足立区
平成14年 第1回 定例会
◆前野和男 議員
次に、環境保全と協働の仕組みづくりについて伺います。
我が国は戦後の飛躍的な経済成長によって、私たちの生活は物質的には豊かになりました。しかし、それは大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済社会システムを定着することになり、その結果、事業活動や日常生活に伴う環境への負荷が大きく増大してきております。足立区では、平成11年に足立区環境基本条例を制定、12年には環境本計画を策定し、平成19年度までの目標数値を明らかにして、計画の推進を図っております。この計画の推進のためには、区民、企業、自治体の果たす役割を明確にして、協働の仕組みづくりを積極的に構築し推進を図っていくべきと思いますが、今後の取り組みと区民に対しての成果報告についてはどのように考えているか、あわせて伺います。
ことし1月下旬に、幕張メッセにおいて活力自治体フェアが開催されました。ここではEMエキスポ2002も同時に開催されました。このEMとは、人間にとってよい働きをする微生物、つまり乳酸菌、酵母、光合成細菌、放線菌、糸状菌の5つの菌を集合させた液体状のもので、エフェクティブ・ミクロオーガニズムの略で有用微生物群と訳されています。
このEMは、琉球大学の比嘉照夫教授によって開発され、その効果は土が生き生きし、農薬や化学肥料を使わなくても作物が豊かに実るというもの。また、抗酸化力が強いので、物が腐ったり、病気になったりするのを防ぐ力があり、しかも汚染物質を分解する力があるので、環境問題の解決に大いに役立つというものであります。
既に全国500以上の自治体やNPO、市民活動の中でEM技術を導入し、課題としている河川の水質浄化、生ごみの堆肥化、ダイオキシン対策、悪臭対策、リサイクル教育に至るまで、各方面で大きな成果を上げ活力あるまちづくりが成功しつつあります。
特に河川の水質浄化は目を見張るものがあり、区内の河川や親水水路の水質浄化に大いに役立つものと思います。足立区においてもこのEM技術を導入し、区民との協働で環境改善に取り組む考えはないか伺います。
◎巻島護 環境清掃部長
環境問題についてお答えをいたします。
まず、環境基本計画の推進につきましては、区民、事業者、区がそれぞれの役割を認識し、実践するとともに、互いに連携して環境の保全に取り組むことが重要でございます。そのための仕組みとして、平成12年度足立区民環境フォーラムが設立され、ごみ問題、エネルギー問題、地球環境問題など、多様な活動に取り組んでいるところでございます。
今後、さらに一般の区民や事業者への連携拡大に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
また、環境基本計画の取り組み成果につきましては、計画推進手法として目標値の設定と毎年の実績評価及び見直しを実施しております。現在は、この実施したものは環境審議会に報告しておりますけれども、今後は区の広報紙やホームページにわかりやすく掲載するなど、多くの区民と成果が共有できるように工夫してまいりたいと考えております。
次に、EMを使った環境対策を実施したらどうかとのご提案についてお答え申し上げます。
現在、区におきましてもEM技術を使った生ごみ処理容器を補助金の対象とするほか、自然界にある有機物やミミズなどの生き物を用いる方法も、区民との協働で行っているところでありますれらはリサイクル学習の教材としても活用をさせていただいております。
今後とも、環境保全の有効性を考慮しまして、EM技術などを導入した環境改善策を検討してまいりたいと考えております。
平成15年 第2回 定例会
◆芦川武雄 議員
次に、環境行政について伺います。
このたび行われた区長選挙の中で、区長は、足立区を23区で一番のまちにするとして、六つの足立区一番宣言の公約をされました。その中の一つである緑と水の豊かさ一番についてお伺いいたします。
足立区は、荒川、隅田川、綾瀬川、中川、垳川、花畑川、毛長川、新芝川と、四方を川に囲まれ、また、公園も多く、区民に安らぎと潤いを与えてくれる豊富な自然環境を備えております。
そして、平成11年に、環境基本条例を制定しました。その基本理念は、「豊かな環境を将来の世代に引き継ぐ。環境との調和のとれた持続可能な社会を構築する。それぞれの立場に応じた役割を果たすとともに、連携して取り組む」とあります。そして、環境基本計画も、社会状況の変化や環境問題の多様化、深刻化への対応が必要となり、事業者や区民の協力を得て、平成12年には足立環境基本計画が策定され、ガイドラインの改定は足立環境保全行動指針2001に生まれ変わりました。年度ごとに実績評価をしながら見直しをし、取り組んでいることに対し、評価するものであります。
15年間連続ワーストワンであった綾瀬川の水質浄化については、綾瀬川浄化対策協議会や綾瀬川清流ルネッサンス21地域協議会の推進により、改善の兆しがあらわれております。さらに、綾瀬川の浄化を進めるために、現在、桑袋ビオトープ公園の施設建設が進められており、その完成が待たれるところであります。花畑川については、花畑川考える会が地域住民により結成され、環境の整備が推進されております。垳川については、平成5年に平成泉橋付近に浄化装置が設置されました。しかし、水質は、まだ改善されておりません。
また、水質の悪貨は、埼玉側の生活排水や小溜井水門が閉じたままのため、川の流れがなく、ヘドロの堆積、ごみの不法投棄等が原因でもあります。夏には、悪臭の増大で、蚊やハエの発生もひどく、住民からの苦情も出ております。早急に取り組む課題ではないかと思われます。
環境白書にも、環境を保全し、経済成長も続ける持続可能な社会をどう実現していくか、それは地域社会の足元からの取り組みから始まると、ことしの白書は、地域の取り組みを地域環境力と名づけ、この力を高めることが持続可能な社会に向かう道だと強調しております。
そこで、区民の願いでもあり、環境保全の観点から、垳川の水質浄化について何点か質問をいたします。
垳川の環境整備については、既に議会で論議されているが、17年目途に垳川架橋工事も始まるこのとき、水質浄化に本格的に取り組み、緑と水の豊かさ一番の区長公約の実現の一歩とするべきと思いますけれども、区長の決意をお伺いしたいと思います。
垳川の水質浄化対策として、平成泉橋の浄化施設がありますが、浄化向上は図れたのか、その効果をお伺いをいたします。
夏季どきに、蚊やハエ、また悪臭に悩まされているとの苦情の解決に向けて、どう対応されているのかもお伺いをいたします。
環境課は、三重県四日市市の河川浄化などの先進事例を積極的に視察すべきと思うがどうか、そして、河川浄化に生かしていくべきと思うがどうか、お伺いをいたします。
河川浄化については、汚す人、清掃する人との区別をするのではなく、区民協働の姿勢が大切であります。区民の環境保全の取り組む地域環境力を増大することが不可欠であります。地域住民や近隣の小・中学校の総合学習に取り入れるなど、環境、土木、まちづくり、地域支援課や教育委員会と連携をとり、住民運動の拡大を図るべきと考えますがどうか、お伺いをいたします。
◎八木良典 土木部長
最初に、垳川に関する環境問題について、私から一括してお答えいたします。
ご指摘の垳川につきましては、流域周辺から雑排水が流入していること、特に西側半分はため池状態で流れがないことなどから、浮遊ごみが吹きだまり、悪臭も発生している状況であります。
足立区と八潮市を結ぶ垳川架橋工事が予定されている今日、垳川の水質浄化は避けて通れない重要課題と考えており、水質浄化に積極的に取り組んでまいります。水質が改善されれば、全長2キロメートルにわたる森に囲まれた自然豊かな河川として、区民の大きな財産になるものと考えております。
次に、平成泉橋の浄化施設は、垳川の水を1日当たり約320トン浄化処理しております。水質の指標の一つであるBOD(生物化学的酸素要求量)では、平成14年度の測定値の平均で、原水がリットル当たり7.8ミリグラムに対し、浄化した後の水質がリットル当たり1.6ミリグラムであり、約80%の汚れを除去した結果が出ています。しかし、浄化できる水量は、垳川全体の水量から見ますとわずかであります。また、埼玉県側からの生活排水の流入もあり、今後、抜本的な対策を講ずる必要があると考えております。
次に、夏季の蚊やハエ、悪臭対策につきましては、浮遊ごみや魚の死骸の除去等を行ってきましたが、これだけでは抜本的な対策にはならないので、河川管理者であります東京都及び埼玉県に定期的なしゅんせつを要請してまいります。また、八潮市側の下水道の促進等を関係機関に要請してまいります。
次に、先進都市の視察についてお答えいたします。
新たな事業の取り組みにあたりまして、先進都市の事例を調査研究することは有効な方法と考えております。垳川の浄化対策につきましても、ご提案いただきました四日市市の堀川の悪臭、ヘドロ対策をはじめ、広島県安芸津町における行政と住民が協働して瀬戸内海の浄化作戦を展開している事例などもありますので、効果的な視察調査を行いたいと考えております。
次に、河川の浄化対策につきましては、ご指摘のとおり、地域住民や学校との協働を進めることが重要であると考えておりますので、現在、庁内各課と連携しつつ、準備を進めているところでございます。具体的には、有用微生物群を使った浄化対策に実験的に取り組むこととし、その実施に当たりましては地域住民や児童生徒との協働を図るとともに、足立まちづくりトラストの活用も検討しているところでございます。
平成16年 第2回 定例会
◆新井ひでお 議員
次に、環境都市あだちを目指して、何点かお伺いいたします。
国は平成14年に京都議定書を批准し、地球温暖化対策に取り組んでおりますが、平成22年の温室効果ガス排出量は、地球温暖化対策推進大綱が実行されても、さらに増加すると推計されており、早急な見直しが必要とされております。かけがえのない地球の環境を守っていくことは、我々の責任であり、次代を担う子どもたちへの義務でもあります。地球環境を守り改善していくには、区民生活に身近な区が積極的に取り組む課題であります。足立区では、地球温暖化対策としてどのように考察し、施策に反映していくのか伺います。
また、先導的な活動に支援する目的で環境基金を設立し、よりよい環境を進めるために諸施策を推進しておりますが、進捗状況はいかがでしょうか、お伺いいたします。
環境問題の意識啓発は、大人から子どもまで、すべての生活者に必要であります。さらに、環境教育推進法の施行によって、環境保全の理解と活動の意欲増進が位置づけられるようになりました。
そこで、1、学校教育としての対応、例えば平野小学校が省エネルギー教育推進モデル校になっております。2、自然との触れ合いと体験活動について、3、教員の環境教育に関する資質の向上など、いずれも大切な事項でありますが、当区として対応できるのか伺います。
現在、事業着手している桑袋ビオトープ公園の一部に、子どもたちの環境教育及び地域コミュニティ形成、そして、リサイクル啓発の観点から、六町地区のグリーンプロジェクトが行っている環境農園を当地域にも造成してはどうか、お伺いいたします。
また、公園の管理についても、環境関連のNPOに任せてはいかがでしょうか、お伺いいたします。
環境啓発モデルであり、また、観光資源としても活用できる構想として、西部地域の都市農業公園から北部の桑袋ビオトープ環境公園へ、そして、足立東北部の垳川遊歩道とEM菌による浄化モデル地区へと、ルートをネットワーク化し、区民への周知、啓発をしてはどうか、お伺いいたします。
◎猪野秀明 土木部長
私からは、まず、(仮称)桑袋ビオトープ公園についてお答えします。
この公園は二つの主なコンセプトがございます。一つは、河川の浄化や多様な生物が生息できる環境を保全・創出する。二つ目は、管理運営に当たっては、区と区民との協働により、地域の人々の交流の場、人と自然の触れ合いの場、環境学習の拠点とすることであります。
ご質問の環境農園につきましては、自然体験学習の機会を設けるなど、今後の事業展開を考える中で検討していくとともに、管理運営に関しましては、地元住民やNPOと協議を進めながら決めていきたいと考えております。
次に、環境関連施設のネットワーク化についてお答えします。
(仮称)桑袋ビオトープ公園は、三つの河川の合流地域に整備される公園であり、自然豊かな垳川遊歩道や農業体験ができる都市農業公園とは、環境教育という視点で共通するものが多く、これらの施設との連携も含めた事業展開を関係部課と検討してまいります。
平成16年 第3回 定例会
◆鈴木あきら 議員
次に、環境清掃行政について伺います。
垳川のEM菌団子による清流化運動のジャブジャブ大作戦が、区民・NPO・町会自治会・小中学校・行政、そして新井・古性議員、前野・ふちわき議員、米山議員ら、多くの議員の積極的参加で確実に一定の成果を上げています。垳川で栽培をしたクウシンサイという野菜を、私もおいしく皆さんと一緒にいただきましたが、清流化運動を通して、子どもからお年寄りまで、世代を超えた交流の場にもなっていることにも喜びを感じます。一日も早く、この垳川流域が多くの区民の憩いの場となり、観光拠点の宝となる日を待ち望んでいます。しかし、現状においては、垳川の八潮市側に配水管が数多くあり、EM団子を投入している傍らから、かなりの汚れたままの排水が垂れ流しになっていることを見過ごすわけにはいきません。八潮市は情けないことに、何本の配水管が存在しているのか、何所帯分の排水なのか、実態すらつかんでおりません。そこで伺います。
(1)垳川の清流化運動により一層意欲を持ってもらうためにも、八潮市該当地域の下水道工事を早急に八潮市側に求めるべきですが、いかがでしょうか。
(2)工事の計画予定書の提出も同時に求めるべきですが、いかがでしょうか。
◎猪野秀明 土木部長
まず、垳川の浄化について一括してお答えします。
区では、垳川の浄化を図るため、関係する東京都、埼玉県及び八潮市と「仮称・垳川浄化対策協議会」を設置するため、事務レベルでの打ち合わせを開始しております。この協議会におきまして、お尋ねの八潮市該当地域の早期下水道整備を要望してまいります。また、下水道の整備予定につきましても、できるだけ早期に計画案が入手できるように要望してまいりたいと考えております。
- 最終更新:2015-03-13 09:21:52