逗子市(6)

平成19年  3月 予算特別委員会

◎ (環境部長)

 説明欄2環境基本計画推進費379万3,000円のうち、1環境パートナーシップ推進事業66万8,000円は、市民、事業者との協働による環境活動の基盤となるずしし環境会議に係る経費、環境啓発のため実施する市民講演会に関する経費ほかを計上したものです。2環境審議会経費44万1,000円は、審議会員10名分、審議会3回の報酬及び会議運営に要する経費を計上したものです。3二酸化炭素削減事業211万7,000円は、地球温暖化防止に向け新エネルギーの効率的利用を推進するため、住宅用太陽光発電システム設置の際に、1キロワットの設置につき5万円、最高20万円を限度とする補助金を支給するとともに、太陽光発電システムの普及啓発などに必要な経費を計上したものです。4有用微生物群活用事業56万7,000円は、有用微生物であるEM菌活性液の培養作業、培養管理及び市民へ配布するための経費を計上したものです。

◆(森委員)

 それでは、135ページの環境基本計画推進費の04有用微生物群活用事業について質問いたします。
 この予算は前年度に比べて大幅にダウンしていますが、事業の内容としては平成18年度と比べて変わったことはありますか。

◎(環境管理課長)

 本年度はEM活性液の河川の散布、それからEMだんごを散布するのを休止いたします。市民配布と、それから海岸散布用のEM活性液を作るということでございます。

◆(森委員)

 その河川のサンプルとEMだんごをやめた理由は、特に何かあってやめたのか伺います。

◎(環境管理課長)

 本市の場合、下水道の普及率が100%になっているということ、それから昨年度も河川の水質は良好だと思われておりましたけれども、この水質の維持と更に水質を向上するということで実施してきております。しかし、水質の測定を実施してきておりますが、数値的には顕著な変化は見られないということから、様子を見ることとしまして、平成19年度は河川、それから大池の散布を取りやめるということでございます。

◆(森委員)

 それでは、平成18年度を行ってみて、それは効果がなかったというか、やらなくてもよいものだという判断をいたして平成19年度は河川の散布、あるいは大池にEMだんごを沈めるというのはやめたというふうにして理解してよろしいでしょうか。

◎(環境管理課長)

 先ほども申しました、かなり水質はよかったんですけれども、更に水質の向上を目指すということで実施してきたんですけれども、実質的には大きな数字的な水質の変化は認められなかったということで、平成19年度は河川、それから大池の散布は休止するということでございます。

◆(森委員)

 市民の方々の利用なんですが、どのように有効に活用していただこうと考えているのかを伺います。

◎(環境管理課長)

 市民の場合、この培養液は下水ですとか、そういうところにまくのがいいということでございまして、昨年度は5,000リットル市民配布用に用意いたしました。

◆(森委員)

 最初から市役所の入り口に設置して市民の皆様に自由に持って帰ってくださいというふうに始めていますが、その中で事業を進めてきた経過を踏まえて、何かもうちょっと発展的なものを考えているんでしょうか。

◎(環境管理課長)

 発展的なものはございません。来年度も市民配布用はそのまま実施いたします。河川の散布と久木大池に散布していたものを取りやめるということでございます。

◆(森委員)

 これがスタートしたとき、ちゃんと経費をかけて浄水管理センターに培養するために委託してスタートしました。そして市民の方々にもこれを使うと環境のことを考えていただいたり、本当は最初は小学生などに川に散布することで環境のことを考えてもらうということでは説明を受けていたんですけれども、今は市民の方々に自由に利用していただいているということなんでしょうけれども、もう一つせっかく設備を作ってそれを維持して、丸々この事業は委託料としてお願いしていますので、もうちょっと市がやることの有効性みたいな、市民にもっともっと理解を深めるための方策が私は必要だと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。

◎(環境管理課長)

 先ほどから申しているように、市民配布用はそのまま行います。河川等の散布はしないということで、あと平成18年度は学校にも配付いたしまして、EMだんごを久木大池に散布する際には久木中学校の生徒に体験してもらったという経緯もございます。

◆(森委員)

 結構です。

◆(毛呂委員)

 今のEM菌の有用微生物の関連で、河川や久木大池に散布した部分は効果がなかったというふうに今おっしゃいましたが、では今回、残りは家庭用と、あと特に海岸に散布する分に関しては効果があるからやるんですか。

◎(環境管理課長)

 海岸の部分につきましては、経済観光課で所管しておりまして、その辺の効果は私ども数字的なものは聞いてはいないんですが、効果はあったというように聞いておりますけれども。

◆(毛呂委員)

 効果がないとか、あるとかというのが、そもそも河川と海岸とで基準が違ったり、要するにその辺はどういうふうに基準分けされているんですか。

◎(環境部長)

 河川ですと、一番顕著に表れるのが大腸菌群がEM菌をまくことによって減っていくということで、要は河川の水質がよくなるという数字的なものは出ます。本市の場合には田越川の水質は大腸菌群も非常に少なくて、それをより減らそうということでやったんですけれども、ある程度一定の量までしか大腸菌群は減っていきませんので、これは顕著な数字的な効果はないということで、河川への散布を今回中止したわけで、ただ海岸につきましては、数字的なものは出ないんですけれども、明らかににおいがなくなった、それから砂の黒色化が解消されてきたということで、夏の海水浴の海の家が建つ前に西側の方にまいて、あの辺は非常にごみとか海草が上がってにおいがきついところがあります。そこに定期的にまくことによりましてにおいが非常に減少したという結果的なものが出ております。それから、海の家の方でもまいていただいてそこについては大腸菌群が非常に減ったという数字的なものも出ているというふうに私たちは把握しております。

◆(毛呂委員)

 河川はもともと、田越川は大腸菌群が少なかったところにまいてよりよくしようと思っても効果がなかったから、まくのをやめましたと。海岸に関しては、まだまだ効果があるからこれからもそれはある、もしくは定期的にEM菌を散布しないと効果が薄れるからやるのかとか、その辺の要するに効果が河川で、私素人ですから、ないんであればなぜやるのかなとふと思ったんです。EM菌そのものに効果がないということではなくて、海岸の黒色化とか、あと海の家とかそういうものに関しては、いわゆる感覚的な意味での効果は認められるけれども、数値化はできないということなんですね。

◎(環境部長)

 海の家の方の測定では大腸菌群も減っているという数字は出ているようです。手元に今、臭気はこれはやはり感覚的なものなんですけれども、臭気測定をしているというわけではないんですが、通常の方がそこの場所に、海岸に行って、臭いなという感じがもうなくなったということと、あとは砂の黒色化、砂をある程度掘ったときに、今までは腐敗して黒くなっていたものが、そういうものはない砂の普通の色になっているといった効果が表れているということで、これにつきましては、市民部の方で継続的に散布をしていきたいということがございまして、培養につきましては環境部の方で行うという形になります。

◆(毛呂委員)

 あと、家庭用に配布している5,000リットルというふうに先ほどおっしゃったんですけれども、これについては何か追跡調査といいますか、どういうふうなメリットが生じているとか。

◎(環境管理課長)

 昨年、EM菌の利用者アンケート、追跡調査ではないんですが、アンケートはしております。そこで、どういうところに使ったのかとかというものと、どのぐらいの期間を使ったのか、それから量的なもの、効果がありましたかというような問いで、そのようなアンケート調査はしております。

◆(毛呂委員)

 これは資料請求なんですが、そういう家庭用のアンケート調査結果という資料を請求したいんですが、委員長、取り計らってください。

○(委員長)

 ただいま毛呂委員より資料請求が上がりましたが、ここで皆様にお諮りします。
 所管に対し、資料を請求することに御異議ありませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○(委員長) 御異議なしと認め、そのように決定いたします。

 所管におかれましては、請求のありました資料の用意ができますか。

◎(環境部長)

 それでは用意いたしますので、暫時お時間をいただきたいと思います。

◆(松本委員)

 それでは、有用微生物群活用事業、先ほども問題になっていたものなんですけれども、今回、委託料で全部込みで作る量はどれぐらいになるんでしょうか。

◎(環境管理課長)

 平成19年度は全部で2万リットルでございます。

◆(松本委員)

 その内訳は、海岸分と市民配布分はどういうふうになるんでしょうか。

◎(環境管理課長)

 平成19年度は市民配布用1,500リットル、それから海岸用に1万8,500リットルを予定しております。

◆(松本委員)

 昨年に比べて市民配布用は減らしたという形ですし、それで委託料も減っているという形だと思うんですけれども、先ほども御意見に出ていたように、このアンケートもさっと見たところでも、何回も来るけれども空の日が多いだとか、もっといっぱい持っていく人もいるけれどもどうなんだとか、いろいろな意見が出ているようなんですけれども、こういう事業は1回市がスタートしたわけですよね。それを市民配布は今回量を少なくするわけですけれども、そういうのに当たっての対応と、それから啓発はどういうふうにするのか。

◎(環境管理課長)

 平成17年度、取りに来たけれどもなかったなんていうことがあったようでございますが、今年度はそのような御迷惑はかけていないと思っております。若干、余りまして河川の方にその分を持っていったということがございますので、市民の方に御迷惑は今年はかけておりません。
 また、来年度配布用が少ないのは、培養のサイクルの関係がございまして、海岸散布用というのはやはり夏場に散布いたしますので、その時期に多く作るというようなことがございまして、市民配布用もそれに伴って、その期間も短くなるために少なくなっております。
 以上です。

◆(松本委員)

 3年前に始めたときに、トップダウンで機械を入れてという形でタンクを買ってというような、そんな高額ではないですけれども、ハードを用意していったわけですよね。その中で、河川にやったり大池にやったりとか、余り担当としても積極的でない形で進まれていたような気がしたんですけれども、今回、ここに来て少しダウンしてきたような気がするんですけれども。このEM菌も利用によってはいろいろ、例えば生ごみの方に使うだとかいろいろな形もあるわけですよね。その辺り、これからどのようにこの事業を展開していくかという方向を、今年度減らした中でどういうふうな考えを持っておられるのかちょっと伺いたいんですけれども。

◎(環境部長)

 担当といたしましては、しっかりと積極的に今までやってきたつもりでおります。ただ、この事業を展開する中で、事業効果がやはり顕著にあらわれてこないというものは、やはりきちっと取捨選択して、より効果があるところに持っていくべきだろうということで、今回、海岸散布につきましては、これは海岸としても海岸の方を管理している所管としてもできるだけ散布をしてにおいを消したり、黒色化を解消したりというふうにやっていきたいというのがありますので、そちらの方にある程度効果があるというものに対して力点を置いていると。
 市民配布につきましても、当然いろいろ効果があるということを市民の方も実感しておられるようですので、それについてはまだ継続してやるということで、今後は効果があるというところには、やはり重点的に施策を展開していきたいなとは思っております。

◆(松本委員)

 先ほども出ていましたけれども、このEMを理解したりそういうことを担当もやりながら、逆に私はこの委託は今は下水処理場の方の業者に委託しているような形で、全く市民ではない人がただ単に作っているというところで、非常に市民と離れたところで物ができていて、ただ、はい、それをもらいに来たりというふうな形で。
 平井市長が一昨年にEM菌の事業を始めたときにも、多分かなり議会で質問をされて、それこそペットボトルに米のとぎ汁を入れてEM菌を入れて培養したりして、小学校なんかでそういうことを増やしたりすることこそ、このEM菌とかの活用の事業ではないかということをおっしゃられたのを私は傍聴して聞いていたんですけれども、やはりそういうところで、単にどこかに委託して、はい作って、はい配布というので、海岸でというのではなく、もう少し今年の事業の中でも、これから先の方向を考えながら、例えば委託にしてもNPOなりそういう人たちが育ってきてそういう人たちがどんどん作っていくだとか、何かそういう形をとったらどうかなと私なんかは考えているんですけれども、いかがでしょうか。そういう方向を今年度も見出せないかなと思っているんですけれども。

◎(環境管理課長)

 今のお話、一応、御意見として承らせていただきたいと思います。

◎ (市民部長)

説明欄1の砂質改良費88万7,000円は海岸の悪臭除去対策としてEM菌の散布を行い、美しい浜を再生させる業務の委託料であります。

◆(橋爪委員)

 一つは、砂質改良費のところでお伺いをします。
 EM菌を散布してということで、海岸の砂質の改良を行っているんですけれども、これは成果というんですか、その効果についてお伺いをします。

◎(市民部参事・経済観光課長)

 具体的に、数字では出ないものとしましては、まず悪臭、これが大幅に緩和されまして、見た目で汚泥の量も大分減ったというような効果があります。

◆(橋爪委員)

 これはEM菌の散布をしてという今御答弁なんですが、EM菌の散布以外には方法は何か改善をするものというのはあるんでしょうか。EM菌でなければ改善できないんでしょうか。

◎(市民部参事・経済観光課長)

 平成18年度以前、平成16年度までは天地返しといって、黒色化した砂を下から掘り起こして、日に当てて効果を見たんですけれども、そのときに比べればEM菌を散布した方がにおい、それから黒色化ははるかに効果が高いものと認識しております。

◆(橋爪委員)

 分かりました。
 それで、これは数年やっているわけですが、一定改善の効果があるという御答弁です。平成19年度もこのEM菌を散布をする予算になっていますけれども、これは毎年やらないと戻ってしまうのか、更に毎年やることでもっと悪臭が減っていくということなのか、お伺いします。

◎(市民部参事・経済観光課長)

 途中で一回休んでみて、様子を見るということも一つの考え方としてあると思いますけれども、来年度予算金額的にはほぼ同額に近いんですけれども、来年度は環境部の方で培養したものだけを使ってEM菌を散布する関係で、かなりコスト面で下がった分、来年度は打ち上がった海草、これにもまいて効果を試してみようかと考えております。

◆(橋爪委員)

 新たな取り組みを一つ平成19年度はやるということですね。
 これはEM菌自体が当然効果がある部分、それから残念ながら効果がないものもあるというふうには聞いているんですね。この海草というのは、効果としては期待ができるんですか。

◎(市民部長)

 黒色化の第一原因が大量の海草が自然に戻らずに、大量過ぎて腐敗してしまうという、そういう現象でもって黒色化がし、においがまた出るということです。このEM菌はそれを抑える、それから分解を促進するという効果がありますので、この上がった海草に散布するというのは非常に効果があるというふうには期待をしているところです。

◆(橋爪委員)

 EM菌自体についてというところで、海岸以外にも所管ではありませんけれども、ありますので、併せてちょっと判断をしたいと思います。

◆ (君島委員)

 135ページの第7款土木費の第1項環境保全費、第1目環境管理費について質問させていただきます。
 説明欄の02の04の環境基本計画推進費の中で、有用微生物群活用事業についてお尋ねいたします。この事業は、分科会の中で質疑し、御答弁もいただきました。これについては事業費56万7,000円の中で、海岸散布用1万8,500リットル、家庭配布用1,850リットル、計2万リットルの有用微生物の培養を行うというお答えでした。市内各河川や久木大池への散布については効果が認められないことから、平成19年度は行わないと、加えて家庭への配布については、アンケートの結果、おおむねで良好であることなどが明らかになりました。この分科会での答弁を受け、更にこの事業について研究したところ、別角度での疑問点が1つ生じましたので、理事者に質問させていただきます。
 この通称、EM菌を培養する際には、浄水管理センターからの三次処理水を使っているということですが、例えばカルキ抜きの水道水を使わない理由というものを教えてください。

◎(環境部長)

 それでは、お答え申し上げます。
 現在、EM活性液の培養につきましては、三次処理水を使用しております。これにつきましては、活性液の使用できる状態を確認するには、判定はpHを基準に行っております。その数値は3.5ということで、このpHでEM菌の培養に資することができるわけでございます。三次水を使っている理由といたしましては、これはもともと飲料用というわけではなく、使用目的が河川の散布、海岸等への散布ということで、特に家庭では、下水等への使用ということで使途目的をある程度限っているものでございまして、飲料ということには用いないということで培養しております。
 水道水ですと、どうしてもこれ塩素滅菌をしておりまして、このまま使いますと、EM菌には逆効果になってしまうということから、1日以上、汲み置いて、カルキ飛ばしをした上で使用する必要がございます。そうなりますと、委託をしている関係で、一手間余計にかかるということと、上水道代の負担も増えるということがございます。そういう点から、上水道を使うという手もございますけれども、現在のところは三次処理水で十分に培養をして効果が得られているということで、現在設置してあります浄水管理センターで、すぐに利用できる三次処理水を使用しているということでございます。

◆(君島委員)

 再度、ちょっと確認させていただきます。効果という点に絞ってお尋ねしますが、培養において三次処理水と、1日置く必要があるとおっしゃいましたカルキ抜きの水道水との違いをどのように把握されていますかということと、実証実験のようなものは過去されたことがあるのでしょうか。

◎(環境部長)

 実証実験というところではございません。三次処理水を使うということについて、十分に培養効果があるというふうに確認をしておりまして、実証実験をしているわけではございませんけれども、十分に現在のところも効果があり、培養も成功しているということで使用しているわけでございます。

◆(君島委員)

 改めて伺いますが、カルキ抜きの水道水を使う、もしくは実証実験をする予定というのは、今後も考えていないということでよろしいんでしょうか。

◎(環境部長)

 使用目的が海岸への散布ということでございますので、それを使用目的とした場合には、水道水、上水道を使うという予定はございません。

◆(君島委員)

 恐らくこれを、三次処理水を使っている市民の方はほとんどいらっしゃらないと思うんですが、イメージとしての部分でどうなのかなというところを感じておりまして、それに関してのちょっとお考えを最後にお聞かせいただければと思います。

◎(環境部長)

 御家庭にお持ち帰りになったときには、三次水というよりは、水道水をもとにという方が、イメージ的にはこれは当然アップをすると思っております。三次水と同じ効果であるとは思いますけれども、委員おっしゃるとおり、イメージ的には水道水を使用しているという方がイメージ的にはアップするというふうに思います。

◆(君島委員)

 今、そういうふうなイメージの意味では、我々と同じような認識を持っていただいているということなので、今後、引き続き検証の可能性を探っていただければと思います。この質問は以上で結構です。

平成19年  9月 決算特別委員会

◆ (岡本委員)

 成果報告書の94ページの4目海浜費の1砂質改良費、砂質改良事業が86万5,350円。この金額は平成17年から見ますと339万6,930円、約4分の1と減っております。そして、この内容等についてお聞かせ願いたいとともに、EM菌については前のページにも書いてありますが、海岸用というふうに書いてあります。そういうのも含めて、EM菌は従来どおり散布したと思いますが、この辺も含めてお聞きします。

◎(市民部長)

 砂質改良事業でございますけれども、これはいわゆる天地返しと呼ばれる方法と、それから近年、EM菌の散布と二つの方法で行ってまいりました。そのうち平成18年度につきましては、天地返しは行っておりません。この理由としましては、EM菌の散布で大分におい等に効果が出たということもございました。それから、もちろん財政的な面もございました。そうした意味で、天地返しは行ってございません。

◆(岡本委員)

 そうしますと、これだけの4分の1近くの費用になったということは、天地返しをやっていないからだと、ただEM菌だけはやっていて、そしてこの費用で、そしてそれでの成果があったというふうに理解していいんでしょうか。

◎(市民部長)

 そのとおりでございます。

◆(岡本委員)

 そうしますと、来年、再来年と続いていきますけれども、そしてEM菌等の成果があって、海がきれいになったというふうに私は理解しております。
 そういう中で、皆さんも話題になって、大きく魅力を持ってもらったと思いますけれども、ウミガメが6月の半ばごろに来て産卵をし、そして9月の初めにふ化して海に帰っていったというようなこともありました。こういうのも海がきれいになったからだと私は思いたいんですけれども、その辺のところは部局としては自信を持ってお答えできるのかお聞かせください。

◎(市民部長)

 EM菌は全国で使われておりますけれども、その報告では川や海がきれいになった、メダカが戻ってきた、魚が戻ってきたという、そういう報告がございます。今年のウミガメが上がった場所でございますけれども、あそこはEM菌を中心的に散布している場所でございます。そうした意味からも、直接的にウミガメに聞いたわけではございませんので、そこがよかったのかどうか分かりませんけれども、私どもはそうした効果があったんだろうというふうに思っております。

◆(岡本委員)

 私でもそう思いたいです。というのは、あそこにウミガメが産卵に来たというのが大きく報道されまして、そして自分も3回ほど見に行きました。わざわざ行ったわけではありません。海に出たときにいるというような格好で、そういう中で思ったのは、近所の方たち、また市の職員あるいは海の業者等も見守り隊みたいなものを作って、そして四六時中見ていたという経過があります。
 それから、私ども言われました。あんなめったにないことがあるんだから、監視カメラでも付けないと荒らされて、どうにもならなくなるんではないかというようなことも聞かれましたけれども、これについては心配なく、ああやって見守り隊みたいなものができたということです。そして、聞くところによりますと、新聞では18匹海に帰っていったということですけれども、卵はもっといっぱい産んであるだろうと思ったけれども、意外と少なかったと。そして、数もかえったのがもう少し、20匹強いたんではないかなという話を聞くぐらいなんですけれども、そういうところが分かれば教えてもらって、それで私は質問を終わりたいと思います。このようなチャンスはなかなかないと思いますので、ぜひ引き続き海をきれいにし、そしてこれが逗子市の海だということで努力していただきたいと思います。
 内容的なものが分かったら、教えてください。

◎(市民部長)

 卵は18匹生まれたということは、私も聞いておりますけれども、まずそれよりもそれを市民の方々が見守って生まれた。しかも、それは自然の条件の中で生まれたということでございますので、そうした意味では本当にすばらしいものだったと思います。ある意味では非常に楽しい物語であったというふうに感じておるところでございます。

平成19年  9月 定例会

◆18番(菊池俊一君)

 多岐にわたる質問ですけれども、御答弁ありがとうございます。
 海についてたくさん質問しました。ウミガメについては、私自身も当日からそのお話を聞いて、産んだ日にちょうど同級生の友達と逗子海岸にウミガメが来たらななんて話をしていたんで、これは人ごとではないということでずっと見守る中で、残念ながらふ化したところは見ることができずに、市長が代わりに見ていただいたような感じになって、それはそれで非常によかったなと思います。
 本当に詳細なデータが今回取れました。こういうデータは、めったに取れないんですね。まず最初、自然ふ化を選択したというのがまずかなり英断だったなと思います。これは市長以下、行政職員が中心となって決定したわけですけれども、普通、皆さん一般的に考えると、ふ化した卵を掘り起こして水族館に持っていって人工ふ化して、子供たちの手で海に放すという、そういう姿をみんな想像するかと思うんですね。
 ただ、人工ふ化させてしまうと、卵の中にいる中で東西南北をカメは考えて、それに従って、今度、海に行ったときに迷わずにメキシコ湾まで行くそうなんですけれども、無事にたどり着くという、そういう生態系があるんですね。人工ふ化を選んでしまうと、ふ化ということに関しては成功するかもしれないけれども、生きていく上での情報という、生きていく術ということを学ぶことができずに途中で死んでしまう例が多いので、自然ふ化という確率の低いところを選んだにもかかわらず、成功したというのが非常に貴重ですし、研究者もデータをもとにして今後の同じような状況に対して役立てていきたいというお話もしていました。
 当初、100個以上、ウミガメの卵があるのではないかというふうに思ったんですが、最終的に掘り起こしたところ産卵数は29個だけでした。ふ化したのが18匹と言われているんですけれども、どうも殻の状況から見るとあと3匹、どこかのタイミングでふ化して先に出ていったか、あと途中で出ていったかというようなデータも残っています。そう考えるとふ化率が76%で、当初4月の初め、皆さん記憶に新しいと思うんですけれども、すごく寒かったんですね。その後は猛暑になったんですけれども、寒かったので、それを考えると非常に良い状況だったのではないか。また、砂浜の状況というのが台風の影響も受けない高台でしたし、行政が中心となって海岸営業協同組合とともに取り組んできたEM菌の散布なども影響があるのではないかというふうに言う方もおられます。毎年来るようなものでもないですし、こればかりはだれも分からないんですけれども、また次に来たときには今回の経験を生かして、またみんなで見守れたらいいなというふうにも思っています。

平成20年  3月 全員協議会

◎ (環境部長)

 4の有用微生物群活用事業56万7,000円は、有用微生物であるEM菌活性液の培養作業、培養管理及び市民への配布をするための経費を計上したものです。

◎(市民部長)

 説明欄1の砂質改良費96万4,000円は、海岸の悪臭除去対策としてEM菌の散布及び市民参加のイベントを行い、美しい浜を再生させる業務の委託料であります。

平成20年  3月 予算特別委員会

◎ (環境部長)

説明欄2環境基本計画推進費645万4,000円のうち、1の環境パートナーシップ推進事業62万2,000円は、市民、事業者との協働による環境活動の基盤となるずしし環境会議に係る経費、環境啓発のため実施する市民講演会に関する経費ほかを計上したものです。2の環境審議会経費44万1,000円は、審議会員10名分、審議会3回の報酬及び会議運営に要する経費を計上したものです。3の二酸化炭素削減事業482万4,000円は、地球温暖化防止に向け新エネルギーの効率的利用を推進するため、住宅用太陽光発電システム設置の際に、1キロワットの設置につき4万円、最高16万円を限度とする補助金及び地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき、温室効果ガスの排出の量の削減並びに吸収作用の保全、強化のため、措置に関する計画、いわゆる実行計画の策定に必要な経費を計上したものです。4の有用微生物群活用事業56万7,000円は、有用微生物であるEM菌活性液の培養作業、培養管理及び市民へ配布するための経費を計上したものです。

◆(岩室委員)

 では、この事業に関しては分かりました。
 有用微生物群活用事業に関してですけれども、これは前年と同額の形で提案されているんですけれども、これは海岸に散布するのですか。

◎(環境部次長・環境管理課長)

 有用微生物群活用事業につきましては、私ども、平成19年度と何ら変わるものはございません。大部分につきましては、海岸に散布用のものを培養するというための費用でございます。一部は、市民に配布いたします。

◆(岩室委員)

 一定、事業の効果についてと、市民への意識浸透と市民参加という点で考えられているようなのですけれども、これは今の時点で、この間、今年1月の記者発表の中で、一応、報告していますよね。これに関しての見解を、今回提案されているので改めてお伺いしておきたいんですけれども。

◎(環境部次長・環境管理課長)

 海岸に散布する、それに市民をというお話は、確かにございました。この部分につきましては、市民部の対応でございます。大変申し訳ございませんが、私どものところでは、その辺の詳しい内容は分かりませんので、申し上げられません。

◆(岩室委員)

 そうすると、海岸に散布しているのは環境部で……〔「市民部」と呼ぶ者あり〕市民部で、培養しているのが環境部。実際に培養は、この予算上はどの程度の量になるんですか。

◎(環境部次長・環境管理課長)

 平成20年度は、市民配布用が1,500リットル。それから海岸散布用の部分が1万8,500リットル、合計2万リットルを培養する予定でございます。

◆(岩室委員)

 これは、市民向けの関係ですけれども、予算的には増額は要求していないので、実際に1,500リットルというのは、実績を踏まえた形なんでしょうか。

◎(環境部次長・環境管理課長)

 毎年、市民への配布実績というのは違いますけれども、昨年度につきましては、ほとんどはけております。

◆(岩室委員)

 分かりました。

平成20年  3月 予算特別委員会

◎ (市民部長)

説明欄1の砂質改良費96万4,000円は海岸の悪臭除去対策としてEM菌の散布及び市民参加のイベントを行い、美しい浜を再生させる業務の委託料であります。

◆(橋爪委員)

 144ページ、145ページの砂質改良費、美しい浜再生事業のところでお伺いをします。
 委託料の中のEM散布、これは毎年行われているわけですが、これに係る委託料というのは、まずお幾らなのかお伺いします。

◎(市民部参事・経済観光課長)

 EM散布の委託料は73万7,000円です。

◆(橋爪委員)

 平成19年度では、本年度では漂流海草にも直接散布という新たな取り組みも行われているんですが、平成20年度についてはどういった散布を考えておられるんですか。

◎(市民部参事・経済観光課長)

 散布に関しては今年度同様ということです。

◆(橋爪委員)

 今年度同様。今年度の成果というものの上で平成20年度の予算計上だということだと思うんですが、その点はどういった点が成果というか、あったのかお伺いをしたいんですが。

◎(市民部参事・経済観光課長)

 今年度、定点観測という形で、西浜にEM菌の培養液をまくほかに、東浜で打ち上がった海草を、培養菌をまいて植えたものと、まかないで植えたものを定点観測いたしました。その際には、参加した市民の方に一緒に立ち会っていただいて、観測結果までのときも一緒に見ていただくというようなことをやりましたけれども、来年度に関しましては、更にEM菌はこうして培養して、こうやってまくと、こうした効果があるんですよということを、市民参加ということで、実際に8月に行います海のビーチクラブというイベントのときに、市販のEM菌の原液を参加者にお渡しして、それを自宅に持って帰っていただいて、培養したものを次回のイベントのときに持ってきていただいて、そこで東浜にまいて成果を見るというような、培養するところから参加していただくことを計画しております。

◆(橋爪委員)

 このEM菌については種々意見があって、逗子では海岸にということで利用されているんですが、こういった効果というところで、私は市が継続してやっていくに当たっては、やはり科学的な検証は必要だと思っているんですね。そういった科学的な検証とかはされているんでしょうか。

◎(市民部参事・経済観光課長)

 最初に実験を行ったときに、臭気とかそういったもののデータはとっていたと思います。平成19年度は、そういった数字のデータは出ておりませんけれども、実際に分解した海草を目で見て、それからにおいは実際に参加した人にかいで判断していただいた結果となっております。

◆(橋爪委員)

 悪臭に対しては過去に実験データがあるということですね。これはきちんとした調査機関で調査をされたのか。平成19年度は目視でその効果があるということですが、例えば散布量とか、それからどういう条件であればより効果があるのか、いろいろなことがあるんだと思うんです。だから、そういう意味では、新たな部分についても、私はきちんとした調査機関にゆだねて、そのデータに基づくものが必要だとは思うんですが、そういうことはお考えにはならないんでしょうか。

◎(市民部参事・経済観光課長)

 実験的に行ってきた中で、適正な量とかというものをまだ厳密にはわかっておりません。そういった中で、そういったきちんとした調査機関があるようでしたらば、今後、正式にそういった数字でデータが出るような調査方法も検討してみたいと思います。

◆(橋爪委員)

 私、それが先だと思っているんです。これは民間がやるとかということではなくて市の事業ですよね。例えば、他で本当に効果があるものであれば、どこも海岸の問題というのは悩んでいる部分があると思うんですが、EM菌はどこでも取り扱っているということではないわけですね。だからこそ、まずはきちんとした調査機関にゆだねて、正確な科学データをしっかりとるということをまずは最初にやるべきではないんでしょうか。平成20年度もこういった質問がなければやる予定はなかったということで理解してよろしいわけですよね。

◎(市民部参事・経済観光課長)

 今までと同様な目視と、それから実際ににおいをかぐというような形での成果しかやる予定はありませんでした。

◆(橋爪委員)

 このEM菌の活用が、これも毎年聞いている部分もあるんですが、他の海岸等で、行政として利用されている状況は増えているんでしょうか。把握されていればお伺いしたいんですが。

◎(市民部参事・経済観光課長)

 他の状況は、当初始めるときに確認しましたけれども、それ以降、増減があるかどうかは把握しておりません。

◆(橋爪委員)

 参考に、今、市が把握されているこのEM菌を散布しているところはどこか、お伺いをします。

○(委員長)

 覚えている限りで結構ですから。

◎(市民部長)

 すみません、私も資料がないので、正確ではないかもしれませんけれども、瀬戸内海は大々的に各市町村が合同してやっているということがありますし、それから、隣の鎌倉市も、滑川だったかな、そういった活動をしている。それから、江戸橋がそこの辺もやっているというようなのことを聞いていまして、全国で川だとか、そういうものも含めると、10か所20か所ではなくて、何十か所というふうにあるというふうには伺っているところでございます。

◆(橋爪委員)

 例えば、この三浦半島の中だけでも海岸はかなりありますし、そういったところで、今、鎌倉の川ですよね、これは。逗子は川はまた有効でないという結果が出ていますが、海岸の悪臭、それから今回は漂着海草ということで、事業がまた更に拡大をしているわけですから、そういう意味では、この近いところでは利用はされていないという状況がありますし、私、ここがはっきりとした中で、責任を持って市がこの部分は有効だということであればですけれども、ちょっとここのところは、予算で出ているのは散布ということで平成19年度と同じということでありますから、ここはそれなりの判断もしたいとは思っておりますけれども、ちょっと最後に確認ですが、調査機関があれば調査も考えたいということで御答弁をいただいたんですが、そこはきちんと科学的なデータを、調査にゆだねるという考えだということで、平成20年度でもそういうところがあればやっていくんだということで理解をしてよろしいのかどうか、そこだけ確認させてください。

◎(市民部参事・経済観光課長)

 予算も伴うと思いますので、平成20年度はまず、実際にそういった調査をしてくれるところがあるのかどうか探してみようと思います。



  • 最終更新:2015-06-25 08:31:15

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