那覇市

平成 7年 6月定例会

◆大城勝夫君 

 質問の第2点、伝統工芸品等のブランド化推進に研究費制度の創設について。
 沖縄の伝統工芸品を沖縄初の世界商品として発展させるには、独特のブランド化が時代の要請であります。大分県の平松知事は「ローカル」なものを一生懸命磨けばグローバル、世界的になると、これからの5年間で地域の21世紀は決まると、ある講演で述べられております。
 今日、沖縄県の産業をはじめ、伝統工芸産業の置かれている環境は決して平坦なものではない。最近の円高、規制緩和による輸入品の増加で、競争の激化が続き、また交通通信網の整備、流通の合理化などで、本土遠隔地からも珍しい産物が入るようになったり、類似商品の増加も県産品を直撃している。
 一方、消費者側は、よりよいものを、より安く、より安全なものを求める傾向にあり、一層拍車をかけている。このように伝統工芸品などは厳しい経済環境に直面している。したがって、伝統工芸品をはじめ県産品を保護、発展を図るには行政の強力な支援が求められてまいります。そこで質問のブランド化への研究を続けている一例をご紹介しますと、ある某ガラス工房では、有用微生物群を活用してブランド化商品の開発に取り組んでいるケースもあります。零細な中にも伝統を守り、発展させるために頑張っている企業に対し、研究費支給制度を設置する考えはないか、ご答弁を求めます。

平成 8年 6月定例会

◆新崎真次郎君

 3点目に、那覇市民が他の市町村で土地を購入し、または借地をして農業を営むとき、補助制度はどうなっているか、お伺いするものであります。また、字赤嶺291番地の返還された軍用地跡地を利用して、ゴーヤー、スイカを栽培する、またはごみ減量につながる生ごみを利用して、EM農法、市民に堆肥を与えて野菜づくりを指導すれば、健康にもなるし、医療費の削減にもなると思います。そのような施設をつくることは大事だと思うが、いかがでしょうか。

◎経済部長(崎山嗣松君)

 農業行政について、順次お答えをいたします。
 議員のご質問に、本市は市域の大部分が市街化区域のため、宅地転用による農地が年々減少傾向にございます。本市農家は他市町村で土地を購入して、または借用して農業を営むという、いわゆる出作農業が本市の農家の半数を示していることは議員もご承知のとおりでございます。
 本市といたしましては、これまで農地の高度利用による都市農業の育成を図るため、ビニールハウスの設置、優良農機具購入、有機肥料購入、県外県内出荷箱購入等への市単独の助成を行ってまいりました。しかしながら、市街で農業を営む農家にとっては、市の補助に加えて国・県の補助が受けにくい状況にあります。近代化施設の設置に多額の費用を要しているのも実情でございます。今後、県及び他市町村とさらに農業協同組合との調整もありますので、本市農業の振興及び農家の育成のためにも、このような状況を打開するために積極的に取り組んでいきたいと思います。
 次に、EM農法についてでございますが、ご承知のように、琉球大学の比嘉教授による有効微生物利用、いわゆる微生物農法、EM農法が注目をされております。現場においては高い評価が得られているということも伺っております。ご質問のEM農法は、省力的で、農薬の使用もなく、健康的農法であるとも考えられております。
 また、次にゴーヤーにつきましても、近年、県外でのその味覚が評価をされ、出荷も増えております。今後、大いに期待をされる農産物の一つございます。
 それから次に、赤嶺291番地の土地2,951㎡は、現在、普通財産で管理されております。跡地利用としてご提案の施設が可能かどうか、今後、関係部と調整が必要となりますので、今後その調整を図ってまいりたいと思います。ぜひご理解をください。

◆新崎真次郎君 

 農業問題は、ひとつ真剣に考えてほしいてすね。さっき申し上げているように、もう時間はありませんけれども、やはりゴーヤー施設をつくることによって、市民が健康になれば医療費が削減できます。これは確実です。最近は、西洋文化が入ってきて、沖縄の人は大腸がんが多くなって死ぬ人が多いんですよね。それを真剣に考えてもらわないと、このゴーヤーをつくることによって、食べることによって、飲むことによって、健康になれば最高の行政のあれだと思うんですよ。
 だから、せっかく土地はあるんですから、駐車場の云々を言う前に、私は農業施設をつくって、EMでもいい、市民に対して意識の高揚をするのがわれわれ行政と議会の責任だと思うんですよ。せっかく約1,800坪余りの土地が15割も遊んでいるんですよね。これは僕に与えたら僕はすぐ農業をやりますよ、自分1人でも。ユンボを1人で買ってきてEMを買ってから生ごみも集めて、そうすれば堆肥ができて、プランターに市民にこう教えて大丈夫ですよ。部長、もうちょっとあれです。

平成 8年12月定例会

◆新崎真次郎君 

 市長、よく聞いてください。世の中には、みんな聞いてください。世の中には漁民と農民がおります、漁民と農民。その違い分かりますか。僕が話しましょうね。漁民は資源を減らしますけれども、農民は資源を増やすんです。分かりますか。
 私は、ここに自分でつくった島大根の種を持ってまいりました、説明するために。これは、大根は、島大根、青首大根、美濃早生大根、三つあります。しかしこの大根、戦前から同じ大根です。毎年取るんです。だから農業が大事だということは、もっと皆さん認識していただきたいです。
 農業というのは、皆さん60で定年になります。しかし農業者には定年はないんです。今、僕が知っているおじいちゃんは、98歳になる人が農業をやっているんです。健康であれば、いつまでも一生涯できる職業なんです、農業というのは。ですから、私は今若い者に農業をしなさいというのは、私たちの立場だと、先だって嘉数進議員も将来の食糧難を心配して、後継者がいないということを嘆いておりました。まさにそのとおりであります。
 私は、今、那覇市の農業委員です。安里仁愛議員とともに、農業委員6名で、大阪府の富田林に勉強に行ってまいりました。議員は私と仁愛議員そして6名と随行入れて7人で行ってまいりましたけれども、先月の6日から行って、2泊3日、勉強してまいりました。大阪というのは都市ですよ。私はいつも、都市型農業を推薦しなさいと。子どものうちに農業の大切さを教えなさいというのは、そこなんです。
 今後、21世紀へ向けて、食糧難が必ずくると思うんです、今の状態では。だから今から、中学生や小学生を集めて、農業のやり方を教えないと、大変なことになりますよというのが私の持論なんです。
 私は、暇があればすぐ畑へ行っています。皆さんは定年になったら痴呆老人になりますよ。笑い事じゃないよ。ですから、今から畑を勉強しておかないと、今畑やっている人は何名いると思いますか。崎山部長ぐらいでしょう、玉城さんもやっているかな。
 とにかく、私はみんなに、この議会通して、全市民に農業の大事さを教えていきたいと思うんです。これは富田林の農業は都市型農業なんです。20haの土地を借りているんです、市と府が。そして、府と市が、富田林があるわけですけれども、富田林は人口13万余りです。しかし面積は、那覇市よりちょっと大きいぐらいですね、富田林は。大阪府の中で和歌山県に近い田舎なんです。しかし、そこの農業はすばらしいです。
 農業公園といって、こういったのがありまして、学生を毎日勉強させているんです、専門家が何名か行って、富田林の農協を中心にして、毎日学生が勉強しに来るんです。ミカン狩とかブドウ狩とか、例えばサツマイモの植え方、キャベツ、大根、全部教えるんです。だから、目のあたりまで見てまいりました。
 それで、私はいつも言うんですけれども、農業予算増やして、本当に今後の、この世の中が食糧難にならないように、われわれは教えるような立場にあると思うんです。私は小さいときから畑やっておりますから、今でもやっています。だから、非常に気になるんです。
 21世紀、2015年に私が80歳になったときは、必ず物不足がきますよ。すでに進議員が言っていたように、何万人か、世界では食べるものがない、死んでいく人類がいるんです。働かないから、皆さん、農業の意味は物をつくり出す、そして勤労意欲が生まれてくる。悪いことはしないです。パチンコやフリ遊びはしない。ですから、私は、このあとを参考にして、ぜひ今開放された2,951 の土地、あれは道はあるんです。階段がちゃんとついていますから。ぜひ、これを農業にしていただきたいと。
 駐車場の云々ありましたけれども、駐車場をするよりは、こういった農業をやって、市民農園をして、農業希望する人に与えればいいです。そして、生ごみも利用して、そういう健康な野菜をつくればいいです。そして、医療費が削減されます、確実に。この間、僕はゴーヤーをつくるように言いました。これはそんなに金かからんですよ。夏場になるとゴーヤー、トウガをつくります。今は冬場だから、葉野菜、大根の時期なんです。
 富田林は都市型農業で、ナスとキュウリが非常に有名なところなんです。その中に一歩入ると、今度はこういった運動公園がありまして、20 の土地を市が借りて、そこに専門の農業者が行って、僕らが行ったときは、ちょうど障害者が見物していました。その施設は、一画は公園、一画は農業、レストランがあったり、もうすばらしい設備なんです。
 これはぜひ那覇市でも、やろうと思えばできます。何も一画にする必要はない。首里には市民農園があります。小禄にも開放された土地はたくさんあるんです。やる気があれば、いくらでもできると思うんです。ですから私は、農業問題というのは一番大事ですよと。
 これは、東京都の練馬区の資料なんです。これは仁愛議員があたっているんですが、これもすばらしい。いつか見に行こうと思います。これは東京都の23区ですよ。23区でも練馬大根とあったらしいです。今では、もうないらしいです。だから、私たちが、これかがんじ大根を守るのが一番大事だと思うんです。これで何百もつくりますよ、大根、島大根。だから、この資料を見ても、練馬大根はなくなっているらしいです。大変悲しい話じゃないですか。東京都の23区でこうやって農業やっているんです、都市型農業を。
 これは僕はいつか見に行こうと思うんですけれども、やはり農に対する意識を高めないと、物不足するよと。農業というのは物をつくり出すから、いかに農業する人が、安心して農業できるような施策を展開してくれよというのが私の持論なんです。
 この世の中は物をつくるということは大事です。どのジカク者も、農業で野菜食べてしか生きれない。そして、自分の技術で車つくったり、コンピュータつくったりするんです。食べなければ、昔から「ムノー カリワル イクサー ナイル」という言葉があります。昔の貧乏な沖縄県は、あまり食べないと仕事ができないんです。皆さんもそうでしょう。だからいかに、このつくる人を大事にしてほしいと。
 これは答弁要らんよ、時間はない。このノウハウを僕は教えたいんです。皆さんに、今から勉強しておかないと、定年になったらぼけ老人になりますよ。
      (議場より発言する者あり)
 ちょっと待ってよ。市長、ぜひこれを、農業関係、21世紀に向けて私たちは心配しているんです。ですから、農業を小学校時代から教えないと、私の場合は5~6年から、お父さんが貧農だったものだから、ついてまわっているものだから、僕は学問的には知りませんけれども、実験をしてまいりました。今でも何月に何を植えるということが分かります。ですから、これは本当に笑い事じゃないですよ。これ真剣に、今後の施策としてやっていけるかいけないか、答弁お願いします。大事ですから。


◎経済部長(崎山嗣松君)

 ただいま新崎真次郎議員のご提案につきましては、ありがとうございました。今後、議員ご提案のことも参考にさせていただきたいと思います。
 ご承知のとおり、農業は生産のみではなく、市民が生涯を通して、心身ともに健康づくりをしていくもっとも大切な事業でございます。そういうことで、そのことは市民の健康にも大きく役立つものと認識をいたしておりますので、今後、都市型農業につきましては、議員ご提案を参考にさせていただいて、検討をしていきたいと思います。よろしくお願いをいたします。


◆新崎真次郎君 

 いや、これは琉球大学の比嘉照夫先生のEM農法、私は全部生ごみは一切出さないです。生ごみをEMで処理して、土に混ぜたら、プランターに入れたら、きれいに健康な野菜をつくって食べることができるんです。これがまさに都市型農業なんです。土地はなくてもできるんです。土はどこかかからもらってくればいいです。いくらでももらえるんです、土は。
 だから、私は30万市民にそれを教えることが一番行政の仕事じゃないかなと思うんです。特に、学校はカンケイにして。だから、こういった運動公園や農協公園つくれば、きょうはどこの学校、きょうはどこの学校と教えることができるんです。専門を2、3人嘱託で雇って、今、教育長、聞いてください。
 これ富田林、これいい例なんですよ。僕が行ったときは、ちょうど障害者が見物に来てました。もう本当に一日中遊んでも、これも遊び場、ニワトリの48種類の野鳥を確保して、それを勉強するところもある、この一角に。一角を見ると、ちり捨て場があって、もうきれいに、ちり捨て場じゃないような感じで樹木が生えて、もう本当にまちというのはこんなものだなと、勉強してまいりました。
 私たちは常に、機会あるごとに勉強しておりますけれども、今、沖縄県の県立の農学校、大学があることは分かりますか。皆さん、分からないでしょう。今帰仁に農業大学があるんです。生徒が90人おりまして、この1割は女生徒なんです。これ女生徒が入ったのは最近なんですけど。今までは全部男性だったんです。僕は3回行きましたよ、そこに勉強しに。
 今、北部が農協合併して、名護市を中心にして非常に活気づいているんです。みんなに勉強してほしいです。公務員をやっているときはぜんそくばっかりやっていた公務員が、定年になって畑やったら元気になっているんです。いかに農業というのは健康になるし、物をつくることは、大事なんです。
 教育長、今後、那覇市がこういった農業公園つくれば、ぜひこれは学問の中に取り入れていってほしいと思うんです。私たちが小学校のときは、やりましたよ。今は、戦後生まれの先生方は、高校の先生が、僕の畑に来てびっくりする。僕はちょうどサツマイモを植えておりましたから。サツマイモは5寸ぐらいの枝を切って植えていくんです、雨が降った後に。しかし、この先生はジャガイモ植えるようにと思ったと言うんです。僕はびっくりしまして、高校の先生がそうなんですよ。
 だから僕は、農業のやり方はぜひこの教育の一環として、21世紀に向けて、小学校から研究させるわけです。きょうの新聞にもありました。佐敷町で自分の植えたイモが6カ月後にこんなにみんな生えていると喜んで、写真入りの新報、僕は中身はまだ読んでないですけど、きょうの新報見てごらん。佐敷町でやっているんです。まさにあれが、私は那覇市でもやろうと思えばできると思うんです。農地は首里にもあります。小禄にもたくさんあります。
 ぜひ教育長、今後の見解としてぜひやってほしいと思うんです。


◎教育長(嘉手納是敏君)

 お答えいたします。
 ただいまの新崎真次郎議員から、農業の大変大事なことについてご説明いただいたんですけれども、ちょうど今学校教育でも生産学習、あるいは体験学習というふうな中で、いろいろ菜園をもって植物を栽培するというふうなことを進めております。ある学校によっては、市街に農地をもって、そこでまさに農業を体験するというふうなこともやっているようでありまして、このことが子どもたちを育てる場合に大変大事な精神教育につながってくるというふうなことは重々知っておりまして、そういうふうな面でも、今後できればそういうふうな面で、さらに幅広く活用できるような場ができればというふうに思っておりますけれども。それぞれ学校の先生方の指導にあたっても、その面については十分力を入れて、そういうふうに考えております。


  • 最終更新:2015-03-25 15:38:43

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