青森県

概要

 朝日新聞青森支局の長野剛記者がEMの問題点について問いかける記事を書き,波紋を呼んでおりますが,青森県議会の議事録を検索してみると,様々な問題点が明らかとなてきました。
特筆すべきは,2005年に蝦名副知事がEM関連イベントにパネリストとして出席したということが言及されている点です(2005.07.21 : 平成17年農林水産委員会の項を参照)。
 それ以外にも,当初は学術的な評価が出ていない,土壌肥料学会で否定的な結果が出ているなど慎重な態度で臨んでいた県が,徐々にEM肯定に傾いている様子が見て取れます。

青森県議会とEM

1987.03.06 : 昭和62年第169回定例会(第5号)

◯農林部長(工藤俊雄君)

 奈良岡議員の、農林業におけるバイオテクノロジーの推進構想について知事答弁を補足して申し上げさしていただきます。
(中略)
 次に、有機農産物や特別栽培農産物の生産供給体制の強化についてであります。
 有機農産物の生産を拡大していくために、攻めの農林水産業を推進する大きな柱として、あおもり「有機の郷づくり」総合推進事業を平成十六年度から実施することとしております。この事業では、県内十九の市町村等を有機の郷づくりとして地域指定し、市町村推進協議会の設置や有機栽培農家の組織化、栽培講習会の開催を支援することとしております。
 また、そのうち、モデル的な地域を対象としまして、有機栽培等に必要となる水稲種子温湯消毒機や堆肥散布機といった機械などを導入することに対し助成することとしていくほか、県が認証している農薬と化学肥料の使用量を通常の半分以下とする特別栽培農産物については、その取り組みを一層拡大するよう啓発を強化していくこととしております。
 さらに、有用微生物の効果実証や有機牛肉の生産に向けた飼料栽培技術の確立といった試験研究などにも取り組み、有機農業等を全県的に普及していくこととし、本議会に所要の予算を計上し、御審議をいただいているところであります。
 次に、農業振興に力を入れることによって、農家子弟の就農率を向上し、雇用拡大を図ることについてでございます。

1994.06.22 : 平成6年第198回定例会(第3号)

◯四番(西谷 洌君)

 自由民主党の西谷洌です。
(中略)
次に農家の所得向上対策についてであります。農業における高度化政策と言ってもよいかと思います。
(中略)
三つ目は、最近話題になっております複合微生物群によるEM農法や有機農法という自然農法による農業です。
(以下略)

2002.03.07 : 平成14年第229回定例会(第6号)

◯三十番(成田一憲君)

 第二百二十九回定例会一般質問のトリを務めさせていただきます自由民主党の成田一憲でございます。
(中略)
 次に農林業の振興についてお伺いいたします。
(中略)
 私の地元の中里町においても、完全無農薬、無化学肥料による米づくりを行っている集団があり、最近は農作物残などを原料とした堆肥を活用するなど徹底した土づくりに取り組んでいます。この集団は昨年度青森県農業賞の大賞を受賞しており、このような取り組みこそが、土づくりの実践により消費者が求める安全でおいしい農作物の生産を目指すというすぐれた事例であり、土づくりこそが農業の基本であるということを示しているのであります。また、私自身もこのような趣旨のもとに、みずからバークなどを使った堆肥づくりに取り組んでおり、その堆肥の野菜畑への投入による土づくりやEM菌を活用するなどにより高品質なナガイモやゴボウ、ニンジンを生産しているところでもあります。そこでお尋ねしますが、土づくりによる有機農産物等の生産拡大にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

2002.05.21 : 平成14年農林水産委員会

◯渡辺委員

(中略)
 それから次は、EM菌という名前を我々は聞くわけです。有機農法でEM菌を使いながら一つの特産品をつくって町おこしのためにやっているところもあるようなんです。青森県には試験機関もあり、実際今、青森県自体も有機農法の減農薬等で認定しているものもあり、そういう生産物もあるんですが、EM菌というものが実際農家で使って効果があると評価されているものなのかどうか、県としての認識はどの辺にあるのか、お伺いをしたいというのが一つです。

◯中川参事(農林水産政策課長)

 EM菌の効用について県はどのような認識を持っているのかということにお答えします。EM菌、いわゆる有用微生物ということなんですが、これを使ったEM農法、これは数ある民間農法の一つなんですが、農作物の収量が向上するとかあるいは病害虫に強いとか、そういう有効性が言われております。
 これにつきましては、東京農業大学、あるいは山口大学、あるいは栃木県の農業試験場などで試験を行ったわけですが、成果を証明する結果が得られなかったというようなことで、日本の土壌肥料学会がございますが、ここで平成7年に有効性は証明されていないというふうに結論づけております。そういうこともありまして、県では今のところEM農法についての試験は行っておりません。
 ただ、県内にも弘前市、浪岡町、あるいは十和田湖町などでこの農法に取り組んでおるところがございますので、普及センター等を通じて、生育状況なりがどういうふうになっているのか追跡調査をしながら情報収集に努めてまいりたいというふうに考えております。

◯渡辺委員

 それから、EM菌については学術的にその効果の結果が証明されていないと。ただ、現実にやっている方から見ると、実際町おこしのために地域ぐるみでやって、味もいい、それから化学肥料を使わなくてもいい、そういう効果が実際出ているというふうに我々は聞いているんです。(「高くてだめだ。農家はだれも使わない」と言う者あり)高いから使わないという話もありますが、でも、肥料などはその菌を使って、糠だとかを入れて土を柔らかくして、微生物の繁殖に効果があるとかと一般的には言われているわけですが、公式には評価はゼロなんだ、今のところ何も証明されていないと。だけれども、本が出たり、ちまたではいろいろ市販されているものが結構ありますし、実際研究所もあり、全国総会とかをやって宣伝して、市民的には結構一定の評価をされているんではないかと思うんです。県は、それは評価されていないということですが、県独自でそういうものについての調査をし、あるいは試験機関も持っているわけですから、実際本当に効果がないものであれば、効果があるということを否定しなければならないと思うんですが、その辺はどうなんでしょうか、県でやる気はないんでしょうか。

◯中川参事(農林水産政策課長)

 EM菌につきましては、80種類のさまざまな微生物が組み合わさっているということで、非常に中身自体が複雑な難しいものになっているというのは聞いております。県内でも何カ所かこれまでも使ったところがございまして、私も普及センターに行ったときにも見ているんですが、味がよくなるとか、おいしいとかはあるんですが、例えば収量が何割もふえたとか、そういった具体的な数字的なものはなかなか目に見えてこないといったこともありますし、それから、その中身がいろいろ複雑で化学的に分析が非常に難しいものもあるといったようなこともいろいろあるわけです。先ほどもお話ししましたとおり、現地での取り組み事例もあるわけですので、そこら辺も追跡調査しながら、今のコストの話もございますし、そういったもろもろ検討しながら、必要であればまた研究機関とも相談しながら進めてまいりたいと思います。
 特に本県の場合、有機農業につきましては、堆肥を使って地力をふやしてやっていきたいという基本的な方針でやっておりますが、そういう意味では、そういう面の方にも目を向けてはいきたいなというふうに考えております。

◯渡辺委員

 青森県では、低農薬とか認定農産物とかをやっていますが、有機農法として認定している農作物にはEM菌を使ってつくっているというのはないわけですか、それがまず一つ。
(以下略)

◯中川参事(農林水産政策課長)

 今の認定の場合にEM菌を使っているかどうかということですが、基本的には、EM菌を使っているかどうかではなく、化学肥料なり農薬を使っているかどうかで認定しております。それについてはまた今後とも勉強してまいりたいなと思います。

◯工藤委員

 今、渡辺委員が言ったEM菌ですが、私もあれを使ってみました。米もつくりましたし野菜もつくりました。大変味はいいんですが、今、課長も言ったように、EM菌をつくるのにどうやってつくっているのかわからない。しかも、聞いてみるというと、非常にコストが高くつく。私は、農家に普及するために、農協を通して、農協にその取り扱いをやらせなさいと言ったんです。農協は相手にならない。今言ったように、何々を組み合わせてつくっているのかわからない。それが果たしていいものか悪いものか。農協としては、これで失敗するというと米づくりはだめになってしまうというふうなことから、取り扱わないというそういう過去の例がございます。
 今も在庫はたくさんあります。野菜にも使ってみれば確かにおいしいんですけれども、そういう不透明なものと、それからコストが非常に高くつくということで、農家は、米の値段と比較するというと、とてもじゃないがこれで米を生産するわけにはいかないというのが農家の考え方なんです。だから私は、EM菌をつくる人に、もう少し研究をしてみろ、本当に化学的に合成されたEM菌かどうかということをはっきりと言えるよう
なものにして農家に説明したらどうかということを言っているんです。今も在庫がたくさんございますので、何とかそれを処分したいと言っても、農家は相手にならないんだ。そういう点がございます。これは今までの経過としてお知らせしておきます。

2004.03.05 : 平成16年第237回定例会(第5号)

◯知事(三村申吾)

 攻めの農林水産業を推進する大きな柱として、あおもり「有機の郷づくり」総合推進事業を平成十六年度から実施することにしております。
 この事業では、県、市町村、農協、消費者代表で構成する推進会議を立ち上げ、推進方策の検討や市場調査等を実施するほか、県内十九の市町村等を有機の郷づくり地域として指定し、市町村推進協議会の設置や有機栽培農家等の組織化、栽培講習会の開催を支援します。
 また、そのうち、モデル的な地域を対象として、有機栽培等に必要となる除草機や土壌消毒機といった機械などを導入することに対し助成することとしています。
 さらに、有用微生物の効果実証や有機牛肉の生産に向けた飼料栽培技術の確立といった試験研究などにも取り組み、有機農業等を全県的に普及していくこととし、本議会に所要の予算を計上し、御審議をいただいているところであります。

2004.03.08 : 平成16年第237回定例会(第6号)

◯農林水産部長(秋谷 進)

 三上隆雄議員の御質問十四点につきましてお答え申し上げます。
(中略)
 次に、有機農産物や特別栽培農産物の生産供給体制の強化についてであります。
 有機農産物の生産を拡大していくために、攻めの農林水産業を推進する大きな柱として、あおもり「有機の郷づくり」総合推進事業を平成十六年度から実施することとしております。この事業では、県内十九の市町村等を有機の郷づくりとして地域指定し、市町村推進協議会の設置や有機栽培農家の組織化、栽培講習会の開催を支援することとしております。
 また、そのうち、モデル的な地域を対象としまして、有機栽培等に必要となる水稲種子温湯消毒機や堆肥散布機といった機械などを導入することに対し助成することとしていくほか、県が認証している農薬と化学肥料の使用量を通常の半分以下とする特別栽培農産物については、その取り組みを一層拡大するよう啓発を強化していくこととしております。
 さらに、有用微生物の効果実証や有機牛肉の生産に向けた飼料栽培技術の確立といった試験研究などにも取り組み、有機農業等を全県的に普及していくこととし、本議会に所要の予算を計上し、御審議をいただいているところであります。

2004.05.21 : 平成16年農林水産委員会 

◯熊谷委員

(中略)
 続きまして、この間の4月の常任委員会後の懇談会で、ごく一部の方ではございますが、話が盛り上がりましたEM菌について、ちょっと御質問させていただきたいなというふうに思います。
 EM菌、いわゆる有用微生物群、これを利用した農業、畜産、水産浄化など、全国各地で環境保全、あるいは地域活性化につながるプロジェクトが今、進行しているということでございます。
 そこで、まず、改めて、このEM菌というものはどういうものかということから、まずお伺いいたします。

◯佐々木農林水産政策課長

 委員の御質問でございますが、EM菌、ちょっと舌をかみそうなんですが、英語でいうと、エフェクティブマイクロオーガニズムという、いわゆる有用微生物群の略称でありまして、これは例えば乳酸菌とか酵母、それから光合成細菌等、微生物が集まった液状の有用な微生物群を言っているわけでございます。それと今、土壌の改良、それから悪臭防止とか水の浄化などに効果があるとされているわけでございますけれども、ただ、国の、また大学の関連学会等では、まだその効果が判然としないという報告が、我々に出されております。

◯熊谷委員

 今の御答弁にもあったわけでございますけども、過去にこの常任委員会で、EM菌についての質問があるかどうか、ちょっと調べてみたわけでございますけども、数年前にEM農法についての質問された議員がございました。それに対します県の御答弁が、日本の土壌肥料学会が平成7年に有効性が証明されていないという結論をづけてあるがために、県でも今のところ、EM農法についての試験は行っていないという答弁がございまし
た。
 そこで、それから数年がたっているわけでございますが、現段階で、県としてEM菌というものをどのように評
価しているのか。さらに、県の試験研究機関において研究に取り組んでいるのかどうかについて、お伺いい
たします。

◯佐々木農林水産政策課長

 まず、EM菌に対する評価でございますけれども、先ほどお話ししましたとおり、学会等ではその効果が判然としないということではあるんですが、実際上、県内では実際例として利用している例が、かなりあるというふうに伺ってございます。したがいまして、私ども、まだ今の段階では科学的なまだ分析結果というものを得ておらないわけでございますけれども、まずはその活用事例等からその情報を収集して、その効果等、今後、
評価してまいりたいというふうに考えております。
 また、県の試験場でございますけれども、実はことしから県の畜産試験場を対象としておりますけれども、2カ年間、EM菌の効果を見きわめるということで、豚舎、それから飼料及び堆肥へEM菌を散布いたしまして、いわゆる消臭効果を少し調査、試験してみようということで、実施する予定で今、取りかかっています。

◯佐々木農林水産政策課長

 県内のいわゆる取り組み事例、現地での取り組み事例でございますが、まず、浪岡町では米、リンゴ等へEM菌を使った有機肥料を施用しております。それから十和田湖町では、ホウレンソウ、トマト等へEM菌を使った液肥を施用していると。それから、十和田市ですが、養豚経営で消臭用として今現在、使用していると。それから、三沢市、上北町、東北町、それから六ヶ所村におきましては、いわゆる小川原湖の水質浄化のためということで、取り組んでいるというふうな事例、こういう情報を得ております。

◯熊谷委員

 実は正直に申し上げまして、私もこのEM菌ということ、いろいろ本を読んだりなんかをしているわけでございますが、まだ、そんなに詳しくはございません。ただもう、あちこちから、このEM菌効果というものが、本当かどうかは別にして、聞こえてくるわけでございます。また今、県内の取り組み状況を今、聞いたわけでございますけども、本なんか見ますと、全国的に相当研究、あるいは実際に使った事例があるというふうなことのようでございます。そこで、他県の研究試験状況というのがもしわかれば、お伺いしたいと思います。

◯佐々木農林水産政策課長

 他県の事例でございますが、これ、試験場が中心になるわけですが、1つ御紹介しますと、宮城県、農業園芸総合研究所では平成12年から研究しておりまして、これはホウレンソウに対する生育促進という効果の見きわめ及び、いわゆる病気でございますが、イチョウ病という病気、それに対するいわゆる防除予防という観点での試験、これをやっております。ただ、この中では今現在の成果といいますか、具体的効果は認められてないというふうな報告がされておるようでございます。
 それから、あと山口大学もEMを使いましたボカシ肥料というふうな、肥料というふうなものを使ってのホウレンソウへの効果というふうなものを試験しております。
 それから、もう一、二御紹介しますと、東京農業大学、ここがEM農法の推進母体になっておるいわゆる自然農法国際研究開発センターというところがあるんですが、ここと共同研究した試験成果、これ平成6年にやった成果でございますが、出されております。
 それからあと、国内ではあと福井県の農業試験場と、それからいろいろやっておりますが、もう一つは高知県の高知大学の方の海洋生物研究センターですか、これはEM菌を使った四万十川へのいわゆるそういった漁場の関連に対する研究というふうなことで出ております。いずれも、際立った効果はまだ出されておらないわけでございますが、ただ、微生物を施用して、EM菌を施用して、土壌中の微生物群の大量増殖という点では、かなりそういった成果は見受けられるというふうな報告が出されております。

◯熊谷委員

 今、最後にかなりの成果が見えてきているという話もございました。私も聞いている範囲では、例えば副知事が大変、このことについて積極的だということも聞いておりますし、また県内各地でここ一、二カ月の間でも、講習会、勉強会というのも行われていたせいもあろうかと思うんですけども、何かまたここに来て、このEM菌というものがクローズアップされているなという気がいたしております。
 各地の事例によって、成果があるような、ないようなところもございます。でも、やっぱり最終的な部分で、よくわからないところもあるんですが、何かやはり効果があるというのは事実ではないかなというふうに思っております。
 そこで、このEM菌の研究、あるいは普及に向けて、県として、今後どのように取り組んでいくつもりなのかについて、お伺いをいたします。

◯佐々木農林水産政策課長

 いろんな試験研究もなされておるわけですが、いずれにしても、本年から県内でも活用事例を調査することにもしておりますし、また、畜産試験場の方のそういった実証試験も行うことになっておりますので、それらを鋭意、研究しながら、その成果を見きわめて、今後の対応等については、検討してまいりたいと考えております。

2004.10.01 : 平成16年第239回定例会(第4号)

◯十番(伊吹信一)

  公明・健政会の伊吹信一でございます。
(中略)
ふるさとの森と川と海の保全及び創造に関する条例に基づく施策の取り組み状況等についてお伺いいたします。
 二、河川環境の再生に向け地域住民が自主的に活動している沖館川を条例に基づく保全地域として指定すべきと考えますが、県の見解をお伺いいたします。
 三、沖館川の河川環境の再生に向けた県及び市の取り組み内容はどのようなものか。また、地域住民による活動を継続し推進するためには、住民と県と市との連携強化をこれまで以上に図ることが必要と考えられますが、県の見解をお伺いいたします。
 四、沖館川の水質浄化のため、周辺の小中学校の児童生徒や活動団体等がEM菌を投入しておりますが、その効果についてお伺いいたします。
 五、沖館川の環境整備として河岸土手遊歩道及び防護さくの点検強化が必要だと思われますが、県の見解をお伺いいたします。
 六、沖館川におけるプレジャーボートの不法係留は、河川管理上の問題、ごみの投棄や騒音など河川環境の問題を生じ、周辺住民の生活に影響を及ぼしております。県はプレジャーボートの不法係留対策をどのように考えているのかお伺いいたします。

◯県土整備部長(羽原 伸)

 EM菌(有用微生物群)の効果についてでございますが、県では、平成十五年九月から、沖館川四地点及び西滝川二地点の計六地点におきまして水質調査を実施しております。また、沖館川三地点においては河床堆積物の調査を継続実施いたしております。
 平成十六年三月までの調査結果ではその効果を確認するに至っておりませんが、これは、河川水の水温や流量等が絶えず変化すること、あるいは、河川調査期間が秋季から冬季にわたる水温の比較的低い期間であったこと、調査期間が短期間であったことなどの影響もあったことと考えられます。
 四月から九月までの調査結果につきましては、現在その内容を取りまとめているところでございます。

2005.07.21 : 平成17年農林水産委員会

◯渡辺委員

 最後に、EM菌についてお聞きしたいと思います。私、前にも一回質問したことがあるんですが、今回は個人の資格で出たかどうかわからないけれども、蝦名副知事がパネリストとして出ているわけですね。そういう立場から言うと、私は、このEM菌というのが農林水産部としてどのような位置づけをしているのか、評価をされているのかどうなのか。もしも県が評価をすれば、これは一気に普及されると思うんですね。そうい
う意味で、商品なのかどうかわかりませんけれども、県としては環境生活部も試行しているようだけれども、農林水産部としては、これについてどういう考え方を持っているのかということについてお聞かせください。

◯秋庭食の安全・安心推進課長

 EM菌は、乳酸菌とか光合成細菌などの有用な微生物を集めた群だということでございます。それで、EM菌は土の中の、あるいは水の中の有用な微生物をふやして、有害な微生物の増殖を抑制するということが言われております。それで、県内では、川とか湖沼の水質改善、それから、畜舎の悪臭の除去、さらには、EM活性液のリンゴへの葉面散布など、さまざまな取り組みが県内で見られています。
 御質問の農林水産部としての評価でございますけれども、現在、EM菌の農作物に対する収量や品質に及ぼす効果、それと、これを使うことによる経済性の検討をしております。これは16年度から県内6カ所の現地検証展示ほを設置してございます。
 そこで、1つには、ぼかし肥料にEM菌を使った場合の農作物の生育等の比較。それから、堆肥にEM菌を使った場合の腐熟促進等の状況などの検証を行っております。
 それで、昨年度はEM菌を加えたぼかし肥料、それとEM菌を使った堆肥の効果等の比較については、有意差が出るまでには至っていない状況となっております。今年度も引き続き、現地検証展示ほでその効果や生産現場での成果などを検証していくことにしています。
 また、畜産関係については、豚舎内の悪臭を分析し、データ化して数値化することができるかどうかの試験を行っています。
 以上です。

◯渡辺委員

 6月3日に青森でやった、蝦名副知事がパネリストとして出たこの資料によれば、みんな効果があるように見えるわけですね。前に合浦公園の沼にもまいてあったんですよ。そうすると、大変きれいになったということで、私も見に行ったことがあるんだけれども、その後もまた、あれ、使わなければまたもとに戻ってしまうんでしょうね。だから、しょっちゅう使っていないとだめなものではないのかなという感じもしたわけです。ただ、今、経済性のお話をしましたけれども、例えば、1平米当たりとか、10アール当たりに土壌改良剤として入れていった場合に、どのぐらいの経費がかかるものなのか、そういう面での経済性というのも、今、六ヶ所村でやっているというわけでありますが、そういう面と、優位性が見られないというお話でございましたけれども、これとの関係で、これからどうこの問題、環境教育の中で取り上げていくのかということが結構あるんですね。川の浄化の中で、市内でも沖館川、西滝川でもやっているし、ホタテについては新城川でやっているところがあるんだけれども、そういうことで、非常に環境にやさしいEM菌だということを相当力強く訴えているようなんですが、これは、実はこういうことをやっているわけですから、特許は取ってやっている事業なんでしょうね。
 それから、経済性というのは、ぼかしだとか溶液であって、その菌が生産までどういうふうな形でいくのか、そして、どういうふうに育成されていって、さらに販売して製品化されていくのか、そういう過程はどういうふうになっているものなんですか。

◯秋庭食の安全・安心推進課長

 それでは、お答えいたします。
 初めにあったと思いますが、1つは、EM菌を利用しなきゃならない、あるいは、環境問題から考えるとどうかと、こういう大事な話がありました。これについては、一番最後に答えさせていただきます。
 それで、まずは、特許とかEM菌のつくり方というお話がありましたので、そこからお話ししたいと思います。このEM菌ですが、もともとは琉球大学の比嘉照夫教授が1982年に発表してございます。およそ23年になったというところです。これは特許は取っていないようです。
 つくり方のノウハウを持って、これをみんなに教える形にはしていないということです。これの原液についても、国内の2カ所だけでつくっていて、それは沖縄県内と静岡県熱海市だそうです。
 それで、この菌ですが、およそ80種以上の有用な菌で構成されているということです。ですから、容易にはだれもまねができないということでございます。特許の話とつくり方については、そういう形で有用な菌を混ぜてつくっているんだというところまでしかわからないということです。
 それから、2点目は、経済性のお話を聞かれましたので、それについてお答えします。
 我が方の事業は平成16年、17年でやることになっていますので、経済性について、明確にはまだ出ていません。ただ、今、考えられているのは、堆肥をつくる際にこれを混ぜますと、従来であれば、堆肥の切りかえとか労働力、機械力を大分使いますが、これを使えば、わりと分解が進みやすくて、その労働力の部分が少なくて済む。このEM菌の値段ですが、これは原液では、1リットル2,000円だそうです。ところが、使い方によっては、100倍に薄めて使う。そして、ものによっては、葉面散布剤なんかは1,000倍に薄めて使うということで、使い方によっては、非常に安い資材になるという経済性があるということでございます。さらに詳しいことは、もう一年、検討してまいりたいと思います。
 それから、ぼかし肥料のつくり方ですが、これは従来から、ぼかし肥料は農家でつくられていました。それは、米ぬかとか、油かすとか、魚かすとか、糖蜜とか入れて、要するに、化学肥料を混ぜないで寝せて発酵させてつくって、それを畑に、野菜に使っていくというもので、非常に効きがゆっくりというものでございます。それに今、EM菌を混ぜて、効果をさらに高めようというのが、EM菌入りのぼかし肥料ということになります。
 最初に言いましたEM菌の利用です。これは、私見、私の考え方もちょっと入りますので、誤解のないようにお願いしたいんですが、いずれにしても、有用な菌を集めたものですので、菌は生き物でございます。ですから、そのとき、仮にそこにかけたとしても、生き残る菌もあるだろうし、死んでいってなくなる菌もあると思います。あるいは、状況によってはまた、ほかの悪い菌がふえてくる場合もあると思います。そんなこともありますので、一概には、その成果が出てこないこともあるし、毎年使っていかなきゃならないというのもそこにあるのではないかなと思っていま
す。化学物質とは違って、菌の世界というのは、研究者の中でもまだ未知な世界なんですね。ですから、いかにそういう菌がどういう成果が出てくるかというのは、容易にはなかなか言えない、こういう世界でもあると思っています。
 ただ、委員からお話しあったように、今、自然のものを使って環境に影響のないような形で、環境にやさしい資材を使っていきましょうと、こういう世界でございますので、これは重要なことだと認識はしております。これからの事業の結果など見ながら、県としてというか、私どもの考え方もさらに正していかなければならないと思っている次第です。
 以上です。

◯渡辺委員

 80種ぐらいのいろんな菌が混ざり合って、いろいろな効果があるのかもわかりませんけれども、効果の出ないときもあるということは、EM菌、80種ぐらいの菌が全部死んでしまっているからだめなのか、つくっているときに、80種ぐらいのものの菌を培養してつくっているのかどうかわからないけれども、生き延びている菌が接触することによって増殖するとか、そういう面というのはないものなのか。というのは、土地の改良剤にもなるとか言われているわけですよね。だから、自然環境にやさしいとか言っている部分が強調されているわけなんだけれども、死滅してしまえば、またそれに入れていかなければ土地改良剤としてはなかなかあれだと。ただ、全体として見た場合に、半分生きていればそれが1年生き続けることになるのか、あるいは、80種類が1カ月でみんなだめになってしまうのか、あるいはまた、例えば、リンゴならリンゴ、いろんな植物などに使った場合に、味がよくなるとか、そういう効果などもあるのかどうか。多様な面の効用はあるものなのか。
 今、強調されているのは、どちらかというと、水質を改善するとかによく言われているわけですが、そういう植物等について、例えば、花卉あたりにも色づきがよくなるとか、果物であれば味がよくなるとか。私は、農林水産部であれば、植物とかそういうものにもやって、四、五年かけるのであればかけて、研究成果を、やはり糖度の部分が15度だとか20度だとか、高まるとか、そういう研究なども継続的にすべきでないのかなと。
 そうでないと、今、結構環境にやさしいとか、安全・安心の食べ物とかいった場合に、市民にも関心があるんですね。このEM菌については、私は公的な機関でも、やはり検証できるものであれば検証できるような方向で、やっぱり時間をかけて、継続をすべきではないのかと。
 蝦名副知事はこう言っているんですね。新聞報道では、食わず嫌いの話が出ていましたね。「使わずに批判するのは食わず嫌いだ」と、こういうことで言っておりますし、また、研究した大学では、学問的データでは説明できないと。結果的にすべて成功した人はEM菌の能力を引き出した人だと。こういうことで、その人自身も結果については、なかなか自信のないような言い方もしているようなので、だから、その効果が本当に
あるのかないのかというのは一つ一つの、環境にもよると思うんだけれども、やはり公的な機関として継続をして、その成果があるものかどうなのか、そういう検証も必要ではないのかなということで、その辺、お聞きをしたいと思います。

◯秋庭食の安全・安心推進課長

 これは、なかなか化学的に分析できないというところで難しさがあると先ほど言いましたけれども、関連学会では、やっぱりその効果が判然としないんだと、こういう報告がされております。ただ、私が考えるには、これだけ県内、全国でやられているということについては、それなりの効果があるんだろうと、こう思っています。ですから、生産現場での成果も聞きながら、我々は考えていかなきゃならないなと受けとめております。いずれにしても、今、言われましたように、非常にわからない世界ではあると思います。化学がどんどん進んでいくと解明される場面が大いにあるとは思いますけれども、決して効果のないということでは私どもも考えてはいません。ただ、非常にファジーな形でしか効果が出てこない場面もあるということで、あるいは、ある場面には非常に効果が出たという報告も現地からはされておるということを受けとめていきたいと、こう考えております。
 以上です。

2008.11.27 : 平成20年第256回定例会(第3号)

◯商工労働部長(九戸眞樹)

 御質問三点にお答えいたします。
 八甲田登山道の公園施設、トイレの管理状況についてです。
 県では、これまで国の補助事業により、八甲田登山道において仙人岱避難小屋及び大岳鞍部避難小屋にくみ取り式のトイレを設置し、清掃とくみ取り作業による管理を行っています。
 具体的に、清掃については週一回程度の頻度で、床清掃、殺虫剤処理、防臭剤の交換等を行っており、くみ取り作業は、年一回汚水をヘリコプターにより空輸し、汚水処理場において処理しています。
 特に、利用者の多い大岳鞍部避難小屋のトイレについては、昨年度から二週間に一回の頻度でトイレの消臭やハエなどの害虫発生抑制を目的にEM菌の試験を実施しており、現在、ハエなどの害虫発生抑制の効果が見られています。
 県としては、東北新幹線全線開業を二年後に控え、登山客の増加が見込まれることから、今後とも条件を変えながら試験を継続し、適切な管理に努めてまいります。

2010.10.04 : 平成22年商工労働エネルギー委員会

◯今委員

 気になるのは、山に登ってトイレへ行くわけですけれども、山の上ですから、簡単になかなか処理できないと思うんですね、し尿処理ね。どうしてあれを処理するのか、ごくごく自然な感覚なんですけれども、何か多目的にいろいろと考えてやっているのかなとか、新しい試み、せっかくだから、こういうおもしろい場所にいるから何か工夫してやりたいなとか、さまざま考えていらっしゃると思いますが。どういうのがあるんでしょうね。

◯長崎観光企画課長

 まずは、県管理の山岳トイレのし尿処理でございますけれども、これはすべてくみ取り式となっております。ただし、くみ取り車を利用できない、入り込めないような八甲田大岳の鞍部、鞍部といいますのは大岳と井戸岳のこう低くなった、馬のくらのようなところです。そちらにある避難小屋、それから仙人岱の避難小屋、それから白神岳の公衆トイレ、これはヘリコプターを使用しましてし尿を回収をしております。

◯今委員

 ヘリコプターね。すごく経費がかかるでしょうね。わかりますか経費。わからなければ後で教えて下さい。
 そして、持っていく、ヘリコプター使う、あるいは自動車使う何使う、持っていくのはいいんだけれども、せっかくそこにそういういろんな、何というかな、可能性というか、何かそのものでうまく使えないのか、何かこう。そういう工夫はありませんか。運ぶだけですか。運ぶ処理だけで、輸送処理だけですか。


◯長崎観光企画課長

 県が設置しましてヘリコプターを使用してし尿を回収しております八甲田大岳の鞍部避難小屋とか、それから仙人岱の避難小屋、それから白神岳の公衆トイレには消臭効果のありますEM菌を散布して対策しております。それから、県が設置したわけでございませんが、弘前市が実は岩木山の頂上に設置しております山岳トイレがございますが、こちらにつきましてもEM菌を活用して、おがくずを便槽の中に置きまして、それで、トイレを使用した方がその後自転車によりまして、自転車のサドルとペダルがついております。それを回転させまして、そこで熱を発生させましてその菌を発生してその臭気とかそういったものを解消するような、そういう仕組みも今されてございます。

2011.03.14 : 平成23年度予算特別委員会(第3号)

◯諏訪委員

 平成十四年からEM菌の大量散布が行われている、平成十九年ごろから水質が悪化し出してきている、そういう報告もあるんですが、この菌の散布が水質を一層悪化させた、それが要因であるという見解を対置している人もいます。そのことについて何か検討されたことはあるんでしょうか。

◯竹内県土整備部長

 県土整備部としては、その件に関しては特に検討はしておりません。

◯名古屋環境生活部長

 EM菌の散布によって小川原湖の水質に変化があったのかということについてお答えいたしますが、小川原湖へのEM菌の散布は、委員おっしゃったとおり平成十四年七月に始まり、平成十五年度から年間を通して本格的に実施されております。
 小川原湖の水質について、有機汚濁の指標でありますCOD(科学的酸素要求量)で見ますと、平成十五年度は、環境基準値であります三ミリグラム・パー・リットル程度でありまして、それまでの測定結果と大きな変化は認められないということがございます。また、EM菌の散布量は、十四年度の散布から平成十九年度まで年間約百トンで変化がないということがございますので、そういったことから考えて、小川原湖の水質が、先ほど委員おっしゃったように平成十九年度に急激に悪化しているということでありまして、これは、中央地点でCODが五・一ミリグラム・パー・リットルということで、環境基準であります三ミリグラム・パー・リットルを大きく超過しているということがございます。
 こういった状況から判断いたしますと、EM菌の散布と小川原湖の水質について直接的な関連性はないのではないかというふうに考えております。

  • 最終更新:2015-03-13 13:28:56

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