長崎市(2)
長崎市議会とEM(その2)
平成16年第3回定例会
◯31番(中村照夫君)
次に、出島川、銅座川の浄化対策についてお尋ねいたします。
出島川、銅座川は、多くの旅行者が訪れる市の中心部の河川でありますが、汚濁や悪臭の苦情が寄せられております。昨年から、NPOの市民の皆さんが、この川を有用微生物を使用して浄化対策を行おうとEM菌を流したり、地域住民へのPRをされておりますが、行政の姿勢は、ヘドロが溜まったら、しゅんせつするしかないといった場当たり的な事後対策で、市民ぐるみの環境浄化の考えが欠落していると思うのでありますが、両河川の浄化対策をどのようにお考えか、お尋ねいたします。
◯上下水道局長(白石裕一君)
観光振興についての4点目、出島川、銅座川の浄化対策についてお答えいたします。
出島川、銅座川の浄化対策につきましては、質問内容が複数の部局にかかわりますので、私の方からお答えさせていただきます。
長崎市における河川の浄化対策といたしましては、清掃や草刈、しゅんせつを実施しているところでありますが、特に、銅座川につきましては、堆積土砂の状況を見ながら、おおむね4年ごとにしゅんせつを実施しているところでございます。最近では、平成15年度に銅座橋の上流90メートルの区間と、銅座川の支流であります浜の町川の延長140メートルをしゅんせついたしました。今年度は、銅座川県営駐車場の下線側260メートルの区間をしゅんせつする予定でございます。
出島川につきましては、当時の長崎県臨海開発局、現在の長崎港湾漁港事務所が建設しました水辺の森公園の運河に油が浮き、悪臭がひどいとの苦情や出島川の上流域に住んでおられる方からも悪臭がするとの苦情が寄せられておりました。
そこで、このことを受けまして、県と市は、それぞれの立場から改善に向けた対応を検討し、本市は、平成15年3月から市民啓発用のパンフレット等を作成し、水洗化のお願いと油分を河川に流さないようにPRを重ねてきたところでございます。
そのほかには、平成15年7月から湊公園の地下に設置しておりますマンホールで、吸着マットによる油分の除去を行う一方、その汚染源を特定する調査を行っております。
その結果、汚染源と目される事業所が判明いたしましたので、当該事業所に流出防止策を講ずるようお願いし、これにより、出島川の油分の浮遊問題については、飛躍的な改善を図ることができたところでございます。
また、悪臭防止対策の一つとしまして、湊公園の敷地内に設置しておりますマンホールの側壁に付着している油分の除去を今月中に実施する予定でございます。
このほか、特定非営利活動法人、いわゆるNPO法人から、自然界に存在する有用な微生物を用いた浄化の実証試験を行わせてほしい旨の申し入れがありましたので、平成15年11月から平成16年3月までの間、出島川に有用微生物を散布いたしましたが、効果のほどは確認できませんでした。さらに、ことしの6月に、再度、同一の団体から有用微生物の散布について申し入れがありましたので、本市としてもできる限りの協力をいたしているところでございますが、有用微生物の散布による河川の浄化につきましては、そのメカニズムや効果がデータ的に実証されておりませんので、これらの今後の推移を見守っていきたいと考えております。
以上のようなことから、長崎市といたしましては、今後も計画的に河川のしゅんせつを行う一方、下水道の水洗化勧奨業務の充実を図り、未水洗家屋の減少に努め、銅座川、出島川の浄化を図っていきたいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
以上でございます。
◯31番(中村照夫君)
それでは、次に、河川の浄化の問題について回答をいただきました。銅座川のしゅんせつをやりますということと、これまで出島川の取り組みをしてきたということのご答弁をいただきまして、有用微生物の効力といいますか、そういったものについて、まだ確かではないと、ですから、推移を見守りたいということでありますけれども、今、もう既に、きれいな川を取り戻そうという住民の運動は全国的に広がっておりますね。諫早の本明川でも、婦人会の皆さんが取り組まれておりますし、また、島原も婦人会の皆さんが河川の浄化ということで取り組んでいます。長崎県的には、大村湾の問題が大きな問題ですから、県を挙げて、沿線自治体挙げて、大村湾の浄化ということで取り組んでおります。
やはり、こういった川を浄化する、環境を浄化するという問題は、いかに住民の前に出ていただいて、それをいかに自治体がサポートしてですね、住民運動として、ぐるみで取り組むかということが大きなポイントだと思うんですよね。
そういった意味では、必ずしも100%、どこでも有用微生物で成功しているということではないにしても、柳川の川下りのあの堀をきれいにしようとか、宍道湖ではシジミを取り戻そうというような運動とか、逗子ではヨットハーバーの海岸を浄化しようとか、いろいろな、瀬戸内海ではカキが戻ってきたとか、そういう住民の運動によって、事例があるわけですから、100%成果が見えるまで待っとくんだという姿勢ではですね、川の浄化はできないと思いますよ。
そういう点では、長崎市の今の回答では、非常に場当たり的で、事後対策に終わっているというふうに言わざるを得ないと思います。もう少し前向きに、そういった運動をあと推しして取り組むべきだというふうに思うんですけれども、ちょっと回答が私は弱いというふうに思います。
先ほど答弁の中で、銅座川を今からしゅんせつをするということですけれども、このしゅんせつするのに幾らかかりますか。出島川で、去年の6月議会で問題になりました。水辺の森公園で油が浮いている汚い、臭い、どうなっているんだ。そして、長崎市は、その対策にどうしましたか。湊公園のマンホールから油の廃油のにおいが頭を打ち出すように吹き上げてきている。これをとめるために何をしましたか。吸着マットで油をせっせと取っただけ。取っても取っても油は流れてくる。この吸着マットに長崎市は幾ら金を使いましたか。
そして、私どもがこれを見て、これは元をたたんとだめだ。これは生活排水ではない。どこかの事業所が廃油を流しているんではないかと、指摘をした。そしたら、流しているところをつかまえんと話にはならんと、それで、どうしましたか。川の底に潜水具を潜らせて、そして流しているところをビデオで撮って、カメラで撮ってつかまえんと事業所には話ができない。これに幾ら金を使いましたか。そして、湊公園の敷地の下にマンホールがある。この壁にべっとり油がくっついている。これを取り除かないことには、どんなにしても川がきれいにならない。今からこれを金具で、水鉄砲でやってもとれないわけでしょう。こさぐわけでしょう。これに何百万金がかかるんですか。そんな金と、浄化の有用微生物で市民が何とか川をきれいにしていこうという運動と、どうなんですか。
松本助役、今、私が言った、この湊公園の取り組みの中で、長崎市は、幾らの経費を使ったんですか。そしてまた、これは垂れ流した事業所に損害賠償できるんですか。どうするんですか。答えてください。
◯上下水道局長(白石裕一君)
中村議員さんの再質問にお答えさせいたします。
下水道部の方も所管の関係がございますので、私の方からご答弁させていただきます。
まず、出島川におきますNPO法人による有用微生物の河川の浄化の問題でございますが、実は、先ほどご答弁いたしましたように、実証試験について効果のほどが確認できておりません。
したがいまして、長崎市といたしましては、現在のところ有用微生物を利用することは非常に難しいというふうに考えております。しかしながら、他都市におきまして、いろいろな有用微生物を利用した実証試験が行われていると聞き及んでおりますので、それらの先進都市の事例も調査をしたいというふうに考えております。
それから、私の所管でございますが、実は昨日、下水処理区内1万5,700世帯、未水洗化世帯がございます。これが衛生公社の赤字の要因だということで厳しいご指摘を受けたんですが、もう一つの面からいきますと、水質の汚濁の原因にもなっておりますので、私といたしましては、未水洗世帯の解消が一つの河川の浄化に大きくつながるというふうに考えておりますので、未水洗化世帯の解消に向けて努力をしてまいりたいと思っております。
以上でございます。
◯市長(伊藤一長君)
中村照夫議員の再質問にお答えいたしたいと思います。
河川の浄化あるいは長崎港の浄化、これは、もうだれもが願うことでありますし、21世紀を環境の世紀にしようではないかと、幾つかのいろいろな切り口はございますが、そういうことも含めて、これは大事なことだというふうに思います。
一つは、中村照夫議員さんもご存じのように、長崎港というのは、非常に港口が、かつてはもう1つあったわけでございますが、今は港口が1つしかないということもございます。それと、干満の差が非常に激しいということがございまして、かつてはしゅんせつすれば何とかなるんではないかということでございましたけれども、しゅんせつしても、また、干満の差によって、いわゆるしゅんせつしたら、また別の土砂が長崎港口にくるということも含めて、非常に難しい、きれいな形態の港ではあるけれども、そういう潮の満ち引きのことを考えたら非常に難しい、管理を含めて、港であるということを念頭に置きながら、県の管理でありますが、市もだまっておくというわけにはまいりませんけれども、これは非常に、そういうことを念頭に置きながら、対策を練らなくちゃいけないということが第1点。
もう一つは、浄化の問題、EM菌とかいろいろな問題、手法がございますので、これはぜひ、今、上下水道局長が答えましたように、いろいろな手法、また、先進的な事例もあろうと思いますので、鋭意、私も調べて、どういう方法がいいのか、頑張ってまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
以上でございます。
平成19年第3回定例会
◯10番(平戸都紀子君)
それでは、再質問をさせていただきます。
まず、一番最初の生ごみの件でございますけれども、この資源化モデル事業はもう終わったというふうに今市長のほうからご説明がございましたけれども、私たちもこの事業には参加しておりましたので、その当時のことはわかっておるんですけれども、事業に参加したら謝礼金というのがその団体のほうに来ましたんですけど、そのほかにも先ほどおっしゃいましたように、無償貸与、たらいとか肥料とか、いろんな諸材料は全部無料で私たちはもらいました。それだけでもかなりの費用だと思うんですけれども、その材料をいただくだけでも私たちはもう本当に満足していたんですけど、そこに謝金をいただくということは、そこにまた税金を投入してもらって、その中から私はいただいたと思うんですけど、その謝金とかをなくして、もっともっと終わらせないで、長崎って広いんですから、合併もしましたしね。だから、もっとこの事業を続けていただいてもよかったんじゃないかなという気がするんですね。
もちろん、アドバイザーとか、そういう方々が行って指導してくだされば済むのかもしれませんけれども、モデル地区になるということで、その地区からまた何十人かという人が集まってきますので、そういう人たちの中からまたずっと輪を広げていけば、ますます広がるんじゃないかなと私は思っておりますが、そこら辺はどうでございましょうか。
◯環境部長(溝田弘人君)
再質問にお答えいたします。
本モデル事業につきましては、先ほど市長が答弁申し上げましたように、役割的には一定終了したものというふうに私ども考えております。
ただ、ごみの減量化につきましては、今後とも推進していくべき課題であるというふうに考えておりますし、また、本事業を通じまして人材といいますか、ごみの減量化に対する人材というものも十分育ってきているというふうに思っておりますので、今後は先ほど申し上げましたように、あらゆる機会をとらえまして、育成された人材の活用を含めまして、全市的にごみの減量化の普及啓発を図っていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
◯10番(平戸都紀子君)
今のご説明で、この事業はもう終わられて、アドバイザーとか、そういう形で広げていくということに、私はそういうふうに受け取りましたけど、それでよございますでしょうか。
◯環境部長(溝田弘人君)
再質問にお答えいたします。
先ほど申し上げましたような形で、今後ともごみの減量化につきましては啓発を図っていきたいというふうに思っておりますので、ただいま議員さんがおっしゃったようなご理解で結構だと思います。
以上でございます。
◯10番(平戸都紀子君)
すみません、もう一度確認いたします。
材料っていいますかね、もみ殻とか、ぬかとか、EM菌とか、そういうのもぼかしをつくるのに要るんですが、こういう材料だけを市のほうが助成をしてくださるということはないんでしょうか。
◯環境部長(溝田弘人君)
再質問にお答えいたします。
今、議員ご指摘がございましたこの減量化に伴います諸材料といいますか、この分につきましては、現在入荷先をご紹介しているというふうなことでございまして、特段長崎市のほうから原材料につきまして補助をするといったことにつきましては、現在のところは考えておりません。
以上でございます。
平成21年第7回定例会
◯25番(牧山 隆君)
次の問題で、下水処理の問題、この問題について話をさせていただきたい。
下水道のほうでマスタープランがつくられております。この中では、発生汚泥の減量化をやっていくんだと、それから、汚泥処理の方法をこの10年間検討していくと、このようなことが述べられておりますけれども、現在の到達、検討状況等を教えてください。
◯上下水道局長(白石裕一君)
再質問にお答えをいたします。
まず、下水汚泥の減量化についてでございますが、汚泥脱水機を適切に運転することによる減量に努めるとともに、今後の汚泥処理の計画の中で汚泥の減量化の検討を進めております。汚泥脱水機による汚泥の減量化につきましては、汚泥性状の季節変動に応じまして適切な薬品の使用料を細やかに調節することや、汚泥脱水機に汚泥を仕込む工程の時間や圧力の設定が最適となるように工夫を重ねております。このことによりまして、平成14年度から20年度にかけまして下水道汚泥の発生率を見ますと約8%ほど減少させることができております。また、本年度からは、西部下水処理場で有用微生物による汚泥減量化の実証実験を一部実施いたしております。
このほか現在、西部下水処理場では、地元の企業が行っております亜臨界処理方式による減量化や、東部下水処理場では、地元の大学が超高温可溶化技術による汚泥減量化の実証実験に上下水道局も協力しているところでございます。これらの方式によりますと、下水汚泥の量は今より4分の1程度に減量できると言われておりますので、今後の推移を注視してまいりたいというふうに考えております。
- 最終更新:2014-05-12 12:08:07