豊田市(2)

豊田市議会とEM(2)

平成14年 3月定例会

No.44 田中建三

 次に、2項目めの環境問題に市民、企業、行政が共働できる仕組みについて3点お伺いいたします。
 1点目は、早稲田商店会の取組みについてお聞きします。
 商工会議所主体により昨年の2月6日に早稲田商店会の理事長でおられる安井潤一郎さんの講演を聞いて感動しました。そして、実際に早稲田商店会に視察に行ってきました。講演で聞いた取組みを実際にこの目で見てみたいと思い、商店会がなぜ環境問題に取り組み、その環境問題で商店会が活性化したのか、早稲田商店会のデポジットの考え方についてレクチャーを受けてきました。なぜ商店会が環境問題なのかと言いますと、東京都がごみの有料化に踏み切ったことがきっかけとのことでした。早稲田大学の生徒は、ジュースを飲んだら自動販売機の横や塀の上に置いていくので、「なぜごみ箱に捨てないんだ」と言うと、「それはあんたらの仕事だ」と言う。そこに目をつけたのが空き缶・ペットボトルの回収機に商店会の割引券つきデポジット制度を入れた空き缶回収機の発想であったということであります。捨てられていた空き缶が商店会の割引券が当たる回収機の取組みによってなくなったことや、また、さらにユニークな発想が生ごみを回収機に入れると入れた生ごみが貯蓄され、現在何キログラムですと生ごみの貯金レシートが出てきます。生ごみの回収は、先程申し上げたトウモロコシの繊維で作られた専用のビニール袋に入れ、生ごみと一緒にたい肥化できるとのことでありました。回収した生ごみはたい肥化し、農家と契約して有機野菜収穫バスツアーを組み、生ごみの回収に協力していただいた市民の方に収穫の喜びと野菜がいただけることもあって大変喜ばれているユニークな発想でありました。この両方の取組みが大ヒットし、子どもから大人までが楽しめ、今では修学旅行の観光コースにまでなっています。豊田市でこのアイデアを考えてもらえばよいと思いましたが、残念なことにあれから1年たちますが、せっかく講演会で感動したにもかかわらず、一向に豊田市での動きが見られません。ポイ捨て対策には民間の不法投棄パトロール隊のご努力をいただいて減少傾向にありますが、私としては、わざわざ豊田市まで呼んで講演会まで開いたわけですから、空き缶回収機と併せて生ごみの回収機によるデポジット制度を豊田市の取組みの一つとして進めていただきたいと思います。豊田市のこの制度が循環型社会の一つの手法として商店会が自主的に立ち上がるように行政が投げかけてみてはどうでしょうかお伺いいたします。
 2点目は、汚泥処理システムについてお聞きします。
 この施設は静岡県掛川市の汚泥処理方法が原始的というか、驚いたのは汚泥がゼロになるという処理方法でありました。どんな処理方法かと申し上げますと、ヤマハリゾートつま恋の施設から発生する全施設の汚水処理を5年前から独自の菌、いわゆるEM菌や矢部菌と言われる土壌微生物を混合した菌を使用し、管理方法を工夫しながら処理効果を向上させ、汚泥がたまらない、言ってみれば菌が汚泥を食べてくれるのであります。この処理方法によってこの施設の汚泥処理費用が年間400万円節約できたとのことでありました。この処理方法で一番驚いたのは、汚泥のどろどろの状態でも全くにおいがしないということです。菌が汚泥を食べることによって残った処理水をさらに施設内の植物に散布し、有効利用もされ、この装置に切り替えてから一度も汚泥を取り出しておらず、経費削減も図られている事業でありました。いろいろ菌の割合を研究されたとも聞きましたが、技術革新の中で原始的とも思える処理システムで汚泥のにおいを消したこのシステムと同様の研究が豊田市内の企業の中でも研究開発をされていました。私がここで言いたいのは、この処理システムを鞍ケ池の公園整備計画の中に処理施設として織り込めないかということであります。鞍ケ池の公園内から生ごみ処理も含めこの汚泥処理システム導入によって公園内をごみゼロの環境学習拠点にすべきであると考えますが、本市の考えをお聞かせください。

(中略)
 次に、3項目めの学校教育における環境教育についてお伺いいたします。学校で環境教育の取組みとして生ごみ消滅処理機を導入していただく提案についてお伺いいたします。
 環境庁環境カウンセラーの藤本倫子さんという78歳の方が考案した生ごみ消滅処理機で、この方は実演をしながら生ごみ減量システム一式を搭載したトラックで九州、関東地方を回り、生ごみ減量を訴えているとのことであります。講演会では、子どもからお年寄りまで含め生ごみの減量の必要性を訴え、日本人の意識が低いとされる生ごみの問題について熟慮するきっかけにと講演会を計画されたとのことです。このシステムには処理にエネルギーを全く使わない、いわゆる人の手によっておがくずにまぜた酵素で生ごみを分解する仕組みであります。においもしない、虫も出ない処理方式で、早いものでは1日で肥料として再利用できるというものであります。
 私は、学校教育における環境教育の推進について、子どもが体験的に学ぶ時間を拡充することは必要と考えます。その取組みとして、生ごみ処理の体験を通して学んでみてはどうでしょうか。環境学習として清掃工場の見学、間伐材を利用した体験学習などがありますが、環境に対する見識は、実際に自分の手で生ごみ処理して、体験を通して学ぶことができれば、学んだことを家庭で話し、子どもを通して家庭で実行に結びつく学習が望ましいと考えています。学校教育に環境学習として自分の手で生ごみを消滅処理する体験学習を取り入れる考えについて、学校給食で発生する残飯など食べ残しはよくありませんが、子どもたちが自分の学校で出たごみは自分で処理するという生ごみ消滅処理機の処理体験を通して学ぶことができるように各学校で取り組むことができないかお伺いいたしまして、すべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

No.48 環境部長(市川勝洋)

 1項目めのご質問でございますが、4点いただきました。そのまず1点目が本市の将来における循環資源の有効利用に対します基本的な考え方についてのお尋ねでございますが、すべてのごみが限りなく資源化をされるということについては、資源循環型社会の理想の姿でございまして、私もその基本とすべきだと考えております。
 2点目の質問ですが、事業系生ごみの資源化に関する本市の考えについてのお尋ねでございますが、まず生ごみの資源化は、今後のごみ減量施策の重要な課題の一つであると認識に立ってご答弁を申し上げていきたいと思います。
 最初に、質問にもございました事業系生ごみの資源化につきましては、民間において小規模ながら市内で既に実験段階でいろいろ行われておるということも承知しておりまして全国的な動きも承知しております。しかし、まずは食品リサイクル法に基づく多量排出者が民活によって先行すべきだと思っております。これは事業系の生ごみでございまして、なお、そういった動きがあるということを大いに期待しておりまして、市としても市内でそういった動きがある場合についてはできるだけのご支援を申し上げていきたいと思っております。
 次に家庭系生ごみにつきましては、質問にもございましたように生ごみの処理機などを取り組んでいただいておりまして、年間何と2,500トンの削減効果が表れておりまして、この点大変感謝を申し上げておるところでございます。それで、こういったことで満足をすることなく次のステップへ進めるための施策が当然必要だと思っております。市長の指示もございまして、精力的にこれからこの生ごみについて検討していきたいと思っております。
 3点目が鞍ケ池公園内に建設予定の環境学習拠点事業の中に生ごみ等の廃棄物の資源化を市民に見せるようにしたらどうかということでございます。この件につきましては、関連予算を今予算に計上させていただいております。可決をいただければ、早速市民各位の意見を聞いてこの計画づくりを進めてまいりたい。したがいまして、ご質問にあった内容につきましても十分参考にさせていただきたいと思っております。
 4点目が生ごみも含めまして今後どこまでその分別収集を考えているのかというご質問でございますが、まず一般家庭の焼却灰につきましては、平成14年度より収集方法を変更いたします。生ごみと同時収集といたします。次に、16年度より、質問にもありましたように、その他プラスチック製容器包装類を分別収集するという予定で、施設等の準備も新年度から入っていこうとしております。さらに、新清掃工場稼働の平成19年度より硬質プラスチック、それから現行の金属回収部分以外の金属ごみの収集方法も変更していきたいと思っておりまして協議を進めてまいりたいと思っています。生ごみにつきましては、平成15年度からさらに積極的な政策の展開をするために鋭意研究を進めてまいりたいと思っております。
 次が2項目めの環境問題に市民、企業、行政が共働できる仕組みづくりについて3点の質問をいただきました。
 1点目、早稲田商店会の例をとられまして市の取組みにしてはどうかとか、あるいは商店街に投げかけをしてはどうかというご質問でございますが、この質問に関しましては、民間において積極的に取組んでいただきたいと考えておりまして、実はこういった問題、期待もしているところでございます。そういった中で相談しなければならないことがあれば、当然相談に乗っていきたいと思っておりますが、まずは関係者と1回お会いして意見交換をしたいと思っております。
 2点目に、汚泥処理システムを鞍ケ池公園内の環境学習拠点の整備事業に組み込めないかというご質問でございますが、ご質問の中にございましたように、ごみゼロの環境学習拠点にすべきだという考え方については、私も大賛成であります。したがいまして、生ごみと同様にこういったものが導入できるのかどうか計画づくりの中で参考にしていきたいと思っております。
 3点目、鞍ケ池公園内の環境学習拠点で市内企業のリサイクル事業の出展を考えてみてはどうかというご質問でございますが、大変結構な提案でございまして、企業の皆さんの出展意向があればぜひ進めていきたいと思っておりますが、まずは同じテーブルに立っていろいろ相談をしていきたいと思っております。
 以上でご答弁とさせていただきます。

No.50 教育委員会専門監(簗瀬三吉)

私からは、田中議員ご質問の環境に配慮したまちづくりの中の3項目め、学校教育における環境教育についてお答えします。
 市内では小学校3~4年生を対象に7校が、中学校2年生を対象に1校が生ごみのたい肥化を体験的に学ぶ環境教育に取り組んでいます。具体的には、給食や調理実習で出た残飯などにEMぼかしを加えてたい肥に変え、校内の花壇や植物栽培園などに利用しています。こうした学校での体験を家庭で母親とともに取り組み、生ごみをたい肥に変えて花壇に肥料として利用している子どもや、水の学習から家庭でも自分から進んで誰もいない部屋の消灯に努めている子どももいます。
 このように学校での学習を家庭や地域に生かし、実践していくような態度を育てていくことが大切と考えます。今後こうした体験的な取組みを他の小中学校にも紹介し、環境教育を推進してまいります。
 以上でご答弁とさせていただきます。

平成22年 6月定例会

No.465 清水郁夫

 環境問題に対しては現在さまざまな意見があり、さまざまな議論がなされています。市民、特に子どもたちから自らの環境問題への取組の経験に基づくものを始め、多くの意見やアイデアが出され、地球を守ろうという意識が市民全体に育ちつつあります。ここで市民、特に子どもたちの環境問題への取組や、それに基づく意見等を整理し、現在行われている市の施策にそれはどの程度反映されているのか、また、新しい意見への今後の対応に関して質問していきます。また、市役所庁内の取組についても効果、実績についてお聞きしてまいります。
 ここで中項目1、住民、子どもたちの声を生かした取組から質問いたします。
 住民、市民、特に子どもたちの環境問題に対する関心の高さ、目線の鋭さには驚くものがあります。そのような市民、子どもたちの関心に対して、現在、市の対策はどの程度対応できているのでしょうか。市の応援施策について質問していきます。
 まず、住民、市民から、市民の方々からは次のような取組をしているという意見が主に上がっています。買い物の際は買い物袋を持参する。子どもの洋服はなるべく捨てずに必要な子に使ってもらっている。燃費のよい車に乗り、近くに行く際は自転車に乗る。缶・瓶・ペットボトルは洗って資源ステーションに出している。子ども会やPTA等の集団回収に積極的に参加、協力している。生ごみはたい肥化している。花いっぱい運動に協力し、いろいろなところの花壇の花の充実を図っている。これらのさまざまな住民市民の声に対して、地域ではそれに対応した取組がなされているのでしょうか。
 小項目1として、住民の声を生かした地域の取組についてお聞きします。

No.467 社会部長(加藤武男)

 地域の皆さんが住みよい地域づくりに向け、人、文化、自然などの地域資源を活用し、主体的に取り組む事業を支援する制度にわくわく事業があります。平成21年度のわくわく事業270件のうち、生活環境の改善、景観づくり、自然環境保全を図る活動で大きく環境にかかわる事業は105件で全体の40パーセントを占めております。
 具体的な事例といたしましては、足助地区で行われた家庭排水にEM活性液を投入し、町並み散策路の悪臭除去を行う事業や、井郷地区の河川浄化に取り組み、子どもたちが安心して水遊びができる清流を取り戻す事業などがあります。


  • 最終更新:2014-05-09 12:50:40

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