長崎県

長崎県議会とEM


平成16年 11月定例会 厚生委員会
◆吉川委員 シンポジウム等も開いていただいて、市民自体としても、もろもろの形で知識はいただいていると思うわけでございますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 それから、水質の改善ですか、その件に関しまして、婦人会とか、市町村でよくEM菌の活用というのを聞くわけでございます。しかし、今、県の方では、全然そのEM菌の活用ということをまだ聞いたことがないと私は思っているわけでございますけれども、そこら辺について、何か研究なり、知識があられればお示しいただきたいと思っております。

◎中村環境政策課長 現在、EM菌、有用微生物群という話で、細菌の中で有用な働きをする細菌群でございますが、これを活用した事例がたくさん出てきております。県としましても、有用微生物の一つである愛媛県の工業技術センターが開発したものを活用して、多良見町の喜々津川で200世帯ほどの住民の方の協力を得て、実証的にそれを培養して流して効果の検証をしております。
 まだ短期間で全体の検証効果判定というところまでいっておりませんが、流す前に比べて、ある程度外観上もきれいになった。それから、水質上も、変動はあるものの、全体としては改善の傾向にあるというのが見てとれますので、こういうことを今後続けていきたいと考えております。
 またEM菌全体につきましては、沖縄の比嘉教授という方が開発して、幅広く全国で使われているようでございますが、大村湾の周辺の婦人会を中心にかなり活用されておりますので、私どもはそういう運動とも連携いたしまして、今後ともそういう有用な微生物群の活用で浄化ができるのであれば、それはどんどん進めていきたいと考えております。

平成17年  6月 定例会
◆10番(瀬川光之君)
 7、環境対策について。
 (1) 大村湾対策の状況とその成果。
 大村湾を宝物として守り、育み、次世代へ引き継いでいくことは、現在に生きる私たちの大きな責務であるということを重ね重ね申し上げてまいりました。
 閉鎖性が強いため、外海との海水交換が少なく、汚濁に弱い特性を持っている大村湾は、環境基準を超過する状況が長年続いております。その汚濁の約4割が家庭からの生活排水の流入によるものと言われ、県は、「大村湾環境保全・活性化行動計画」を策定し、大村湾の水質保全対策に取り組んでおられますが、その事業の進捗状況、そして、その成果についてお伺いいたします。

◎県民生活環境部長(村上公幸君) 大村湾の水質保全対策の進捗状況とその成果についてのお尋ねでありますが、行動計画では、5年間に流域全体の生活排水処理率を10%上げることを目標に、公共下水道や浄化槽などの整備を進めております。
 平成16年3月末の県全体の処理率65.2%に対しまして、大村湾流域では80.8%と高い値を示しており、さらに平成17年3月末では82%を超える見込みであります。
 昨年度の大村湾の水質は、化学的酸素要求量、いわゆるCODで見ますと、1リットル当たり2.1ミリグラムと、過去20年間で最も低い値を示しております。
 今後の推移を見ながら評価する必要がありますが、これまでの水質保全対策の効果があらわれているものと期待をいたしているところでございます。
 また、廃棄物の活用による窒素、燐の削減に関する研究、海底耕うん、有用微生物による水質改善効果の検証などを実施しております。
 今後とも、大村湾流域の4市6町及び活動団体との連携を図りながら、大村湾の環境保全に取り組んでまいります。

◆9番(大久保潔重君) 私は、瀬川議員の大村湾も含めた環境対策について関連して質問をいたします。
 今、県内各地域において、河川や海の水質浄化といいますか、そのために、例えばEM菌などの有用微生物を使った住民活動といったものを、その地域の自治体が支援するといったような動きが広がりを見せております。
 我が諫早市は、大村湾、諫早湾、橘湾といった3つの海に囲まれております。
 もちろん諫早市もそうですが、こちらには旧森山町長の田中克史議員もおられますし、その旧森山町長もそうでございました。こちらの旧西彼町もそうであります。(笑声)島原市は、より積極的な支援をやっていると伺っております。
 そこで、このような有用微生物を使った海や河川の浄化活動、その効果といいますか、実態も含めた県のご認識をお伺いさせていただきたいというふうに思います。(発言する者あり)


◎県民生活環境部長(村上公幸君) 現在、大村湾で進めておりますのは、愛媛県の工業技術センターが開発をいたしました有用微生物を使った実証実験をやっております。これは平成16年から18年まで3カ年間ということで、多良見町の丸尾川流域で地域住民の皆さんのご協力を得ながら、水質の効果の検証をやっているわけでございます。
 この「えひめAI-1」というんですけれども、これも酵母とか乳酸菌を主体に醗酵培養したものを少し住民に配りまして、500倍ぐらいに増殖をさせまして、それを側溝などに2週間に1回ぐらいまいてもらうと。それを年4回、水質を検査していくと、そういうことで水質浄化効果があるかということをはじめているわけでございまして、現在、そういうことで水質や底生生物などの調査を行っている段階でございまして、地域住民の皆さんからは、側溝のぬめりや悪臭が減ったという報告もあっているところでございます。
 また、今、議員が言われましたように、諫早湾の流域でも、地域の婦人会が中心となって、これはEM菌の方になると思いますけれども、有用微生物を用いた河川の浄化活動が行われておりまして、県においても地元の市町村を通じて支援を行っているところでございます。
 こういう取り組みを通じまして、効果を検証していき、また地元とのつながりを深めていきたいと思っております。

◆9番(大久保潔重君) 私がはじめてこの県議会にまいりました時には、なかなか環境対策について、微生物を使ったということがあんまりなかったような記憶がございます。やはり県はお金を使ってダイナミックに環境保全をやっていく、そういうことはもちろん大事なんですね。だから、こういう地味な活動はそぐわないというような、何か一度そのような対応をされたのを記憶しておりますが、ぜひこの有用微生物の有効性というものを、もちろんその検証は大事だと思いますね。その検証をしていただいて、有効性があるのであれば、ぜひこのような低コストで、しかもこれは県民協働でできるわけです。このような事業を進めていただいて、県民の皆様お一人おひとりの環境に対する啓発活動につなげていっていただきたいというふうに思います。


  • 最終更新:2013-11-20 13:05:36

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