し上げます。
 御指摘の東村山市では、現在、ごみ焼却、し尿処理、粗大ごみ等の処理を行っている秋水園の建てかえを計画しておりますが、この計画の中でも、脱焼却、脱埋め立てによる資源循環型のまちづくりを市民参加で目指しているとのことでございますが、市民参加のあり方の一つとして示唆に富むものでございます。
 さて、環境行動計画にお示しいたしました平成14年までの20%、平成21年の30%の減量数字でございますが、あくまでも目標でありまして、その目標に向かって、いろいろ年次的、具体的な行動計画等を作成していくことになるわけでございます。御理解をいただきたいと存じます。
 次に、生ごみの堆肥化についてお答えを申し上げます。生ごみは有効な堆肥になることは、既に各方面でいろいろ取り組みがなされ、一定の実績が上がっているところでありますことは皆様方も御承知のことと存じます。本市といたしましては、家庭用の生ごみコンポスト利用について早くから取り組んでまいりました。現実の状況といたしましては、生産農家の方々の御意見としては、堆肥は必要であり、現に購入して使用されているということでございます。ただし、それはあくまでも高たんぱく、高塩分を含んでいないものであり、そうでない場合は、生産農家用としては使用できないと伺っております。何やら、医者が私たちの健康に対して言うことのように聞こえますが、生産農家用とすると、さらに厳密な生ごみそのものの仕分けが必要になるということであります。
 しかしながら、私たち一般家庭におけるベランダ園芸や家庭での園芸には極めて有効な肥料になるものであります。市といたしましては、当面は市民の方の堆肥づくりを中心に考え、それを積極的に推し進めてまいりたいと考えております。
 つい最近、電動の家庭用生ごみ処理装置が5万円程度の価格で登場いたしました。1キログラム程度の生ごみが4、5時間で乾燥してさらさらのものになり、堆肥としても使え、処分するとしても清潔に扱えるというものでございます。これらには、購入価格の2分の1で、上限2万円を補助する制度を平成7年度からスタートさせたばかりでございます。よろしく御理解のほどお願い申し上げます。

  • 最終更新:2015-04-15 09:30:29

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