長崎市(1)
長崎市議会とEM(その1)
平成6年第4回定例会
◯15番(江口 健君)
次に、EM菌の導入についてでありますが、廃棄物等減量推進員の委嘱伝達式が先日実施され、ごみ減量に対する市民レベルの取り組みがいよいよスタートいたしました。生ごみの減量については、コンポスト容器の助成制度の導入により推進が図られておりますが、堆肥化の日数がかかり、悪臭がしたり、ウジがわいたりということでいま一歩といったところであります。そんなことからEM菌(有効微生物群)を混ぜたボカシと呼ばれる土壌改良剤を使った生ごみの減量化・資源化が有効な手段として脚光を浴びつつあります。これまでのコンポスト容器にかわるものとして、さらなるごみの減量化を推進するためにEM菌導入の方法を取り入れてはいかがかと思いますが、環境事業部長のご答弁をお願いしたいと思います。
◯環境事業部長(浜崎省吾君)
2点目のEM菌導入による生ごみの堆肥化について、ご回答申し上げます。
本市におきましては、既にご承知のとおり、ごみの減量化の一環といたしまして、平成4年度から生ごみ堆肥化容器の購入費を一定助成いたしております。この補助制度につきましては、市民の皆様方に対しまして、堆肥化容器を対象として購入費の一部の助成を行うものでございまして、発酵促進剤等については、現在補助対象といたしておりません。また、購入費の助成を行う上におきまして、特定メーカーの製品に限定することなく、現在8種類を補助対象として取り扱っておりますけれども、そのうちの2種類におきまして、EM菌を併用して使用することができるということになっております。また、EM菌を併用する専用容器でもございます。
ご指摘のEM菌の効果につきましては、関係誌紙や報道関係を通じて全国的に好評を受けている旨の記述を得ており、採用する都市もふえてきたと聞いておりますが、本市の補助対象者からの聞き取り調査の内容では、EM菌を使用する場合、これは18.3リットルと35リットル入りの2種類がございますけれども、若干、水抜きあるいはガス抜き等の手間がかかるということもお伺いいたしております。また、EM菌以外の発酵促進剤でも、使い方によりましては十分な効果があるとの情報も得ているところでございます。
したがいまして、このような発酵促進剤を補助対象として導入することにつきましては、EM菌以外のものも多く市販されていることから、その効果や市民の要望等を含めまして、今後検討してまいりたいというふうに考えております。
◯15番(江口 健君)
環境事業部長のわかりにくい答弁ですけれども、これは非常に大事なことで、3月議会のこともそれぞれの議員の皆さんからもおっしゃっておられますように、一応の含みを残して今日スタートをしているわけでありますので、かたくなな態度というより、「いろいろ検討した結果、こうであった」という成果は、ある程度必要ではないかなと、このように思います。
このことは、今後も各種団体からのいろんな要請もございましょうけれども、議会としてもちゃんとした態度は示さなければならぬと思っておりますので、十分にこのことについては検討していただきたいと、このように思います。
それから、同じくごみ問題で、EM菌の問題とかフロンガスについては、できない理由をいっぱい並べないで、いかにしたら可能性があるのかということを追求していただきたいと、このように思います。特にEM菌につきましても、コンポストするための容器は、それぞれの自治体が今取り組んでいるんです。助成の問題。新しいEM菌を導入したものが、今それぞれの自治体で取り組みが始められております。ですから、「できない、できない」ではなくして、どのようにしたらできるのかということを前提に考えていただきたい。
例えば長崎に市民農園がございますけれども、市民農園を利用されている方々にモニターになってもらって実際に使っていただいたらどうであろうか。ないしはこの前、伝達式がございましたけれども、廃棄物等減量推進員の方々が700数名おられますが、この方々に例えばEM菌を導入した物を使っていただいて、生ごみの減量についてモニターとなってやってもらったらどうであるとか、そのような検討も今後は必要ではなかろうかと思います。
私は、このごみについて大事なことは、なかなか減量の目標を示されない。これが問題だと思うんです。生ごみについては、全体のうち例えば1年間でこういう減量目標をつくって頑張っていきたい。そのために、こういう施策があるのではなかろうかというものが出てきてしかるべきだと、このように思います。
平成8年第3回定例会
◯1番(大野泰雄君)
3番目の質問は、生ごみ堆肥化容器購入費補助事業についてであります。
先ほど同僚の中村議員が、ごみの減量化の全体的な質問をいたしましたので、私は絞った形での質問にしたいと思います。
近年、地球温暖化、オゾン層破壊、大気汚染と酸性雨、河川や海の汚染、有害物質の自然環境や人体への影響など環境問題に対する関心が高まっています。それも大上段に振りかぶるのではなく、自分の身の回りから環境問題を考え、行動していこうとする姿勢は喜ばしいものです。道を歩いていて、犬の散歩がてらに空き缶を拾っている姿を見かけると、自然と「ご苦労さんです」と頭が下がります。
さて、標語の生ごみの堆肥化は、各家庭で手軽にできる時代になりました。いろんな方法があるでしょうが、私があるサークルで学んだ方法は、市販の15ないし18リットルほどのふた付きポリ容器、EM、これは有効微生物群の略称というふうに言われております。このEM液からふやしたEMボカシ、これは米ぬかが主成分ですけれども、このEMボカシとポリ容器の2つがあれば家庭の台所で少しの手間ひまで生ごみの堆肥化ができます。容器いっぱいになれば、堆肥となるまで2ないし3週間寝かせておかなくてはなりませんから容器は2個必要です。
長崎市は、可燃物の減量化の一環として、この生ごみ堆肥化容器購入に補助金を出しています。しかし、私が参加しているサークルで、「この容器購入には市から補助金が出ますよ」と話したところ、返ってきた返事は「申し込んだが、抽選ではずれてしまった」「庭がなくてはだめだと言われた」「申し込んでも時間がかかり過ぎる」と否定的な答えで、すべての人が市からの補助金をあてにせず容器を購入しています。最近は、週休2日制の普及で余暇に家庭菜園や花造りをする人がふえており、プランターを利用すれば庭のないアパートでもベランダさえあれば栽培できるわけですから、残念でなりません。
そこでお聞きしますが、この制度の現状と問題点をどう把握しておられるか、明らかにしていただきたいと思います。
◯市長(伊藤一長君)
次に、生ごみ堆肥化容器購入費補助事業につきましてお答えをさせていただきます。
生ごみ堆肥化容器購入費補助事業についてでございますが、生ごみ堆肥化容器購入費への補助につきましては、平成4年度に生ごみ堆肥化容器購入者補助金要綱を定め、補助対象基数は、1世帯につき2基までとし、予算の範囲内での補助ということで、現行の申込み制度を採用し、実施しているところでございます。初年度の平成4年度及び5年度におきましては、補助予定枠を上回る応募がありましたので、議員ご指摘の点も含めまして購入者を抽選で決定したという経過が確かにございました。平成6年度及び平成7年度におきましては、1次募集で補助予定数を上回るおそれがありましたので、約2カ月間の募集期間を経過した後に購入者を決定することといたしておりますが、結果的には2次募集を合わせましても、応募者の数が予定数を下回ったわけであります。
平成8年度においては、前年度までの状況等を考慮した場合、補助予定数を下回ることが予想されますので、これまでの手続き期間を見直しをさせていただきまして、週ごとに購入者を決定することによりまして、申し込み後できるだけ早く堆肥化容器を使用していただけるよう改善を図っているところでございます。
次に、啓発の方法でございますが、現在は広報ながさき、ラジオ、ケーブルテレビ及びイベントなどを通じまして募集の周知を図っているところでございますが、今後は補助制度そのものの啓発も含め、さらなる周知徹底を図るためポスターなどを作成いたしまして、公共施設に掲示するなどの方策を講じてまいりたいと考えております。
次に、EM菌の問題でございますが、本市が補助対象としている器種は、屋外型とEM菌を用いております屋内型がございます。環境対策の一環といたしましてEM菌の活用が全国的に注目されているところでありますが、その効用を称賛する声がある反面、その効用及び菌そのものを疑問視する声もございますので、EM菌の活用につきましては、堆肥化容器を購入した市民への調査を行うとともに、他都市における状況等を調査いたしまして、今後、慎重に対応してまいりたいというふうに考えております。
◯1番(大野泰雄君)
そうすると、今の砂場に殺菌剤ということと、3番の生ごみの堆肥化のときにEM菌の問題を出しましたけれども、これと関連して少しお聞きしたいと思います。
市長の答弁の中で、EM菌の問題はまだ賛否両論あるということで、どういうふうに市政の中で生かしていくのかということについては慎重に検討したいという総括的なご答弁があったというふうに思うんですけれども、生ごみを堆肥化するときにEMという有効微生物群を使って土壌を改良して、そして果物等が早く、おいしいくできるようにというような趣旨がありますけれども、このEMの微生物群の果たす役割というのは、もう一つ殺菌効果もあるというふうに言われております。例えばある小学校では塩素のかわりにこのEMを入れるとか、あるいは今、砂場に殺菌剤を入れているというふうに言われましたけれども、砂場の中にEMボカシを入れて殺菌をする、こういう方法もされているところもあります。しかしながら、これはまだ行政的に長崎の場合は、それをすることによって大腸菌が減っているのか減っていないのか、これがまだ検証をされていないわけです。
だから、私はまずは、その辺はきちんと実験をして、そう言われるのであればまず検証してみる。そういう姿勢が大切ではないかというふうに思います。このEMの場合はいろんな効果があるという形で、既に3,200自治体の中で500近くの自治体がこのEMを何らかの形で活用しているという報告事例の資料を読んだことがあります。
そういう意味で、市としてその辺が本当に効果があるのかどうなのか。その辺は環境事業部だけではなくて、いろんな部にかかわっておりますので、その点ひとつ検討素材として慎重に検討ということではなくて、積極的に検討していただきたいというふうに、この点については思っております。
◯1番(大野泰雄君)
砂場の問題についても、EMの問題についても、特にEMの問題は慎重に検討すると、そういう表現というのは行政用語では「ほとんど何もしません」という可能性もありますので、そういう意味で、もう少し積極的な答弁をお願いしたいと思います。
◯都市計画部長(坂本昭雄君)
EM菌につきましては、今後、関係機関あるいは庁内協議の中で研究の課題としていきたいと考えております。
平成11年第1回定例会
◯26番(宮崎敏夫君)
今後における汚泥の減量化への取り組みについて。
近年、地球の温暖化、酸性雨、海洋汚染、環境ホルモンなどの地球環境問題が大きくマスコミ等で取り上げられております。また、社会問題ともなっております。所沢市のダイオキシン問題は国会まで飛び火し、また、近畿地方においては、焼却場そのものを撤去する大事件へと発展をいたしました。
身近なものを取っても、三方山周辺からの環境基準を超えた総水銀の検出が発覚し、特別委員会設置までも発展をいたしました。当処分場に昭和50年から61年まで埋立処分された下水汚泥も一つの要因ではないかとの見解が当局から示されております。この下水汚泥は、その後、資源の有効活用を図るという見地から、国が進めるコンポスト化され、現在は県内各地で農業用土壌改良剤として利用されているところであります。しかし、できれば汚泥は発生しないことが一番望ましいものと思っております。
本市の下水汚泥も、下水道の普及率の上昇に伴い、年々増加の一途をたどっておりますが、ちなみに、10年度における排出量は年間2万7,000トン、日量に換算して74トンの汚泥が見込まれております。そして、その処分委託費として約3億5,000万円、1日換算で約100万円の委託料がかかっていると言えます。
私も環境問題には関心があり、いろんな本を読ませていただいているわけであります。ある本の中に、沖縄県の具志川市立図書館に設置した通常の合併浄化槽に有用微生物EM菌を投入するシステムを採用したところ、浄化槽を使用開始以来、4年間、一度も汚泥を引き抜いていないし、その放流水質についても規制値をはるかにクリアしているため、中水道として再利用され、維持管理面でのコスト減につながっているとの紹介記事を目にし、驚きとともに大きな関心を抱いたところであります。
今年1月、この目で確かめたく思い、具志川市立図書館を訪れました。事務職員の方に施設の案内をいただき、説明をお聞きしたわけですが、沖縄県は水事情が悪く、よく断水が起こるので、水源確保の必要性に迫られ、節水なしで十分な水量確保と活用を図る目的に、既設の250トンの地下タンクを改造利用し、供用開始したとのことで、その概要は、(1) 処理された水は地下タンクを経由し、高架水槽に揚げ、飲み水以外の用水として使用。すなわち、トイレからのし尿だけでなく、手洗いや湯沸室の排水などもあわせ処理し、リサイクルしている。(2) 汚水処理効果。嫌気性浄化槽として使用開始(平成3年4月)以来、この8年間、まだ一度も汚泥は引き抜いていない。汚泥が出ないため処理不要。(3) 経済性。図書館の水道料金は、平成3年度の当初予算120万円であったが、決算で20分の1の6万円で済んだ。(4) ランニングコスト。EM菌の投入量年間12リットルで約3万円であります。本来、連続運転すべきモーターが1日2時間運転で節電効果大、またモーターの寿命も大幅に延びた。汚泥の発生がないため処理費ゼロ。(5) 安全性について。食品加工に使える安全性の高い菌だけを使用している。(6) 処理水の利用。飲み水と手洗水以外、すべての水は中水を利用しているというものであります。
具志川市は、既存のスポーツ施設に併設したキャンプ場に7棟のバンガローができ、汚水処理は図書館同様の処理方法を行っているとのことであります。また、同市内の病院と老人保健施設併設の「いづみ苑」に図書館施設を参考に処理施設が採用されているとのことであります。
本市においても、さきに述べましたように、下水道を初め平成13年度から供用開始予定の農業集落排水事業あるいは厚生省水道環境部が推し進める合併浄化槽からの汚泥の処理は避けて通れないわけであります。もし、これらの汚泥が出なくなる、または減量化ができるとするならば、環境の面からも、そして経済面からもすばらしいものと考えますが、減量化に対する市長の考え方を示していただきたい。
また、私は、この道の専門家ではありませんので、供用開始以来、汚泥を一度も出したことがないということに、ただただ感心しているものであります。これら汚泥処理や水質浄化のシステムが理論的に可能であったとしても、本市に即採用とはならないことは百も承知しております。本市としても、これらの原理がどのような規模の施設において活用できるか調査をし、いいものと結論が出たならば、将来、建設されるであろう施設や既存施設の更新時期での対応が可能となるよう十分に研究・検討すべきではないかと思うものであります。全国で相当数の自治体がEM菌による環境問題への取り組みがなされているとも聞いております。ちなみに、その図書館が紹介された後、1年間に6,500人以上の調査団の訪問を受けたと話をされておられました。
本市においても、各関係部局の専門の職員を派遣し、研究をされてはいかがかと考えますが、当局の考え方をお知らせいただきたい。
◯市長(伊藤一長君)
宮崎議員のご質問にお答えをいたしたいと思います。
議員ご指摘のように、汚泥は下水道整備の進展に伴い年々増加をしており、その処分につきましては、処分地の確保あるいは環境保全問題など自治体が共通して頭を悩ませる問題であります。
近年では、汚泥の性状にあった有効利用法が模索されておりますが、本市においては、下水道汚泥、し尿汚泥ともにコンポスト化をし、議員ご指摘のように、農業用土壌改良剤として有効活用を図っているところであります。
ところが、ただいま宮崎議員さんの方からご紹介がありました沖縄県の具志川市立図書館において、有用微生物活用技術を採用した合併浄化槽を設置し、使用開始して以来、これまでの8年間、汚泥の引き抜きが一度もなかったということをお聞きし、正直に申し上げまして信じられない気持ちでございます。
一方、通常であれば合併浄化槽は毎年、汚泥の引き抜きが必要とされますが、この具志川市立図書館の合併浄化槽においては、使用開始以来、8年間もその必要がなく、また処理水についても放流水質基準をはるかにクリアしているというお話をお聞きし、大変興味を持ったところでございます。
ご承知のとおり、汚泥の処理には多額の経費を要しており、汚泥の量を圧縮できるとなれば、その分、経費の縮減ができるわけであります。私どももコスト縮減の可能性があるという、そのようなすばらしい情報をお聞きした以上、その実情をこの目で確認すべきものと思います。
まずは関係部局の専門職員を派遣いたしまして、そのシステムを確認した上で、どのような規模の施設において活用できるかを調査し、いいものであるとするならば、将来、建設される施設や既存施設の更新時期において、このシステムが生かせるかどうか、十分に調査・研究したいというふうに考えておるところでございます。
平成11年第4回定例会
◯5番(柳川八百秀君)
次に、産業廃棄物のリサイクルと減量化についてお尋ねをいたします。
1点目に、下水道で発生する汚泥の減量化への取り組みについてでありますが、下水道においても、都市の衛生環境の確保、公共用水域の水質保全といった役割に加えて、最近では良好な水循環・水環境への貢献など、多くの役割が期待されるようになっております。
このような状況の中、下水汚泥の発生量は下水道の普及向上に伴い増加しており、今後も普及率の向上、高度処理の実施などにより増加していくものと考えられます。全国的に現在発生する汚泥の約6割が埋立最終処分され、有効利用は3割強となっており、最終処分場の確保は近年一層困難になってきている状況であります。汚泥の処理については、今まで以上の減量化、資源化を図り、有効利用を推進していくことが大きな課題ではないかと思います。
本市の下水汚泥は、平成10年度で2万5,300トン、1日で約70トンの汚泥が発生しています。これらはすべて民間委託により処理されており、そのうち3,600トン、全体の約14%は焼却処理され、灰は牛糞などを混入した緑化材として利用されています。残りはすべてコンポスト化され、土壌改良材として県内各地の農家に配布されております。
また、汚泥処理には平成10年度で年間約3億1,500万円もの費用を投入しておりますが、今後の普及の進展に伴い、最終的な汚泥量は4万3,000トンにも達する見込みとのことであり、処理費用も相当な額に上ることになります。また、汚泥中に含まれている有機物は、肥料取締法の基準値以内で管理されているから問題ないということですが、土壌中の重金属蓄積などを考えると、環境問題について、将来、不安がないとは言いきれないのではないかと思います。
最近、マスコミ等で微生物の働きを利用した生ごみの処理、汚泥の処理・減量化などをよく耳にしますが、このように汚泥そのものを減量させる方策が完成されると、今後の下水道事業の汚泥処理において、環境面はもとよりコスト的にも画期的な方法となることは確実です。
ことし3月議会において、同僚でありました、勇退された宮崎議員から、沖縄県具志川市立図書館の浄化槽にEM菌を投入することで、8年間一度も汚泥を抜いていないという事例があり、本市の下水道においても汚泥の減量化に活用できないかとの質問がありましたが、下水道部では、既に汚泥の減量化の実験を進めているということでした。まだ研究段階ということでしたが、先日、実験中の小江原下水処理場を見学させていただきました。現地に行ってまず驚いたことは、下水汚泥といえば三方山のコンポストの強烈な臭いのイメージしかなかったのですが、この処理場は脱臭装置を設置していないにもかかわらず、臭いがほとんど発生していないということでした。当日は、一部施設の改造が行われておりましたが、試行錯誤を繰り返しながらも、汚泥の減量化に熱心に取り組む職員さんの姿勢に大変感銘を受けました。この実験は平成9年4月から開始し、ここ1年はかなりの減量化の成果が得られているということでありましたが、これまでの取り組みについてお尋ねをいたします。
◯下水道部長(松本紘明君)
今回実験中の腐植活性化法が大規模施設に応用できないかとのご質問でございますが、腐植活性化法は、さきにご答弁申し上げましたように、汚泥の減量化には相当な期待がもてることが確認できましたが、残念ながら、従来の方式に比べまして処理流量がかなり少なくなる問題点を抱えております。
したがいまして、現在の施設をさらに大きく改造し余裕をもたせるならば、今回と同様の成果は十分期待ができると考えておりますが、これには新たな増設敷地の確保や膨大な増設費用を要することから、賢明な方法ではないと考えます。
しかしながら、議員ご指摘のように、現施設のままで幾らかでも減量化が可能であるならば、おのおのの処理場の減量率は少なくても全体では相当な減量効果が期待できることから、今後はほかの大型施設への適用を目標とした研究にも力を入れていきたいというふうに考えております。
- 最終更新:2014-05-12 12:07:08