諏訪市

平成17年第 3回定例会

◆11番(小泉坂男議員)

 今、非常に高度の御質問があったわけでございますけれども、私の方からは今回、非常に地道な活動でございますけれども、生ごみの資源化の推進につきまして御質問、また御提案をさせていただきたいというように思います。
 今、日本全国ごみ処理につきまして、頭を悩ましていないところはないというように言われております。このような中で、諏訪市としても清掃センターの寿命を平成23年に控えまして、岡谷市、諏訪市、下諏訪町、2市1町の広域ごみ処理施設の計画が進められているところでございます。この計画の中で循環型社会の構築を進めるために、リデュース、再生の抑制、リユース、再使用、リサイクル、再資源化を推進し、ごみを減らして、ごみをつくらない、ごみを生かすと、この社会の実現に向けまして多くの施策が展開をされているということで、計画書にはたくさん項目が載っているわけでございますが、本当に結構なことだというように思っておるところでございます。
 私は施策の推進、施設の構築に当たりましては、まずごみの絶対量をいかに減量するかにかかっているというように考えております。そして、その中でも家庭ごみの約50%を占める生ごみがリユース、リサイクルできるかがかぎを握っているというように考えているところでございます。諏訪市でも今まで電気生ごみ処理機やコンポスト等によりまして、削減の努力をしてまいりました。大変市民の皆様の御協力をいただきまして、これは少しずつ成果を上げてきているということはわかっているわけでございますけれども、この点について抜本的な減量にはつながってきていないというように思っているところでございます。
 最近では市民の間でも生ごみ処理の重要性が認識をされまして、いろいろの面で行動を起こしつつあります。また、この要望を受けまして、多くの企業や研究機関、そして大学の環境部門等で研究が進められていることは周知のとおりであります。反面、なかなかこれだという結果に結びついてきていないのが現状でなかろうかというように思います。しかし、市民が中心となりまして、諏訪市では環境のまちづくり市民協議会の田中会長を中心に、家庭のごみの発酵堆肥化を進めておられたり、飯田市では畜産農家の畜産の排せつ物と、キノコ栽培農家の廃培地生ごみ、それから市内で発生する有機性の廃棄物を原料にリサイクルの堆肥化を進めていると、これはもう既に16年6月から実施をしているようでございます。また、八王子市の多摩丘陵地では、生ごみ、家畜のふんに炭、有効微生物群を複合した堆肥化を製造し、その堆肥によりまして有機農業を展開をし、収穫した野菜は家庭や学校へ還元をしていること等、バイオマスによります循環社会を目指す活動等、この種の活動が全国的に展開をされてきております。
 また、最近では自然界の微生物、土壌菌等を利用して高速で発酵させたもの等、地道ではありますけれども、実験を繰り返しながら一歩一歩進んできております。そして、もう一歩のところまで来ているんじゃないかというふうに思っているところでございます。そして、今まさに生ごみを焼却するという処理方法でなく、資源としてリサイクルする時期を迎えているというように思っているところでございます。ただいまいろいろ申し上げましたけれども、この例は一部でございます。こういうような生ごみに対する対応が進められている中で、市として現在の実態と今後どのように進めていくか、次の点についてお示しをいただきたいと思います。よろしくお願いをしたいと思います。
 第1点については、これはもう数字的なことでございますので、お願いをしたいと思いますけれども、平成17年度の清掃センターで処理する生ごみ予想数量は、諏訪市では1万7,500トン、3市町では4万2,800トンと資料で示されております。こんな数量でよろしいかどうか。それから家庭ごみに対する生ごみの比率でございますけれども、数字的にちょっと私が見たところでは48.7%ということでございますけれども、こんなところでよろしいかどうか、ちょっとこの辺も確認のためにお示しをいただきたいと思います。
 第2点は、生ごみの減量のために市として補助金を出して、今まで実施をしてまいりました電気生ごみ処理機、それからコンポスト、この数量がどのくらいになっているか。長年の間この努力をしてきたわけでございますけれども、この辺のところ。それから補助金の総額というようなこと。最近の実績はどんなような形で推移をして削減がされてきているか。またこの点について、今後も同じような取り組みをしていくかどうか、この辺もお示しをいただきたいというように思います。
 それから、3点目でございますけれども、3市町の家庭ごみの減量計画は、平成20年に13%、平成30年までには16.1%の目標が定められております。市として具体的な施策を持っておられるか。また、この中で生ごみの減量に対する施策がございましたらお示しをいただきたいというように思います。
 第4点目でございますけれども、諏訪市環境まちづくり協議会で、家庭ごみの分別収集とバイオリサイクルによる堆肥化の実験を進めておられます。私も一度これを見させていただいたわけでございますけれども、非常に熱心に進められておりました。心から敬意を表するところでございます。実験の結果としても大変手ごたえを感じているというようにお聞きをしておるわけでございまして、苦労がむくわれてよかったなあというように思っております。市側としても、この辺についての取り組みはどうなのか。新聞紙上で見ますと、生ごみの市側の考え方としては、生ごみの分別収集、これに慎重の姿勢を示しているということでございますけれども、市としてどのようにこの辺のことをとらえておるか、またお示しをしていたただきたいと思います。
 また、4番目でございますけれども、近くでは市民の努力によりまして、富士見町では食いしん坊とか、原村では原みのりの会というようなことで、やはり有機物による堆肥づくりがされておるということでございますけれども、この辺の実態について、わかっておりましたらお示しをいただきたいというように思います。
 続いて、5番目でございますけれども、これは私が非常に関心を持っているリサイクルについて御紹介をし、さらに感想をお聞かせをいただきたいと、こういうことでちょっとお願いを、御提案を申し上げますけれども、これは私たちに非常に身近な松本市の美ケ原で、昭和36年、農法研究家の内城本美氏が発見をいたしまして、さらに実験を繰り返し、実用化をした複合土壌菌を培養した内城菌であります。この菌の内容につきましては、既に私も非常に興味がありましたので、生活環境課、まちづくり推進課、学校教育課の方へも情報を提供させていただきまして、ぜひ前向きに御検討をいただくよう、お願いを申し上げてきたわけでございますけれども、少し時間をいただきまして、内容を御説明をさせていただきたいと思いますけれども、一つといたしましては、生ごみすべて、野菜それから魚、肉、骨、こういうものをすべて含めて、米ぬか、おから、ワラ等をまぜたものを、それに内城菌を加えて、わずか8時間でこの熱を加えて発酵をさせ、できるというもので、非常に今まで、先ほど申し上げた諏訪市のやつでも、非常に時間がかかるわけですけれども、短時間で処理ができるということでございます。
 第2点は、高品質の土壌改良剤として農作物の成長を促進し、収穫量を増す効果もある。また、非常に大事なことでございますけれども、病気や病害虫にも強いというように言われております。
 3点目は、この商品でございますけれども、商品化を非常に商品価値も高くて、今現在、実際に処理されているところでございますけれども、1袋20キロでございますけれども、1,600円で商品として取引をされているということでございまして、特に上野区では、上野ではこの学校給食用の野菜づくりに、今年度約300袋、600キロでございまして、面積に対しまして約300坪で使用をいたしまして、この効果をもう実験をしているということでございます。非常にこのことが、今までもごみ処理の中でも重要でございまして、いろいろな施設を使って製造したけれども、塩分があるとか何か言いまして、なかなか使われなかったということでございますけれども、先ほどちょっと御説明をしたものも踏まえて、非常に実用化が十分できると、こういうことで確信が今とられているところでございますので、非常に有効ではないかというように判断をいたしております。
 それから、4点目でございますけれども、上野で今、学校教育の方にもお願いをしたところでございますけれども、学校給食の生ごみを収集をいたしまして、9月より生ごみリサイクルに対する特殊肥料製造システムの導入を図って、肥料化に取り組むということにも具体的になっているようでございます。既に学校教育課の方へもこの計画書が提出をされているというように聞いておるところでございます。
 それから、6番目でございますけれども、今、私が御紹介をした生ごみのバイオ発酵をさせるもの、自然界の微生物を活用したもの等、生ごみのリサイクルが実用化できるようになってきております。市としても、この3市町としても、生ごみの減量化のために積極的に取り組んでいただきたいというように考えているところでございます。生ごみのリサイクルは再資源化ができれば、ごみ減量化はもとより清掃センターの寿命、規模、ダイオキシン等の環境問題、最終処分場の問題等、大きく前進するものと考えております。
 なお、難点を申し上げれば、生ごみの分別収集ということが、大きな課題になろうかと思いますが、これも実際にやっているところがあります。ぜひ研究、検討を進めていただきたいというように考えているところでございます。最後に市長の御所見と進めるための決意をお示しをいただきたいというように考えているところでございます。以上をもって私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。

◎山田勝文 市長

  それでは、生ごみの資源化の推進ということで、私の方からお答えさせていただきたいと思います。現在、私どもでごみを収集しているわけでございますが、生ごみの比率につきまして、年4回、ごみ質の分析を行っているところでございますが、季節的な変動が非常に大きく、直近の2月2日の結果では、生ごみは21%の構成比率ということであります。それでずっとトータルしていますと、45%ほどが紙類であろうというようなものが出ております。でありますから、約2割強が生ごみであろうと、私どもの方では考えております。
 そして、今まで諏訪市といたしましてはコンポストの補助ということで、電動生ごみ処理機、それからいわゆるコンポストというものを続けてまいりました。16年末で生ごみの電動処理機が1,032件、それからコンポストの方が2,449件ということになっておりまして、補助金額にいたしまして2,761万7,000円が市の方で補助をさせていただいているということでございます。
 また今年度におきまして、ごみの減量化のための衛生自治会連合会を通じまして、コンポストをあっせんいたしましたところ、5月末現在で88件の補助が申請が出ているということでございます。そのうち電動の生ごみ処理機につきましては12件ということであります。また、それぞれの家庭ごみの減量ということでやっていただいているわけですけれど、やはり諏訪市としては自分のところで自己処理というものでずうっと進んできておりまして、先ほど出ました電動生ごみ処理機、コンポストの補助を継続してまいりたいと考えているところであります。
 その中の一つの試みといたしまして、環境のまちづくり市民協議会の皆さんが、非常に積極的に、精力的に堆肥化の実験を行っていただきました。本当に心から感謝を申し上げますし、大変なことであったと思っております。そして、まだ分析結果が出てきておりませんので、また分析結果が出た中で、今後どのようなことができるかということで、私どもと一緒に考えてみたいと思っております。ただ、御承知のように生ごみの堆肥化につきましては、日本全国完成しておりません。それで完成したと言われながら、ほとんどが使われていないですとか、かなりの問題が残っているのが事実でありまして、これは間もなく完成するであろうと言われておりますが、やはりかなりのリスクを含むというのが事実であります。大きく失敗しているところが各界にありますし、初めのうちはよろしくても、なかなか継続的にできないというのが事実かなと、私どもの方では認識しております。でありますから、もしそういうものをするにしても、小さなものを数カ所に分けて、一気に集めないというのが得策ではないかというようなお話をいただいているところであります。その辺も踏まえまして進めてまいりたいかなと思っております。
 また、富士見や原村の堆肥づくりということでございますが、やはりコンポストを用いました自家消費を基本としておりまして、20リットルで500円の菌を買い求めて、生ごみ処理をしておるということをお聞きしているところであります。
 それから、議員の御提案ございました内城菌につきましては、有機肥料の一つ、有機の堆肥づくりの一つであるということをお伺いしているところでありますし、EM菌もそうですが、ぜひこういう菌につきましては成分を公表していただきたい。複合菌ということで、何が中に入っているかということがわかりませんと、なかなか使用について踏み切ることができませんので、ぜひこういう菌の複合体であるということを公表していただいて、その後のものとして使っていきたいと思っております。今現在、日本全国で使われていますのはバチリス菌を中心としたものであります。これをいろんな条件を加えまして、その中のどれを使うかというのが主のようであります。それで先ほど家畜のふん尿を使うということでありまして、やはり生ごみだけではその菌が育たない、増殖しないということで、やはり家畜のふん尿が一番いいえさになってくると。諏訪市の場合はなかなかそういうものがございませんので、少し難しい部分が残ってくるのかなというふうなことを考えています。
 また、上野の学校給食の生ごみの堆肥化ということで、またこちらの方も少し様子を見させていただきたいと思っておりますが、実は、諏訪の小中学校全部へ生ごみ処理機を購入しようとして計画を立てたことがございました。ただ、その先発であります諏訪中学校でやったところ、これはうまくいきませんでした。それで何回やってもうまくいかないといような状況でありまして、今断念しているところでありますが、今後このような試みにつきまして、また行政がそのままというわけにいきませんので、そういうやっていただけるような業者があるかどうか。またそれがペイできるかどうかということも、一つ踏まえながら進んでまいりたいと思っております。
 いずれにいたしましても、これから家庭系の中から出ます生ごみ、あるいは業者として出てまいります生ごみにつきましても、何かの形で解決をしていかなければいけないと思っているところでありまして、それらをどういう方法が一番いいのか、あるいは、ある大学でいい微生物が発見されたという話も聞いておりますので、その辺の情報も踏まえながらやってまいりたいと思っております。
 そして、やはりできた堆肥の需要が非常に少ないということは事実であります。これは多く使っていただけると循環しているわけでありますが、塩分の問題ですとか油分の問題、この辺の問題もまだまだ解決しなければいけないことであろうと思っております。現在としては、少し様子を見させていただきながら、あるいはいろんな試行を繰り返しながら生ごみの資源化、あるいは減量化について取り組んでまいりたいと考えているところであります。

◆11番(小泉坂男議員)

 第1点は、生ごみの量は21%ということで、私の数字と大分違うわけですけれども、この辺はあれですかね、実際の生ごみの状態、収集した状態なのか乾燥した状態なのか、ちょっとその辺が非常にちょっと半分にもなっているもんですから、この辺のところちょっとわからないんで、お願いをしたいと思います。
 それから、市長の方も御答弁の中で積極的に検討をしていきたいということでございますし、内城菌につきましても、相当内容的には今、菌についても信州大学でも検討をしていただいているようですし、具体的な、実際には内容とすれば、地中に今まで自然に住んでいる菌の低温から高温までの菌を培養しているということで、温度が下がっても生きていれるような、また高くても生きている、そういうものを何か合成をしているということでございますけれども、私はこの内容については細かくわかりませんけれども、今そういうようなことを研究をしておりますし、使用状態につきましても、実際に私もちょっと少しいただいて、今、トマトとかイチゴとかちょっとやっていますけれども、非常に成長率が高いということ、これは後、具体的に調査に入っていただければ、実際に見ていただければわかると思いますけれども、非常に作物の成長率も非常にいいということですし、例を挙げれば、ニラなんかは普通3回くらい刈り取るけれども、5回くらいとれるというようなことで、非常に効率的な内容を持っているようでございます。
 そんなことで、ぜひ私の方から決意をお聞きしたいのは、これを非常に生ごみの問題については今言ったように、非常にまだ仮定ではありますけれども、いずれにしても、この問題はやっぱり大きく処理していくことが、これから大きな、やっぱり循環型社会の構築に大きく寄与してくることだと思いますので、ぜひ机上でなくて、ぜひ実施をしているところがありますけれども、そういうところに足を運んでいただいて、やっぱり手を染めていただくということの中で、担当の皆さんにはお願いをして、ぜひそれを積極的に進めていただくということを、ひとつ確認をさせていただきたいというように思います。よろしくお願いします。

◎山田勝文 市長

  今後の問題ということでございますが、積極的に私たちも進めていかなければいけないと。ただ、全国を見てみますとかなり失敗しています。これは事実でありまして、うまくいくというものが失敗して、えらい目に遭っているところもありますので、この辺はたくさん大量には集めない、そして、小ロットの中でどういう仕組みができるか。それで、あとは家庭菜園等々は使っていただいていいわけですけれども、大規模に使うには、ちょっとまだまだ問題があるということを聞いていますので、これも農協の方とちょっと調整しながら、どういうものだったら、要するにリサイクルしていかなきゃいかんわけですから、いずれにいたしましても、燃やしても堆肥にしても二酸化炭素が出るわけでありますから、それをどういう形で使っていくかというのは、バイオマスの考え方であろうと思いますので、その辺をもう少し私どもで研究させていただきながら、これで行けそうだという、やはり確証がほしいというのは事実でありますので、またそんなことがありましたら進めてまいりたいと思っております。

平成19年第 5回定例会

◎山田勝文 市長

 それで、生ごみ関係につきましては、今費用負担の方ですか、これは補助を出しておりますし、またコンポストにつきましても今何のものがいいかということで、研究を一生懸命やっているところでありまして、内城菌ですとか、EM菌、どれがいいだろうかと、こんなことも今随時やっているところであります。でありますから、かなり進んできていると思っております。ただ有料化ですとか、そのものにつきましては、やはりこれは私は最終的な段階だと思っております。
 指定袋をやり始めたときに、これは効果があったんです、がくんと1年間落ってですね、そんなことを見ますと、一つの私は方策だと。でもその前に大いにいろんな分別をして進めて、それで最終的にそういうところへ持っていけるかどうか、行くかどうかということになろうかなと思っております。


  • 最終更新:2015-03-04 15:23:49

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